Windows 11

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Windows 11(ウィンドウズ イレブン)は、米国Microsoft社が開発・提供しているパソコン向けのOS2021年10月 5日より一般提供開始

当面の間、Windows 10 からは無料でアップグレードできる(終了日未定)。

64bit版のみで、32bit版は無くなるとともに、Intel Core 第7世代以前は非サポートとされた(後述)。

組み込み向け(Windows 11 IoT Enterprise、旧称 Windows Embedded)もあるが、本稿では扱わない。

スタートメニューを左側に表示する

タスクバーの配置左揃えにすることができる(21H2、ダークテーマ)

規定ではタスクバーアイコンとスタートメニューが中央揃えだが、設定で左揃えに変更できる。

【設定 > 個人用設定 > タスクバー > タスクバーの動作 > タスクバーの配置左揃えにする】

どんなパソコンで使える?

Intel Core 第8世代以降と、AMD Ryzen 2000以降に対応している

最小システム要件として明示されているのは、1GHz以上で2コア以上の 64bit CPU、メモリ4GB以上、ストレージ64GB以上、TPM 2.0、DirectX 12以上、9型・720p以上のカラーディスプレイ、インターネット接続が必要となっている。

このシステム要件は難解に見えるが、市販のパソコンを使う場合は、CPUに Intel Core 第8世代以降と、AMD Ryzen 2000以降を搭載している機種は使える可能性が高いので、「Windows 11 互換性チェックプログラム」を動かして確認してみよう。ただしHDD搭載機種はSSDに交換することをお勧めする。

逆に、Intel Core 第7世代以前の機種は(自己責任で使う方法はあるが)ほぼ使えない。Windows 102025年10月14日まではサポートされるので、Windows 10 のまま使いつつ、サポート期間内に買い替えを検討するのが良いだろう。

Intel Core シリーズの場合、型番の「Core i3/5/7/9」までが商品名だが、それに続く数字先頭1~2桁目(第10世代以降は2桁)が世代を示しているので、パソコンの仕様表からCPUを見て、例えば「Core i7-7700」は第7世代、「Core i5-8500」は第8世代、「Core i5-10210」は第10世代、「Core i7-1165G7」は第11世代、「Core i3-12300」は第12世代、と判る

なお、Intel Core の商品名表記は Meteor Lake(第14世代以降)から変更されるようだ「i」が取れて「Intel Core」と「Intel Core Ultra」に変わり、世代表記も表向きは削除されてしまうようだ。でもプロセッサ・ナンバーに世代番号が入ることは変わらないようなので、上記の要領で古いCPUの見分けはできそうだ。

システム要件の表記が漠然としていて判りにくいが、Intel Core 第7世代は一部の例外を除き「Windows 11 互換性チェックプログラム」で撥ねられるため、事実上 Intel Core 第8世代以降、AMD Ryzen 2000以降が必要。
Arm版もあるが、Qualcomm Snapdragon の一部ハイエンドモデルのみが対象で、実質専用機向けとなる。こちらも32bit版サポートは削除される。また、Surface RT では動作しない。
インターネット接続は常に必要ではなく、出先等で一時的にオフラインになる分には差し支えない。
「Celeron」「Pentium」等の廉価版はこの限りでなく、プロセッサナンバーに世代番号が入らない。ただし第12世代以降の「N」シリーズは今のところ判別でき、例えば「Intel Processor N200」は第12世代、「Core i3-N305」は第13世代。


Windows 10 からアップグレードする

当面の間、Windows 10 からは無料でアップグレードできる

今のところ期限は未定だが、無期限ではない(いずれ打ち切られる)ので、Windows 10 を使っていてアップグレード予定があるなら、早めに実施しておこう。

無料期間中に一旦アップグレードして Windows 11 のライセンス認証を通しておけば、無償アップグレード終了後も引き続き Windows 11 を利用できる。

ライセンス認証

「Windows はデジタル ライセンスによってライセンス認証されています」

ライセンス認証は、Windows 11 をインストール後、インターネットに接続していると、自動で行われる。【設定 > システム > ライセンス認証】を開くと確認できる。ライセンス認証の状態が「アクティブ 」(右図)になっていればOK。

Windows 10 以降では専ら「デジタルライセンス」の仕組みが使われており、プロダクトキーが書かれた「COA (Certificate of Authenticity) ラベル」は使われなくなった

