Shokz OpenFit Air
各部の特徴 | ||
メーカー | Shokz | |
---|---|---|
発売日 | 2024年 5月10日 | |
ユニット | ダイナミック型 | |
出力音圧レベル | 96.2dB ±2.5dB | |
再生周波数 | 50-16KHz | |
接続 | 無線 | |
通信方式 | Bluetooth 5.2 | |
コーデック | SBC | |
対応OS | 汎用 | |
内蔵電池 | 音楽最大6時間(ケース併用最大28時間) | |
充電端子 | USB Type-C(専用ケース使用) | |
サイズ | 本体重量 イヤホン 8.7g ±0.2g, ケース 56.4g ±2 g | |
騒音軽減機能 | × マイクは○ | |
音質(主観) | ○ 良好 | |
装着感(主観) | ○ | |
音漏れ(主観) | × 多い | |
リモコン | ○ 再生/停止、次/前の曲など | |
通話用マイク | ○ | |
防水 | △ IP54防沫(ケースを除く) | |
本体色 | ■ ■ ■ | |
参考市価 | 19,880円(直販価格) | |
▶Shokz OpenFit Air ▶サポート ▶ユーザーガイド |
Shokz OpenFit Air(ショックス オープンフィット エアー)は、米国Shokz社が開発・発売する完全ワイヤレス型のヘッドセット(イヤホンマイク)。
本機のドライバーユニットは同社が得意とする骨伝導ではなく、一般的なダイナミック型が採用されている。従来の「OpenFit」とは併売されており、従来のOpenFitが「ハイエンドモデル」、今回の OpenFit Air は「カジュアルモデル」とされている。
メーカー型番はT511、カラバリはブラック、ホワイト、ピンクの3色展開。
国内正規代理店はフォーカルポイント、流通型番はSKZ-EP-000025(ブラック)、SKZ-EP-000026(ホワイト)、SKZ-EP-000027(ピンク)。
国内では2024年 5月10日に発表・発売され、家電量販店等で購入できる。
作業用BGMに適した形状
従来よりスポーツ向け骨伝導ヘッドホンを得意としてきた同社が、これまでの「オープンイヤー」コンセプトを継承しつつ、完全ワイヤレス型(TWS)を実現した「OpenFit」を2023年に発売した。
そして本機はオープン型であるとか軽い装着感などのOpenFitの基本デザインを引き継ぎつつ、骨伝導ドライバーを外したダイナミック型(空気伝導)のみの完全ワイヤレスイヤホンとして登場した。価格もOpenFitよりは若干安くなっている。
耳をふさがないので使用中でも周りの声が聞こえ、音楽と周囲の音を両方聞くことができるので、作業中のBGM再生などに適している。
イヤホン本体は8.3gの小型軽量で、主流のカナル型と違って外耳道への圧迫がなく、装着感も優れている。
ただし、本機は音漏れが大きいので、図書館などの静かな場所での利用は避けよう(後述)。
本機の特徴
本機は作業用BGMやラジオ番組などの「ながら聞き」に適している。
音質は良好で、音楽鑑賞にも使えそうではあるが、本機は作業用BGMなどの没入しすぎたくない用途に向く。
装着感が軽い割りに外れにくいので、軽い運動にも使えそうだが、激しい運動をするとズレたり外れたりすることがある。運動中の利用には、OpenMove などのバンドで留める従来型の方が適していると思う。
本機は装着感がとても軽く、他社にありがちなカナル型と違って本機は装着中の圧迫感がないので、完全ワイヤレスに興味があってもカナル型が苦手で敬遠していた人におすすめ。
また、本機は骨伝導ではないので、骨伝導タイプが苦手という人にも良さそうだ。
筆者も使っていて音を止めると着けているのを忘れることがあるが、それだけ装着感が軽いので、バンドの圧迫感が苦手だった人や、逆にバンドで充分に支えられなかった人にもおすすめできそうだ。
反面、装着中に忘れて、マスクを着け外しした時などに本機が外れて落下することがある。紛失しやすいことで有名なAirPodsなどと違って触らなければ外れにくいが、触ると外れやすいので、屋外でうっかり触って落下・紛失に気をつけたい。
防塵防水性能はIP54防沫。雨くらいなら問題ないが、水没や水洗いはNG。汗をかく時季や運動後はこまめに拭き掃除しよう。
音漏れが大きい&屋外では聞きづらい
本機はOpenFitと同様に装着感が軽く、音質はさらに良くなったが、音漏れが大きくなった。公式には「音漏れを抑えて」と謳われているが※、静かな場所では少し離れて座っている人にも聞こえるくらい音漏れが大きかった。
電車の中などでは音量に気をつけよう。また、図書館や喫茶店などの静かな場所での使用は避ける方が良いだろう。
