Fossil Sport

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本機は Wear OS 入門用に向く
(43mm スモーキーブルー)

Fossil Sport(フォッシル スポーツ)は、米国の腕時計メーカー・FOSSIL(フォッシル)社製の腕時計活動量計。いわゆるスマートウォッチ。FOSSIL Q シリーズ。Wear OS by Google(旧称 Android Wear)搭載、本体・アプリともに日本語表示に対応GPS内蔵

米国では2018年11月に発売。日本では2018年12月にメーカー直販限定で先行販売開始2019年3月より他の販売店でも発売。

公式通販はもとより、Amazonや楽天市場などの通販モール、家電量販店店頭でも販売されていた。価格は先行発売時点で38,880円(8%税込)、2020年に入ると在庫処分に入り半額以下まで値下がりした。2020年6月頃に終息し、流通在庫のみになっている。

後継機種は FOSSIL Q シリーズの第5世代。新たにスピーカーが搭載されたほか、メモリが512MB→1GBに、ストレージが4GB→8GBに増量されているので、多少操作感が改善されていることを期待したいが、SoCOSは同じなので、劇的な改善はしていないと思う。

ちなみに2020年7月1日に後継SoCが発表されたので、これから購入するなら、型落ちになった本機の出物を見つけるか、または新しいSoCが搭載された新機種の登場を待つ方が良いかも…?

なお、本稿では Androidスマートフォンとペアリングして使い、Wear OS バージョン 2.17、ホームアプリ 2.35.0.316095169 をもとに記述している。

特徴

本体と付属のシリコンストラップ
(43mm スモーキーブルー)

サイズ

ケースサイズ別に 41mm(ストラップ幅は18mm)と 43mm(同22mm)の2モデル展開。前者はレディース(女性向け)、後者はメンズ(男性向け)と称されているが、サイズの違いだけなので、身体に合った大きさを選べば良いと思う。

重さは41mmモデルで本体25g、ストラップ込みで37g。43mmモデルでは本体28g、ストラップ込みで44g。ナイロン製ケースの効果か、軽量に仕上がっている。厚さも実測で13mm程度に抑えられており、スマートウォッチの中では薄型の部類に入ると思う。

シンプル&カラフル

画面はガラス(タッチパネル)、トップリングはアルミ、ケースはナイロン、ストラップはシリコン(交換可)。

本機はスポーツシリーズだが、いかにもスポーツウォッチといったごついデザインではなく、シンプルなデザインなので、おとなしめの色を選んでおけば、普段使いもしやすい。

カラバリはカラフル。ブラッシュ、グレー、ブラック、ライトブルー、レッド、ネオン、スモーキーブルーの7色から展開され、後にイエローなどが追加された。

アルミのトップリングとナイロンのケースにも色が付いているが、トップリングとケースで色が異なるモデルがあるので、バンド交換して使うつもりの場合は要注意。

電池持ちが短い

省電力モードに入ると操作を受け付けなくなり、常時時計のみが簡易表示される

腕時計メーカーの製品だけあり、有機ELを採用しながらも常時時計表示(アンビエント表示)するなど、腕時計としての立ち位置にこだわりを見せるが、そのぶん電池持ちを犠牲にしており、腕時計として使っても毎日充電が必要で、ワークアウト(アクティビティ、エクササイズ)計測をすると実質数時間しか使えないなど、使い勝手のバランスが良くない。

本機は電池持ちが悪いので、常時表示にこだわらなければ、本機の設定で「常に画面をON」をOFF(左側)にすることを推奨

ワークアウト計測を重視するなら、常時表示を無効にすることで、電池持ちを伸ばすことができる(それでも1日持たないが、GPS連続使用6時間くらいは何とか…)。
【本機の画面を下へスワイプ > 上の歯車アイコンをタップ > 「画面」をタップ > 下の方にスクロール > 「常に画面をON」をOFF(左側)にする】(右図

本機は電池残量が少なくなると自動で省電力モードに入り、一切の操作を受け付けなくなる(=多くの機能が使えなくなる)が、簡易的な時計表示(右上図)と心拍数計測は継続するようになっている。

ちなみに省電力モード(簡易的な時刻表示以外の機能が使えない)で使うと約3日の電池持ちだと謳う媒体も見かけたが、始終省電力モードではスマートウォッチを使うメリットは無いし、Amazfit GTR のように普通に使っても1週間電池が持つ機種もあるのだから、ミスリードか誇大広告にも感じる。

