EarsOpen PEACE

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earsopen “PEACE”
EarsOpen PEACE Black iPod Shuffle.jpg
有線モデルと iPod Shuffle
メーカー boco
発売日 2019年12月~
ユニット 骨伝導 ⌀10mm
インピーダンス
再生周波数 4-40,000Hz
接続 有線/無線
端子 (有線)⌀3.5mm 4極ステレオミニプラグ
通信方式 (無線)Bluetooth 5.0
対応OS 汎用
サイズ ケーブル長 (有線)Y型 1m / 本体重量 (有線)8 g (無線)15 g
騒音軽減機能 ×
音質(主観) △ 従来品と同じ感覚で聴くと辛いが、骨伝導としては良い
装着感(主観) △ 耳の形・大きさと体質次第?→#装着感と音質
音漏れ(主観) ○ 少なめ
リモコン ○ 再生/停止、音量大・小
通話用マイク
防水 ○ IPX7
本体色 □ホワイト ■ブラック
参考市価 本文参照
GREEN FUNDING

earsopen “PEACE”(イアーズオープン ピース)は、boco社が開発・販売する骨伝導イヤホン(ヘッドホン)。音楽用(有線/無線)と聴覚補助用(無線)の3機種が展開されている。

2019年7月よりクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で募集開始、その支援者には2019年12月下旬より商品が届き始めている。各機種ともカラバリはホワイトとブラックの2色。

有線モデルは12月下旬音楽用無線モデルは12月末~1月、聴覚補助用無線モデルは2月頃予定。

本機種の一般発売の時期・販路は不明だが、一般販売価格は有線モデルが約10,980円、音楽用無線モデルが約28,900円(いずれも10%税込換算)と案内されている。

なお、本機はまだ一般発売されていないが、同社earsopen(eo)シリーズの従来製品は家電量販店などですでに販売されており、試聴できる店もある(下写真)。

boco社の従来製品(骨伝導ヘッドホン)は大手家電量販店で販売されている

特徴

有線モデルの製品本体とパッケージ

音楽鑑賞用の骨伝導イヤホン。骨伝導でありながら音楽鑑賞用のチューニングになっている。

また、製品シリーズ名に EarsOpen (EO) と銘打たれているように、外音を塞がないことを特徴としている。

つまり周りの音も音楽も聞こえることが売りの製品なので、ノイズキャンセルのような機能は無いし、道路沿いなどの騒音を遮る用途にはそもそも向かないし、繁華街などの騒がしい場所では聞きづらい。

一方で気になる音漏れは低減されており、すぐ近くまで耳を近づければ聞こえるが、隣に座った程度の距離では気にならないだろう。

もちろん音量を上げれば音漏れはするので、図書館などの静かな所では音量に気をつけたい。

骨伝導

従来の骨伝導技術では聞こえる音域が狭い等の課題があり、民生用では補聴器・集音器やテレビ視聴用などの商品が市販されてはいたが、音楽鑑賞用にはあまり使われてこなかった。

近年技術改良が進み、音楽鑑賞用イヤホンが登場し始めている。

音楽用骨伝導ヘッドホンで先行するAftershokz社製品は国内でも販売されており、店頭で試聴できる

音楽用骨伝導ヘッドホンの先駆けとなる製品は米国Aftershokz社が発売しており、筆者も試したことがあるが、オープン型では本機と共通しているものの、音漏れが大きいため、スポーツ用には良いのだろうが、街中で使うには憚られる課題があった。

また、好き嫌い・向き不向きの問題になるが、スポーツ用のためか筆者には装着感がきつく、常用するには厳しいと感じた。

とはいえ、Aftershokz社の製品は国内代理店を通じて広く流通しており、家電量販店などで試聴・購入しやすいメリットがある。

一方で、本機はまだ一般発売されておらず、店頭に並んでいないので、音楽用骨伝導ヘッドホンに興味がある人にはまずboco社の従来製品やAftershokz社製品を試聴してみて、これらが合わなかった人には本機を試してもらうと良いと思う。

装着感と音質

製品本体(有線モデル)