運動中に使うぶんには音漏れの心配は不要だが、本機を散歩中に使ってみたところ、風の音でかき消されてしまい、聞きづらかった。風が直接入ってくるオープン型の宿命だろう(^^;。「OpenFit」は骨伝導併用なので音質が落ちる程度で済んだのだが、本機は空気伝導のみなので、風の音が入ると途端に聞きづらくなってしまう。
BGMなら聞こえなくても問題ないが、通話やオンライン会議で使う場合は要注意。駅や公園などの屋外で通話やオンライン会議に使うつもりの人には、本機は向かないかも。
外音が聞こえることが特徴なので、道路等の騒音が大きい場所での利用には向かない。
また、散歩などの軽い運動ならいいが、スポーツ用にはしっかり固定できる Shokz OpenRun、OpenMoveなどを使う方が良い。
筆者も運動中には OpenMove を愛用しているが、OpenFit Air は屋内でのオンライン会議と作業用BGMくらいに用途が限られそうだ。
骨伝導併用のOpenFitの方が音漏れを抑えられ、風などの影響も受けにくいので、移動中に使う人は骨伝導併用のOpenFitの方が良いと思う。
ケースのケース
イヤホンはケースに入れて持ち運ぶことになるが、カバンの中などに放り込んでおくと傷むし、時々ケースが開いて中のイヤホン本体が外れていたり、外れて充電できていないこともある。
ケースが傷つくのが気になる場合や、勝手に開くのを防ぎたい場合は、100円ショップ「ダイソー」のイヤホン売場で販売されている「マルチケース カラビナ付」(右写真)がぴったり(少しきつめ)だった。このケースはファスナーで閉じるようになっているので、カバンの中に入れておいても勝手に開くことがない。
半面、ケースを充電するときは取り出す必要があって一手間増えるが、(ケースの)ケース不要と割り切って使うか天秤にかけて検討するしかないだろう。
通話・会議ではノイズキャンセリングに対応
本機は音楽用のヘッドホンだが、マイクも搭載しており、会議・通話にも利用できる。
音楽再生中(A2DP)のノイズキャンセル機能は無いが(音楽再生中に外音が聞こえることが特徴なので当然だろう)、街頭での通話やリモートワークなどのビデオ会議(HFP/HSP)の際はアダプティブ・ビームフォーミングにより声を拾う。4つのマイクで音を拾うことにより、「周囲の騒音を96.5%低減」すると謳われている。
筆者が使った感じでは、耳元にマイクがある割りにマイクの音は比較的良好だが、多少ノイジーな感もあった。通話・Web会議等のマイク利用が主目的の場合は Shokz OpenComm の方が良いと思う。
使い方
詳しくはユーザーガイドを参照
装着
充電ケースから取り出すと電源ON、充電ケースに入れてフタを閉じると電源OFFになる。
取り出したら右図の要領で耳にかける。
片側のみを使うこともできる(モノラル再生になる)。 会議や通話の場合は片耳使用にすれば交互に長時間使うことができる。
充電
イヤホンを充電ケースに入れると充電が始まる。
充電ケースのフタを開くと5秒間、内側のLEDが点灯する。緑色は電池残量が多い、オレンジ色は少ない。左右両方のイヤホンがケースに入っている場合は、少ない方の電池残量が表示される。
充電ケースのフタを閉じると5秒間、外側のLEDが点灯する。緑色はケースの電池残量が多い、オレンジ色は少ない。
充電ケースをUSB充電中は、外側のLEDがオレンジ点灯。充電完了すると緑色点灯になる。
充電ケースを充電するには、付属のUSBケーブルを使ってパソコンまたは市販の充電器に接続する。スマートフォンの充電器を併用できると思うが、もし無ければ市販品を購入しよう。
イヤホンの充電時間は1時間、充電ケースの充電時間は2時間とされている。
また、5分の充電で1時間使える急速充電に対応とされている。
電池持ち
電池持ちは、イヤホン単体で6時間、充電ケース併用(≒こまめに充電して)で最大28時間とされている。
本機は骨伝導ドライバーを搭載していない割りに電池持ちがOpenFitより短いが、OpenFitの電池容量が58mAhに対し、本機は40mAhに減っているためと思われる。
筆者の使い方だと、音楽再生で満充電から6時間弱使えた。完全ワイヤレスイヤホンは電池持ちが短い傾向があるが、本機は軽い割りに頑張っていると思う。
電池切れ間際になるとイヤホンが警告音を鳴らすので、早めに充電ケースに入れよう。
会議は2時間くらいは使える(それ以上は試していない)。一般に会議や通話の方が電池が持たないと思うので、長時間使いたい場合は片耳ずつ使う(もう片方はケースに入れて充電する)と良いと思う。
Bluetooth対応
本機は Bluetooth 5.2 に対応しており、Bluetooth A2DP, AVRCP, HSP, HFP プロファイルに対応した機器とペアリングして使える。接続範囲は最大10m。
