北濃駅

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この記事は、最終更新日よりおよそ 9 年 6 ヶ月経過しています。 公式サイトなどで最新情報を確認してください。(最終更新:2014年10月)

長良川鉄道越美南線の終着駅。美濃太田駅から72.1km、2時間ちょい。旧北濃村の中心駅で、現在は岐阜県郡上市白鳥町。郡上市の中心駅である郡上八幡駅からは25.2km、約40分。

本稿は特記ない限り2014年 3月27日時点の状況に基づく。#写真

無人駅。ホームは島式1面2線だが、使われている線路は片側のみ。

構内には手動式転車台(国登録有形文化財)が保存されている。

構内には「終点北濃駅 美濃太田より72.2km 海抜446m バスおのりかえ」という看板が建てられている。ちなみに美濃太田駅付近の標高は65mほど(地形図より)なので、越美南線の平均勾配は単純計算で5.3‰くらいとなるが、あくまで平地等も含む平均なので、車窓からは15‰の勾配標をよく見かける。

開業当初からの木造駅舎があるが、窓口は閉鎖されており、乗車券等の発売はしていない(入場券は美濃白鳥駅で販売している)。今はそば屋「花まんま」が営業している(9~16時、水・木曜日定休、メニュー紹介)が、筆者が訪れた日は残念ながら定休日だった。

美濃白鳥~北濃間

美濃白鳥駅より北はタブレット閉塞を採用しているが、美濃白鳥~北濃間は1閉塞になっており、途中に交換設備はない。美濃白鳥駅には駅員が常駐しタブレット授受を行っている。

路線バス

駅前には白鳥交通の「北濃駅前」バス停があり、石徹白(いとしろ)方面と、高鷲(たかす)・ひるがの(蛭ヶ野)高原方面(1便のみ高山市荘川町牧戸まで行き、高山方面の濃飛バスに乗り換えができる)が運行されている。

白川郷飯島(白川村役場のある鳩ヶ谷の少し先)まで行くバスは夏季のみ運行(それ以外の時季は郡上八幡から岐阜バス、または高山まで出てから濃飛バスを利用)。

ひるがの高原方面から来る美濃白鳥駅・郡上八幡駅方面行きバスは、ちょうど列車のない時間を補完するようなダイヤになっているので、散策する際は時刻を見ておくと良い。

石徹白方面のバス(1日3便、休日運休)は、朝1便を除き、北濃駅・白鳥駅で列車と乗り換えできる。つまり、北濃駅12:01着の列車から、同12:30発の石徹白方面行きバスに乗り換え、石徹白へ行ってすぐ戻ってくると、13:50に北濃駅に着き、次の列車に乗ることができる。(左記は2014年夏ダイヤ。11~3月は冬ダイヤに変更になる。)

周辺観光

列車は1~3時間間隔で、全便美濃太田駅行き。折り返し列車は20分ほど停車するので、「花まんま」が営業していれば軽く腹ごしらえできるし、乗りつぶしなら来た列車で戻るも良し、時間があれば次の列車まで散策するも良い。

駅前を見ると何も無いものの、少し歩けば下記のような場所があり、隣の白山長滝駅まで、ゆっくり歩いて2時間くらいは楽しめるのではと。次の列車までの2時間が長いと思うなら、白鳥までバスで出ることもできる。(平日6本、土休日5本。学休日等で変わるので駅前のバス停を見ておくと良い。)

長良川、白山長滝公園

北濃駅を出て、駅前の道路(飛騨街道、国道156号)を渡ると目の前に長良川が見える。その道路を来た方(南、美濃白鳥駅方面)に行くと少し線路から離れるが、道なりに数分歩くと北濃郵便局が見える。

郵便局から先(南)は「長滝」という地名になる。その地名にふさわしく、幾筋もの沢筋が、まるで滝のように長良川へと流れていく様子が見られる。筆者が訪ねた3月末には沢の周りなど日陰部分には雪が残っていた。

郵便局からもう数分歩くと白山長滝公園がある。ここには「白山文化博物館」と「道の駅白鳥」が併設されており、土産物店、食堂、トイレがあり、長良川へ降りることもできるようになっている。

白山長滝公園の南側出口を出てすぐ向かいに、長良川鉄道の白山長滝駅がある。

また、「白山長滝公園」「道の駅白鳥」の正面入口付近にはバス停「白山長滝」があり、美濃白鳥駅方面へ行くバスも利用できる(時刻は北濃駅前とほぼ同じ、土産物店に時刻表が貼ってあったので聞けば教えてもらえると思う)。運賃は美濃白鳥駅まで210円(2014年4月現在)。

長滝白山神社、長瀧寺

白山長滝公園から国道と線路を挟んだ場所に、長滝白山神社天台宗白山長瀧寺がある。

大きな社が目を引くが、神仏分離令の後も同じ境内に(社こそ分かれているものの)神社と寺院が共存している様子を見ると、筆者は少し安心する。

境内は広く針葉樹林で覆われており、山裾に包まれるように大きな社が建っている。何かの記念で整備されたらしい案内板が所々に設けられており、湧き水もある。一周すると15~30分くらい。

