阿武隈急行

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📅 筆者の最終訪問時期:2019年春
本稿は、2019年春、またはそれ以前の情報です。
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8100系電車 1988年の開業時に一括導入された交流電車。2019年7月より新車(E721系ベースのAB900系)への置き換えが始まった。
8100系電車 1988年の開業時に一括導入された交流電車。2019年7月より新車(E721系ベースのAB900系)への置き換えが始まった。

阿武隈急行(あぶくまきゅうこう)は、福島駅福島県福島市)から槻木駅宮城県柴田郡柴田町)までを結ぶ鉄道路線。全線単線(東北本線共用区間を除く)、全線電化。略称は「阿武急あぶきゅう)」。

福島駅と仙台駅を結ぶ東北本線と並行しているバイパス的な路線で、東北本線が山越えルートを採っているのに対し、本線は阿武隈川に沿って走り、伊達市角田市などの市街地を通り、駅数も多い。

福島~槻木間の営業キロはどちらも54.9kmだが、所要時間は東北本線の53分に対して阿武隈急行では80分ほどかかる。山間部を走る東北本線に対して本線は市街地を走り駅数が多いことと、単線のため列車交換待ち時間が加わることがあるのだろう。

運賃は、短距離ではJR東日本の幹線運賃より割高に設定されているが、全線乗車した場合はJR東北本線の運賃と同額になっている。

沿線風景

福島駅

福島駅は福島交通と阿武隈急行が共同利用しており、両社の出札窓口が並ぶ
福島駅は福島交通と阿武隈急行が共同利用しており、両社の出札窓口が並ぶ

JR福島駅東口を出て左手に少し歩くと、駅ビルの隙間に狭い入口が見えてくる。福島交通飯坂線と共通になっていて、改札前には両社の出札窓口が並んでいる。

※雨の日などは駅ビルの中を通れば濡れずに行ける。両方の乗車券類を持っている場合は構内の連絡改札口を通ることもできるが、JR在来線との乗り換えには10分以上余裕を見ておく方が良い。

阿武隈急行には2018年6月鉄道むすめ丸森たかこ」が誕生し、福島駅にも等身大パネルが設置されている。グッズ類は完売しているものも多く、人気があるようだ。

運行本数は、全線を走る電車が概ね毎時1本と、富野または梁川までの区間運転の電車が毎時1本弱設定されている。東北本線も福島~仙台間は毎時1本程度なので、運行頻度は大差ない。

福島駅は福島交通飯坂線と共通だが、電化方式が異なるため、相互に乗り入れはできない
福島駅は福島交通飯坂線と共通だが、電化方式が異なるため、相互に乗り入れはできない

阿武隈急行は旧国鉄の建設線(丸森線)を引き継いで開業した経緯から、本線の線路はすぐ隣を走る東北本線につながっており、福島~卸町間はJR東北本線と線路を共用している。

一方で、開業の経緯(福島交通バスの営業基盤を引き継いで開業しており、当初は福島交通が過半数の出資をしていた)や改札の都合から、福島駅は福島交通飯坂線と共通になっている。

本線は東北本線に合わせて交流電化を採用しており、飯坂線は地方鉄道で一般的な直流電化を採用しているため、ひとつの島式ホームを共用しているが線路は分かれていて、相互に乗り入れはできない。

本線は一部の人家まばらな山間部を除き、全区間にわたって短い駅間になっており、こまめに駅を設置して地域住民の利用に配慮している。福島市内は概ね住宅地で、卸町、福島学院前、瀬上、向瀬上と中間駅が概ね1kmごとに設置されているが、福島~卸町間は東北本線と線路を共用していることから、都市部にありながら駅間が5.6kmと長くなっている。

卸町駅や福島学院前駅はJR東福島駅から近いが、電車の本数は阿武隈急行の方が多いこともあってか、短距離の乗客も多い様子。

福島市内の住宅地を抜け、阿武隈川を渡るあたりから農地が見え始める。

伊達なトレインプロジェクト「政宗ブルーライナー」
伊達なトレインプロジェクト「政宗ブルーライナー」

伊達市

阿武隈川を渡るとすぐに市境を越えて伊達市に入る。肥沃な福島盆地に田畑が広がり、果樹園も多い。しばらくは農地の中を走るが、再び住宅が増えはじめ、旧保原町の中心地・保原駅は利用者が多い。

「政宗ブルーライナー」車内 キャラクターと沿線の観光案内が随所に配置されている
「政宗ブルーライナー」車内 キャラクターと沿線の観光案内が随所に配置されている

伊達市は2006年に旧伊達郡の保原町、梁川町などが合併してできたばかりの市だが、伊達氏発祥の地であり、また戦国時代までは米沢とともに伊達氏の拠点であった(伊達政宗の時代に大崎に転封された)ことから、関連する史跡が多く、伊達氏の史跡をまちおこしに使っている。