もっとも、本機に限らず、Wear OS (Android Wear) 搭載機種は電池持ちが短めのことが多い。Wear OS にこだわりが無ければ、腕時計としての見た目を優先するか、ワークアウト(アクティビティ、エクササイズ)計測を優先するかで選べば良いと思う。

本機は落ち着いたデザインで、今は在庫処分で価格も手頃になったので、Wear OS ならではの機能(#Androidアプリとの連携)を使ってみたい人(つまり Wear OS のお試し用)には良いかもしれない。

しかし、本機は電池持ちが悪い上に、ワークアウト計測中に電池切れになると計測中のワークアウト記録が失われるなど、スポーツモデルを謳いながらワークアウト計測を軽視した挙動になっているのが気になる。 本機の内蔵GPSはまあまあ良い感じだが、電池持ちの悪さはどうしようもないので、ワークアウト計測に使うつもりなら、同じGPS内蔵スマートウォッチの中でも Amazfit GTR や同 Stratos シリーズなどの電池持ちの良い機種をお勧めする。

なお、使いながらの充電はできないが、専用の充電ケーブルは磁石で吸い付くタイプで、腕から外して専用ケーブルを吸い付ければ充電が始まる。数時間で満充電できるので、例えば往復の通勤中だけ装着し、職場などでは外して充電する使い方(毎日2回以上充電する)ならば、電池持ちの問題は乗り越えられるかもしれない(そこまでして Wear OS にこだわる必要はあるか?は人それぞれだろうね…)。


市販の腕時計用バンドを装着できる

付属のストラップ(バンド、ベルト)はシリコン製で、運動中に着用するには適しているが、普段使いを考えると安っぽくも感じる。

付属のストラップはクイックレリーズ機構になっており、簡単に外すことができる。ケースサイズ41mmモデルは18mm幅、同43mmモデルは22mm幅の、市販の腕時計用バンドを付けられる。

筆者は外出時にしか着けないので、別途購入した金属製バンドに付け替えて使っているが、金属製はしっかり着けられて涼しく丸洗いもできる反面、重いので、常時着用には向かないだろう。

常時着用するならシリコン製やナイロン製のバンドの方が良いだろうが、シリコンバンドは通気性が悪く汗が溜まりやすいので、体質によってはかぶれやすい。ナイロン製バンドは汗が溜まりにくいが滑りやすい(装着中に回転してしまう)。皮革製は軽さと装着感は優れるが手入れが面倒(汗をかいた時や感染症対策などでの丸洗いに不適)など、それぞれ一長一短あるので、自分の好みや使い方、体質に合わせて選ぶと良い。

なお、金属製バンドには長さ調整に必要な器具が付いていたりいなかったりする。付いていない場合はDIY店などに出向くか、通販で一緒に購入しておこう。 調整方法は一般的な腕時計用バンドと同じだが、自分で調べて調整する必要がある。

【参考】

このほか、画面保護フィルムもサードパーティ製品が市販されている。必要に応じ購入すれば良いだろう。

機能

ケースはナイロン製で軽量。背面の光学式心拍センサー付近はドーム形になっており、汗などが溜まりにくいのは好評価

SoCQualcomm Snapdragon Wear 3100 を搭載。これは2018年9月に発表されたばかりのSoCで、つまり本機は(発売時点で)最新のSoCを搭載した機種だ。

通信機能は Bluetooth 4.2 + BLE

電池持ちは「24時間以上使える省電力モード」とされているが、筆者の試した範囲では、時計・通知・心拍数計測のみを使った場合で、満充電で出かけて朝から夕方まで。ワークアウト(アクティビティ、エクササイズ)計測をすると満充電から始めて数時間程度で、操作不能の省電力モードに入ってしまう。つまりワークアウト計測が実用になるのは数時間程度まで。使う度に充電が欠かせないと思っておく方が良いと思う。

サイクリング(ツーリング)、ハイキングや登山などで使いたい人にはお勧めしない

ワークアウト計測結果はスマートフォンの Google Fit アプリ(Android / iPhone)で確認できる(同じGoogleアカウントでログインすれば自動で同期される)。

Google Fit なので、運動量を可視化し運動不足を防ぐ「ハートポイント」に対応している。

完全防水なので、汗をかく時季には気軽に水洗いできる

できること

歩数計では自転車などの運動量を評価できないが、本機は心拍数を加味した「ハートポイント」で運動量を可視化できる
スマートフォンを取り出さずにアプリの通知を確認できる(HELLO CYCLING の返却完了通知)。ただし有機ELなので、晴れた屋外での視認性はいまいち
Wear OS アプリ(Android版)
文字盤などの設定変更をしたり、スマートフォンの通知をスマートウォッチに送ったりする。本機の利用には必須
FOSSILアプリは本機では使えない