「Windows は、Microsoftアカウントにリンクされたデジタル ライセンスによってライセンス認証されています。」

「デジタルライセンス」の詳しい仕組みは非開示だが、パソコンに内蔵されているパーツの組み合わせがMicrosoft社に自動的に登録されており、この組み合わせが大きく変わらなければ引き続きライセンス認証が有効と判断されるようだ。

例えばメモリを増設する、HDDをSSDに交換するといった程度ならばライセンス認証は通るが、マザーボードなどの主要部品を交換するとリセットされる(通らなくなる)ことがある。

メーカー製パソコンを使っている人がこの問題に直面することはまず無いと思うが、自作パソコンなどでマザーボード等の主要部品を交換する際は、予め【設定 > アカウント】より Microsoftアカウントでログインしておくと、パーツ交換後の再ライセンス認証が容易になる。

「COAラベル」はOEM版のWindows(プリインストールパソコン)に貼られていたラベル。Windows 8 までは一般のメーカー製パソコンでも広く使われていたが、Windows 10 以降はほぼ使われなくなった。ただし、自作代行に近い「フルカスタム」を売りにしているようなショップメイド(BTO)パソコンなどで限定的に使われているようだ。また、自作パソコンなどで使われる単体販売のWindowsでは引き続き「プロダクト キー」が使われている。
HDD/SSDのみを交換する(他のパーツを交換していない)場合は、クローンソフトを使ってコピーした場合も、インストールメディア(USBメモリ)を使ってクリーンインストールした場合も、ほぼ自動でライセンス認証が通ると思う。言い換えると、HDD/SSDの交換と同時に他の内蔵パーツを交換しない(ライセンス認証が通ったのを確認してから他のパーツを交換する)方が良い。
Microsoftアカウントでログインすると、【設定 > システム > ライセンス認証】が「Windows は、Microsoftアカウントにリンクされたデジタル ライセンスによってライセンス認証されています。」という表示に変わる。

アップグレード方法

アップグレード方法は、主にこの4通りが用意されている。

  1. Windows Update から
  2. 「Windows 11 インストール アシスタント」を使う
  3. Windows 11 のインストール メディア(USBメモリ)を作成する
  4. Windows 11 ディスク イメージ (ISO) を使う

通常は1.がおすすめ。Windows 11 の最小システム要件を満たしているパソコンで Windows Update を開くと、Windows 11 へアップグレードを促す案内が出るので、そこから進める。もちろん、インストール済みアプリやデータは引き継ぐことができる。 勝手にアップグレードされることはないので、必要に応じ手動でアップグレードする必要がある。また、インストール中に大量のデータをダウンロードするので、自宅等の光回線に接続した状態で実施しよう。

2.は、1.でうまくアップグレードできない時に使う。アップグレードしたいパソコンでMicrosoft公式Webサイトを開き、ダウンロードした「Windows11InstallationAssistant.exe」ファイルを実行する。画面の指示通りに進めればよく、インストール済みアプリやデータは引き継ぐことができる。同じくインストール中に大量のデータをダウンロードするので、自宅等の光回線に接続した状態で実施しよう。

3.は、アップグレードとクリーンインストールの両方に使える。長らく使っていて重たくなってきたパソコンを一旦まっさらにしたい時や、アップグレードを機にHDDからSSDに交換する場合など、OSが無い状態からでもインストールできる。 USBメモリを作成する際にまとめてダウンロードするので、インストール時にインターネット接続が不要。自宅に光回線を引いていない人、ホームルーターを使っている人や、事業所等で複数台をアップグレードしたい時にも、都度ダウンロードを省けるのでおすすめ。

4.は、詳しい人向け。古めのパソコンにインストールする時などに使える。

インストールメディア(USBメモリ)を作成する

インストール用USBメモリを作成するツールが用意されている

必要なもの

  • USBメモリ 8GB以上
  • Windows 10/11 が動作しインターネット接続されているパソコン(5~6GB程度ダウンロードするので光回線を推奨)

まずは8GB以上のUSBメモリを用意する。中のデータは全て消えるので、必要なデータが残っていないことを確認しておこう。通販でも送料込600円ほどで買えるので、インストール用に1つ用意しても良いと思う。