2016年には伊達政宗をモチーフにしたご当地アニメ『政宗ダテニクル』も制作され、これにちなんだラッピング電車「政宗ブルーライナー」も走っている。ラッピング電車の運行予定はホームページに掲載される。

やながわ希望の森公園前駅の駅名標だけ、通常の倍くらいの長さがある。1988年開業の前年に建設されたことを示す年月が刻まれている。
やながわ希望の森公園前駅の駅名標だけ、通常の倍くらいの長さがある。1988年開業の前年に建設されたことを示す年月が刻まれている。

梁川を出ると車窓には山が迫ってきて、阿武隈川が再び視界に入ると、じきに盆地から渓谷へと入ってゆく。

阿武隈渓谷と丸森町

多くの乗客は伊達市内の梁川あたりまでで降りてしまい、県境を越えて丸森町に入ると、電車は最も空いている区間だが、車窓は彩りが増してくる。

あぶくま駅周辺は宮城県の阿武隈渓谷県立自然公園[1]になっており、車窓両側に山が迫り、春の桜から新緑、秋の紅葉まで楽しめる。

あぶくま駅付近は人家まばらな観光駅で、阿武隈川に面した休憩所と丸森町地域産業伝承館がある。夏にはビール飲み放題・焼肉食べ放題の納涼列車「あぶQ★ビアガー電」が開催される。

丸森町ではこの渓谷区間で阿武隈ライン舟下りを行っている。

丸森駅は町外れにあって、町の中心部へは歩くと30分ほどかかる。駅で無料のレンタサイクルを実施するとともに、町営バス(平日と土休日で路線が異なり、冬季は土休日運休になる)も走っているので、出掛ける前に調べておくと良い。

丸森町では、普通乗車券で阿武隈急行に乗って丸森駅まで乗ってきた観光客が「阿武隈ライン舟下り」や「蔵の郷土館齋理屋敷」を利用すると、町内で使える買物券500円分を進呈するサービスを実施している。丸森駅の改札窓口で切符に「無効印」を捺してもらって持参する必要があるので、丸森駅で降りたら改札係員に声をかけよう。 →阿武隈急行利用促進協議会

電車は丸森で少し乗降があり、角田から先はまた乗客が増える。県境を挟んで乗客流動が変わるが、乗り通す客もちらほら見られ、伊達市付近から仙台仙台空港などへ向かう乗客なども一定数いるのだろう。

電車の運行もそれに合わせて、全線通しで運行する毎時1本程度の電車に加え、丸森~槻木間の区間便が設定されている。

伊達政宗と牟宇姫

角田市に入ると車窓は再び平地の景色になり、田畑に加えて住宅も増え始める。車内は仙台方面へ行く乗客が増えてくる。

角田駅は市街地の西端にあり、コミュニティプラザと合築の大きな駅舎で、観光物産センターも入居ている。 角田市には民間路線バスも市営バスもないが、町中は平らなので、レンタサイクルが便利。

伊達政宗の娘「牟宇姫(むうひめ)」が角田に嫁いできたということで、まちおこしのシンボルになっている。

槻木

東北本線と再び合流する槻木駅はJRと共通だが、阿武隈急行専用ホームに到着し、中間改札があるので(無い時間帯は車内改札)、そこで「清算済証」を受け取る(仙台直通電車では車掌が乗務し車内改札が行われる)。

槻木駅にはみどりの窓口が設置されているが、阿武隈急行の企画券は購入できないので要注意。(次に有人駅で降りる場合は降車時に購入で対応してもらえる場合もあるが。)

槻木駅周辺は住宅地になっているが、柴田町の中心は東北本線の船岡駅周辺なので、槻木駅前には数分歩いた所にスーパーがあるくらいで、商店街などは見られない。駅舎(改札外)ではNewDaysが営業している。

鉄道むすめ丸森たかこ

鉄道むすめ「丸森たかこ」
鉄道むすめ「丸森たかこ」

2018年6月に誕生した鉄道むすめ。槻木を除く各有人駅に等身大パネルが設置されている。グッズ展開も始まり、売れている様子

2019年3月からの全国鉄道むすめ巡りスタンプラリーに初参加。

スタンプ押印は丸森駅の出改札窓口に声をかけると出してもらえる。窓口営業時間は毎日6:00から20:40頃まで。

グッズ類は槻木駅を除く各有人駅(福島、保原、梁川、丸森、角田)で扱っている。

【窓口営業時間】(2019年春現在)

  • 福島駅 - 5:40 ~ 23:10
  • 保原駅 - 6:00 ~ 22:15
  • 梁川駅 - 6:30 ~ 19:50
  • 丸森駅 - 6:00 ~ 20:40
  • 角田駅 - 5:30 ~ 23:20