できないこと

  • 単体での使用(使用には対応スマートフォンと Wear OS アプリが必要)
  • モバイルネットワークへの接続(本機での通話不可)
  • 血圧計測
  • 座りすぎ通知(Google Fit でできるという話もあるが、筆者は確認できていない)
  • 決済(本機は Google Pay に対応しているが、日本では未対応)
  • 本機単体での音楽再生
  • 転倒を検出し自動で緊急通報する[1]

本機も Google Pay に対応しているが、日本では(まだ?)使えない。

本機には FeliCa が搭載されているという噂もあるようだが、公式に謳われている様子はなく、根拠は不明。本機のボタンを押してスリープ解除してからスマートフォンの NFC Reader で読み取ることができるが、Infineon製の NFC Type-A として認識される。InfineonもFeliCa対応チップを製造しているようだが、本機が対応しているかは不明。

Apple Watch に続き、2020年 4月よりGarminがSuicaに対応済なので、Androidユーザーで国内で決済に使いたい人は(価格は高いけれど)Garmin製スマートウォッチを選ぶのが無難だろう。

主な仕様

操作を受け付ける通常の画面表示。本機は規定で常時点灯になっており、電池持ちが悪い

画面はガラス、フレームはアルミ、ケースはナイロン。

標準添付のバンドはシリコン。バンド交換には一般的な腕時計用の18mm/22mmタイプのものが使える。

内蔵充電池はLiPoで、350mAh。

本体の重さは、41mmモデルは25g、43mmモデルは28g(付属のシリコンバンドを含まない)。 付属のシリコンバンドは、43mmモデル(22mm幅)は実測で約16g。

厚さは実測で13mm程度。

画面はタッチスクリーン搭載のAMOLEDで、暗い場所での視認性に優れ、明るい場所でもそれなりに見えるが、常時点灯すると消費電力が大きい(=連続使用時間が短くなる)ため、本機もご多分に漏れず電池持ちが悪い。 (時計の常時点灯が必要ならば反射液晶の機種を選ぶ方が良いと思う。)

タッチパネルのほか、操作ボタンを右側面に3つ搭載。中央の竜頭状のボタンがスリープ解除とスクロール(回転すると上下にスクロールする)で、最もよく使う。右上と右下は機能ボタンで、アプリの呼び出しを割り当てることができる。

中央の竜頭ボタンは使いやすいのだが、ボタン操作が洗練されていない感がある。例えば時計表示画面(右上図)のときにボタンを押すとメニューに遷移し、竜頭を回してメニューを選択できるが、再度ボタンを押すと時計表示に戻ってしまう(メニューを選択する時は画面をタップする必要がある)など、ちぐはぐ感がある。

SoCなどハードウェアの性能不足か、ソフトウェアのカスタムが良くないのか、メニュー表示や遷移の反応がいまいち。特にタップ・スワイプ操作の感度がいまいちで、全体に操作感はもっさり。

様々な国の認証を取得している

付属品と2年保証

外箱は英語だが、付属の簡易説明書は日本語を含む複数言語に対応している。本機の表示ももちろん日本語を含む様々な言語に対応。

充電は付属の専用ケーブルを使い、USB(A端子)から給電する。充電中は腕から外す必要はあるが、バンドを外す必要はない。

ACアダプタは付属しないので、パソコン等のUSBポートを使うか、市販の USB ACアダプタが必要。スマートフォン用の充電器も大抵使える。

FOSSIL製スマートウォッチには2年間のメーカー保証が付帯している(並行輸入品は対象外)。

Wear OS

Google Fit の「#ハートポイント」と歩数を表示

本機には Wear OS by Google(ウェア オーエス バイ グーグル、旧称 Android Wear)という、Androidベースのスマートウォッチ用OSが搭載されている。

AndroidiOS を搭載したスマートフォンとペアリングして使うことを前提としており、スマートウォッチの利用には「Wear OS」(Android用iOS (iPhone) 用)というスマートフォンアプリが必要。