パソコンが USB 3.0 に対応している場合は USB 3.0 以上のUSBメモリが便利だが、インストール時にしか使わないので、安価な USB 2.0 対応品でも差し支えない。

インターネット(光回線推奨)につながっていて Windows 10/11 が入っているパソコンでMicrosoft公式Webサイトを開き、「Windows 11 のインストール メディアを作成する」の下の「今すぐダウンロード」をクリック。

USBメモリをパソコンのUSBポートに挿し(他のUSBメモリ等はできれば外しておくと良い)、ダウンロードした「mediacreationtool.exe」ファイルを実行し、画面の指示に従って進める。使用するメディアは「USB フラッシュ ドライブ」を選択する(右上図)

ISOファイルをダウンロードしてDVD-Rに焼くこともできるが、DVDメディアを使うと非常に時間がかかるので、USBメモリを使う方が良い。

古めのパソコンにインストールする

このPCでは Windows 11 を実行できません

Intel Core 第7世代以前のCPUを搭載する少し古めのパソコンに、普通にインストールメディアを使って Windows 11 をインストールしようとすると、「このバージョンの Windows では、プロセッサがサポートされていません。」というエラーになって先へ進めない(右図)。

でも回避する方法がいくつかあって、自己責任(ノーサポート)でインストールできる

無保証・非推奨。例えば Microsoft Surface 第5世代に入れることができるが、Windows Update を通じて提供されるファームウェア更新等の対象外になるので、予め Windows 10 で一通りのアップデートを実施しておこう。Windows 11 自体の Windows Update は使えるが、例えば21H2→22H2といったバージョンアップは自動では行われず、手動で行う必要がある。このような余計な手間も発生するので、一般には非推奨。

Rufusを使う

Rufus Portable版 インストール不要ですぐに使える
「スタート」を押すと、書き込み前にオプション表示が出る。ここで最小システム要件チェックの無効化やMicrosoftアカウントの必須解除などを選択できる

必要なもの

  • USBメモリ 8GB以上
  • Windows 10/11 が動作しインターネット接続されているパソコン(5~6GB程度ダウンロードするので光回線を推奨)

予め8GB以上のUSBメモリを用意する。中のデータは全て消えるので、必要なデータが残っていないことを確認しておこう。

Rufusルーファスというフリーソフトを使うと、CPU等の最小システム要件チェックを無効化したインストール用USBメモリを簡単に作ることができる。

  1. インターネットにつながっていて Windows 10/11 が入っているパソコンを起動する。5~6GBほどダウンロードするので、光回線を推奨。
  2. Rufus公式Webサイトを開き、Portable版をダウンロードする
  3. Microsoft公式Webサイトを開き、「Windows 11 ディスク イメージ (ISO) をダウンロードする」の下の「Windows 11 (multi-edition ISO)」を選択し、「ダウンロード」をクリック
  4. 2.でダウンロードした Rufus Portable版を実行
  5. 3.でダウンロードしたファイルを選択し「スタート」
  6. Remove requirement for 4GB+ RAM, Secure Boot and TPM 2.0」と「Remove requirement for an online Microsoft account」にチェックが入っていることを確認し「OK」

このUSBメモリで起動すると、CPU等の要件チェックがスキップされるとともに、初回起動時にMicrosoftアカウントの作成/ログインが必須でなくなる(ローカルアカウントを使える)。

ディスクイメージ (ISO) を使う

isoファイルを右クリックして「マウント」
この PC で Windows 11 を実行できるかどうかを判断できません。セットアップをやめて、やり直してください。
  1. Microsoft公式Webサイトを開き、「Windows 11 ディスク イメージ (ISO) をダウンロードする」の下の「Windows 11 (multi-edition ISO)」を選択し、「ダウンロード」をクリック。5GB以上あるので、光回線の利用を推奨
  2. Windowsエクスプローラーでダウンロードフォルダを開き、1.でダウンロードしたISOファイルを右クリックして「マウント」を実行(右図)
  3. ISOイメージの中身が空きドライブにマウントされて読めるようになるので、C:\ドライブ(Windowsがインストールされているドライブ)に「Win11_22H2」などの名前でフォルダを作成し、そこにISOイメージの中身を全てコピーする
  4. 「C:\Win11_22H2」を開き、sourceフォルダの中の「appraiserres.dll」ファイルを他の場所に一時移動する
  5. 「C:\Win11_22H2」の中にある setup.exe を実行
  6. Windows 11 セットアップが起動するので、画面の指示に従って進める
  7. この PC で Windows 11 を実行できるかどうかを判断できません。セットアップをやめて、やり直してください。」というエラーが出るので(右図)、「閉じる」を押して一旦終了する
  8. 4.で退避していた「appraiserres.dll」ファイルをsourceフォルダに戻す
  9. 再び「C:\Win11_22H2」の中にある setup.exe を実行

