ホームルーター
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ホームルーターは、モバイル回線を使う家庭用の据置型Wi-Fiルーターの通称。
光などの固定回線を引くには工事が必要になるため、工事費や時間がかかることと、居住地域や建物の状況等によっては利用できないこともあるが、ホームルーターは家庭用AC100V電源を取れて電波が届く窓際等があれば使えるので、専門業者による工事が不要ですぐに使えることが売りになっており、「置くだけWi-Fi」などとも呼ばれる。
半面、公衆無線網を使うため、混雑や電波状態による制限を受けやすく、都市部のビル陰などの電波が届きにくい場所では使いにくいこともある。
日本国内では UQ WiMAX(MVNOを含む)の独壇場だったが、ソフトバンクBB(当時)が2014年12月に参入。2021年8月にNTTドコモが、2023年1月に楽天モバイルが参入して活況を呈している。
また、近年はスマートフォン向けの使い放題プランも登場しているので、中古店やフリマサイト等で入手できる中古端末を使い、自分でSIMを入れて使う方法もある。電波状態が良く、設定を自分でできる人に限られるが、こちらの方が安上がりだ。
本稿で示した価格は執筆時点の税込価格。最新情報は各社公式サイトで確認されたい。
光回線とホームルーターどちらがいい?
一般論として、建物等の条件が合って一定期間(目安として3年以上)使う場合には光回線を引く方が良い。主なメリットは高速大容量と低遅延。ただし光回線は工事が必要になることがネックになる。新設工事費に加え、解約時には撤去費用がかかることもある。
一方、工事を避けたい賃貸住宅や、単身赴任・下宿等で短期間使いたい場合、そもそも光回線を引けない場所で使う場合、高齢世帯など通信量が少なくて済む場合は、工事不要のホームルーターが便利だ。
注意点としては、ホームルーター(モバイル回線)はアップロードが非常に遅いので、テレワークやクラウドストレージの利用には不便がある。
光回線を引く方がいい場合
- 家族で使う
- 在宅勤務などで使う
- アップロードが多い(クラウドストレージの利用など)
- 動画配信サービスを高画質(HD、UHDなど)で視聴したい
- ゲームなどで応答速度(低遅延)重視
- 高層階に住んでいて電波が届かない
- 自宅兼店舗(個人事業主)
ホームルーターが適している場合
- 借家等で大家から光回線工事の許可が出ない、原状回復費用が気になる
- 古い団地などで回線工事ができない
- VDSLが敷かれている古めの集合住宅で、通信速度が遅い/混雑に悩んでいる
- 単身赴任や進学(下宿)などで短期間の利用
- 引っ越しが多い
- ほぼダウンロードのみ(Web閲覧、動画鑑賞など)
- 動画視聴は画質にこだわらない
- 高齢者宅などで、データ利用量が少ない
- ADSLからの移行※
- 山奥などで光回線を引けない※
- 仮設事務所(工事現場など)で使う※
ホームルーター向けのおすすめ回線
- 楽天回線の電波状況が良い場所で使う
- Rakuten UN-LIMIT
- (数年以上)長く使いたい、スマートフォンも一緒に安くしたい
- UQ WiMAX、スマートフォンをUQモバイルにすればもっとお得
- 引っ越し、旅行、入院などで一時的に使いたい
- povo 2.0 または Rakuten UN-LIMIT
- 山間地に住んでいる、またはスマートフォンでahamoやドコモを使っている
- docomo home 5G
筆者的おすすめは、単身世帯等で自分で設定等できる人には、縛りがなく融通が利く Rakuten UN-LIMIT や povo 2.0。ただし機器の調達から設定、利用まで全て自己責任になるので、自分でできない人にはお勧めしない。
設定の手間をかけたくない、離れて住む親に使ってもらうといった場合は、手間なく使えて縛りのない(機器代金も安い)UQ WiMAXが使いやすい。
固定回線のバックアップに使う
2023年 4月 3日にNTT東西の「フレッツ光」で大規模な通信障害が発生したが、テレワークが増えた昨今、自宅等に引いた光回線が障害等で使えないと困る人も増えたことだろう。
だからと言って固定回線を2本引くのは負担が大きいので、バックアップ無しで運用している人が多いのではなかろうか。
