Firefox OS

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Firefox OSMozilla が開発しているオープンソースの携帯端末向け GUI OS

"Flame"実機展示
日本語IMEはiWnn
アプリ切り替え
アプリインストール時の確認画面
環境設定
アプリ用ストレージ(メディア用ストレージは別になっている)
端末情報
OSのバージョンなど
開発者向け設定

基本構成

AndroidKernelとユーザランドの一部を基盤にしている。ストレージの設定やブートイメージの書き込みには fastboot を、デバッグには ADB (Android Debug Bridge) を使うなど、SDKも一部流用される。原理的には既存のAndroid用端末を Firefox OS に載せ替える感覚になる。

ただしアプリを動かすための VM(Android では DalvikART)などのフレームワーク部分に互換性はなく、つまりアプリは全く互換性がない。

CPUにはARM系の利用が一般的になるものと想定されるが、x86用の実装も一応提供されている。 →Firefox OS ビルドの必要条件

ハードウェア、Kernel・デバイスドライバ、Gecko、その上にHTML5アプリケーション、という構成になるため、原理的には、Linux Kernel やデバイスドライバ類と Gecko が用意できれば、特定のアーキテクチャに依存しないものと考えられる。

アプリ

アプリは全て Gecko 上で動作する。つまり HTML5CSS, JavaScriptを含む)で記述する必要がある。ネイティヴコードはもとより、Android用アプリのような Java VM に類するものにも対応しない。

とても大雑把にいえば、HTML5 や JavaScript をプログラム言語と捉え、Gecko をインタプリタとして動作するアプリと言ってもいいだろうか。見方を変えれば、Firefox OS 用のアプリは(原理的には)特定のアーキテクチャに依存せず、比較的移植性が高くなると期待される(独自APIの利用の程度にもよるが)。

一般にアプリのインストールは Firefox Marketplace から行うが、Marketplace 以外での配布も可能。

アプリインストール時には、Androidアプリのような権限の確認はない。聞いた所、カメラなどは起動する時に確認画面が出るのだとか。また、Marketplaceへのアプリ登録時の審査で、Androidの権限確認の役割の一部を代替できるという理解のようだ。

Marketplaceへのアプリ登録には所定の国際評価機関からの評価を得る必要がある。

参考

Flame

Mozilla が用意する開発者向けリファレンスモデル "Flame" の販売が発表され、その後 2014年 6月11~13日に開催された Interop Tokyo 2014 会場内で実機展示されたので、筆者も少し触ってきた。

外観などの特徴はあちこちで紹介されている(今後も紹介されるだろう)から割愛し、以下は筆者が関心を示す範囲で。

  • 日本語IMEiWnn を搭載。
  • USIMスロットが2枚分あるが、デュアル待ち受けは 3G + 2G (GSM) に限られるよう。つまり日本国内で使うぶんには実質1枚用(裏蓋を開けずに切り替えができるという利点はあるだろうが)。
  • モバイルネットワークは、日本国内では3Gの2GHz帯 (W-CDMA Band I) のみ対応。LTEや3Gの他のバンドには対応しない。
  • Wi-FiBluetooth に対応。
  • ホームメニューの設定を起動して「環境設定」に入り、「端末情報」を開くと "Boot2Gecko 1.4.0.0-prerelease" の表示が確認できる。
  • 内蔵ストレージは、アプリ用とメディア用にパーティション(マウントポイント)を分けており、fastboot で容量を変えられるとのこと。

UI

ホーム画面の見た目は Android や iOS などの携帯端末用OSに似ている。上端にステータスバー(通知や時計)があり、検索バーがあり、アイコンが並び、よく使うアイコンを下端に登録するのは、Android標準ホームメニューに似ている。ただし、ランチャー画面はなく、ホーム画面にアイコンが並ぶようになる(その点はAndroidよりiOSに似ているか)。

ホームボタン長押しでアプリ切り替え。その後左右にスワイプする。

画面外には、ホームボタンひとつのみ。戻る、メニュー等のボタンは無い。

例えば Marketplace でアプリの評価(Rating)を確認するとWebブラウザに遷移するが、戻るボタンが無いので、Marketplace に戻るには、ホームボタン長押し→Marketplace が出るまでスワイプする必要がある。個人的には戻るボタンがある方が直感的なUIを作りやすいのではと思うが、戻るボタンを付ける考えは元々無かったそうだ。