これで最小システム要件の判定を飛ばしてセットアップを進められるはず。

右クリックメニューに「マウント」が表示されない場合は、isoファイルを右クリックして「プロパティ」を開き、プログラムに「エクスプローラー」が選択されていることを確認する。他のアプリが選択されている場合は「変更」を押して「エクスプローラー」を選択し、「規定値を設定する」を押す。
コピーが終わったら、isoファイルがマウントされたドライブを右クリックし、「取り出し」を押すとマウント解除される。ここまできたらダウンロードしたisoファイルは消して構わない。

レジストリを書き換える(21H2まで)

Windows 11 バージョン 21H2 までは、レジストリエディタ(regedit.exe)を起動し、

  • レジストリ キー: HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\Setup\MoSetup
  • 名前: AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU
  • 種類: REG_DWORD
  • 値: 1

で値を作成してからセットアップを起動すると、最小システム要件チェックがスキップされていた。

レジストリの書き換えにはレジストリエディタ(regedit)を使うか、コマンドプロンプトを管理者として実行し、下記コマンドを実行する。

reg add "HKLM\SYSTEM\Setup\MoSetup" /v AllowUpgradesWithUnsupportedTPMOrCPU /t REG_DWORD /d 1 /f

Microsoft公式の回避方法だったが、Windows 11 22H2 からはこの方法が使えなくなった。

USBメモリ等からセットアップを起動した後、Shift+F10 を押してコマンドプロンプトを起動し、上記コマンドを実行することもできる。

初回起動時にローカルアカウントを使う

インターネット接続の無い状態で起動すると、ローカルアカウントのセットアップを継続できる

2023年 1月現在、Windows 11 の初回起動時に半強制的にMicrosoftアカウントでのログインが必要になっているが、下記の3通りの抜け道がある。

  • Rufusで作成したインストールメディアを使ってセットアップする
  • 初回起動の際、インターネットに接続しない状態で起動する
  • 「このデバイスをどのように設定しますか?」で「職場または学校用に設定する」を選び、続いて「サインイン オプション」で「代わりにドメインに参加する」を選ぶ

このいずれかで、Microsoftアカウントによるログインを一旦回避できる。

最初からMicrosoftアカウントによるログインをしてしまうと、Users(%USERPROFILE%)ディレクトリがメールアドレスになるなどして後々管理上面倒なので、最初はローカルアカウントを作成しておき、後でMicrosoftアカウントによるログインに切り替える方が良い。

この場合、%USERPROFILE%ディレクトリ名は変わらず、ローカルアカウント作成時のIDが引き継がれる。

BitLocker回復キーを保管する

機密データを扱う場合などは、BitLockerを使うと便利だが、後々トラブルの際にパソコンが起動できなくなりデータを失うこともあり得る諸刃の剣となる機能だ。

必要がなければ BitLocker を使わない方が良いだろう。

必要で使う場合は、必ず最初に BitLocker 回復キーを保管しておくこと。

回復キーはBitLockerをONにしたときに表示される、48桁の英数字。これを印刷しておくか、USBメモリ等に保存しておく。

不明な場合は、設定を開き、検索欄に「BitLocker」と入力して、BitLockerの管理を開くと確認できる。

Active Directory を使っている企業等の場合は、システム管理者が回復キーを保管している場合がある。

更新時などに「デバイスのセットアップを完了しましょう」を表示しない

アップデート後などに時々表示される「デバイスのセットアップを完了しましょう

Windows Update 実施後などに、突然「デバイスのセットアップを完了しましょう」という画面が出てきて、操作を妨害されることがある。

画面の指示に従って進めると、あえて他社製Webブラウザをインストールして使っている人に対し、自社製Webブラウザへの変更を誘導する画面まで出てきて悪質。公取仕事しろ。