固定回線が通信障害で止まってしまった場合、チャットやクラウドサービスが使えなくなり、業務そのものが止まってしまうことも考えられる。そうした場合は、バックアップ用にホームルーターを備えておく方がいいかもしれない。
今回のように数時間程度の通信障害であればテザリングで乗り切る方法もあるが、ノートパソコンを使っていることと、スマートフォン等の契約データ容量に余裕がある必要がある。日頃からノマドワークしている人は柔軟に対応できるだろうが、デスクトップパソコンで有線LANを使っている場合や※、auやソフトバンクのなんちゃって無制限プラン(「無制限」と謳われているがテザリングは30GBまでしか使えない)を使っている人は詰みかねない。
筆者が使っているNURO光では今のところ深刻な通信障害は起きていないものの、UQ WiMAX の解約済みホームルーターに povo 2.0 のSIMを入れてバックアップ用に備えてあるので、もし固定回線で通信障害が起きて止まってしまっても、povo 2.0 の「データ使い放題(24時間)」330円を支払って仮復旧させることができる。
注意点としては、povo 2.0 は月額基本料0円で維持費が安く済むが、au回線は下りに極振りしているため、アップロードが遅くて業務利用に使いづらい難点がある。それでもチャットやビデオ会議くらいなら難なくこなせるが、Microsoft 365 やクラウドストレージなどを多用している人は要注意。
まずは基本料0円の povo 2.0 で試してみて、使いづらければ「Rakuten UN-LIMIT」(月額維持費1,080円ほど)を試してみるのも方法だ。楽天回線の電波状態が良いことが前提になるが、楽天回線は比較的上り帯域が広いので、電波状態が良ければアップロードはau回線よりも快適になると期待される。
楽天回線の電波は弱いがソフトバンクの電波はよく入るという場合は、“ソフトバンク”の「データ通信専用3GBプラン」が候補に入る。契約から5年間は月額維持費990円で、通信障害等で使いたい時には「時間制ギガ無制限オプション」(6時間で330円、12時間で440円など)を購入すれば無制限で使うことができる。povoよりも維持費が割高だが、ソフトバンク回線はau回線よりも若干上り通信を使いやすい利点もある※。
なお、いずれも無制限でデータ通信を使えるが、極端に大量の通信が発生すると規制されることもあるので、大量の通信が発生する用途(NASのアップロードや Windows Update など)は一時的に止めておこう。
そんなバックアップが不要だという人は、解約後のホームルーターは他の人に使ってもらえばいい。使いまわしが利くということは、中古店やフリマサイト等で売却できるということでもある。
解約済みホームルーターは意外と使い道があるもの。せっかくホームルーターを契約するなら使い捨てで後々ゴミになる SoftBank Air や Rakuten Turbo は避けて、後々使いまわしが利く UQ WiMAX がおすすめだ。
ホームルーター契約時の注意点
一般に、この順番で検討すると良いと思う。
また、そもそも#ホームルーターが適さない(光回線を引くべき)用途もあるので気をつけたい。
1.電波状況
光回線と違って無線(電波)を使うサービスなので、電波状況が最優先。 でも使いたい場所でどの程度快適に使えるかは、実際に試してみないとわからない。
設置場所は窓際が望ましいが、配線や置き場所の都合で必ずしも窓際に置けない場合もあると思うし、建物が密集していて窓際に置いても電波が届きにくい場所もあるだろう。
スマートフォンやモバイルルータ等を契約している場合は、それで試してみるのが良い。使いたい場所で電波が届きにくいキャリアは、どんなにお得でも契約してはならない。
UQ WiMAX には「Try WiMAX」という無料で借りて試せるサービスがあるので、試してから契約すると良い。
2.機器代金(実質的な縛り)
ホームルーターは電波を使うサービスなので、どうしても不安定になりがち。今は安定して使えていても、気象状況や近所に建物が建つなど周囲の変化によって使いづらくなることもある。
また、今はさほど使っていなくても、2年、3年先のことはわからない。家族が増えるかもしれないし、引っ越すかもしれない。
そもそもホームルーターを使うメリットは固定回線不要で融通が利くことにあるのだから、そこに契約・料金面で縛りを加えて融通を利かなくするのは賢明ではない。
