povo

提供: きまぐれ手記 Kimagurenote
使い放題MAXから転送)
移動先: 案内検索
povo (ポヴォ)
Povo keyvisual.jpg
キービジュアル
事業者 KDDI (MNO)
開始日 2021年 3月23日
通信方式 4G + 5G(予定)
5G Band(s) (2021年夏より)
4G Band(s) 1, 3, 11, 18/26, 28(A), 41, 42
SIMカード マルチSIM (nano/micro/標準)
eSIM ○ 当面は新規・MNP転入のみ
SIMのみ契約
SIM交換手数料 0円
データ容量 20GB
超過時最大速度 1Mbps
データ節約 ×
データ繰越 ×
データ追加 550円/GB
220円/24時間
テザリング ○ 制限なし
IPv6対応 ×
音声通話方式 VoLTE
通話料 22円/30秒
通話定額 追加トッピング
着信転送
留守番電話 ×
非通知拒否
SMS ○ +メッセージ対応
キャリアメール ×
データシェア ×
国際ローミング 提供予定
月額基本料金 2,728円
契約時手数料 0円
MNP転出料 0円
期間縛り 無し
家族割 無し
光セット 無し
ポイント ×
法人契約 ×
サポート窓口 チャット
APN 設定方法
iPhone対応 ○ iPhone 6s 以降
povo サービスの詳細 サポート

povo (ポヴォ) は、KDDI (au) が提供するモバイルデータ通信サービス。

また、同じくauで提供される新プラン「使い放題MAX」についても本稿で触れる。

UQモバイル」ブランドについては別ページでまとめているので、そちらを参照されたい。

UQmobile kurikoshi slide 20210113.jpg

こんな人におすすめ

1人から(家族割や光セットなどの煩雑なことをせずに)シンプルに使いたい
家族割・光セット割など不要で1回線目から安い
月に20GBあれば足りる
20GBあれば、そこそこ使えると思うが、データ容量を使い果たしても1Mbpsで使えるので、SNS程度ならば使えるだろう。20GBで不安な人は、UQモバイルの「くりこしプランL」も検討してみよう。
たまにたくさんデータを使いたい日がある
220円払うと24時間データ使い放題になる追加トッピングが用意される
通話は要らない/ほとんどしない
通話定額無しで安い
通話もする/留守電を使う
povoでは留守番電話サービスは提供されないが、着信転送は利用できるので、スマート留守電などの他社サービスは利用できる。
iPhoneを使いたい
iPhone 6s 以降に対応
auショップへ行くのが煩わしい
povoは、契約から解約まで全ての手続きがオンラインで完結する。端末は家電量販店や通販などでSIMフリー機種を購入すれば良いし、iPhoneならばAppleのサポートを利用できる。貴重な時間を割いてショップに出向く必要は一切ない。

こんな人は他社も検討しよう

月に20GBも使わない
少容量プランが充実しているUQモバイルワイモバイルも検討してみよう
初期設定が不安なのでサポートしてほしい/日頃からキャリアショップによくお世話になっている
povoはショップでのサポートは一切無いので、避ける方が無難
自宅や職場ではWi-Fiを使うので、ほぼ都市部の屋外でしか使わず、月々のデータ容量は1GB以下・3GB以下で足りるが、通話かけ放題があると安心できる
楽天モバイル(1回線目は1GB未満ならば0円、Linkアプリを使うと通話無料)がお得かも
スマートフォンだけでなく、LTE内蔵パソコンやタブレットも使いたい
データ量にもよるが、使う量が多くなければ、シェアプランがあるワイモバイルの方がお得かも。
またはパソコンやモバイルルータ等だけで20GB近く使う場合は、povoや楽天モバイルなどの格安プランを複数契約して使うのも良いと思う。
法人契約で使いたい
povoは法人契約不可。相対契約で大幅値引きを受けられる大企業はともかく、中小事業所ではワイモバイル法人契約割引で全回線税別700円引きになるので、そちらの方がお得に利用できると思う。


povo

通話定額もアンバンドル(分離)した格安プラン

2021年 1月13日発表2021年 3月23日開始予定の、オンライン専用新料金ブランド。

名前の由来は、新たな視点を意味する英語の「point of view」と、ラテン語で卵を意味する「ab ovo」に誕生と成長の意味をこめて、かけあわせた造語だそうだ。新たな視点によるサービスの誕生と成長を意味しているという。

