大川ダム公園駅

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会津鉄道会津線
大川ダム公園
おおかわだむこうえん Ōkawa-Dam-Kōen
福島県会津若松市
芦ノ牧温泉 (5.7km) (1.5km) 芦ノ牧温泉南

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17l6424
18z7998
管轄 会津鉄道.png会津鉄道
配線 1面1線
有人駅 × 無人駅
出札窓口・券売機 × 車内で整理券を取って下車時精算
待合室
駅ノートあり(待合室内)
○ 施錠されていて入れないこともある
路線バス ×
タクシー 芦ノ牧温泉街から呼出(若松タクシー芦ノ牧営業所 0242-92-2211
シェアサイクル・レンタサイクル ×
コインロッカー ×
トイレ × 最寄りは大川ダム公園内(徒歩約10分、冬季閉鎖)
飲料自動販売機 ×
売店 ×
携帯電話圏内 ドコモ au SB(2020年11月)
みどころ
桜
紫陽花
紅葉
秘境
大川ダム公園駅


大川ダム公園駅(おおかわだむこうえんえき)は、福島県会津若松市にある会津鉄道会津線

駅周辺

無人駅だが花壇がきれいに手入れされており、春は桜、初夏は紫陽花、秋は周囲の山が一面の紅葉に彩られる。

当駅のキャッチフレーズは「山間の太陽光発電所」。まさに駅前には山と太陽光発電所しかない。

駅名にもなっている大川ダム公園は徒歩10分ほど。秋に訪れれば、紅葉に染まった遊歩道をほぼ貸切状態で楽しめる穴場。

また、隣の芦ノ牧温泉南駅までは歩いても40分弱なので、もし時間が余ったら、1駅歩くのも良い(ただし熊鈴を用意しよう)。

駅前には朽ちかけた若郷湖東公園の案内板が立っているが、その他には何もない。待合室はある(駅ノート設置)が、施錠されていて入れないこともある。自販機やトイレは無い。駅前に水栓がひとつあるが、蛇口をひねっても水が出ない。春夏はバルブを開けてしばらく待っていると水が出てくることがあるので、井戸なのかもしれない。

駅の出口は登り階段 待合室があるが閉鎖されていることも
駅の出口は登り階段 待合室があるが閉鎖されていることも

通年乗降できるが、後述の大川ダム公園は冬は閉鎖され、トイレも利用できない。集落があるので除雪はされていると思うが、急坂でアイスバーンになるだろうから歩くのもお勧めしない。湧水も雪に埋もれ、冬は次の列車が来るまで何もできないので気をつけたい。

路線バスは無く、タクシーは呼べば来てくれるかもしれないが、険しい渓谷を越えた先にある奥まった陸の孤島のような場所なので(歩いてみればわかる)、会津線の駅が無かったら訪ねることも無かっただろう。

かつて江戸時代には会津中街道の街道筋だった。舟子峠を通る新道が開かれ、当駅付近を通っている。しかし後に国道が大川対岸をトンネルで抜けるようになり、ここは陸の孤島のようになってしまった。今も舟子峠の新道は歩いて抜けることはできそうだが、廃道寸前だという。舟子峠からの大戸岳への登山道も廃道になってしまったそうだ。

今となっては当駅がこの地域のほぼ唯一の出入口のように思うが、当駅の利用者は少ないようで(実際に何度も訪ねているが他に乗降する人を見たことが無い)、昼間の快速列車は通過するし、日暮れ後は辺り一帯が闇に呑まれるので、訪問は計画的に。乗り遅れには気をつけよう。

舟子集落

大川(阿賀川)の渓谷右岸の斜面に張り付くように駅があり、駅の出口は登り階段になっている。

駅を出て左手に数分歩くと、(上)舟子ふなこ集落がある(民家数軒)。店などは無い。大字は(大戸町おおとまち大川おおかわ

大川ダム建設前の旧・会津線はこのあたりを通っていたようだ
大川ダム建設前の旧・会津線はこのあたりを通っていたようだ

大川ダムが造られる以前の会津線はもう少し下の方を走っていて、集落名を冠した舟子仮乗降場が置かれていたという。 1974年の1/2.5万地形図「上三寄」を見ると(図歴(旧版地図)でも見られる)、ちょうど今の大川ダム資料館がある辺りに(下)舟子集落があり、線路はその山側を通っていたことがわかる。

当駅付近より南側は、大川ダム建設により付け替えられた新線
当駅付近より南側は、大川ダム建設により付け替えられた新線

つまり、会津線旧線は今の大川ダム公園のモミジ林あたりを走っていて、この辺りに旧駅があったのだろう(大川ダム資料館に行くと旧駅の写真が展示されている)。

当駅の北側(若松側)は昔からの線路だが、当駅付近から新線に付け替えられており、南側(田島側)のトンネルはダム工事に伴い付け替えられた新線だ。しかし地形図を見ると、現在の駅付近にも当時から集落があり、その規模はあまり変わらないように見える。

