Tile Mate

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この記事は、最終更新日よりおよそ 2 年 12 ヶ月経過しています。 公式サイトなどで最新情報を確認してください。(最終更新:2021年12月)
Tile Mate 電池交換版
Tile mate keyfinder.jpg
鍵に取り付けた様子
メーカー Tile
発売日 2018年11月
検索基盤 独自(要専用アプリ)
サイズ [2018]縦35×横35×厚さ6.2 mm / 重さ 7.5 g
[2020] 縦35×横35×厚さ6.2 mm / 重さ 6.0 g
電池交換  (CR1632)
Bluetooth 4.0
GNSS(GPS等) ×
防水 防滴(IP55)
ボタン
ブザー
対応OS Android
iOS・iPadOS
本体色 □ホワイト
参考市価 2,370円(税込)
日本語 英語

Tile(タイル)は、米国Tile社が開発・発売している忘れ物防止タグ(スマートタグ)。

TrackR(トラッカール)に続き、MAMORIO(マモリオ)と並ぶ、老舗のひとつ。

日本ではソフトバンクC&Sが代理店になり2017年12月15日に発売された。通販のほか家電量販店などで順次販売されるようになり、2018年11月には電池交換できる機種も投入され、国内で先行していたMAMORIOを猛烈に追い上げた。

AirTag 発売前の時点で、米国では80%のシェアを誇っている。 また、2020年に入って一時期「日米シェアNo.1」と謳われていたので、日本でもMAMORIOを抜いたのだろうか?

しかし2021年 4月30日にAppleAirTag を発売し、その圧倒的に有利な立場にTile社は「不正競争」だと非難しているが、忘れ物対策市場が大きく変わることになりそうだ。

TrackR Pixel、Apple AirTag
MAMORIO RE、Tile Mate

本機の利用にはスマートフォンの専用アプリ(Android版iOS・iPadOS版)が必要。Bluetooth通信を使ってスマートフォンにつながることで機能する。

Tile社は、2021年11月にLife360社による買収が発表された。2022年第1四半期までに同社傘下に収まる予定。買収された後もTileは独立してサービスを継続するとされているが、親会社になるLife360ではユーザーの位置情報データを販売しているといった話もあるので気がかりだ。

製品ラインアップ

Tile Pro を自転車に取り付け

(2021年 5月現在)

  • Tile Mate(メイト) - 普及品。2018年版・2020年版は電池交換可(CR1632)。最大接続距離45m・60m。キーホルダーのように使える。鍵やバッグなどに適している。
  • Tile Pro(プロ) - 若干大きくて重い(42×42×6.5mm、12g)が、電波が強い(最大接続距離60m・120m)ので、自転車やペットの追跡に適している。電池交換可(CR2032)。
  • Tile Slim(スリム) - 薄型、財布などに入れて使う。電池交換不可(2020年版は電池寿命約3年)。
  • Tile Sticker(ステッカー) - 防水 (IPX7)、貼り付けて使う。電池交換不可(2020年版は電池寿命約3年)。

なお、2021年10月13日に2022年モデルが発表され、10月28日頃から販売されているが、Tile Mate 2022年モデルは電池交換不可になっている(Tile Pro 2022 は電池交換可だが大型化している)ので要注意。用途にもよるが、手頃な大きさで長く使える2020年モデル(電池交換版)を買う方が良いと思う。

このほか、流通在庫や雑誌のおまけ扱いなどで古い商品が安く販売されていることがあるが、電池交換対応版と、電池交換不可の古い商品が混在している。電池交換不可の商品は使い捨てなので、安物買いの銭失いになりがち。電池交換版であることを確認してから購入しよう。

また、数は少ないが、Tileを内蔵したワイヤレスイヤホンなども市販されている。 2022年1月にはクレジットカード一体型のTileが発行される予定。

基本機能

Tile Mate を自転車の鍵に取り付けた例。少々大きめだがキーホルダーとして使いやすい

音を鳴らして探す

スマートフォンの専用アプリを操作すると、本機の音を鳴らすことができる。

カギなどが見当たらないときに、音を鳴らすことで、音を頼りに探し物ができる。 小さな物をどこに仕舞ったか忘れて探した経験がある人には嬉しい機能だ。

音の種類(メロディ)と大きさは選べるようになっている。

また、本機のボタンを長押しすると、Bluetoothで接続中のスマートフォンの音を鳴らすことができるので、逆に本機を使ってスマートフォンの音を鳴らして探すことができる。 ただし、アプリが常時起動していない/強制終了された場合など、探せないこともある。今時の大きくて重いスマートフォンをどこに入れたか忘れる人は少ないだろうし、今はAndroidもiPhoneもOS側に探す機能が組み込まれているので、スマートフォンを探す必要性は低いかもしれない。