この名前にちなんだのか、サービス開始を目前にして「卵」の公式キャラクターが登場した。

シンプルで柔軟性の高いプラン設計をコンセプトとし、従来のauプランから一転してアンバンドルプランになっている。

データ通信は4G5Gを20GBまで使える、月額2,728円(税別2,480円ユニバーサルサービス料別途)の1プランのみ。20GB超過後も上限1Mbpsで使える。テザリングも同容量の範囲で制限なく使える。

5Gは2021年夏から対応予定。
税別200円で24時間データ使い放題になる「追加トッピング

データ容量の追加は550円/1GBだが、別途、220円で24時間データ使い放題になる追加トッピング(オプション)が提供される。これはいつでも購入でき、220円払ってから24時間は20GBとは別カウントで使い放題になるという。テザリングもOK。旅行やオンライン会議などで一時的にデータ容量別枠で使いたい場面はあると思うが、そういう時に便利そうだ。

通話

音声通話はVoLTEのみ(3G利用不可)で、従量制(通話料は22円/30秒、SMSは3.3円/通)。

通話定額はオプション(追加トッピング)で提供される。1通話あたり5分までの「5分以内通話かけ放題」が月額550円、「通話かけ放題」が月額1,650円。

留守番電話サービスは提供されないが、着信転送サービスは利用できる(設定方法はauと同じ)ので、スマート留守電などの他社サービスを使える。

また、迷惑電話撃退サービスは利用できないが、番号通知リクエストサービスは使えた(設定方法はauと同じ)。

ahamoLINEMOよりも通話機能が使いやすいので、3社のどれにしようか迷っている人や、留守電や非通知拒否ができないがために移行を躊躇っている人には、povoがお勧めだ。

キャリアメール無し

キャリアメールは提供されない。他社はもちろん、auやUQモバイルのメールアドレスも引き継げない。

GmailiCloudメールなどへの移行を済ませている今時のスマートフォンユーザーには問題ないだろうが、ガラケー時代からずっとauを使ってきた既存ユーザーには移行障壁となるだろうか。

基本サポート無し

新規契約等の手続きはオンラインのみauショップでは手続きできない。サポートは自動応答のチャットのみ。基本サポート無しと思っておく方が良いだろう。

サービス開始時点では、チャットは自動応答のみ(対応できないことはコールセンターに電話しろと案内される)だが、不明なことがあるときは、自動応答のチャットに書いておくと、後でFAQに反映されることがあるので、不明なことがあれば積極的にチャットを使うと良いだろう。

povoのUIは、2020年10月に提携発表されたシンガポール・Circles Asia のノウハウを使って構築されるという。

機種・エリア

KDDI尾瀬沼ビジターセンター局。他社がエリア化していない尾瀬では、auは唯一のキャリア。尾瀬では景観や積雪を考慮して高い鉄塔は建てず、山小屋などに併設する形でピンポイントでエリア化されている。無線中継局で、FD-LTE Band 18/26のみ対応
KDDI尾瀬沼ビジターセンター局。他社がエリア化していない尾瀬では、auは唯一のキャリア。尾瀬では景観や積雪を考慮して高い鉄塔は建てず、山小屋などに併設する形でピンポイントでエリア化されている。無線中継局で、FD-LTE Band 18/26のみ対応

povoでは機種販売は行わず、SIMのみ契約(端末持ち込み)のみ。SIMフリー機種を別途購入して使うことを前提にしている。

また、通常のSIMカードに加え、eSIMも利用できる。

ただし当面は新規とMNP(他社からののりかえ)に限っての対応。SIMカードからeSIMへの変更も未対応。auからpovoに移行する場合は夏以降に対応予定となっている。

対応機種は「auで提供しているVoLTE対応のAndroid端末とiPhone8以降の端末」と案内されている(後に iPhone 6s 以降から対応と発表された)。 auの3Gはマイナーな規格なので、通話にはVoLTEが必須。 ⇒povo対応端末一覧

