Shokz OpenFit

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Shokz OpenFit
Shokz OpenFit.png
ブラック、ベージュ
メーカー Shokz(旧AfterShokz)
発売日 2023年 7月 6日
ユニット 骨伝導
出力音圧レベル 95.5dB ±2.5
再生周波数 50-16KHz
接続 無線
通信方式 Bluetooth 5.2
コーデック SBC, AAC
対応OS 汎用
内蔵電池 音楽最大7時間(ケース併用最大28時間)
充電端子 USB Type-C(専用ケース使用)
サイズ 本体重量 イヤホン 8.3g ±0.2g, ケース 57g ±1 g
騒音軽減機能 × マイクは○
音質(主観) ○ 良好
装着感(主観)
音漏れ(主観) ○ 少なめ
リモコン ○ 再生/停止、次/前の曲など
通話用マイク
防水 IP54防沫(ケースを除く)
本体色
参考市価 24,880円(直販価格)
Shokz OpenFit サポート ユーザーガイド

Shokz OpenFit(ショックス オープンフィット)は、米国Shokz社が開発・発売する完全ワイヤレス型の骨伝導ヘッドセット(イヤホンマイク)。

メーカー型番はT910、カラバリは「Black(ブラック)」「Beige(ベージュ)」の2色展開。

国内正規代理店はフォーカルポイント、流通型番はSKZ-EP-000020(ブラック)、SKZ-EP-000021(ベージュ)。

国内では2023年 4月 6日よりクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」で募集開始、過去最高額の2億5500万円を超える応募があったそうだ。7月 6日より一般販売が始まり、現在は家電量販店等で購入できる。

2024年 5月10日、本機の姉妹モデル「OpenFit Air」が発売された。本機OpenFitは「ハイエンドモデル」、新しい OpenFit Air は「カジュアルモデル」(廉価版)と整理され、併売されている。

作業用BGMに適した形状

同社では従来よりスポーツ向け骨伝導ヘッドホンを得意としてきたが、これまでの「オープンイヤー」コンセプトを継承しつつ、完全ワイヤレス型(TWS)を実現した。

耳をふさがないので使用中でも周りの声が聞こえ、音楽と周囲の音を両方聞くことができるので、作業中のBGM再生などに適している。

イヤホン本体は8.3gの小型軽量で、主流のカナル型と違って外耳道への圧迫がなく、装着感も優れている。

同社では従来よりスポーツ向け骨伝導ヘッドホンを得意としてきたが、最近の機種では骨伝導をメインにしつつ空気伝導で補って音質を向上させている。

ただし本機はその形状から、運動中に使うと装着位置が動くため、音が小さくなる(聞こえにくくなる)ことがある。スポーツ用にはしっかり固定できる Shokz OpenRunOpenMoveなどを使う方が良い。筆者も運動中には OpenMove を使い、座って作業中に OpenFit をと使い分けている。

本機の特徴

本機はスポーツ用(音楽用)の骨伝導ヘッドホンをベースに開発されているが、作業用BGMやラジオ番組などの「ながら聞き」に適している。

音楽鑑賞に集中したい場面では骨伝導でない一般的なヘッドホンを使う方が良いが、本機は作業用BGMなどの没入しすぎたくない用途に便利。

従来のスポーツ用はバンドで保持するタイプだったが、本機は完全ワイヤレスになり、耳たぶ上部に引っ掛けて使う。そのためウォーキングやジョギングには使えるが、激しい運動をするとズレたり外れたりすることがある。

運動中の利用には、OpenMove などのバンドで留める従来型の方が適していると思う。

大きな家電量販店にはShokzの特設コーナーが設置されている。ただし本機は完全ワイヤレス型なので、盗難防止のため別の売場にまとめて置かれているかも

本機は装着感がとても軽く、他社にありがちなカナル型と違って本機は装着中の圧迫感がないので、完全ワイヤレスに興味があってもカナル型が苦手で敬遠していた人におすすめ。

とはいえ骨伝導タイプが苦手という人もいるので、購入前に家電量販店などに出向いて試用することをお勧めする。

Shokz (AfterShokz) の従来モデルはバンドで支える構造になっていたが、本機は耳たぶ上部に引っ掛ける形になった。筆者も使っていて音を止めると着けているのを忘れることがあるが、それだけ装着感が軽いので、バンドの圧迫感が苦手だった人や、逆にバンドで充分に支えられなかった人にもおすすめできそうだ。