推奨ブラウザ―の設定を使用」画面(右図)が出てきたときは、「ブラウザーの設定を更新しない」を選んでから「設定を適用」を押すことで、今までの使用環境を壊さずに使い続けることができる。

筆者も仕事柄、パソコンが突然使えなくなった、いつの間にか設定が変わってしまった、初期化されてしまった?等の相談を受けるのだが、そうしたよくあるトラブルの一因がこれ。

【設定 > システム > 通知 > 下の方の追加の設定

エクスペリエンスを改善するどころか改悪しているこの画面は、設定により非表示にできるので、Windowsパソコン購入/再インストール後すぐに設定しておくことを推奨。

【設定 > システム > 通知 > 下の方の追加の設定】の全て(下記3つ)のチェックを外す(右図)。

  • 更新後およびサインイン時に Windows のウェルカム エクスペリエンスを表示して、新機能と提案を表示する
  • Windows を最大限に活用し、このデバイスの設定を完了する方法を提案する
  • Windows を使用する際のヒントや提案を入手する

PrintScreen キーの挙動を昔に戻す

【設定 > アクセシビリティ > キーボード】

Windowsでは長らく PrintScreen キーを押すと全画面のスクリーンショット画像がクリップボードに保存される仕様だったが、Windows 11 では画面切り取りツールが起動するようになった。

さらに 2023-05 22H2の累積更新プログラム (KB5026446) より、Snipping Toolが開くようになった

新しいツールが便利だという人もいると思うが、すでに他のツールを使っているから余計なことをしてほしくないという人もいるだろう。

昔の挙動に戻したい場合は、【設定 > アクセシビリティ > キーボード】を開き、「プリント スクリーン ボタンを使用して画面切り取りを開く(PrintScreen キーを使用して Snipping Tool を開く)」をOFFにする(右図)。

ただし、Alt + PrintScreen キーを押した場合は Snipping Tool は起動せず、従来通り、アクティブウインドウだけのスクリーンショットがクリップボードに保存される。

NTPサーバを変更する

Windows 11 でもNTPサーバを変更できる

規定では、Microsoft社が米国で提供している time.windows.com を使って、コンピュータの時計が自動調整されるようになっている。

NTPサーバは変更可能で、これを ntp.nict.jp などの国内サーバ(近く)に変更することでインターネット回線の遅延の影響を抑制でき、安定した時刻調整ができる。

もちろん、ntp.jst.mfeed.ad.jpntp.ring.gr.jpなどを設定することもできるし、プロバイダや事業所・学校等がNTPサーバを提供しているならそれを設定する方が良いだろう。

タスクバー右端(画面右下端)の日時表示を右クリックして「日時を調整する」を開き、「その他の時計」を開き、「インターネット時刻」を開くと、NTPサーバを変更できる(管理者権限が必要)。

Windows 10 まではコントロールパネルを使えたが、Windows 11 ではコントロールパネルが隠されてしまった(一応存在している)ので、設定箇所を見つけづらくなってしまった。

電源オプションを詳細設定する

Windows 11 ではスタートメニューの検索欄に「コントロール」と入力すると「コントロール パネル」が現れる

Windows 11 の設定では、電源オプションの詳細な設定ができない。普段は見えないが、Windows 7 以前から使っている人には馴染みがあるだろう「コントロール パネル」が見えない場所にまだ残っているので、それを呼び出して使う。

Windows 10 まではスタートメニューを右クリックすると「コントロール パネル」を呼び出せたが、Windows 11 では出なくなったので、スタートメニューを開き、検索窓に「コントロール」と入力すると、右側に「コントロール パネル」が出てくるので、それをクリックして開く。

電源オプションは「システムとセキュリティ」または「ハードウェアとサウンド」の中に入っている。

コントロールパネルを使うと、スリープに入るまでの時間を細かく(分単位で)指定でき、5時間超にもできるし、休止状態も設定できる。高速起動の無効化、スリープメニューの無効化などもできる。

Windowsをセーフモードで起動する

新たにドライバやスタートアップアプリをインストールした後、起動中にブルースクリーンが出るなどしてWindowsが正常に起動しなくなってしまった場合は、Windowsをセーフモードで起動してから、新たに追加したアプリ等を削除してから再起動してみると良い。