いずれも、Bluetoothの電波が届く範囲で使える。 機種にもよるが、見通しで45~120m以内。実用上は数十メートル。

ネットワークで探す

TileAirTagMAMORIOTrackR アプリの電池食い比較。Tileアプリは圧倒的に電池を食う

Tileアプリをインストールすると、常時バックグラウンド動作し、スマートフォンを使って常に位置情報とBluetoothをスキャンするようになる。

そして、スマートフォンの位置情報と、見つけたTileのID(MACアドレス)を、Tile社のサーバに登録する。

この情報を使って、持ち主のBluetoothが届かない範囲にある忘れ物(紛失物)を探す機能を提供している。

一見便利な機能だが、Tileアプリが頻繁に位置情報とBluetoothを探索するようになるので、スマートフォンの電池消費量が増えることと、Tileアプリを使っている人が少ない場所では忘れ物が見つかりにくい欠点がある。

筆者は比較検討のために TileMAMORIOTrackRAirTag を併用しているが、Tileアプリは極端に電池を食う(右図)。筆者は会議くらいでしか使わない iPad mini でアプリを動かしているからまだいいが、持ち歩くスマートフォンに入れていたら電池を食って仕方ないと思う。

でも持ち歩くスマートフォンに入れて常時起動を許可して使わないと、Tileの落とし物の場所検出機能があまり役に立たないジレンマがある。

音で探す機能だけ使えればいいと割り切る場合は、Tileアプリの位置取得の許可をアプリ起動時のみに制限するとともに、自動起動を許可しなければ良いのだが、常時許可するよう毎回しつっこく通知等が出てきて煩わしい(-_-;。

電車の忘れ物対策

先行するMAMORIOは2018年より首都圏など大都市の鉄道各社の遺失物取扱所に「MAMORIO Spot」を順次設置しており、これが強みになっている。

Tileは取り組みが遅れているが、2020年10月26日より東急電鉄の全駅に「アクセスポイント」が設置された。

世田谷線、こどもの国線を除く。ちなみに東急電鉄では MAMORIO にも対応している。

今までは実質この2社で競争していたので致し方ない面もあるが、今後は AirTag に対抗する上でも、どちらか片方ではなく、両方を検知できるようにしてほしいものだ。

有料機能

月額360円(または年額3,600円)払って「Tile Premium」有料会員になると利用できる追加機能。

Google play の定期購入か、App Store のサブスクリプションで(各ストアに登録したクレジットカードやキャリア決済、またはギフト券残高を使って)支払う。最初の30日は無料だが、以降は止めるまで自動で課金される。止め方は左記リンク先を参照。

なお、同じTileアカウントでAndroidとiPhone・iPadの両方を使っている場合は、どちらか片方で課金すれば、両方で使えるようになる。

スマートアラート(置き忘れ防止)

指定したTileと離れると、スマートフォンに通知が届く機能。スマートフォンは忘れないが、カバンなどの物をよく置き忘れるという人には便利かも。

でも、競合の TrackRMAMORIO では「置き忘れ通知」が標準機能なので、この機能が目当てならばMAMORIOを使う方が良いかも。

荷物の移動を追跡する

自転車に付けた Tile Pro の30日分の検出履歴を地図上に表示したところ

Tile社のサーバに登録されている自分のTileの位置(ロケーション)履歴を最長30日分、見られるようになる。

右図は自転車に付けた Tile Pro の30日分のロケーション履歴を地図上に表示したもの。試験目的で自分のTileアプリでは検出されないようにしているので、全て他人のTileアプリにより検出された物だが、30日分でこの程度。

この程度の検出密度では、鍵やカバンなどの小さな物はまず探せないし、自転車などの大きな物を探すにしても、苦労しそうだ。

また、Tile Pro は電波が飛びすぎて、実際には通っていない少し離れた場所で検知されることもしばしば。Tileは新製品(2020年モデル、2022年モデル)になるほど電波の飛ぶ距離が伸びているが、あまり伸ばすのも良し悪しだと思う。