つまり、縛られる期間は極力短くしたい(縛り無しが望ましい)。
今は各社とも料金プランによる契約上の縛りは概ね廃止されているものの、機器代金の分割払いを使って実質的な縛りにしていることが多い。
特にショップ(実店舗)で契約すると、縛りがきつい傾向がある。ドコモ、ソフトバンク、楽天、およびauショップで契約する場合は、ほとんどの場合機器代金相当の実質3年縛りがあるので、契約前に必ず確認しよう。
また、SoftBank Air はキャンペーンで大幅値引きされていることがあるが、月額料金が割高で、長期間縛られる上、専用機器が解約後は転用できずゴミになるので、あまりお勧めできない。
3.月額料金
月額料金は判りやすい比較ポイントなので、横並びまではいかないが、各社とも似通った額を設定している。
「月額割」「月々サポート」などの名目で、契約から36ヶ月間など割引を設定しているキャリアが多いが、よく見ると前述の機器代金を相殺する形になっている(通信料金が割引されても機器代金の分割払いが乗るので総額は変わらない)ことが多いので、これは除外して考えよう。
UQ WiMAX の場合、プラチナバンドを使う「プラスエリアモード」にすると月額料金が上乗せされることがあるが、そもそもホームルーターでプラチナバンドを使わざるを得ないほど電波状況が悪いのなら、見送って光回線を引くべき。契約前に無料の「Try WiMAX」を借りて試しておこう。
その他、近頃は減ってきたが、余計なオプションを勧めてくるショップがたまにあるので、不要なオプションは勧誘されても断ろう。
4.スマートフォンとのセット割
キャリアショップではこれを前面に押して勧奨されることが多いが、これは後回しで考えれば良い。
例えばどのキャリアの電波もよく入って、よりどりみどりの場合は、セット割が使えるキャリアを選んでも良いだろう。
しかし実際には、移動して使うスマートフォンよりも、自宅等で据え置きで使うホームルーターの方がより電波状況がシビアなことが多いので、どちらかと言うとホームルーターを優先して検討し、セット割を使いたいなら後からスマートフォンの乗り換えを検討するのが良いと思う。
ホームルーターが適さない(光回線を引くべき)用途
今は全てのサービスで通信量無制限プランが提供されているが、無線アクセスを使っている都合から、光回線よりも遅延が大きくなるとともに、混雑時などに通信速度が落ちることがある。同じ場所で(引っ越さずに)長く使う場合や、通信量が多い場合は、光回線を引く方が良い。
また、クラウドストレージに常時バックアップする、業務等で Microsoft 365 を多用する、多数のパソコンで Windows Update を実施する、高画質動画を長時間流しっぱなしにするといった大量の通信が発生すると一時的に制限されることがあるので、そうした使い方をしたい場合は光回線を引く方が良い。
UQ WiMAX Speed Wi-Fi HOME
「Speed Wi-Fi」(スピード ワイファイ)は、KDDI傘下のUQコミュニケーションズ社(以下「UQ」)が提供する「UQ WiMAX」サービス向けのモバイルルーター(可搬型)およびホームルーター(据置型)端末の商品名。ホームルーターには「HOME」が付く。「Speed Wi-Fi HOME」に有線LANまたはWi-Fiで接続したパソコン等のWebブラウザで http://speedwifi.home/※を開くと、設定画面に入れる。初期ログインIDとパスワードは、本体底面または背面のラベルに記載されている。
UQ社が直販するほか、多くのMVNOに卸提供されており、BIGLOBEなど一部MVNOでは格安SIM(格安スマホ)とのセット割も利用できる。
WiMAX +5G
通信料金は契約する通信事業者(MVNO)により異なるが、一例として UQ WiMAX で契約する場合、代表的な「WiMAX +5G」(ワイマックス プラスファイブジー)が月額4,950円。
UQではキャンペーンで25ヶ月間682円引きになる「WiMAX +5G はじめる割」を実施しているので、契約から25ヶ月間は月額4,268円になる。
また、初月に機種代金5,940円※と新規事務手数料3,850円がかかる。 UQで契約する場合、期間条件(縛り)は無い(2022年4月~)。機器は新規契約時にセット購入できるほか、持ち込み端末での利用(SIMのみ契約)もできる※。
