中継電話
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中継電話(ちゅうけいでんわ)とは、電話を発信する人が加入している電話会社と、着信する人が加入している会社の間に入って、通話を中継する電話サービス。中継電話サービス、中継系電話、プレフィクス方式とも呼ばれる。
元々は固定電話の国内長距離通話向けサービスが始まりだが、現在は携帯電話発の通話料を安くするためにも使われている。
携帯電話向け
MVNO各社が中継電話会社と契約して提供しているサービス※のほか、中継電話会社が独自に提供しているキャリアフリー(携帯電話会社を問わず使える)サービスがある。
固定電話・携帯電話の品質には一定の基準があるので、中継電話サービスを利用することで音質が悪くなることはないが、EVSを使って音質を向上させた「VoLTE HD+」よりは若干落ちる。
OCNでんわキャリアフリー
NTTコミュニケーションズが提供するサービス。要申込だが、キャリアを問わず利用できる。
月額1,100円で10分かけ放題、超過分の従量通話料も11円/30秒で大手MNOの半額になる。
通話発信用アプリは「OCNでんわ」(Android/iPhone)、プレフィクス番号は「003544」。
ただし、2021年11月30日で新規申込を打ち切り、2022年 2月28日で終了予定。
楽天でんわ
楽天コミュニケーションズが提供するサービス。要申込だが、月額基本料0円で、キャリアを問わず利用できる。
「楽天でんわ」アプリ(Android/iPhone)を使って通話発信すれば、従量通話料が11円/30秒で、大手MNOの半額になる。プレフィクス番号は「003768」。
G-Call
ジーエーピーがソフトバンクテレコム(旧日本テレコム)などから回線を借りて提供しているサービス。
携帯電話から固定電話宛に通話する際に、電話番号の頭にプレフィクス番号「006751」を付けて発信すると、通話料が10.45円/30秒になる。
携帯電話から携帯電話宛に通話する際は、電話番号の頭にプレフィクス番号「0063」を付けて発信すると、通話料が10円/30秒になるが、国際電話扱いになって、発信元番号が選択非通知扱いになってしまうことがあるので要注意。
固定電話→固定電話
日本では電電公社の分割民営化に際して、加入電話(固定電話)のうち県内通話をNTT東西が、県外通話をNTTコミュニケーションズが分担することになった。また、各々について民間事業者が参入できるようになった。
マイライン
県外通話では、先頭に国内通信基本サービス用識別番号(プレフィクス番号)を付けてダイヤル(通話発信)することで、中継電話会社を選べるようになっている。
また、2001年 5月 1日からは、予めNTT東西に登録することで、都度識別番号を付ける必要なく、登録した会社を自動的に経由することができる電話会社選択サービス「マイライン」が提供されている。
「マイライン」登録していなくても、プレフィクス番号を付けて通話発信すれば、申込不要で利用できる。どの会社を選んでも、県外通話料はNTT東西の料金と一緒に支払う。
- 0033 - NTTコミュニケーションズ
- 0038 - 楽天コミュニケーションズ(旧・フュージョン・コミュニケーションズ)
- 0077 - KDDI
- 0088 - ソフトバンクテレコム(旧・日本テレコム)
このほか、NTT東日本には0036が、NTT西日本には0039が割り当てられているが、県外通話には使えない。
PSTNマイグレーション
ところで、固定電話網(公衆交換電話網、Public Switched Telephone Network = PSTN)は「PSTNマイグレーション」により15年越しでIP電話網への切り替えが段階的に進められているところで、2024年1月予定の固定側発信のIP化後は、固定電話への通話料が全国一律3分8.5円(税別)になる予定。
つまり、固定県間電話の中継サービスは2023年までで役目を終えることになりそうだ。
ただし、ACR (Automatic Carrier Routing) 機能内蔵の電話機や外付けアダプタを使っている場合、2024年1月以降もそのまま作動し、通話料がかえって高くなることがある。電話機を買い換える必要はないが、2023年12月末にACR機能を無効にするか、アダプタを取り外そう。
【参考】
- PSTNのマイグレーションについて~概括的展望~(NTT東西、2010年11月 2日)
- 固定電話のIP網への移行後のサービス及び移行スケジュールについて(NTT東西、2017年10月17日)
- PSTNマイグレーションに関連する制度整備等の状況について(総務省、2021年 6月17日)
- 「マイライン」および電話割引サービス、国際電話サービスの提供終了について(NTTコミュニケーションズ、2022年 4月15日)
固定電話→携帯電話
固定電話発・携帯電話着の通話料金は、2021年10月より料金設定権が発信側に移されたため、従来の「0036通話」(NTT東日本)・「サンキューダイヤル0039」(NTT西日本)の料金が標準になった(≒プレフィクス番号不要になった)。携帯電話宛の通話料は17.6円/分。
NTTコミュニケーションズが提供している「0033モバイル」は継続されているが、従量通話料が18.15円/分で却って割高になってしまうことになり、存在意義が失われた。
なお、NTT東西以外の固定電話会社(auひかり電話、ソフトバンク「おうちのでんわ」、NURO光でんわなど)では元々固定電話会社側が通話料を設定していたので、大きな変更はない。
- モバイル一刀両断 固定電話から携帯への通話料が異常に高い、放置されていた問題についにメス(日経XTECH、2020年12月23日)
- NTT東西、固定電話から携帯への通話料金を値下げ 10月1日から(ITmedia Mobile、2021年 6月22日)
参考リンク
- 電話番号に関するQ&A(総務省)
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- MVNO - 通話料を安くするために中継電話サービスが使われている