音楽再生時(A2DP)のCODECはSBCのみ。OpenFitはAACにも対応していたが、本機は廉価版なので省かれたのだろうか。廉価版といってもけっこういい値段なのだから、せめてAACくらいには対応してほしかった。
Bluetoothペアリング
新品購入直後は、本機を充電ケースから取り出すと自動でペアリングモードに入る。
他の機器ともペアリングしたいときは、イヤホンを充電ケースに入れ、両方のイヤホンのタッチセンサー部を押し続けていると、充電ケース内側のLEDがオレンジと緑に点滅しはじめ、ペアリングモードになる。
スマートフォンはもちろん、パソコンでも使えるが、本機の設定やファームウェアアップデートにはアプリが必要なので、スマートフォンを併用する必要がある(パソコンのみで使う場合は制限が生じる)。
複数の機器とペアリングしても記憶しており※、再ペアリング不要で使えている。
ただし、Bluetooth機器に共通の課題だが、複数の機器にペアリングしていると、本機の電源をONにした時に、本来使いたい機器につながらないことがある。闇雲にペアリングせず、必要最小限に留めておこう。
または、使わないときにはスマートフォン等のBluetoothをOFFにしておく、使いたい機器のすぐ近くで本機の電源をONにする、といった対策をしよう。
Shokzアプリ
本機の設定やファームウェアアップデートには、Shokzアプリ (Android / iPhone) が必要。Android 8.0以降、iOS 13.0以降に対応している(2024年5月現在)。
主な設定項目は、タッチセンサーの機能変更、イコライザ切り替え、マルチポイント機能のON/OFF。これらの切り替えが不要であれば、パソコンのみで使っても差し支えない※。
また、充電ケースから取り出してすぐだと、充電ケースの電池残量も表示される。 (取り出してからしばらく経つと、充電ケースの電池残量は表示されなくなる。)
タッチ操作
イヤホンの左右に1つずつ、SHOKZロゴの左側(L)または右側(R)付近(右図)に、タッチセンサーが組み込まれている。突起があって、触って判るようになっている。
音楽再生中は、左右どちらかを2回タップで音楽の一時停止/再生。左を3秒長押しで前の曲、右を3秒長押しで次の曲。
アプリを使うと、タッチ操作の組み合わせを変更できる。3秒長押しを音量-/+に変更することと、2回タップに音声アシスタント起動を割り当てることができる。
ただし選べる組み合わせは制限があり、任意に割り当てることはできない※。
通話中・呼出中は、2回タップで応答/切断、長押しで応答拒否(左右共通)。
マイクのすぐ近くなので、通話中は触らないようにしよう。
イコライザ
スタンダード/ボーカル/低音強め/高音強め の4つと、カスタムを選べる。
通常はスタンダードで使うのが良いと思う。
マルチポイント接続
工場出荷時はOFFになっている。アプリを使ってマルチポイント機能をONにすると、2台の機器と同時に接続できる※。
この機能を使うと、例えばスマートフォンで音楽再生中にパソコンでZoom会議に応答する(音楽は停止する)、タブレットで動画再生中にスマートフォンの通話着信に応答する(動画の音は止まる)等の使い方ができる。
トラブルシューティング
電池残量を確認したい
スマートフォンに接続した状態でShokzアプリを起動すると、左右別に電池残量が表示される。
スマートフォンと接続中は、スマートフォンの通知バーまたはBluetooth設定でも電池残量を確認できる。
パソコンと接続中は、Windows 11 の【スタート > ⚙ > Bluetoothとデバイス】を開くと確認できる。
本機を出しっぱなしにしていたら使えなくなった
イヤホンを充電ケースから出した状態で3分経つと、自動で待機モードになる。一旦充電ケースに入れてから取り出すと再び使えるようになる。
紛失等で長時間出していた場合は電池が減っている可能性があるので、満充電した充電ケースに入れてしばらく(数時間以上)様子を見てみよう。
本機をケースに入れても充電されない
ケースの電池が減っている可能性があるので、ケースのUSB端子に充電器を接続してみよう。外側のLEDがケースの充電状態を、フタを開けて内側のLEDがイヤホン本体の充電状態を表している。フタを開閉したときに電池残量が少ないときは赤点灯し、点灯しない場合は電池がなくなっている。
使おうと思ったら電池がなかった
本機はしばらく使わずに保管していると、使わなくても数日から1週間程度で電池残量がなくなるが、これは不具合ではなく本機の仕様だそうなので、普段あまり使わない人は、使う前に充電することをお勧めする。
本機の使用中にスマートフォンのロックを解除したい