全国のUQ・auのエリアで使え※、モバイルルータ契約にしておくと契約住所にかかわらず全国で使える。
同じ契約住所でUQモバイルのスマートフォン契約がある場合は、「自宅セット割」が適用になる※。MVNO契約のホームルーター・モバイルルータ―でも適用OK。
約2週間、無料でレンタルできる「Try WiMAX」※もあり、電波に不安がある場所でも契約前に電波状態を確認できる。
UQ WiMAX は実店舗「UQスポット」※を展開しているので、店舗へ出向けば契約当日から使い始めることができる。ショップで契約すると端末の設定(SIMカードの挿入)までしてもらえるので、通販型の契約に自信がない人はショップに行くと良い。
auで契約すると割高&実質3年縛り
auショップでも、UQと同じ「Speed Wi-Fi HOME 5G」を扱っており、通信品質は変わらないが、料金は大きく異なっている。
まず、月額基本料が5,170円で割高だが、auで契約すると「プラスエリアモード」の追加料金がかからない(月間30GB制限はある)。モバイルルータ―として(移動して)使う場合や山間地等で使う場合はauで契約する方がお得になる場合があるが、ホームルーターを市街地で使う場合は「プラスエリアモード」はあまり必要ないと思うので※、「プラスエリアモード」が不要な人にとってはUQで契約する方がお得。
もうひとつ、auショップで買うと端末代金が高額※。基本的には36回払いを組まされて、端末代金相当の「毎月割」が付いて、3年使うと実質0円(つまり実質的な3年縛り)になる。
このほか、新規事務手数料3,850円もかかる。
auショップは店舗数が多い利点はあるが、auとUQでサービス内容はほぼ同じなのにブランドによって価格が異なる一物二価のような状態になっているので要注意。
「UQスポット」へ出向いて契約すればお得なUQ価格で契約できるが、UQスポットは店舗数が少なく、近頃はauショップがUQの看板を掲げていることもあって非常に紛らわしい。店舗で契約する際は、そのお店はUQの料金なのか、auの料金なのか、契約前によく確認しよう。
注意点
通信品質はUQでもMVNOでもauでも変わらないが、MVNOにはいわゆる2年縛りなどの長期契約(解約時に違約金等が発生する)が残っていることがあるので、契約前に要確認。
データ通信量が多いと制限されることになっているが、2022年2月より条件が緩和され、一般的な利用ではあまり速度制限がかからないようになっている。
UQ WiMAX のSIMカードにはIMEI制限があり、他社製の端末に入れても使えない。さらにホームルータープランで契約すると、ホームルーター以外の端末は使えない。モバイルルータープランで契約すると、モバイルルーターもホームルーターも使える(UQ製に限る)。割引等条件が変わらないのであれば、モバイルルータープランを選んでおくと良いだろう。
UQ WiMAX 機器にSIMロックは無いので、解約後の購入端末は povo 2.0 などのSIMを入れて使うこともできる。
UQ WiMAX
UQ WiMAXは、2009年 7月より本格サービスを開始したBWA通信サービスの老舗。
2011年11月、同社初のホームルーター(据置型端末)「URoad-Home」を発売。
2013年より、TD-LTE に互換の WiMAX Release 2.1 規格を採用して「WiMAX 2+」を開始。同時にSIMカードを採用した※。
LTE互換になったことから、2015年よりCAと「ハイスピードプラスエリアモード」を導入し、au回線と束ねて使えるようになった。
WiMAX 2+ への移行に伴い、初代 WiMAX は2020年 3月末でサービス終了。
2021年 4月 8日からは au 5G も使えるようになり、「WiMAX +5G」の名称で提供されている。
SoftBank Air
SoftBank Air(ソフトバンク エアー)は、2014年12月より始まった、ホームルーターの老舗サービス。 当初はADSLの代替としてソフトバンクBB社が提供していたが、後にソフトバンクモバイル(現ソフトバンク)に統合された。
「Airターミナル」という専用機器を購入するかレンタルするかで月額基本料金が変わり、機器購入の場合は月額5,368円+機器代金、レンタルの場合は月額5,907円※。この月額料金を3年以上払うのなら、光回線を引く方が安いかもしれない。