参考

日本向け販売

6月17日、Flameの日本国内向け販売情報が出された。価格は19,980円(税・送料込)。7月より、びぎねっとがYahooショッピングで販売するとのこと。

USD170 で販売されているので、為替レートの吸収を考えれば妥当な価格なのではと。

RAM(内蔵ストレージ)の容量調整や緊急リカバリなどの情報も提供され始めている。→ Flame - Mozilla | MDN

ほどよい性能で、アプリ開発者用には適した端末になっていると思われる。ただし聞いた所、モバイルデータ通信は W-CDMA Band 1 のみの対応だそうなので(仕様を見るとソフトバンクモバイルの Band 8 にも対応していそうな気がするけどねぇ)、いわゆるSIMフリー携帯端末として使うには見劣りするかと(まぁそういう人はいないだろうけど)。

参考

一般利用者向け端末

端末は欧州や南米の一部、スペイン語圏を中心に2013年6月より市販されている。

日本国内ではまだ(一般利用者向け端末の)具体的な(発表できる)予定は無いが、端末ベンダやキャリアにて検討中とのこと。

アプリはすでに Marketplace を通じて提供され始めているが、現時点ではやはりスペイン語圏での利用が多いよう。

Firefox OS 用アプリを Android で動かす

Android用 Firefox 29 より、Firefox Marketplace のHTML5アプリをAndroid端末にインストールできるようになっている。

インストールには普通のAndroidアプリと同様にパッケージインストーラを使い、権限の確認も求められる。Android OS 側の設定で「提供元不明のアプリ」にチェックを入れておく必要がある。

インストールしたアプリは Android ホームアプリのランチャに登録され、一見して Android用アプリと判別できないが、Firefox OS 向けアプリは Gecko (Firefox) を介して動作する。

Xperia 2011 model + CyanogenMod (Android 4.4.2) で twitter公式アプリを動かしてみた所、動作は緩慢だがとりあえず使えた。普通に考えれば Android用アプリを使う方が良いが、旧世代のハードウェアで、しかも Dalvik を介して Gecko を動かしていると考えると、頑張っているなという印象。

一方、LifeTouch NOTE (Android 2.2) でも試した所、Firefox OS 向けアプリのインストールはできるが、起動はできなかった。

DTI ServersMan SIM 用の SiLK Sense では Firefox 使用中と判定されて、(Firefoxを対象アプリに登録しておくと)Firefox OS 用のアプリを使っていても制限解除の対象になる。

Android用FirefoxでMaketplaceを開く
Firefox OS 用アプリを Android にインストール
新しいツイート作成
タイムライン

もっとも、既述の通り現時点で Firefox Marketplace にはスペイン語や英語圏向けアプリが多く、日本語でまともに動くアプリは限られるが、専用端末を持っていない人でも Firefox OS 向けに出てきた新しいアプリを試せるのは良いと思う。

また、HTML5で動くアプリの移植性の高さを表している例とも言えるだろう。

参考

「第3のOS」

iOS、Android に続くスマートフォン向け(を狙った)OSを指す「第3のOS」のうち、Tizenなどに比べて有力視されている。

米国や日本などの早くからスマートフォンの普及が進んでいた地域では、(かつては市場を築いていた Windows CEBlackberry に取って代わるように)すでに iOS と Android が市場を築いている。

一方、いわゆる発展途上国では端末価格を低くできる Android が主だが、市場規模は今後拡大すると見られており、これから市場へ参入する「第3のOS」は、後者の諸国で受け入れられるかどうかが焦点になると考えられている。

Androidの普及によりAndroid対応部材の供給が潤沢になっている上、Apple社が独占しているiOSと違い、オープンソースで参入が比較的容易な Android はベンダも多岐にわたる。とりわけ近年の ARM SoC の拡大はスマートフォンに依る所が大きいと言っても過言ではないだろう。それらの部品は一般に Android に標準対応しており、Android が現在の携帯端末市場を主導している状況にある。

Firefox OS は、Android の開発基盤に相乗りする形で市場参入することで参入ハードルを下げるとともに、HTML5を標準とするアプリケーション層の独自性を際立たせている。

同じ Linux kernel 上で動作する Ubuntu も、同様の手法で携帯端末向けOSを開発しており[1]、こちらはパソコンに近い操作感を訴求している様子。例えば開発者向けに Nexus 7 向けイメージを提供している

なお、そうした発展途上市場向けにはすでに Android の低価格端末が投入されつつあることや、Android 普及により開発者数が増えていることもあり、「第3のOS」自体の必要性を疑問視する向きもあるが、筆者としては、あまり予断を持たず、今後どのように差別化または住み分けがされていくのかに注目している。

参考