Android機種に標準搭載の Smart Lock機能を使って、本機と接続中のスマートフォンのロックを解除できる。
イヤホンが接続されている状態で、Androidスマートフォンの設定を開き、「セキュリティ」(機種により異なる)の中に「Smart Lock」(Android 14 以降では「ロック解除延長」)があるので探す。
「信頼できるデバイス」を開いて、「OpenFit Air by Shokz」を選ぶ。
Web会議などの際にいちいちロック解除を求められず便利なので、必要に応じ設定しておくと良い。
Windowsパソコンでマイクが使えない
Windows 11 の【スタート > ⚙ > システム > サウンド】を開く。
- 出力は「ヘッドホン OpenFit Air by Shokz」を選択する。
- 入力は「ヘッドセット OpenFit Air by Shokz」を選択する。
Windows 11 では、音楽再生中はA2DPになり、マイクをONにすると自動でHFP/HSPに切り替わる(このため、音楽再生中にマイクをONにすると音質が劣化する)。
Windows 10 では、【設定 > システム > サウンド】を開く。
- 出力デバイスは「ヘッドホン (OpenFit Air by Shokz Stereo)」ではなく、「ヘッドセット (OpenFit Air by Shokz Hands-Free AG Audio)」を選択する。
- 入力デバイスにも同じものを選択する。
この設定をすると、パソコンと本機が HFP/HSP で接続されて、マイクが使えるようになる(音楽モードから通話モードに切り替わる)。
音楽モードと通話モードを切り替えるのが面倒
音楽・動画にしか使わない、または会議や通話にしか使わない場合は、予め片方をOFFにしておくと、自動で切り替わらなくなる。
Androidを例にすると、Bluetoothの設定を開き、「OpenFit Air by Shokz」の設定を開くと、右図のように、各機能のON/OFFを設定できるようになっている。iPhone/iPad や Windows にも同様の設定項目がある。
音楽・動画等 (A2DP/AVRCP) にしか使わないのであれば、「電話」をOFFにしておけば、マイクがONになってもHFP/HSPに切り替わらない。
逆に、電話や会議 (HFP/HSP) にしか使わないのであれば、「メディアの音声」をOFFにしておけば、常時イヤホンマイクとして使える。
連絡先の共有は、本機では使わないのでOFFのままでいい。
ただし、一部のIP電話アプリなどで、通話音声をメディアで流すものを使っていたりすると、この限りではない。アプリの挙動に合わせて選ぶ必要がある。
本機の音量ボタンで音量を調整できない
スマートフォンの機種により、本機の音量操作と連動するものと、連動しないものがある。連動/非連動を切り替えられる機種もある(右図)。スマートフォンのBluetooth設定を開き、「OpenFit Air by Shokz」の設定を開いて確認してみよう※。
低音が聞こえない、シャカシャカする
ボーカルモードになっている可能性があるので、アプリを開いてイコライザをスタンダードに変更してみよう。
本体リセット
本機を譲渡したい時、いろんな機器とペアリングしてしまって一旦リセットしたい時などには、本機をリセットする。
左右両方のイヤホンを充電ケースに入れてから、両方のイヤホンのタッチセンサーを同時に15秒ほど長押しすると、ケース内側のLEDがオレンジに5秒間点滅した後消灯し、リセット完了。
その後すぐにペアリングモードになる(ケース内側のLEDがオレンジと緑に交互点滅する)。
修理
本機には国内正規販売店での購入日(通販の場合は納品書の日付)より2年間のメーカー保証が付帯する。
故障が疑われる場合は、正規代理店に修理を申し込む。この時に、購入証明書(販売店のレシートや納品書など)と保証書(本機に同梱)の写真を撮って送る必要がある。
シリアル番号は充電ケースの底面に記載されているが、すごく小さい字で見え難いので、外箱や同梱の保証書で確認する方が良いだろう。
家電量販店で購入した商品は、店舗の修理受付窓口でも修理に出せる。
参考リンク
- Shokz OpenFit Air
- Shokzから2種類の新商品が5月10日(金)より発売開始!究極の心地よさを追求した「OpenFit Air」スポーツ用骨伝導イヤホン「OpenSwim Pro」
- サポート
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- 正規取扱店(主要な販売店)
- AfterShokzがShokzになりました!(2021年12月29日)
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