骨伝導ならではの振動感と、少々こもった感じは残る(言い替えると、音の伸びや響きは控えめだ)が、骨伝導が苦手としていた低音が出るようになっていて、音楽の雰囲気は充分楽しめるまでに改善している。慣れると耳の疲れもあまりない。

用途次第で、静かな部屋で音楽鑑賞に集中するといった聴き方に向く製品ではないが、またよく聴く曲のジャンルや場面にもよるだろうが、静かな街中や作業中の「ながら聴き」には適していると思う。外音と音楽を聞き分けることができるし、むしろ現在一般的なカナル型よりも良いと感じた。

音質は装着場所(骨伝導ドライバーが当たる位置)によって大きく変わるので、耳の形が本機に合うかどうかにもよる。装着場所を変えながら試してみて、数日使って慣れれば普通に使えそう。条件が合えば、音楽用として違和感なく楽しめるのではと思う。

また、本機は耳に挟む形で装着するので、長く使っているうちに耳が痛くなることもあり得る。そこは個人差なので、使ってみて判断するしかないだろう。

合う合わないは人それぞれ

どんな種類のイヤホンにも向き不向きがあって、例えば筆者は今流行のカナル型が苦手で疲労するので使わ(え)ない。

筆者はドイツSENNHEISER社製の伝統的なインナーイヤー型イヤホンを長く愛用していたが、同社もご多分に漏れずカナル型に移行してしまったため、古い同社製品を延命しながら使っていた。 (1MORE E1008 なども使っている音漏れが大きいため、外では古い製品をずっと使っている。)

一方でオープン型では ambie sound earcuffs などの新しい製品も試してみたが、筆者の耳には合わなかったようで装着感が悪く(外耳の装着箇所が痛くなってくる)、耳に合わないと聞こえが悪く&音漏れも大きく、早々に手放してしまった。

装着方法だけに留まらず、骨伝導の場合は特有の振動が苦手という人もいる。

慣れで何日か使ってみないと聞こえが良くならない面もあるものの、合わない物を常用すると通常のイヤホン以上に疲れることもあるので、無理をせず、体質に合わないと思ったら手放すことが肝要だ。

試聴の際の注意点

本機はまだ一般の販売店等で発売されていないが、東京・銀座に直営店「boco STORE Ginza」があるようなので、東京近辺に出掛ける機会がある人は、試聴できるか問い合わせてから出かけると良いだろう。

骨伝導の場合、装着場所によって聞こえ方が全く違ってくるので、まずは装着の仕方を工夫することが必要。耳たぶの少し上に嵌めるようにして装着し、骨伝導ドライバーが耳裏の軟骨に当たると良いのだが、耳の形によるので、実機で試しながら、ちょうどいい場所を探してみることになる。

筆者が使っていても、日によって聞こえ方が違うので、面白いというか、難しいというか。

耳の形や大きさによっても装着感や音質が変わってきて、例えば単に装着しただけだと高音がシャカシャカ鳴っているだけだが、手を添えてやるとよく聞こえる場合もある。本体前方の小さい方で中高音が、後方の大きな方で低音が出るので、片方だけ当たっている状態だと偏った聞こえ方になる。両方がうまく当たるかどうか、両方がうまく当たる場所で使っていて耳が痛くならないかを確認したい。

また、従来の空気伝導を利用するヘッドホンとは聞こえ方が異なるので、慣れが必要。最初は違和感があっても、何日か使っているうちに普通に聞こえるようになってくるので、初めて試聴する際は音質は少し割り引いて考えると良いだろう。

むしろ使っていると耳が痛くなる(装着感が合いそうにない)だとか、常用できる音量にすると振動が不快で気分が悪くなるといったことがあると、長く使えないので、気をつけたい。

音漏れの具合については、常用する程度の音量で音を出した状態で、耳から外せば確認できる。

有線モデルと無線モデル

筆者は普段 iPod Shuffle を愛用しているので有線モデルを購入しているが、もちろん Bluetooth(無線)モデルもある。

有線モデルはリモコン付きで通話にも対応

端子は⌀3.5mm 4極の一般的なミニプラグ。 右側のケーブルにリモコンを備えており、再生/停止と、音量大・小の3つのボタンがある。Androidスマートフォンはもちろん、iPod Shuffle でも使えた。

