L-03F
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NTTドコモから発売された、USB接続専用(USBドングル型)のデータ通信端末。LG製、2014年夏モデル。
筆者はLTE接続対応のUSBドングル型データ通信端末に L-02C を使っていたが、LTE band 1 にしか対応していないため使い勝手が悪く(会議室など建物内でつながりにくい)、USBドングル型データ通信端末が減っていく傾向の中、LTE 3バンド以上に対応した機種として本機を購入。
今時IPv6に対応していない手抜きぶりには納得いかなかったけれど、もう背に腹は替えられぬというか、そんな状況なのよね…
通信方式
当然ながら、NTTドコモ向けの仕様になっている。
- FD-LTE (Xi) band 1 (2GHz), 3 (1.7GHz), 19 (800MHz), 21 (1.5GHz)
- W-CDMA (FOMA) band 1 (2GHz), 19 (800MHz)
- GSM(国際ローミング用)
下り最大150Mbps、上り最大50Mbps (LTE UE Category 4) に対応。
当然のようにSIMロックだが、SIMロック解除に対応している。
MVNOでの利用
NTTドコモ網を使うMVNOでなら、APN等の設定は必要だが、問題なく使える(SIMロック解除不要)。
APN等の設定は Connection Manager で行う(またはモデムドライバを入れてATコマンドでも設定できるはずだが)。
IPアドレス
筆者は BIGLOBE LTE で使っているが、同社ではIPv4グローバルアドレスが割り当てられるので、時々必要になる動作検証用などに重宝している。
筆者は使っていないが、おそらく インターリンクLTE SIM を使えば固定IPv4アドレスが使えるだろう。
モバイルルータではNAT経由になり、グローバルアドレスを必要とする用途には使えないので、USBドングルが必要なのだが、そういうのはよもや特殊用途でしかなく、一般にはNAT経由でもまず問題ないのだろうね…
使い勝手
筐体は大きめなのが気になるが、USB端子を収納できるようになっており、ストラップ取付穴もあり、携帯しやすいよう配慮されているのは好評価。
筐体色は目立ちにくいマット黒で、業務利用に適している。
LTE 4バンドに対応しているだけあり、通信は快適そのもの。
L-02C など以前のLG製機種と同様、LG の Connection Manager は UI に少々癖がある(使いづらい)ように感じるが、設定してしまえば後はUSB接続後に起動するだけで勝手に接続するので、まぁ目をつむれる範囲か。
ファームウェア(本稿執筆時点で最新版は 2015年 7月28日付け L03F10D)の更新にも LG Connection Manager が必要。
ソフトウェアのインストールは、いわゆるゼロインストール(ドライバソフトウェア未導入のパソコンに接続すると、本機がUSBマスストレージとして認識され、その中にインストーラが入っている)。
SIMカードの取り付け・取り外しには工具(ピンなど)こそ要らないものの、少々面倒。
L-02C から劣化し、IPv6接続に対応していない。
接続状況を示すLEDが1つあるが、見づらい位置に付いている(パソコンのUSB端子の位置にもよると思うが)。
Connection Manager を使った(NDISを直接操作する)設定・接続は普通に使えるが、添付のモデムドライバ (docomo L03F Modem Driver) と Windows 7 のダイヤルアップ接続を使おうとしたら接続に失敗した。設定が悪いのかもしれないが、原因不明のまま。まぁあまり使う人もいないのだろうけど…。
ホームページで提供されている説明書PDFのバージョンが高すぎて、閲覧できないことが多い(互換性の問題がある)。
最後の?USBドングル型データ通信端末
本機は1年足らずで生産終了になってしまい、後継機種は発売されておらず、同社の現行データ通信製品の一覧にもUSBドングルは載っていない。
スマートフォン隆盛、データ通信端末といえばモバイルルータ(Wi-Fi接続)が主流になる中、実質パソコン専用のUSBドングル型データ通信端末はすっかり数を減らし、新製品はおろか、製品自体をあまり見かけなくなってしまった。
まぁ、外でパソコンを使う人が減っているし、本機種は他に使っている人を見たことが無いものね…
業務利用などに一定の利用はあるようだが、それも最近はMVNOに流れる傾向もあるようなので、本機もこのまま後継が出ず、最後の機種になるのかもしれない…。