「Airターミナル」を購入する場合、12ヶ月間は基本料金が月々2,288円引き(割引総額27,456円)になるが、機器代金が71,280円と高額※。機器代金は分割払い(12/24/36/48/60回払い)になり、機器代金と同額の「月月割」※が付くので3年使えば相殺されるが、言い換えればこの高額な機器代金と「月月割」が実質的な3年縛りになっている。
加えて、別途契約事務手数料3,850円がかかる。
同住所で“ソフトバンク”“ワイモバイル”の契約がある場合は「おうち割」(要申込)でスマートフォンが安くなるのだが、割高な月額料金を加味すると、競合のUQなどよりお得感はない。
全国のソフトバンク・ワイモバイルショップで契約できる。SoftBank Air では随時キャンペーンが積極的に実施されており、「おうち割」があるのでショップで勧められることがあるが、他社よりも月額料金が割高なことと、機器代金が実質的な3年縛りとなることを考慮して判断しよう。
全国のソフトバンクのエリアで使えるが、登録住所でしか使えない(他の場所に設置すると使えない)ので、旅行や入院時などには使えない。
また、汎用性のある「UQ WiMAX Speed Wi-Fi HOME」などと違って、「Airターミナル」は他の回線では全く使うことができない仕組みになっているため、解約後は転用しようがなくゴミになる(使い道が無いので、フリマ等に出しても買い手がつかない)のもマイナス評価。
他社の電波は入りづらいがソフトバンクの電波状態はとても良い場所で3年以上使い、かつ光回線を引けない合理的理由がある場合には検討すると良いだろう。
おうちのでんわ
固定電話も乗り換える場合は、「おうちのでんわ」を利用できる。NTT東西の加入電話の番号はそのまま引き継ぐことができ、月額基本料金1,078円。
別途専用機器「でんわユニット」を購入する必要があり、その機器代金が17,050円。ただし契約より36ヶ月間は月々474円の「月月割」が適用されて相殺され、実質3年縛りになるが機器代は無料になる。
もちろん緊急通報にも対応しているが、停電すると使えないので、別途スマートフォン等(通話SIM)を併用する前提になる。
docomo home 5G
2021年8月開始。後発だが月額料金はauやソフトバンクよりも若干安く設定されており、月額4,950円で使い放題。
ただし、専用の機器代金が別途必要になり、基本的には36ヶ月の分割払いを組まされて、実質的な3年縛りとなる。
気になる機器代金は、2021年 8月27日発売の初代「home 5G HR01」は39,600円。通信サービス利用中は「月々サポート」が最大36ヶ月間、月額1,100円引きになるので、3年間使えば実質0円になる。
2023年 3月 7日発売の「home 5G HR02」は71,280円に大幅値上げされた。通信サービス利用中は「月々サポート」が最大36ヶ月間、月額1,980円引きになるので以下同様。
実質的な縛りとなる機器代金が UQ WiMAX よりも高く、とりわけ「HR02」は SoftBank Air 並みに高くなってしまった。
全国のドコモショップで契約できる。別途、契約事務手数料3,850円がかかる。
全国のドコモのエリアで使えるが、登録住所でしか使えない(他の場所に設置すると使えなくなる)ので、旅行や入院時などには使えない。
「home 5G」シリーズ専用機器を持っている人(以前契約していた人、中古品を購入した人など)に限り、2023年 4月 3日よりオンラインでSIMカードのみの契約をできるようになった。オンラインで契約すれば、事務手数料・送料はかからない。自己責任になるが、中古端末はフリマサイト等で1万円ほどで買えるので、引っ越し時など短期間の利用に良さそうだ。
住所変更手続き
届け出た設置場所以外で使っていると、「連絡先メールアドレスへ通知し、「home 5G」のご利用を停止」される。引っ越した際は速やかに住所変更手続きをしておこう。
住所変更手続きは My docomoで手軽にできるし、コールセンター(0120-800-000、9~20時)やドコモショップでも手続きできる(手数料無し)。
ただし、home 5G の設置場所変更は月に2回以上はできない。一旦仮住まいに移る等の事情があって月に2回引っ越す場合は、コールセンターかドコモショップに出向いて事情を説明する必要がある。