有線モデルに付属のアンプ

しかし、骨伝導ドライバーの駆動に電力が要るのだろうが、かなり音量を上げないと聞こえてこない。幸い、iPod Shuffle では単体でも常用できる程度の出力を得られたが、出力が足りない機器で使う場合はアンプが必要になる。支援者向けにはおまけにアンプ(右写真)が付いていたが、メーカー側もそうした反応を予期していたのだろう。

ただし、おまけのアンプを使った場合、高音が強く増強され、低音が聞こえにくくなる傾向が感じられた。これも好みの問題になるだろうし、通話用など人の声を重視する用途には良いだろうが、手持ちの機器でどのような聞こえ方になるかは、試聴できる場所で試してみると良いだろう。

また、プレーヤー単体で聴ける場合も、音量をかなり上げた状態にしないと実用的な音量にならないので、スピーカー内蔵の機器では、意図せずプラグが外れたときや、外した後で再生したときに、大音量が鳴り響くことにならないよう要注意。

リモコン部分にマイクも内蔵されており、スマートフォンにつなげば通話もでき、イヤホンマイクとしても使える。通話しながら外の音も聞こえるので、業務等で通話が多い人にも良さそうだ。

ただし、本機は骨伝導だが音楽用なので、人の声が強調されたチューニングではない。通話専用に使うならば通話用のイヤホンマイクを購入する方が良いだろう。

また、耳に装着する本体はIPX7等級の防水設計となっているようだが、端子やリモコンは濡らしてはいけない。防水のスマートフォンと組み合わせて風呂場で使いたいといった場合には、無線モデルを選ぶ方が良いだろう。

無線モデルは完全ワイヤレス

無線モデルの本体と充電器イメージ

Bluetooth 5.0 に対応。完全ワイヤレスなので、専用の充電器を使って充電しながら使う、Apple AirPodsHuawei FreeBuds のような今流行りの製品ジャンルに入るが、本機は耳に挟む形で装着するので、AirPodsで問題になっているような落下・紛失の心配は無いだろう。

また、本体はIPX7等級の防水設計になっているという。

開発中の改良で無線モデルにも本体底部に操作ボタンが追加され、再生/停止などのリモコン操作が可能になった。通話用マイクも内蔵しており、HFP・HSPに対応しているので、対応するスマートフォン(Android, iPhone)での通話が可能。

無線モデルは内蔵電池で駆動するので、再生機器側の出力に影響されない反面、公称で満充電からの連続動作時間は約4時間。他社の従来製品(ノイズキャンセル無し)がだいたい5時間くらい(ノイズキャンセル機能付きの場合は4時間くらい)に対し、本機も頑張ってはいるが、ドライバーの電力消費が大きいぶん、電池持ちが短くなっていそうだ。

聴覚補助モデル

本機は音楽鑑賞用のほかに、同シリーズで聴覚補助モデルも製品化されている。 こちらは無線モデルのみで、通話用のほかに集音用マイクを備えている。

鼓膜の疲労などで起きる伝音性難聴の場合、骨伝導を使って聴覚を補助できる可能性があるため、製品化されたようだ。

ただし、本機は補聴器ではなく(そもそも補聴器は管理医療機器となるため一般の店舗では販売できない)、Bluetooth HAP(Hearing Aid Profile、補聴器プロファイル)に対応しているわけでもなければ、MFi (Made For iPhone) 補聴器として動作するわけでもないし、FCCHAC(Hearing Aid Compatibility、補聴器両立性)試験(補聴器と一緒に使えることを確認する試験)を通った機器でもない。医療機器ではない「集音器」として販売されている商品の一種と言えるだろうか。

完全ワイヤレスのため、頻繁な充電が必要になるといった課題はあるが、音楽用イヤホンと大差ない(≒目立たない)形状で聴覚を補助できる可能性があるという。補聴器を付けるほどではないが、近頃耳が遠いと感じるようになった人は、試してみるのも良いのではなかろうか。

参考