カバンに付けた Tile Mate の30日分の検出履歴を地図上に表示したところ

ちなみに、別途会議の際に持ち出すカバンにも Tile Mate を入れているが、東京都心部でもあまり検出されない(右図)。近頃はコロナ禍で人出が少ない影響があるのかもしれないが、感覚的には検出率は大差ないと思う。

近くで複数回検出されている分はまとめて数字で表示されるが、地図を拡大すると各々の位置がわかる。

しかし落とし物を探すという本来の目的で考えると、Tileアプリを使っている人が少なさすぎて、あまり参考にならない欠点がある。カバンなどの大きな物の置き忘れ対策には多少は役立つかもしれないが…落とし物の追跡には AirTag を使う方が良いと思う。

半面、このように移動履歴が丸見えになってしまうので、もし悪用されたらと思うと気持ち悪さもある。

筆者の利用目的(自転車)と行動圏では(右上図のように)あまり他の人に検知されないので、この程度の検出精度では、正直追加課金してまで使い続けたいとは思わない。今後はAirTagに対抗する上でも、このくらいは基本機能として無料開放する方が良いのではなかろうか。

電池交換

交換用電池は百円ショップなどで普通に買える

Tile Mate(2018年版、2020年版)と Tile Pro(2018年版、2020年版)は、電池交換して使い続けることができる(それ以外の製品は使い捨て)。電池寿命は公称約1年。

使われている電池は市販のリチウムコイン電池で、家電店やスーパー・コンビニ、百円ショップなどで購入できる。

用意する物

Tile MateCR1632。百均だと1個110円。一部の医療用体温計などで使われていることもあってか、時々売り切れていることもあるので、Tile Mate をたくさん使っている人は、少し余裕を持って買っておくと良いかも。

Tile ProCR2032。百均だと2個入りで110円。歩数計やサイコン、パソコン(CMOSバックアップ用)などでも使われている、とても一般的なリチウムコイン電池。大抵どこでも買える。

団子の串のような物を入れて電池を外す

電池蓋は爪で引っかかっているだけなので、横(対角線方向)にスライドさせると外れるが、固めなので、最初に外す時には苦労するかも(^^;。

電池を外すときには、先の細い物を突っ込んでやるとすぐに外れる。団子の串のような物を洗って1本残しておくと、何かと便利だ。

Tileアプリの説明ではクリップを伸ばして使うよう案内されているが、ペーパレス時代にクリップが手元にあるとも限らないし、むしろSIMカード取り外しピンなどの方が手元にあるかもしれない。いずれにせよ、金属(クリップやSIMピン、ドライバーなど)を使う場合は怪我やショートなど取り扱いに注意しよう。

アプリの電池切れ表示はいいかげんなので、まだ電池が使える状態でも出ることがある。電圧計があれば測ってみると良い

Tileアプリに電池切れ表示が出るが、けっこう早めに出るので、まだ充分に残っていることもある。バッテリーテスターや電圧計があれば測ってみて、3V近くなら交換しよう。3.2Vくらいあれば、もう少し使える。(ちなみに新品の電池は3.4V以上ある。)

電池が弱くなると電波もあまり飛ばなくなるので、Tile Mate の電池は少し早めに交換すると良い。電池交換できない昔のTileや使い捨てのMAMORIOは割に合わない。割高でゴミも増える使い捨て商品は避けるのが無難

ボタン電池と違って、リチウムコイン電池(CRxxxx)は水銀を含んでいないため、店頭回収の対象外。使用済み電池の処理方法は一般に使用済み乾電池と同様だが、自治体により異なる。

ちなみに「‎Omniergy」に見える聞いたことのないブランドの電池は、Tile Mate に最初から入っている物。実際には「Omnergy」という香港の会社で、工場は中国にあるようだ。

譲渡

Tileを家族などに引き継ぐことができる。 名前や画像などもそのまま引き継がれる。

  1. 譲渡先(家族など)のスマートフォンにTileアプリをインストール
  2. 譲渡先(家族など)が初めてTileを使う場合は、アカウントを作成
    1. アプリを起動
    2. 右下の「新規登録」をタップ
    3. 下の方に表示される「私はデバイスを持っていません。」をタップ
    4. メールアドレスとパスワードを入力
    5. メールが届くので、指示通りに進める
  3. 譲渡元のTileアプリを起動
  4. 譲渡するTileをタップ
  5. 下の方の「追加オプション」をタップ
  6. 「Tileを譲渡」をタップ
  7. 譲渡先(家族など)のメールアドレスを入力

参考リンク

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