homeでんわ
「homeでんわ」で、固定電話も乗り換えることができる。NTT東西の加入電話の番号はそのまま引き継ぐことができ、月額基本料金1,078円(ライト)または2,178円(ベーシック)。
「ベーシック」にするとナンバー・ディスプレイや着信転送などの付加機能が全て使え、無料通話550円分が付いてくる。
ドコモの「ギガホ」「ギガライト」やahamoを使っていて「ファミリー割引」を適用すると、月額528円引きになる(要申込)。
別途専用機器「homeでんわ HP01」を購入する必要があり、その機器代金が17,820円(オンラインショップ価格)。ただし契約より36ヶ月間は月々495円の「月々サポート」が適用されて相殺され、実質3年縛りになるが機器代は無料になる。
もちろん緊急通報にも対応しているが、停電すると使えないので、別途スマートフォン等(通話SIM)を併用する前提になる。
専用機器の「docomo home 5G」と「homeでんわ HP01」はどちらもシャープが製造していてデザインが揃っているのはいいが、別個の機器なので、積み重ねて使わないよう案内されている。
「docomo home 5G」と「homeでんわ」は別個に契約できるので、「homeでんわ」のみでも利用できる。
楽天モバイル+機器単体購入
「Rakuten UN-LIMIT」は月額3,278円(ユニバーサルサービス料・電話リレーサービス料別)で通信量無制限で使い放題、かつ機器の制限もないので、楽天回線に適合するホームルーターを中古店等で買ってきて(または他社のサービスで使っていた機器を流用して)APNを設定すれば、格安でホームルーターを使える。楽天回線の電波状況が良い場所に住んでいて、APN設定等は自分でできる人におすすめ。
契約事務手数料や解約金は0円なので、好きな時に契約して不要になったらすぐに解約でき、短期間の単身赴任等にも便利。
楽天モバイルは他社と比べてアップロードが快適という特徴がある。各社とも限られた電波帯域でサービスを展開しているが、他社はダウンロードを重視する設計になっていることが多く、動画やアプリストアなどのダウンロードに偏ったサービスには向いている半面、ビデオ会議やクラウドサービスなどの使い勝手は良くないことがある。
楽天回線は上下対称に近い設定になっている基地局が多いので(右図参考例)、電波状態が良ければ上り(アップロード)も快適に使えることが多い。
用途にもよるが、例えば動画閲覧や Windows Update などのダウンロードに偏った使い方であれば、他社回線の方が適している。反面、例えばビデオ会議やクラウドストレージなどの利用が多いテレワークなどには、楽天回線の方が使いやすい(あくまで電波状態が良ければ、だが)。
注意点としては、楽天モバイルの基地局には【20MHz幅/10MHz幅/5MHz幅】があり、山間部など利用者の少ない地域に設置されている基地局では10MHz幅や5MHz幅しかない場合もある※。その場合はいくら電波状態が良くても、速度が伸びないことがある。
また、こうした基地局では上下対称ではなく、下り優先に設定されていることもある。右図の例では、下り:上りがおよそ5:2になっている。こればかりは実際に使ってみないと判らないので、「Rakuten UN-LIMIT」のSIMをスマートフォンに入れて、「my 楽天モバイル」アプリの通信速度測定を使って※、実際に使いたい場所で計測してみるしかない※。
機器の選定も自己責任になるが、SIMフリー(またはSIMロック解除済み)であることと、楽天モバイルのバンド(LTE Band 3、5G n77)に対応している機器を選ぼう。
おすすめは、入手しやすく楽天回線(4G+5G)に対応している「UQ WiMAX Speed Wi-Fi HOME 5G L11」。中古店やフリマサイトで中古美品が1万円前後で購入できる。「プラスエリアモード」をOFFにしておけばパートナー回線を掴まなくなり、楽天回線のみを無制限で使える。
新品にこだわる場合は、SIMフリーの4Gホームルーター I-O DATA製「WN-CS300FR」(1万円ほど)やピクセラ社製「PIX-RT100」(15,800円ほど)を家電量販店等で購入できる。これらの製品はメーカーで動作確認済みになっており、メーカーのサポートを利用できるので、設定に不安がある人にはこちらがおすすめ。