KDDI米沢大沢滑川基地局。電話も電気も来ていない山の中の一軒宿に設置されている無線中継局で、FD-LTE Band 18/26のみ対応
KDDI米沢大沢滑川基地局。電話も電気も来ていない山の中の一軒宿に設置されている無線中継局で、FD-LTE Band 18/26のみ対応

エリアは「au」や「UQモバイル」と同じ。一時は4G展開が遅れてソフトバンクよりも使い勝手が悪かったが、後に挽回し、2020年時点ではほぼ遜色ない。

また、auは尾瀬や山の中の温泉宿などの他社がエリア化していない特殊な場所も積極的にエリア化しており、こうした場所でも使えると期待される。

【対応バンド構成】※太字は主力バンド

  • FD-LTE (4G) Band 1, 3, 11, 18/26, 28(A)
  • TD-LTE (4G) Band 41, 42
  • 5G Band n1, n3, n28, n42, n77, n78 (Sub-6), n257 (mmWave) ※2021年夏から対応予定
FD-LTE Band 18/26 は重なっており、大抵の基地局が同時に吹いているので、どちらかに対応していれば、概ね実用上の問題はない。
5Gは2021年夏から対応予定。5G n1~n42は転用帯域で、n42 はauで2020年12月より提供中の帯域、n28は2021年春よりエリアカバーで使われる帯域、n3 は発表された帯域、n1 は示唆されている帯域

auが販売する機種(対応端末一覧)やSIMフリーの機種を、中古店などで購入して使うこともできそうだが、上記のバンドに対応していることと、auのVoLTEに対応していることを確認しよう。

現在家電量販店などで購入できるSIMフリー機種も、上記バンドに対応していて au VoLTE 対応が謳われていれば、使えるものと期待される(無保証、ノーサポート)。SIMフリー機種を選ぶ際は、auのVoLTE対応が謳われている機種を選ぼう。

ちなみに2021年5月以降は誰でもauオンラインショップでauスマートフォンを購入できるようになる予定だそうだが、オンラインショップで買った端末のSIMカードの差し替えやデータの移し替えなどは自分で行う必要がある。不安な人は、有償サポートを利用できる家電量販店などでSIMフリー機種を購入するのが良いだろう。

povo対応端末一覧にはSIMフリー欄にのみ「一部機能がご利用いただけない可能性があります」との但し書きがあるが、「特に不具合や制限される機能を確認していない」ものの、「KDDI自身が販売した機種ではないため、不都合が起きる可能性そのものは排除できないため、念のために案内している」そうだ。 いずれにせよpovoは無保証、ノーサポート。自分で判断して使える人向けのプランということだ。

このほか、Apple Watch(ナンバーシェア)は使えない。

APN

4G機種と5G機種で分かれている。 ちなみに iPhone では設定不要と案内されている

4G機種のAPN

  • APN uno.au-net.ne.jp
  • ユーザー名 685840734641020@uno.au-net.ne.jp
  • パスワード KpyrR6BP
  • 認証タイプ CHAP
  • APNタイプ default,supl,hipri,dun

au の LTE NETと同じなので、auが販売するAndroid機種は設定不要で使えるものと思われる。

ちなみに端末のキャリア表示は「au」または「KDDI - au」となる。

IPv62017年9月より順次提供されることになっているのだが、いまだに提供されていない(IPv4プライベートアドレスしか使えない)。

5G機種のAPN

  • APN uad5gn.au-net.ne.jp
  • ユーザー名 au@uad5gn.au-net.ne.jp
  • パスワード au
  • 認証タイプ CHAP
  • APNタイプ default,supl,hipri,dun

au の 5G NETと同じなので、auが販売するAndroid機種は設定不要で使えるものと思われる。

povoでの5G対応は2021年夏頃からの予定。それまでは5G機種用のAPNを設定しても5Gは使えない。


eSIM

eSIM契約時に提供されるアクティベーションコード。povoでは文字列は表示されず、手入力は想定されていない。ちなみにベンダはGDだった

eSIMは新規契約・MNP転入時のみ利用できる。eKYCで本人確認し、最短で申し込み当日から利用できる。

auからの乗り換えは当面未対応。UQモバイルからの乗り換えはMNP扱いなのでeSIM選択可。

eSIMは暫定的な扱いになっているようで、SIMカードからeSIMへの変更はできない。povoをeSIMで使いたい場合は新規契約・MNP転入で加入する必要があるので、気をつけたい。