ただし耳の形は様々で、人によっては聞こえづらい場合もあると思うので、購入前に試用をお勧めする。

本機は触らなければ落ちないと思うが、移動中に使うときは、うっかり触って落下・紛失しないよう気をつけたい

また、装着中に忘れて、マスクを着け外しした時などに本機が外れて落下することがある。紛失しやすいことで有名なAirPodsなどと違って触らなければ外れにくいが、触ると外れやすいので、屋外でうっかり触って落下・紛失に気をつけたい。

屋外利用時に気になる音漏れは低減されており、すぐ近くまで耳を近づければ聞こえるが、隣に座った程度の距離では気にならないだろう。

もちろん音量を上げれば音漏れするので、図書館などの静かな所では音量に気をつけたい。

防塵防水性能はIP54防沫。雨くらいなら問題ないが、水没や水洗いはNG。汗をかく時季や運動後はこまめに拭き掃除しよう。

ケースのケース

100円ショップ「ダイソー」の「マルチケース カラビナ付」

イヤホンはケースに入れて持ち運ぶことになるが、カバンの中などに放り込んでおくと傷むし、時々ケースが開いて中のイヤホン本体が外れていたり、外れて充電できていないこともある。

ケースに傷つくのが気になる場合や、勝手に開くのを防ぎたい場合は、100円ショップ「ダイソー」のイヤホン売場で販売されている「マルチケース カラビナ付」がぴったりだった。このケースはチャックで閉じるようになっているので、カバンの中に入れておいても勝手に開くことがない。

半面、ケースを充電するときは取り出す必要があって一手間増えるが、(ケースの)ケース不要と割り切って使うか天秤にかけて検討するしかないだろう。

通話・会議ではノイズキャンセリングに対応

本機は音楽用のヘッドホンだが、マイクも搭載しており、会議・通話にも利用できる。

音楽再生中(A2DP)のノイズキャンセル機能は無いが(音楽再生中に外音が聞こえることが特徴なので当然だろう)、街頭での通話やリモートワークなどのビデオ会議(HFP/HSP)の際はAIコールノイズキャンセリング機能が働く。

左右のマイクで音を拾って相手にクリアな声を届けるとともに、道路騒音などの周辺ノイズを最大99.7%までフィルタリングし、相手の声をクリアな音で聞くことができるとされている。

とはいえ、耳元にマイクがあるのでどうしても声が遠くなる場面もある。通話・Web会議等のマイク利用が主目的の場合は Shokz OpenComm の方が良いと思う。

使い方

装着方法

詳しくはユーザーガイドを参照

装着

充電ケースから取り出すと電源ON、充電ケースに入れてフタを閉じると電源OFFになる。

取り出したら右図の要領で耳にかける。

片側のみを使うこともできる(モノラル再生になる)。 会議や通話の場合は片耳使用にすれば交互に長時間使うことができる。

充電

イヤホンを充電ケースに入れると充電が始まる。

充電ケースのフタを開くと5秒間、内側のLEDが点灯する。緑色は電池残量が多い、オレンジ色は少ない。左右両方のイヤホンがケースに入っている場合は、少ない方の電池残量が表示される。

充電ケースのフタを閉じると5秒間、外側のLEDが点灯する。緑色はケースの電池残量が多い、オレンジ色は少ない。

充電ケースをUSB充電中は、外側のLEDがオレンジ点灯。充電完了すると緑色点灯になる。

充電ケースを充電するには、付属のUSBケーブルを使ってパソコンまたは市販の充電器に接続する。スマートフォンの充電器を併用できると思うが、もし無ければ市販品を購入しよう。

イヤホンの充電時間は1時間、充電ケースの充電時間は2時間とされている。

また、5分の充電で1時間使える急速充電に対応とされている。

電池持ち

電池持ちは、イヤホンが7時間、充電ケース併用で最大28時間とされている。

筆者の使い方だと、音楽再生で満充電から6時間以上使えた。完全ワイヤレスイヤホンは電池持ちが短い傾向があるが、本機は軽くて骨伝導なのに思いのほか長持ちで驚いた。

電池切れ間際になるとイヤホンが警告音を鳴らすので、早めに充電ケースに入れよう。

会議は2時間くらいは使える(それ以上は試していない)。一般に会議や通話の方が電池が持たないと思うので、長時間使いたい場合は片耳ずつ使う(もう片方はケースに入れて充電する)と良いと思う。

Bluetooth対応

本機は Bluetooth 5.2 に対応しており、Bluetooth A2DP, AVRCP, HSP, HFP プロファイルに対応した機器とペアリングして使える。接続範囲は最大10m。