ちなみに「Rakuten UN-LIMIT」は1日に10GB以上使うと当日中(日付が変わるまで)規制されるという話があったが、この規制は2022年10月頃から実施されなくなったそうだ。とはいえ再度規制されることも考え得るので、再び使いづらくなったと感じた場合は他社に乗り換えるくらいのつもりで使うのが良いと思う。
povo 2.0+機器単体購入
povo 2.0 は基本料0円で、「データ使い放題(24時間)」が330円で使える。
ホームルーター機器を単体購入して povo 2.0 のSIMカードを入れるとともに、別途スマートフォンにアプリを入れておく必要があるが、使いたい時に「データ使い放題(24時間)」トッピングを購入して無制限で使える※。
当然ながら場所の制限はないので、旅行や入院などの短期間の利用ならこちらがおすすめ。
機器は au/UQ WiMAX 用の「Speed Wi-Fi HOME」シリーズが適している※。例えば Speed Wi-Fi HOME L01 ならばフリマサイト等で中古品が2千円以下で買える。5Gは使えないが、今はまだ5Gエリアが狭いので、一時的な利用ならば問題にならないだろう。
「データ使い放題(24時間)」を2日に1回購入しても1月あたり4,950円ほどで収まるが※、都度データトッピングを購入する手間がかかるので、ある程度の期間使う場合は UQ WiMAX がおすすめ。 または楽天回線が使える場所で使うなら、「Rakuten UN-LIMIT」の方が料金面でも安く済んで良いだろう。
Rakuten Turbo
2023年 1月26日より始まったホームルーター向け料金プラン。最後発なのに、他社はおろか自社の既存サービスと比べてもお得感が無い、誰得プラン。
他社と同様、月額基本料金のみでデータ使い放題。気になる月額料金は、常時開催のキャンペーンで、契約から3年間は月額3,685円だが、4年目からは正価の月額4,840円になる。
端末(製品)代金は別途。2023年1月現在、専用の対応端末「Rakuten Turbo 5G」を41,580円で購入する必要がある(SIMのみ契約は不可)。
見方を変えると、契約から3年間の割引総額が41,580円なので、必須の専用端末代金を含めて最初から月額4,840円の実質3年縛りとなる※。
また、個人のスマートフォン向け「Rakuten UN-LIMIT」と違って契約事務手数料3,300円も設定されている。ただし1人1回に限り常時開催のキャンペーンで0円になる。
さらに、ユニバーサルサービス料・電話リレーサービス料を別途請求されるという。 データ専用なのだから本来は020番号を割り当てるべきだが、なぜそうしないのか不可解だ。
しかも「Rakuten Turbo」契約のSIMカードは非公開の特殊なAPNでないと通信できない物のようなので、他の端末に入れても使えない。さらに専用端末「Rakuten Turbo」はAPNの設定ができず、他のSIMを入れて使うこともできないようだ。「SoftBank Air」と同様、解約後は他で使えずゴミになるので、全くお勧めできない。
他社と違って自宅セット割などは無いので、「Rakuten UN-LIMIT」と「Rakuten Turbo」を組み合わせて使うメリットも無い。
2年経過後の月額料金はUQより110円安くなるが、UQのキャンペーンを考慮すると、6年以上使わないと割高。6年も経つと機器の買い替えが必要になってくるだろうから、結局、機器代金が安いUQの方がお得になりそう…
しいて言えば、楽天回線は(電波状態が良ければ)他社に比べてアップロードが比較的良い(UQはアップロードが厳しい)ので、楽天回線の電波状況がすこぶる良い場所で使いたくて、でも設定がわからない人向け。APNの設定くらい自分でできるという人には、#楽天モバイル+機器単体購入の方がお得。
NURO Wireless 5G
2022年4月1日より始まった、ソニーワイヤレスコミュニケーションズ(SWC)社のサービス。
いわゆる「ローカル5G」を使って、SWC社が自前でエリア構築しているため、使える場所は限られる。
申し込んですぐに使えるわけではなく、予め希望を出しておいて、希望が多い場所から同社がエリア化する。
VDSLが入っている古めの集合住宅などで、インターネット接続を改善したい場合には良さそうだ。