eSIMで新規契約を申し込む際は、本人確認書類とメールアドレスに加え、au ID が必要。無い場合は、先に au ID を新規登録するよう案内される。

筆者はUQモバイルを登録している au ID を使い、特に問題なかったが、auの契約が紐づいている au ID は使えないようだ。「新たなau IDを作成いただき、そのau IDでログインいただいたスマートフォンからお申し込みください。」と案内されていた。

au ID の発行は無料でできるし、一人で複数のIDを使っても問題はないが、au PAY や各種コンテンツサービスを使っている場合は、IDが変わると面倒があるので、auからの乗り換えでeSIMを使いたい人は、au側の準備が整うまで待つ方がよいかもしれない。

MNP転入(番号そのままで乗り換え)の場合は、端末のSIMロック解除手続きを済ませた上で、現在契約している通信会社からMNP予約番号を発行してもらう必要がある。通常は1営業日でできるが、朝や深夜には出来ないキャリアが多いし、MVNOなどでは数日かかることもあるので、前もって用意しておこう。

スマートフォンやタブレットのカメラを使って、身分証明書と本人の顔を撮影し、本人確認する。povoではLIQUID eKYCが使われていた。

eSIMの申し込みではeKYC(オンラインでの本人確認)が実施されるため、パソコンではなくスマートフォンで申し込むよう案内されている。LINEMOではスマートフォン以外での申し込み不可だったが、povoでは規制は緩く、タブレットもOKだった(筆者は iPad mini で申し込んだ)。

もちろん、povoを使いたいスマートフォンを使って申し込み手続きしても構わないが、画面が小さく文字入力が面倒だったりするので、タブレットも使えるのはありがたい。

申し込み手続き後は、KDDIの審査を経て利用開始となる。審査は 9時~21時頃の間に実施され、問題がなければ概ね1時間程度で利用開始になるようだ。使えるようになると、eSIMのアクティベーションコードをダウンロードするよう案内するメールが届く。

筆者は開始初日に申し込んだので多少混み合っていたと思われるが、それでも10時半頃には準備ができた旨のメールが届いた。

メールが届いたら、いよいよ端末に書き込む手順に入る。ただしMNP転入(番号そのままで乗り換え)の場合は、先に回線の切り替え手続きをする必要がある。切り替えはWebでできるが、9:00~21:15 に限られる。また切り替え中(要領よくすれば概ね30分程度)は電話が使えなくなるので、余裕のある時に実施しよう。

アクティベーションコード(QRコード)をタブレット(使いたい端末以外の端末)で表示し、使いたい端末のカメラで読み取る

eSIMに共通だが、発行はオンラインで完結するものの、端末への書き込みに注意がある。

SIMカードの輸送が不要なぶん早い。筆者は初日の朝に申し込みしたが、とてもスムースで、午前10時過ぎ頃には使える状態になっていた。

キャリアから提供されるアクティベーションコード(QRコード)をパソコンやタブレットなど(使いたい端末以外の端末)で表示し、使いたい端末のカメラで読み取る必要がある(右図)。povoではアクティベーションコードの文字列が提供されないので、手入力はできない

QRコードを撮影して文字で表示するアプリを使えば手入力もできるが本末転倒なので考慮しない。

また、書き込み時には Wi-Fi など他社のインターネット接続が必要だ。今からeSIMを使ってみたいという物好きな人にとっては、複数の端末や回線を用意することなど造作もないだろうが、今後普及するに際して課題になりそうに思う。