もちろんAndroidスマートフォンとの相性は良いが、もし iPhoneと一緒に使うなら、あえて Wear OS を使わなくても…という気も。本機の発売時価格は Apple Watch の廉価モデルよりも高いくらいだし、電池持ちは大差なく、OSの完成度は Apple Watch の方が高い。また、iPhone との機能的な相性は本機よりも Amazfit GTR などの方が良いように思う(価格も安い)。

もっともハードウェア的に気に入ったスマートウォッチの中身がたまたま Wear OS だったということもあるだろうし、使えないよりはずっといいと思うけれど。

なお、以下では Wear OS 2.x を扱う。旧 Android Wear では異なる場合がある。

ハートポイント

心拍数から運動量を可視化する「ハートポイント」に対応
自転車での通勤や買い物などの運動量も測ることができる。自転車は短時間でも運動効率が良いので、日常生活の運動量を測るにも向く

Wear OS に搭載されている Google Fit の機能で、2018年8月に導入された比較的新しい機能。

従来、運動量は歩数で評価されることが多かった。実際、歩数計を持って歩いている人が多いと思うが、歩数では運動の強さ(例えば登坂など)を測れないことや、自転車やランニングなどの運動量を評価できないといった課題がある。

一方、心拍数を継続的に計測するスマートバンド・スマートウォッチを使うと、運動の強弱を測ることができるし、自転車などの運動量も評価できるようになる。

この心拍数から運動量を測るために開発された新しい指標が「ハートポイント」。平常の心拍数よりも少し上がる程度の、早歩きや軽いサイクリングといった「中程度の運動」をすると1ポイント。ランニングやサイクリングなどの強度の運動をすると2ポイント得られる仕組みになっている。

WHO(世界保健機関)では、この「ハートポイント」を1週間に150以上取得すると、「心臓病のリスク低減、睡眠の改善、精神的な安定」が見込まれるとして推奨している。

もちろんガチなスポーツをしても良いが、通勤で1駅分歩くとか、買い物で自転車に乗るといった運動も評価されるので、運動不足になりがちなデスクワーカーが健康維持に必要な運動量を確保するために向いている。

なお、同様の運動量を評価する指標に「PAI」というものもあり、2019年にはHUAMI社が自社製スマートウォッチにこれを導入している(2020年から Xiaomi Mi Smart Band 5 にも導入された)。「ハートポイント」は暦週(日曜日から土曜日まで、または月曜日から日曜日まで)の運動量を評価するが、「PAI」では過去1週間の運動量を評価するので、常に1週間分の運動量を把握でき、リアルタイム性の高い、使いやすい指標になっている。

また、「ハートポイント」は獲得数に上限が無いので、1日がっつり運動して1週間分のポイントを稼ぐこともできる。一方「PAI」では1日あたり75ポイントの上限があるので、1日がっつり運動しても他の日に引きこもっていると運動不足認定となる。目標値が150よりも100の方が分かりやすくもある。「PAI」は後発だけに、よく出来ていると思う。でもどちらを使っても、運動不足の解消に効果的だ。

これらの指標ではいずれも心拍計を使っているが、互換性は無いので、スマートウォッチを乗り換えるときに移行することはできない。(とはいえ1週間分の運動量を評価する指標なので、1週間使えば計算できるから、わざわざ移行する必要はないかもしれないが。)

どちらを使っても良いが、運動不足になりがちなデスクワーカーや、リモートワーク・テレワークになって運動不足を感じている人は、健康維持に必要な運動量を知るために「ハートポイント」や「PAI」などの指標を取り入れてみてはいかがだろう。


Google アシスタントに対応しているが、スマートフォンとつながっている時でないと機能しない

Google アシスタント

本機はマイクを内蔵しており、Google アシスタントに対応している。「OK Google」の呼びかけに反応するが、スマートフォンとBluetooth接続できない時は動作しない(右図)。

本機はWi-Fi通信機能を備えているものの、ファームウェアアップデートや Google Play Store でのアプリダウンロードなどに用途が限られている。スマートフォンとBluetooth接続されていないと、Google アシスタントを含む多くの機能が使えない。

だったらスマートフォンでアシスタントを使えばいいじゃない、本機は単にBluetooth接続のマイクとして動作すればいいんじゃない?と思わなくもないのだが…いまいち中途半端に感じてしまう。

Google Play Store が搭載されている

Androidアプリとの連携

Wear OS には Google Play Store が搭載されており、アプリを追加ダウンロードして使えるようになっている。

とはいえ、スマートフォン用アプリがそのまま動くわけではないが、スマートフォンアプリと Wear OS 用アプリは原則セットで提供されており、ペアリングしたスマートフォンに Google play 経由で対応アプリを導入すると、スマートウォッチにもインストールできる仕組みになっている。