Windowsをセーフモードで起動する方法は、

  1. Windowsのサインイン画面でShiftキーを長押しし、【電源 > 再起動】を実行。
  2. 再起動して「オプションを選択してください」画面が出たら、【スタートアップ設定 > トラブルシューティング > 詳細設定 > 再起動】を実行。

なお、BitLockerを利用している場合は、BitLocker回復キーの入力を求められることがある。

詳細⇒Windows で PC をセーフ モードで起動する

もうひとつ、昔から定番の方法はこちら。

  1. パソコンの電源をOFFにし、(無ければ)USBまたはPS/2接続の有線フルキーボードを接続しておく
  2. パソコンの電源を入れ、画面にメーカーロゴ(または BIOS POST)が表示されたらすぐに、「F8」キーを連打する
  3. 「詳細ブート オプション」が表示されたら、「セーフ モード」または「セーフ モードとネットワーク」を選ぶ

しかしこの起動方法は、Windows 10 以降では規定で無効になっている。近頃はキーボードがBluetooth接続だったり、そもそもキーボードが無かったりするタブレットPCもあるためだろうか。

しかし一般的な有線キーボード付きパソコンでは、こちらの方が手っ取り早いので、時々セーフモードを使う場合は、有効化しておくと良いかも。

有効化するには、コマンドプロンプトを管理者として実行し、

bcdedit /set bootmenupolicy legacy

を実行する。

Windows 11 では背景色が黒(濃い灰色)になったが、伝統的に「ブルースクリーン」と呼ばれる。

ウィジェットを完全削除する

ウィジェット。Microsoftアカウントでログインすると勝手に有効になり、下品な三面記事が大量に出てきて無効にできないウザイ奴

ウィジェットは【設定 > 個人用設定 > タスクバー > ウィジェット】をOFFにすればタスクバーからは消えるのだが、完全にOFFになるわけではなく、タッチスクリーン対応機種で画面左端をタップすると出てくる。

電子書籍を読んでいる時などに執拗に出てきてウザイし、タッチスクリーンでプレゼン中に出てこようものならブチ壊しになってしまいかねない。この迷惑なウィジェットを完全に無効にするには、コマンドプロンプトで操作する必要がある。

  1. システム環境変数 Path%userprofile%\AppData\Local\Microsoft\WindowsApps を追加する
  2. コマンドプロンプトを管理者として実行する
  3. winget コマンド(Windowsのパッケージマネージャ)を使ってアンインストールする
winget uninstall "windows web experience pack"
wingetが入っていない場合は Microsoft Storeでインストールできる。

ファイルエクスプローラーのタブを無効化する

注意: 2023年 9月26日より配信されている「2023-09x64 ベース システム用 Windows 11 Version 22H2 の累積更新プログラム (KB5030310)」を適用するとエクスプローラーが不具合を起こす。
ファイルのコピーや移動が不便
ウィンドウ移動時に不便

Windows 11 22H2 より、Windows エクスプローラーにタブ機能が追加された。

このタブ機能、使い方によっては便利なのかもしれないが、不便なところや副作用もあって、無効にしたい人もいると思うが、無効にする設定は用意されていない。

タブの実装は要望が多かったそうだが、今のところフリーソフトのエクスプローラー拡張「QTTabBar」などに比べても機能が低く、使いにくいと言わざるを得ない。

以前に戻したいと感じている人が少なくないのか、Windowsの機能をON/OFFできる「ViVeTool」を使って無効化する方法が紹介されていた

ViVeToolでエクスプローラのタブ機能を無効化する
  1. ViVeTool」公式Webサイト右側のReleasesにある最新版(Latest)を開き、zipファイルをダウンロードする
  2. 1.でダウンロードした「ViVeTool-v0.3.2.zip」を展開し、Pathが通っている場所に置く(またはPathを通しておく)
  3. コマンドプロンプトを管理者として実行する
  4. 下記のコマンドを実行
vivetool /disable /id:37634385
vivetool /disable /id:39145991

ナビゲーションウィンドウ(フォルダツリー)も昔に戻したい場合は、続いてこのコマンドも実行する。

vivetool /disable /id:36354489

再起動すると、エクスプローラからタブが消えているはず。

再度有効にしたいときはこうする。

vivetool /enable /id:37634385
vivetool /enable /id:39145991
vivetool /enable /id:36354489