楽天モバイルでは専用アプリ(Androidのみ)でeSIMの書き込みができるが、povoでもアプリで対応してほしいものだ。

それでもWi-Fiが必要なので、自宅に回線を引いていない人はショップでの契約が推奨される。povoはオンライン専用なので、乗り換え障壁になりそうだ。

また、eSIMを書き込んだ後でAPNの設定が必要だった。設定自体は簡単だが、楽天モバイルやワイモバイルではeSIMを書き込むと自動で設定されたので、povoは地味に不親切と言えるかもしれない。

eSIMでの契約はスムースだったが、詳しい人向け

筆者は開始初日にeSIMで契約してみたところ、手続きはスムースだった。

povoのホームページには対応機種が掲載されているが、3月23日時点でAndroidは Pixel 5 のみと寂しい状況。「非対応の端末の場合は、ご利用できません。」と注記されているが、申し込みの際に機種を聞かれるわけではなく、自己責任にて任意の機種に書き込むことができる。逆に、そもそも対応機種でも動作保証はない

筆者は Rakuten Hand に書き込んでみたところ、通話・データ通信ともに普通に使えた。ただし端末に電話番号が認識されなかった(設定を開くと電話番号が「不明」となっている)。

ちなみに、povo では 3月23日の午前0時から申し込みを受け付け、午前9時以降順次開通していったようだ。筆者は朝6時頃に申し込みして、午前10時台に開通準備が整った旨のメールが届いていた。筆者の都合で実際の開通作業は13時過ぎに行ったが、とてもスムースだった。

対してLINEMOは受付開始の10時に申し込みが殺到したのか、ソフトバンクの契約システムにつながりにくくなる(当日は My Y!mobile にもつながりにくなっていた)など混乱した。それでも当日中に収束したソフトバンクはまだマシで、ドコモはahamo開始の翌日にALADIN障害を出し、29日にはahamoの受付を一時停止する事態に至っている。 povoは午前0時から受け付けたことが奏功したのか、または単に申込者が少なかったのかも知れないが、特段混乱はなかったようだ。

一方、機種変更したいときは、そのまま差し替えて使える物理的なSIMカードと違い、eSIM同士での機種変更には eSIMの再発行手続きが必要になる。これはチャットで問い合わせるよう案内されているが、実際にチャットで問い合わせてみると、表示される電話番号に連絡するよう案内される(^^;。

いずれオンラインで完結するようになるのだろうが、今はまだオンライン専用とは名ばかりで、システム開発が間に合わなかった手続き等は、当面はコールセンターで対応するようだ。料金こそかからないようだが、受付時間が限られるとともに、再発行までに時間を要することになりそうだ。その点、深夜でも1時間足らずで再発行される楽天モバイルや、受付時間は限られるもののオンラインで完結するワイモバイルLINEMOよりも遅れを取っている感がある。

eSIM再発行に料金がかかる/かからないという表記は公式ホームページに見当たらず、チャットで問い合わせてもまともな返答が得られない。povoはオンライン専用プランだから公式ホームページに書かれていることが全てであり、何も書いていない料金は取れないだろうから無料だと思われるが、明記すべきだろうとは思う。

eKYCは比較的使いやすかったと思うが、それ以外のeSIM関連では、KDDI (povo) は競合他社より遅れている感がある(それでもサービス開始に間に合わせたことと、目立った障害を出さなかったことは評価したい)。

povo トッピングアプリ

povo トッピングアプリ Android版

povo トッピングアプリAndroid / iPhone)が用意されており、データ残容量の確認や、追加トッピングの申し込み/解除などの手続きがアプリでできるようになっている。

始まって間もないこともあるのだろうが、各アプリストアで「povo」で検索しても上位に出てこないので、上記リンクを開くか、「povo KDDI」で検索するとスムースだ。

アプリをインストールして起動すると au ID でのログインが求められる。一度ログインすれば次回以降は自動でログインされ、povo接続時だけでなく、Wi-Fi接続時や他社回線接続時にも使える。

povoの特徴にもなっている追加トッピングだが、始まったばかりということもあり、追加できるトッピングはごくわずか。また、データ残容量の表示とデータ使い放題/追加はアプリ内で完結するが、音声系のトッピング(通話かけ放題)の申し込みは My au に飛ばされる(要再ログイン)。音声系オプションは別建てになっている様子が窺える。

