FS010W

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この記事は、最終更新日よりおよそ 9 年 3 ヶ月経過しています。 公式サイトなどで最新情報を確認してください。(最終更新:2015年10月)

富士ソフトから発売された、SIMフリーのデータ通信用端末。いわゆるモバイルルータ(Wi-Fiルータ)。2013年 3月発売LTEが普及期に入り、同時にMVNOが増え始めた頃に発売された機種で、当初よりキャリアの販路を使わないMVNO向けとして市場投入された機種

筆者はソフマップで税込9800円の出物を購入したクチだが、それ以外ではあまり値崩れせず、元々出荷台数がさほど多くなかったのかもしれないが、中古でもあまり出回っていない様子。

通信方式

SIMフリーだが、NTTドコモ向けの仕様になっている。

  • FD-LTE (Xi) band 1 (2GHz), 19 (800MHz), 21 (1.5GHz)
  • W-CDMA (FOMA) band 1 (2GHz), 19 (800MHz)

band 1 は国際バンドだが、その他は世界中でNTTドコモしか使っていない、いわゆるガラパゴスバンド。 NTTドコモの主要バンドに広く対応しているので、NTTドコモのMVNO回線で使うなら、とても便利。

一応、au や SoftBank (Y!mobile) のSIMを挿しても band 1 では通信できるが、常用するのなら各キャリアに最適化された端末を用意する方が良いだろう(関連記事: HWD14, 305ZT)。

SIM(UIM)カード

標準SIM。最近は標準SIMが提供されない場合が多いが、microSIMやnanoSIMもアダプタを用意すれば使える。ただしアダプタは使いづらい物や、中で引っかかって取り出せなくなる物もあるので注意。

筆者が試した中では、NOOSY ブランドの物が使いやすい。秋葉原で300円から。Amazonでは数十円から見かけるが、この類の商品には偽物も多いようなので自己責任でどうぞ。国内代理店では変換名人(TFTEC)が扱っている。

入手性

当時、一部の家電量販店(ビックカメラグループ)で単体販売(回線契約不要)されていたが、基本は通信(MVNO)事業者を通しての販売だったので、購入しづらい面があった。

また、販売数が少なかったのか、手放す人が少ないのか、中古市場にもあまり出回っていない様子。

今は後継機の FS020W の方が新品・中古ともに入手しやすく、全体に改良されており、価格差もあまり無さそう。

ドコモ回線用に使うなら FS010W も3バンド対応しており充分使えるので、出物が見つかれば買ってもいいと思うが、電池劣化のリスクもあるので、今からなら特段の理由がなければ FS020W を買う方が良いだろう。

使い勝手

良いところ

  • 筐体が小さめで携帯しやすい。
  • 小さい割りに電池持ちもするので、出先でちょっと使う程度なら充分。
  • 汎用的なmicroUSB充電で、給電しながらの通信もできる。
  • SIMカードを抜き差ししやすい。
  • 標準SIMなのでアダプタを併用すればSIMを選ばない。

電池持ちは公称8時間だが、筆者はそれだけ連続して使ったことがない(大抵パソコンの電池の方が早くなくなる)ので、実際の持ち時間は不明ながら、不便は感じていない。USB給電しながらの通信もできるので、必要に応じモバイルバッテリと併用しても良いだろう。

ちなみに電池容量は、説明書の記載によれば、リチウムイオン 3.8V 3000mAh とのこと。この小さな筐体に当時よくそれだけ詰め込んだなぁと感心する。

良くないところ

  • USB接続でのデータ通信はできない。
  • 本体のLEDでは電池容量が10%以下にならないと判別できず、電池切れを予測しづらい。
  • 電波強度の表示も3段階(強/弱/圏外)。弱は通信がおぼつかないくらい弱い。
  • 電池は交換できず、劣化した場合はメーカー修理扱いになる。
  • ストラップ取付穴がない。
  • 近頃は標準SIMを扱わないキャリアもあるので、アダプタを使う発想のない人にはかえって使いづらいのかも?

その他

ファームウェアの最新は V1.3.0(2014年4月公開)。メーカーホームページからダウンロードできる。

付属ACアダプタの出力は 5V 2.0A と大きめ。

FS020W

FS010Wの後継機種、2014年 8月発売

筆者は使っていないので仕様上の話になるが、FS010Wの特長をそのままに、欠点が改良されているようだし、特段悪い話も聞かず、元々品薄のFS010Wとは実売価格差もあまりないので、これから買うなら本機の方が良いのではと。

通信方式

FS010W と同様、SIMフリーで、LTE 4バンドに対応している。

  • FD-LTE (Xi) band 1 (2GHz), 3 (1.7GHz), 19 (800MHz), 21 (1.5GHz)
  • W-CDMA (FOMA) band 1 (2GHz), 5 (850MHz), 19 (800MHz)

国際バンドは band 1 に加え、LTE band 3 にも対応した。国内では旧イーモバイル(現ソフトバンク)の主力バンド。台湾、中国などでも使えるはず。

W-CDMA band 5 (850MHz) にも対応しているが、これは国内では使われておらず、北米、南米、オーストラリアで使われている。ここに新たに対応した理由は不明だが(ハードウェアに手を加えず対応できるから?)、海外利用を視野に入れるなら幾分使いやすくなったかも?

FS010Wとの違い

  • LTE band 3 (1.7GHz), W-CDMA band 5 (850MHz) に対応。
  • 下り最大 150Mbps (LTE UE Category 4) に対応。
  • USB接続によるデータ通信に対応。
  • Wi-Fi IEEE802.11n 5GHz と WPS 対応が追加。
  • 本体にLCDモニタを搭載し、電池残量が2→6段階、電波強度が3→4段階表示になった。SSID、WEPキー表示に対応した。
  • 充電池が電池パック式になった(ただし電池の単体販売)。
  • 電池容量はほぼ据置ながら、回路の改良により公称10時間のLTE連続通信に対応。
  • 大きさはほぼ同じだが、若干(10g)重くなった。
  • 付属ACアダプタの出力が 5V 1.5A になった。

SIM(UIM)カードは引き続き標準SIM。 SIMカードの入れ替えには電池パックを取り外す必要がある。

参考リンク