この方法は2023年 2月現在、バージョン 22H2 で有効だが、今後のバージョンアップ等で利用できなくなるかもしれない。 2023年 9月26日より配信されている「2023-09x64 ベース システム用 Windows 11 Version 22H2 の累積更新プログラム (KB5030310)」で、利用できなくなった(;_;)。

disableにした状態で KB5030310 を適用すると、エクスプローラーが起動しなくなる。その場合はvivetoolでenableにしてからWindowsを再起動すれば、エクスプローラーが使えるようになる

KB5030310 は累積更新として配信されているが、様々な機能追加が入っており、Windows エクスプローラーはツールバーとアドレスバーの配置が入れ替わった。タブ機能もツールバーも邪魔だと感じる人はいると思うが、無効化するオプションは用意されていない(;_;)。

例えばファイルをコピーする時など、複数ウィンドウを開いていればドラッグ&ドロップ一発だが、タブで開いていると、タブにドラッグできないので、ドラッグ状態でタブをポイントしてから下に移動して離すという作業が必要になってしまう。
例えばウィンドウを移動したい時にはタイトルバーをドラッグするが、タブをドラッグするとウィンドウを移動できない(タブの並べ替えとして動作する)。

IPv6一時アドレスを使う

Windows 11 に限らず以前から使える機能だが、Windows 11 ではIPv6一時アドレス(匿名アドレス)が規定でONになっている。この機能はIPv6通信時に限られるが、Webサイトによる広告等の追跡を回避するといったプライバシー保護に有効。

有効になっているか確認するには、コマンドプロンプトを起動し、netsh コマンドを使う。

> netsh interface ipv6 show privacy

アクティブ状態を照会しています...

一時アドレス パラメーター
---------------------------------------------
一時アドレスの使用                   : enabled
重複アドレスの検出の試み             : 3
有効期間の最大値                     : 7d
優先する有効期間の最大値             : 1d
再生成時間                           : 5s
ランダム時間の最大値                 : 10m
ランダム時間                         : 7m44s

無効になっている場合は、netshコマンドで有効にできる(設定後再起動する)。

netsh interface ipv6 set privacy state=enable

逆に、固定IPにしたい場合など、一時アドレスを無効にしたい場合はこうする(設定後再起動する)。

netsh interface ipv6 set privacy state=disable

ちなみに、IPv6アドレスはIPv4と同様、ipconfig コマンドで確認できる。

> ipconfig

Windows IP 構成


イーサネット アダプター イーサネット:

   接続固有の DNS サフィックス . . . . .:
   IPv6 アドレス . . . . . . . . . . . .: 240d:1a:****:****:****:****:****:****
   一時 IPv6 アドレス. . . . . . . . . .: 240d:1a:****:****:****:****:****:****
   一時 IPv6 アドレス. . . . . . . . . .: 240d:1a:****:****:****:****:****:****
   リンクローカル IPv6 アドレス. . . . .: fe80::****:****:****:****%16
   IPv4 アドレス . . . . . . . . . . . .: 192.168.1.2
   サブネット マスク . . . . . . . . . .: 255.255.255.0
   デフォルト ゲートウェイ . . . . . . .: fe80::1%16
                                          192.168.1.1

IPv6通信を優先する

規定ではIPv6通信がIPv4よりも優先されるようになっている。netshコマンドで優先順位を確認できる。

D:\>netsh interface ipv6 show prefixpolicies
アクティブ状態を照会しています...

優先順位   ラベル  プレフィックス
----------  -----  --------------------------------
        50      0  ::1/128	← ループバック
        40      1  ::/0	← IPv6
        30      2  ::ffff:0:0/96	← IPv4
        20      3  2002::/16	← 6to4
         1      4  ::/96	← IPv4互換

優先順位の値が大きい方が優先されるので、この場合はIPv6通信が優先される。

こうなっていてもIPv4通信が優先されることがあるが、プロバイダのDNSが原因になっている場合もあるので、その場合はDNSサーバを Google Public DNSなどに変更してみる。

または、もし逆にIPv4通信を優先したい場合は、::ffff:0:0/96 の優先順位を上げてやれば良い。

netsh interface ipv6 set prefixpolicy ::ffff:0:0/96 40 1
netsh interface ipv6 set prefixpolicy ::/0 30 2

参考リンク

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