このアプリでeSIMの書き込みなどもできるようになると良いのだが、今のところ、単に専用Webサイトを呼び出しているにすぎないようだ。

ちなみに23日の開始当時は、Googleが起こしたWebViewの障害の影響で使えなくなっていたようだが、それとは別に、筆者がpovoをインストールした端末(Rakuten Hand)ではそもそもダウンロード出来なくされていた(WebViewの障害解消後もインストール不可だった)。24日に規制が解除され、インストールできるようになった。

しかし公式サイトには何の注記も無く、意図的に特定の機種で使えないよう規制されていたのか、またはKDDI側の設定に不手際があったのか、今でも規制されている機種があるのかは不明。povoはサポート窓口も無いので確かめようがないのだが、もしインストールできない場合は、povoホームページを開いて右下の「チャットで質問」をクリックし、機種名と、インストールできないことを書き残しておくと、後日対応してもらえるかもしれない。


UQモバイルとの違い

UQモバイルの新プラン「くりこしプラン S/M/L」

中身の通信・通話サービスの品質は変わらない。

料金は、同じ月額料金(税別2,480円)で比べると、UQモバイルの「くりこしプランM」の方が月間データ容量が5GB少なくなっている。どちらも通話定額はオプション扱いだし、月間データ容量超過時に1Mbpsで使えるのも同じ。

UQモバイルの利点としては、S/M/L 3プランあって、ほとんど使わない月はSに変える、多めに使いたい月はLに変えるといったことを、それこそ毎月でも気軽に変更できる。UQには25GBプランもあるので、20GBでは微妙に足りないという人にも良いだろう。

また、UQモバイルでは機種セット販売や店頭サポートが一応提供されているが、povoは完全オンライン販売なので、詳しい人以外はとっつきづらいかもしれない。

言い換えれば、なるべく安く多くのデータ容量を使いたい人は、端末の設定などはサポートに頼らず自力で解決し、povo を選ぶと良さそうだ。逆に、最初の設定だけでも手伝ってほしいという人や、海外赴任が多いなど月によって使うデータ容量が大きく変わるような人は、UQモバイルを使うと良いだろう。

ポイント付与は未公表だが、両方とも付かないと思っておけば良いだろう(少なくとも現行のUQモバイル「スマホプラン」はPontaポイント対象外)。

発表会の様子

KDDIでは動画配信をauKDDIのYouTubeチャンネルでも提供しているが、今回の発表会はLINE限定で配信された。

「若者向け」とは言っていなかったが、発表会中に流されたキービジュアルプロモーション動画を見ると、若者向けをイメージしているように見える。だからと言ってLINEに限定するのはどうかと思うが。

また、最初の10分くらいは何もない。いきなり「5爺」から始まるのもどうかと思う(^^;

「みんなってエブリワン」も意味わからない…大事なことだから2回言いましたってこと?(-_-;

まあ、若者向けを想定して作ったけれど、誰でも使えるよ、ということだろうか?


使い放題MAX

使い放題MAX 5G/4G

NTTドコモ「ギガホ プレミア」やソフトバンク「メリハリ無制限」への対抗で登場した、auブランドの新プラン。2021年 1月13日発表、2021年3月開始予定。5G4Gの両方に対応するが、実際の料金プランは「使い放題MAX 5G」と「使い放題MAX 4G」に分かれているよう。料金は同じだが、契約時の機種によりプランが分かれているようだ

詳細不明だが、少なくとも5Gプランは3Gには対応せずVoLTE必須になると思われる。

プラン名の通り、スマートフォン単体でのデータ容量は使い放題になるが、テザリング・データシェア・国際ローミングは合計30GBまでに制限されるので、実質30GBプランとなる。また、動画視聴などは通信速度を制限するとされている。

料金は月額7,238円(税別6,580円)で、競合のソフトバンクに合わせてきた。3GB未満の利用月は自動的に税別1,500円の値引きが入る作り込みも同じ。「家族割プラス」や固定回線セットの「auスマートバリュー」も継続される。