お得なきっぷ

1日乗車券は種類こそ多いが、期間や対象者を限定した設定しかなく、支払いも現金しか使えないため、不便がある。

年齢等に制限のないものでは、毎月第1日曜日と元日・鉄道の日に発売される「フリー乗車券」は600円、毎月9がつく日は「あぶ急トクだねきっぷ」が900円。うまく日程が合えば、とてもお得なので利用したい。

同じ日に福島交通飯坂線と両方乗る場合は「飯坂温泉日帰りきっぷ」が 1,500円で通年発売されており、共同浴場の入湯券も付いて、かなりお得。

各種企画券は、阿武隈急行の有人駅(福島、保原梁川丸森角田)で窓口営業時間に購入できる(現金のみ)が、槻木駅では購入できないので要注意。

他に、JR東日本の「週末パス」を全線で、「仙台まるごとパス」を槻木~あぶくま間で利用できる。

駅一覧(各駅へのリンク)

  • 正確な情報は、最新の時刻表公式ホームページなどで確認してください。
  • リンクが赤色の駅は、本サイトでは現時点で該当記事がありません(準備中または執筆予定無し)。近隣のリンクが青色・紫色の駅の記事をご覧ください。
  • 阿武隈急行では、SuicaなどのICカードは利用できません。乗車前に切符を購入するか、現金での精算が必要になります。
駅名 駅間キロ 累計キロ 接続路線・備考 出札 配線 所在地
福島駅
ふくしま
- 0.0 Pictogram Railway.pngJR東北新幹線山形新幹線東北本線奥羽本線
Pictogram Railway.png福島交通飯坂線
Pictogram Bus.png福島交通
Pictogram Bikeshare.pngももりんレンタサイクル
福島県
福島市
矢野目信号場
やのめ
- 4.7 (乗降不可)
線路を共用している東北本線との分岐点
-
卸町駅
おろしまち
5.6 5.6 Pictogram Railway.pngJR東北本線東福島駅」(徒歩7分)  
福島学院前駅
ふくしまがくいんまえ
0.9 6.5 Pictogram Bus.png福島交通「福島学院前」(徒歩5分)  
瀬上駅
せのうえ
1.0 7.5    
向瀬上駅
むかいせのうえ
1.1 8.6    
高子駅
たかこ
1.5 10.1     伊達市
上保原駅
かみほばら
1.4 11.5    
保原駅
ほばら
1.3 12.8 Pictogram Bus.png福島交通 月の輪経由福島駅東口行、保原バスセンター行、掛田駅前
大泉駅
おおいずみ
1.1 13.9    
二井田駅
にいだ
1.5 15.4    
新田駅
にった
1.6 17.0    
梁川駅
やながわ
1.3 18.3 Pictogram Bus.png福島交通 月の輪経由福島駅東口行、塩野川行
やながわ希望の森公園前駅
―きぼうのもりこうえんまえ
1.7 20.0 Pictogram Bikeshare.pngれんたさいくる(やながわ観光おもてなし推進協議会、無料)  
富野駅
とみの
2.1 22.1    
兜駅
かぶと
3.1 25.2    
あぶくま駅
あぶくま
4.2 29.4     宮城県
伊具郡
丸森町
丸森駅
まるもり
8.1 37.5 Pictogram Bus.png丸森町民バス(平日のみ)
Pictogram Bus.pngウィークエンドバス「るんるん号」 観光交流センター・本町経由 不動尊公園キャンプ場行(土日祝のみ、冬季運休)
Pictogram Bikeshare.pngレンタサイクル「やまゆり号」(無料、7~20時)
北丸森駅
きたまるもり
1.7 39.2    
南角田駅
みなみかくだ
2.4 41.6     角田市
角田駅
かくだ
1.7 43.3 Pictogram Bikeshare.pngレンタサイクル
横倉駅
よこくら
1.9 45.2    
岡駅
おか
2.5 47.7    
東船岡駅
ひがしふなおか
3.6 51.3     柴田郡
柴田町
槻木駅
つきのき
3.6 54.9 Pictogram Railway.pngJR東北本線(一部列車は仙台まで直通運転)

【凡例】

  • 出札: ◎=出札窓口・自動券売機あり、○=出札窓口・自動券売機あり(早朝夜間を除く)、△=自動券売機あり(普通乗車券はJRの券売機で発売、窓口では阿武隈急行の企画券等を発売していない)、無印=窓口・券売機なし(車内精算)
  • 配線:|=棒線駅(交換不可)、◇=交換可能駅、∨∧=単線と複線以上の境界駅、‖=複線以上の駅、*=駅間は東北本線(複線)と共用、福島駅ホームは福島交通飯坂線と共通利用しており、阿武隈急行は片面のみを使用。

参考