主な(筆者が試したことのある)対応アプリは下記。

Strava

その筋では有名な(?)、アスリートのためのSNS

Android用 Strava アプリは Wear OS にも対応しており、スマートウォッチのGPSを使ってランニングやサイクリングの記録を取ることができる。

もっとも、Wear OS 標準搭載の Google Fit と Strava アカウントを連携すれば、Google Fit で取得したワークアウトの記録が自動同期されるので、Google Fit を使いつつ Strava にデータを送ることもできる(筆者はそうしている)。

Google maps

スマートウォッチで地図を見られるようになり、ナビも使える。

とはいえ、電池持ちが悪く、小さな画面で、操作もしづらいスマートウォッチでわざわざ地図を見るくらいなら、スマートフォンを直接使う方が良いような気はするが。

ナビについては、Fossil Sport はスピーカーを搭載していないので、音声案内は利用できない。

地図ロイド

ペアリングしたスマートフォンに「地図ロイド」アプリをインストールすると、スマートウォッチの Google Play Store でも「地図ロイド」をインストールできるようになる。

国土地理院の地形図を見られるようになるとともに、標高や、予め設定した目的地までの残り距離を見られる機能がある。

地図ロイド自体、独特の操作感で取っつき難い感はあるが、多機能なので、使いこなせれば便利。 こういうアプリが使えるのは、Wear OS ならではの醍醐味と言えるだろう。

Google play ミュージック

スピーカーを搭載した、または Bluetooth ヘッドホンをペアリングできるスマートウォッチを使うと、スマートウォッチ単体で音楽再生できるようになる。(Fossil Sport はスピーカーを内蔵していないので、単体で音楽プレーヤーにはできない。)

もっとも、これもわざわざ電池持ちの悪いスマートウォッチを使わなくても、スマートフォンと Bluetooth ヘッドホンを使う方が良いとは思うが…その場合、Wear OS は#音楽リモコンとして利用できる。

また、Spotify も Wear OS 用アプリが提供されている。

ワークアウト

ワークアウト計測分を含め、毎日の運動が自動的に記録されて一覧できる

Wear OS のワークアウト計測には、標準搭載の Google Fit アプリを使う。 (他に#Stravaなども使えるが、本稿では割愛。)

Google公式での表記の揺れが著しく、「ワークアウト」「アクティビティ」「エクササイズ」などの表記が混用されているが、本稿では「ワークアウト」と呼ぶ。

サイクリング

2020年2月以降あまり出掛けられなくなってしまったので、なかなか好例を用意できず、やむなく図は割愛。

Mi Smart Band 4Amazfit GTR などとあまり変わらないが、地図上に走行ルートが線引きされ、走行場所、アクティブ時間、距離、消費エネルギー (kcal)、平均心拍数、平均速度、および高度(標高)が記録・表示される。

スマートフォンのBluetoothをONにして一緒に持ち歩いていると、スマートフォンの位置情報が併用される。スマートフォンとの接続が切れている(BluetoothをOFFにしておく、またはスマートフォン自体を持ち歩かない)と、本機の内蔵GPSのみで位置計測する。

本機の内蔵GPSのみで計測した場合、建物が密集した場所などでは位置飛びも見られるが、概ねよく取れていると思う。

また、本機の高度計測はけっこう正確に出ていそうに思う(普段使っている Amazfit GTR の高度計の誤差が大きいこともあるが…)。

レンタサイクルでも使える

走行距離や時間の計測は市販のサイコンを使う方が正確なので、併用すると良いが、自前のサイコンを付けられないシェアサイクル・レンタサイクルでも計測できるのはスマートウォッチ(活動量計)ならではの利点だ。

身軽に電車で土浦宇都宮しまなみなどへ出かけて、スポーツサイクルを借りて走る時にも良さそうだ。

また、本機はGPSを内蔵していて、走行場所を記録したい時にも便利。 GPSや心拍数モニターが付いているサイコンは一般に高価かつ面倒なので、自前の自転車で使う場合も、本機は手軽なトラッカーとして使えそうだ。

ただし、本機は電池持ちが短いのが難。3時間程度しか走らないなら良いが、1日ポタリングとかツーリングとかに使うと、おそらく途中で省電力モードに入ってしまい、残念なことになるだろう。