別途契約した「タブレットプランライト」(月額1,100円。2021年3月23日までは「タブレットデータシェアプラン」)とデータ容量をシェアして使う。しかし(現在どうなっているかは未確認だが)従前はタブレット端末でしか使えないSIMが提供されていたので、パソコンやモバイルルータ等で使うことができず、使い道は限定される。他社の格安プランを使う方が賢明。

使い放題」が謳われているが、テザリングやデータシェアは合計30GBまでに制限されるので、実質スマートフォン単独利用専用プランになっている。また、povoやUQにはシェアプランが無いので、LTE内蔵パソコン・タブレットでの利用にも不便する。 テザリングやパソコン・タブレット等のデータ端末をよく使う人は、povoLINEMOahamoMVNOなどを複数契約して使い分ける方がお得だろう。

または、月額8,008円(税別7,280円)の「使い放題 MAX 5G with Amazon プライム」に切り替えると、テザリング・データシェア・国際ローミングを合計60GBまで利用できるようになる。差額770円で「Amazonプライム」が付いてデータ容量が倍になる組み立ては不可解だが、見方を変えれば、povoの料金の3倍払うとデータ容量を3倍使えると考えることもできるだろうか。いずれにせよ、素の「使い放題MAX」はかなり割高なプランと言えそうだ。

なお、現時点でauの既存プラン契約者は影響を受けず、放っておいても安くならない。従来のコン盛りプランに対応する新「使い放題MAX」プランが用意されるので、新プランに切り替えたい人は自らプラン変更手続きする必要がある

auとUQモバイルを行き来する際の注意点

auとUQモバイルは同じ会社のサービスにもかかわらず、auの各プランからUQモバイルの各プランに変更する、またはその逆は、MNP(のりかえ)扱いとなる。

今回新たに始まる「povo」への切り替え手続き方法は不明だが、『「au」「UQ mobile」「povo」間の移行手続きにおいて、当面は「契約解除料」「番号移行手数料」「新規事務手数料 (UQ mobileでは、SIMパッケージ料金)」を一度請求させていただきますが、翌月以降の移行先のご利用料金から割り引きします。』となっているので、やはりMNPに準ずる扱いになると思われる。

auの従来プランから「使い放題MAX」に切り替える、または「使い放題MAX」同士で切り替えるのは、おそらく容易なプラン変更手続きでできるようになると思われるが、auにはお高いコン盛りプランしか無いので、auで契約してしまうと、あまり使わないから料金を安くしたいと思っても、UQモバイルpovo、他社に「のりかえ」る以外の選択肢はなく、家族割も別建てで、面倒な手続きが発生するので、毎月のように気軽に「のりかえ」るわけにはいかないだろう。

現在はMNP転出手数料や契約事務手数料を請求されるが、2021年4月より無料化される予定au/UQ間は2月より無料化)。また、KDDI内各ブランドへの移行手続きは2021年夏以降に簡略化される予定
auからpovoやUQに乗り換えると、家族割が適用されなくなる。ただし特例として、2021年夏までにauからpovoに移行すると早期申込特典として「家族割プラス」の家族人数のカウント対象となるようなので、料金を安くしたい人は、早めに準備しておくと良さそうだ。

UQモバイル同士であれば、S/M/L間のプラン変更は容易なので、必要に応じて毎月でもプラン変更できる。

端末(機種)もauとUQで別々のラインアップになっているため、普段はWi-Fiを使うのでデータ容量はUQモバイルのプランがちょうどいいが端末はハイエンドを使いたい、逆に端末は廉価版で充分だがauの使い放題MAXを使いたい、といったニーズにも応えきれていない(中古端末を購入してSIMのみ契約すれば可能だが)。

料金プランも「その日に選べたっていいはずだ」が、こうした縦割りの弊害は存置されたまま、2021年3月以降は、さらに第3のブランド「povo」が加わることになる。povoは機種販売こそ行わないようだが、上記の不便さを解消する取り組みを求めたいところだ。


余談

盛り合わせコースメニューからトッピングへ

ファストフードを例に「追加トッピング」のイメージが示された

価格以外にpovoの特徴になっている「追加トッピング」。従来ならば「オプション」と呼んできた(その方がわかりやすいと考えて本稿でもそう呼んでいる)が、単なる読み替え以上の意味がありそうだ。