音楽再生時(A2DP)のCODECSBCAACに対応している。

新品購入直後は、本機を充電ケースから取り出すと自動でペアリングモードに入る。

他の機器ともペアリングしたいときは、イヤホンを充電ケースに入れ、両方のイヤホンのタッチセンサー部を押し続けていると、充電ケース内側のLEDがオレンジと緑に点滅しはじめ、ペアリングモードになる。

スマートフォンはもちろん、パソコンでも使えるが、本機の設定やファームウェアアップデートにはアプリが必要なので、スマートフォンを併用する必要がある(パソコンのみで使う場合は制限が生じる)。

複数の機器とペアリングしても記憶しており、再ペアリング不要で使えている。

ただし、Bluetooth機器に共通の課題だが、複数の機器にペアリングしていると、本機の電源をONにした時に、本来使いたい機器につながらないことがある。闇雲にペアリングせず、必要最小限に留めておこう。

または、使わないときにはスマートフォン等のBluetoothをOFFにしておく、使いたい機器のすぐ近くで本機の電源をONにする、といった対策をしよう。

筆者は3台までは試したが、何台まで記憶するかは未確認。たくさんペアリングしていると、そのうち古い機器が上書きされるのが一般的だが。

Shokzアプリ Android版

Shokzアプリ

本機の設定やファームウェアアップデートには、Shokzアプリ (Android / iPhone) が必要。Android 8.0以降、iOS 13.0以降に対応している(2024年1月現在)。

主な設定項目は、タッチセンサーの機能変更、イコライザ切り替え、マルチポイント機能のON/OFF。これらの切り替えが不要であれば、パソコンのみで使っても差し支えない

また、充電ケースから取り出してすぐだと、充電ケースの電池残量も表示される。 (取り出してからしばらく経つと、充電ケースの電池残量は表示されなくなる。)

ただしパソコンではファームウェアのアップデートができないので、時々でもスマートフォンにつなぐことをお勧めする。
タッチ操作エリア

タッチ操作

イヤホンの左右に1つずつ、SHOKZロゴの左側(L)または右側(R)付近(右図)に、タッチセンサーが組み込まれている。突起があって、触って判るようになっている。

音楽再生中は、左右どちらかを2回タップで音楽の一時停止/再生。左を3秒長押しで前の曲、右を3秒長押しで次の曲。

アプリでタッチ操作の組み合わせを変更できるが、選べる組み合わせは限られている

アプリを使うと、タッチ操作の組み合わせを変更できる。3秒長押しを音量-/+に変更することと、2回タップに音声アシスタント起動を割り当てることができる。

ただし選べる組み合わせは制限があり、任意に割り当てることはできない

通話中・呼出中は、2回タップで応答/切断、長押しで応答拒否(左右共通)。

マイクのすぐ近くなので、通話中は触らないようにしよう。

例えば、2回タップに音量を割り当てることはできない。長押しでの音量操作は時間がかかって地味に不便。長押しで再生・停止、2回タップで音量にしたかった。

イコライザ

スタンダード/ボーカル/低音強め/高音強め の4つと、カスタムを選べる。

通常はスタンダードで使うのが良いと思う。

マルチポイント接続

工場出荷時はOFFになっている。アプリを使ってマルチポイント機能をONにすると、2台の機器と同時に接続できる

この機能を使うと、例えばスマートフォンで音楽再生中にパソコンでZoom会議に応答する(音楽は停止する)、タブレットで動画再生中にスマートフォンの通話着信に応答する(動画の音は止まる)等の使い方ができる。

2台の機器を同時に使えるわけではない。使えるのはどちらか片方の機器のみ。

トラブルシューティング

Androidスマートフォンの通知バーに表示されるBluetooth機器の電池残量

電池残量を確認したい

スマートフォンに接続した状態でShokzアプリを起動すると、左右別に電池残量が表示される。

スマートフォンと接続中は、スマートフォンの通知バーまたはBluetooth設定でも電池残量を確認できる。

パソコンと接続中は、Windows 11 の【スタート > ⚙ > Bluetoothとデバイス】を開くと確認できる。

本機を出しっぱなしにしていたら使えなくなった

イヤホンを充電ケースから出した状態で3分経つと、自動で待機モードになる。一旦充電ケースに入れてから取り出すと再び使えるようになる。

紛失等で長時間出していた場合は電池が減っている可能性があるので、満充電した充電ケースに入れてしばらく(数時間以上)様子を見てみよう。

本機をケースに入れても充電されない

ケースの電池が減っている可能性があるので、ケースのUSB端子に充電器を接続してみよう。外側のLEDがケースの充電状態を、フタを開けて内側のLEDがイヤホン本体の充電状態を表している。フタを開閉したときに電池残量が少ないときは赤点灯し、点灯しない場合は電池がなくなっている。