神社から表参道へ歩き、一の鳥居(たぶん)をくぐってすぐ左手に白山長滝駅がある。駅前の標柱には「表本宮 白山神社」と書かれている。

白山長滝駅

無人駅、駅舎や交換設備のないいわゆる棒線駅。待合室にはイスはあるが扉は無い。ホームは山側にある。北濃駅から1.2km。

長良川鉄道の開業時に設置された駅で、長滝白山神社の表参道口にあり、白山長滝公園へも徒歩すぐ。北濃駅から歩いても15分ほど。

訪れた日は天候に恵まれ、北側正面にまだ冠雪したままの大日ヶ岳がはっきり見えていた。この辺りはまさに奥美濃で、大日ヶ岳より北は旧飛騨国、西は旧越前国になる。

白鳥高原駅

ちなみに、もう10分ほど歩くとひとつ先の白鳥高原駅(旧二日町駅)に出られるが、白鳥高原駅周辺は民家が多いので、駅を見落とさないように。こちらも無人の棒線駅。

越美南線

国鉄時代、越美線美濃太田駅から福井越前花堂)駅までを結ぶ鉄道路線)の一部として開業。国鉄の赤字が問題視された頃に建設が打ち切られてしまう。旧越前国と旧美濃国を結ぶ計画の同線だが、両側ともその越美国境の目前で線路は途切れたままになってしまった。

その後、国鉄分割民営化の頃に福井県側の越美北線はJR西に引き継がれて運営されているが、南側は切り離されて第三セクター長良川鉄道になった。 以前は両線を連絡するバスが運行されていたが、廃止されてしまった。

越美北線への連絡

北濃駅から越美北線九頭竜湖駅へ乗り継ぐ場合、白鳥交通の路線バス(郡上市コミュニティバス、日祝日は運休)石徹白(いとしろ)線に乗り「下在所」下車。

ここから福井県大野市の「家族旅行村」バス停までは約12km。概ね緩やかな下り坂で、2~3時間もあれば歩けるかと。ただし豪雪地帯につき冬季通行不可。

「家族旅行村」からは大野市営バス前坂線(日祝日・冬季は運休)がある。要予約便があるので前もって時刻表を確認し、麓にいるうちに電話しておくこと。(山中では携帯電話をあてにしないこと。)九頭竜湖駅で列車との接続が悪いが、九頭竜湖駅前は和泉地区の中心地で、土産物店などがある。

例:北濃駅12:30発―(白鳥交通バス)→下在所12:59…徒歩12km…家族旅行村16:30発―(大野市営バス前坂線)→九頭竜湖駅16:45着。18:35発の福井行き最終列車に乗れる。

幻の乗車券

2014年8月より数量・期間(約1年後まで)限定で「越美南線全線開通80周年記念乗車券」を発売しているが、その台紙には北濃←(越美線経由)→九頭竜湖間の「幻の乗車券」が付いているよう。

10,000円で、1日乗車券が4枚付いている。友人と分けたり、2人で2日間など旅行する際には、ネタ抜きでもお得かもしれない。

旧石徹白村

越美線が通るはずだった地域。石徹白駅ができていれば白山連峰登山口として賑わったのだろうか。

白山長滝駅前にある長滝白山神社を入口とする美濃禅定道(石徹白道、白山南縦走路)で最も白山に近い集落。白山中居神社がある(バス終点「上在所」下車すぐ)。さらに登山道を行くと石徹白のスギ(国指定特別天然記念物)がある。

以前は越前国大野郡に属していたものの、郡上藩の領地で、おそらく郡上郡の方と交流が深かったのだろうが、いろいろあって一旦は福井県になるも、1958年に越県合併し岐阜県郡上郡白鳥町(現在の郡上市)になったそうな。

ここを流れる石徹白川は九頭竜川水系。つまり分水嶺になる峠(桧峠、旧県境)はバスで越えており、下在所→家族旅行村の道程は概ね下り坂となる。

もうひとつの峠道?

石徹白線の終点「上在所」から橋立峠(野伏ヶ岳方面)を越えて大野市打波の「中村口」バス停(大野市営バス白山線、大野駅~勝原駅~鳩ヶ湯)まで歩く道もあったらしいが、以前どこかで聞いた話、斜面崩壊などで峠道として機能していないということ(新しい地形図を見ると道も消えていますね)。

他に、地形図を見ると、北濃駅の南側から入り、毘沙門岳と西山の間の峠(標高1170mほど)を越える道(北濃駅から「家族旅行村」バス停まで24kmほど)が見えるが、ここは今どうなっているんだろうか…標高差700m、道程24kmもあるので、もし道が残っていたとしても歩いて越えるのは厳しいだろうけど。

自転車で峠越え

北濃駅から九頭竜湖駅まで、高低差は約500m、距離は約40km。

北濃駅は標高450mほど、桧峠が950mほど、下在所は670mほど、家族旅行村付近は540mほど、九頭竜湖駅は430mほど。

ちなみに長良川鉄道は「サイクリング列車」(列車・区間限定、無料、要予約)に限り輪行袋無しで自転車を持ち込める。もちろん輪行袋を使えば全線・全便持ち込みOK。

高鷲町、ひるがの高原

美濃白鳥駅より、北濃駅前、旧高鷲町の中心部を通り、蛭ヶ野(ひるがの)までバス路線がある。うち1本は市境を越えて高山市荘川町牧戸まで運行し、濃飛バス高山方面行きに連絡する。

ひるがの高原は長良川と庄川水系(支流の御手洗川、高岡市内で日本海に注ぐ)の源流地域で、両水系の分水域。蛭ヶ野峠には「ひるがの分水嶺公園」や長良川源流碑(地形図では標高875m)がある。

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参考

越美北線方面

写真

140327m3_北濃…白山長滝(2014年3月27日に訪ねた時の写真アルバム) スライドショー

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