発表会ではファストフードの「トッピング」をイメージすると言っていたが(右図)、ここに大きなヒントがあるように思う。

例えば日本発のファストフード「駅そば」では、基本の「かけそば」は安く提供して、天ぷらや卵などを乗せられるようにし、多様な客の要望に応えつつ利益を高めていくビジネスモデルがある。

こうしたビジネスモデルに倣って、基本の通信サービスは必要最小限までアンバンドルした素の「かけそば」を廉価に提供し、ここに揚げ玉を乗せるのか天ぷらを乗せるのかは随時ユーザーが選べるようにしたわけだ。キャリアは魅力的な「トッピング」を提供することで、多様なユーザの要望に応えつつ、利益を伸ばすことができる。

追加トッピングの購入画面イメージ

2021年3月の開始当初は、通話定額などの定番メニューが「トッピング」として提供されるが、この「トッピング」は追加予定とされており、通話・通信に限らず動画配信なども提供されるイメージが示されていた(右図)。

つまり、従来得意としてきたコンテンツの盛り合わせを捨て去ったわけではなく、分解(アンバンドル)して必要な時に必要なだけ乗せられるようにして、結果としてARPUを高めていく方針を採っているわけだ。ここに大きな転換がある。

auはここ数年、NetflixTELASAといった嗜好性の高い動画配信サービスをバンドルした料金プランを投入して高ARPUを維持する施策を採ってきた。

しかし競合のNTTドコモが大胆に値下げした ahamo を発表し、市場の雰囲気が一変した2020年12月にも、KDDIは空気を読まずにamazonプライムまで盛り合わせた高ARPUプランを発表し、一部から大顰蹙を買った

もっとも、顰蹙を買ったコンテンツ盛り合わせプランは「店頭では非常に順調に契約していただいている」そうだ。コン盛りプランが一定の評価を得ているなら、それも継続すればいいだろうし、全否定されているわけではないと思うが、それだけではダメだということで、12月の発表は批判を呼んだのだろう。

そうした声はしっかり受け止められたようで、今回、従来とは真逆の徹底的にシンプル化した高コスパサービスが発表された。最後発ながら通話定額もアンバンドル化することで、しっかりインパクトを出してきた。これは素直に歓迎されるのではと思う。

基本メニュー+追加トッピングの「新発想

もっとも、ahamo への対抗は不可避だったろうし、むしろドコモに触発されて社内は盛り上がったという。それにソフトバンクのように内容を揃えただけのプランをぶつけても、最後発だけに(LINEという切り札も無いし)インパクトは薄くなってしまう。その点、通話定額までアンバンドル化して低価格化を図ったことは素直に評価されそうに思う。

徹底的にアンバンドル化した「新発想の料金プランpovo を発表するに至ったのは、これまでコテコテのコン盛りプランを続々と投入してきた同社からすれば、まさに「新発想」といえそうだが、同社はコテコテコンテンツを捨て去ったわけではなく、提供方法を変えたわけだ。

ただしこれは、Google play や Apple Music、Amazonプライムなどの「GAFA」をはじめとする強豪がひしめきレッドオーシャン化しつつあるコンテンツ再販・仲介市場に、キャリアが参入することを意味する。

また、スマート留守電などのサードパーティが提供する各種サービスをキャリアが販売する取り組みは、MVNOが先行していた領域でもある。必ずしも新しい考え方ではないが、影響力の大きい大手キャリアがここに本格参入するインパクトは小さくないだろう。総務省が競争政策として育ててきたMVNO市場を、政府の安易な口先介入により破壊しかねない懸念が増々高まった感がある。

こう書いた直後にも、総務大臣ともあろう者がまた余計な口を挟んで不興を買っていたようだ。監督官庁の権限をちらつかせながら民間事業の一挙手一投足を縛るかのような口先介入をすることは、みっともないだけに留まらず、そもそも自由でも民主的でもない。逆に企業努力を削ぎ、市場の健全な発展を阻害することになるだろう。

ともあれ、コンテンツ配信市場と格安SIM市場、この2つの市場環境がどのように変化するのか、注視したい。


参考リンク

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