使おうと思ったら電池がなかった

本機はしばらく使わずに保管していると、使わなくても数日から1週間程度で電池残量がなくなるが、これは不具合ではなく本機の仕様だそうなので、普段あまり使わない人は、使う前に充電することをお勧めする。

本機の使用中にスマートフォンのロックを解除したい

Android機種に標準搭載の Smart Lock機能を使って、本機と接続中のスマートフォンのロックを解除できる。

イヤホンが接続されている状態で、Androidスマートフォンの設定を開き、「セキュリティ」(機種により異なる)の中に「Smart Lock」(Android 14 以降では「ロック解除延長」)があるので探す。

「信頼できるデバイス」を開いて、「OpenFit by Shokz」を選ぶ。

Web会議などの際にいちいちロック解除を求められず便利なので、必要に応じ設定しておくと良い。

Windowsパソコンでマイクが使えない

Windows 11 の【スタート > ⚙ > システム > サウンド】を開く。

  1. 出力は「ヘッドホン OpenFit by Shokz」を選択する。
  2. 入力は「ヘッドセット OpenFit by Shokz」を選択する。

Windows 11 では、音楽再生中はA2DPになり、マイクをONにすると自動でHFP/HSPに切り替わる(このため、音楽再生中にマイクをONにすると音質が劣化する)。

Windows 10 では、【設定 > システム > サウンド】を開く。

  1. 出力デバイスは「ヘッドホン (OpenFit by Shokz Stereo)」ではなく、「ヘッドセット (OpenFit by Shokz Hands-Free AG Audio)」を選択する。
  2. 入力デバイスにも同じものを選択する。

この設定をすると、パソコンと本機が HFP/HSP で接続されて、マイクが使えるようになる(音楽モードから通話モードに切り替わる)。

音楽モードと通話モードを切り替えるのが面倒

Bluetoothの設定で、通話と音楽(メディア)を各々ON/OFFできる

音楽・動画にしか使わない、または会議や通話にしか使わない場合は、予め片方をOFFにしておくと、自動で切り替わらなくなる。

Androidを例にすると、Bluetoothの設定を開き、「OpenFit by Shokz」の設定を開くと、右図のように、各機能のON/OFFを設定できるようになっている。iPhone/iPad や Windows にも同様の設定項目がある。

音楽・動画等 (A2DP/AVRCP) にしか使わないのであれば、「電話」をOFFにしておけば、マイクがONになってもHFP/HSPに切り替わらない。

逆に、電話や会議 (HFP/HSP) にしか使わないのであれば、「メディアの音声」をOFFにしておけば、常時イヤホンマイクとして使える。

連絡先の共有は、本機では使わないのでOFFのままでいい。

ただし、一部のIP電話アプリなどで、通話音声をメディアで流すものを使っていたりすると、この限りではない。アプリの挙動に合わせて選ぶ必要がある。

本機の音量ボタンで音量を調整できない

スマートフォンの機種によるが、設定により、本機の音量ボタンでスマートフォンの音量調整をできる機種もある

スマートフォンの機種により、本機の音量操作と連動するものと、連動しないものがある。連動/非連動を切り替えられる機種もある(右図)。スマートフォンのBluetooth設定を開き、「OpenFit by Shokz」の設定を開いて確認してみよう。

低音が聞こえない、シャカシャカする

ボーカルモードになっている可能性があるので、アプリを開いてイコライザをスタンダードに変更してみよう。

本体リセット

本機を譲渡したい時、いろんな機器とペアリングしてしまって一旦リセットしたい時などには、本機をリセットする。

左右両方のイヤホンを充電ケースに入れてから、両方のイヤホンのタッチセンサーを同時に15秒ほど長押しすると、ケース内側のLEDがオレンジに5秒間点滅した後消灯し、リセット完了。

その後すぐにペアリングモードになる(ケース内側のLEDがオレンジと緑に交互点滅する)。

修理

本機には国内正規販売店での購入日(通販の場合は納品書の日付)より2年間のメーカー保証が付帯する。

故障が疑われる場合は、正規代理店に修理を申し込む。この時に、購入証明書(販売店のレシートや納品書など)と保証書(本機に同梱)の写真を撮って送る必要がある。

シリアル番号は充電ケースの底面に記載されているが、すごく小さい字で見え難いので、外箱や同梱の保証書で確認する方が良いだろう。

家電量販店で購入した商品は、店舗の修理受付窓口でも修理に出せる。

参考リンク

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