元の舟子駅があった辺りの下舟子集落は、水没こそしなかったようだが、ダム用地になったため、他の場所へ移転したそうだ。若郷湖東公園の入口付近に建つ碑がひっそりと今に伝えている。

舟子のカツラと湧水

駅前の舟子集落から少し山の方へ入って行くと、「舟子のカツラ」というの巨木があり、その根元に湧水が出ている。

駅の南側から舟子峠へ向かう旧道を歩いて行くと、伊豆神社の手前あたりに「桂の樹と清水」という張り紙があるので、おそらくここから山へ分け入れば最短コースなのだろうが、藪になっていて、あまり気乗りしない。

旧日光街道(南山通り)が通行不可になったために開削された「南山松川通り」、つまり新道なのだそうだ。ただし国道になってバイパスができて以降、舟子峠は廃道寸前になっているとか。

伊豆神社の少し先に、右に分かれる道(林道舟子線)があるので、そこを登ってゆくと、10分ほどで辿り着く。林道沿いにあるので、容易に辿り着ける。少し回り道になるが、林道を歩いて行く方が良いだろう。ただし熊が出るようなので、熊鈴を用意して行こう。

ちなみに舟子集落の中にも湧水があるようだが、残念ながら見つけられていない。

沼尾集落

大川を挟んで対岸には沼尾ぬまお集落がある(民家10軒ほど)。直線距離は数百メートルだが、大川の深い谷を降りて橋を渡り、また山へ登り返すので、道なりに歩くと2-30分。

ちなみに駅側の舟子集落は会津若松市だが、対岸の沼尾集落は下郷町になる。下郷町の北端の集落だ。大字は沼崎ぬまざき

ちなみにダムが出来る前(1974年)の地形図を見ると、ここに集落は無い。ここもダム建設に伴い移転してきた集落のようだ。

大川ダム公園(若郷湖東公園)

紅葉の穴場
紅葉の穴場

駅から5分ほど歩くと大川ダム公園が見えてくる。

いつ行ってもほとんど人気のない公園だが、秋に訪れると一面の紅葉の中を散策できる。

駅から近くて手軽に歩け、遊歩道はよく整備されていて、水場と公衆トイレもある。 紅葉の時季に会津鉄道へ出かけたら、ぜひ当駅で途中下車して、次の列車までの1時間(ないし2時間)で散策すると良い。

ただし近隣に店舗は全く無いので、弁当などは駅などで買って行こう。 また、公園内にも熊が出ることがあるようなので、列車から降りたら熊鈴を装備して歩こう。

アジサイミズバショウなども見られるので、初夏に訪れるのも良いだろう。

普段は人気のない公園だが、毎年8月初旬に恒例の「若郷湖さわやかフェスティバル」が開催され、ステージイベントや露店などが出て賑わう。

冬は閉鎖されて利用できない。(園内のトイレや、大川ダム管理事務所に併設されている資料館も閉鎖される。)

大川ダム公園の紅葉
大川ダム公園の紅葉


芦ノ牧温泉

列車からわずかに見える芦ノ牧温泉街
列車からわずかに見える芦ノ牧温泉街

芦ノ牧温泉街に歩いて行くなら、当駅が最寄り駅になる。 当駅から温泉場までは道なりに4kmあるので1時間ほど見ておくと良いが、初夏は新緑、秋は紅葉が美しいので、歩くのも良い。

大川ダム公園の方へ降りてゆき、橋を渡って対岸の沼尾集落の下を通り抜け、大川(阿賀川)沿いの渓谷左岸の崖のような斜面に付いた狭い道路を歩いてゆく。

30分ほど歩くと国道118号の派手な陸橋が見えてくるが、無視して旧道をそのまま歩いてゆく。大川発電所バス停(向かいに星商店)付近で国道に合流するので横断し、バス停(転回場)の少し先で右手に分かれる旧道に入ってゆき、真っ暗なトンネルをくぐり抜け、森の中を道なりに歩いてゆくと、温泉場の山をぐるっと回って、丸峰観光ホテルの裏手に出る。丸峰観光ホテルの向かい側が会津バス芦の牧車庫

往復歩くのはきついので、帰りは会津バス芦の牧線を利用すると良い。

ちなみに、季節運行・土休日限定ではあるものの、芦の牧車庫から大内宿行きの路線バス(会津バス)が運行していたのだが、2020年はバスツアー(要予約)に変わってしまったようで、利用できなくなってしまった。残念。

参考リンク

会津鉄道会津線
大川ダム公園
おおかわだむこうえん Ōkawa-Dam-Kōen
福島県会津若松市
芦ノ牧温泉 Ashinomaki-Onsen Ashinomaki-Onsen-Minami 芦ノ牧温泉南