前述の通り、画面(時計)の常時表示を無効にすると、電池持ちを延ばすことができるので、【設定 > 画面 > 「常に画面をON」をOFF(左側)】に設定しておこう。

ウォーキング、本機内蔵GPSで計測

ウォーキング

ウォーキングの計測を試してみたのが右図。 地図上に歩いた場所が線で表示されるとともに、心拍数、ペース、高度を計測できる。 ほぼずっと住宅地の中だが、そう派手ではないものの、所々位置飛びが見られる。

前半(北側)はほぼ平坦だが、後半(南側)は急坂を登ってゆくコース[2]

本機を使うと高度(標高)も取得できる。GPSで計測し、気圧計で補正していると思われるが、地理院地図を見ると出発地の標高が約18m、到着地点は約63mなので、いい線いっている。

歩数だけでは平坦地も急坂も区別できないが、心拍数を見ると登り坂では上がっているので、わずか2km、約30分(最後の数分は止め忘れ)、歩数で1,722歩程度の割りに「ハートポイント」は高くなっている。運動量をより的確に評価する指標として優れていると感じる。

精度

GPSの位置は、屋外では概ねきれいに取れるが、屋内では位置飛びが起きることがある。距離等正確に測りたい場合は、休憩等で屋内(四阿などの屋根の下を含む)に入る前に停止するよう心掛けたい。

計測の一時停止は、本機のボタンを押して画面を点灯させてから、画面を下にスワイプすると、一時停止のアイコンが出てくる。

もっとも、筆者が使っている範囲では、Amazfit GTR は位置飛びが発生しやすいが、それに比べると本機は比較的位置飛びが少ないと感じている。

高度(標高)も、ばらつきの大きな Amazfit GTR と比べると、比較的正確に出ているように感じる。

計測前のGPSの掴み具合は、スマートフォンと接続しているか否かで大きく変わる。スマートフォンとBluetooth接続しているとスマートフォンの位置情報を併用して早く位置取得できるが、スマートフォンとの接続が切れていると本機単体での位置取得になり、開始までに1分ほど待たされることもある。

とはいえ、本機の小さな筐体にしては、早く・正確な方だと思う。(電池持ちの悪さが残念。)

その他のワークアウト

心拍数や運動量の計測アプリは Google Fit が標準搭載されている
最近計測したワークアウトのアイコンが優先表示される

Wear OS に標準搭載されている Google Fit は、「アイススケート」「インターバルトレーニング」「インラインスケート」「ウィンドサーフィン」「ウェイクボード」「ウェイトリフティング」「ウォーキング」「エアロビクス」「エリプティカル」「エルゴメーター」「オーストラリアンフットボール」「ガーデニング」「カーリング」「カイトサーフィン」「カイトスキー」「カヤック」「キックスクーター」「キックボクシング」「クリケット」「クロスカントリースキー」「クロススケート」「クロスフィット」「ケトルベル」「ゴルフ」「サーキットトレーニング」「サイクリング」「サイクリングマシン」「サッカー」「サンドランニング」「ジョギング」「スカッシュ」「スキー」「スキー(滑降)」「スケート」「スケートボード」「スタンドアップ パドルボード」「スノーシュー」「スノーボード」「スピニング」「ズンバ」「セーリング」「ソフトボール」「そり滑り」「ダンス」「テニス」「トレッドミルウォーキング」「トレッドミルランニング」「なわとび」「ノルディックウォーキング」「バイアスロン」「ハイキング」「バスケットボール」「バックカントリースキー」「バドミントン」「パラグライダー」「バレーボール」「ハンドサイクル」「ハンドボール」「ビーチバレー」「ピラティス」「フィットネスウォーキング」「フェンシング」「フットボール」「フリスビー。フロッシング」「ベビーカーウォーキング」「ボート競技」「ボクシング」「ホッケー」「ポロ」「マウンテンバイク」「ユーティリティバイク」「ヨガ」「ラグビー」「ラケットボール」「ランニング」「ローイングマシン」「ロードバイク」「ローラースキー」「ロッククライミング」「屋内スケート」「屋内バレーボール」「階段上り」「階段上りマシン」「筋力トレーニング」「健康体操」「高強度インターバルトレーニング」「車椅子」「乗馬」「総合格闘技」「体操」「卓球」「武術」「野球」「P90X」「その他」に対応している(2020年6月現在)。

ワークアウトメニューが多すぎて探すだけでも大変だが、Fossil Sport の竜頭ボタンをクルクル回すと比較的容易に探せる(ただし竜頭ボタンを押すと前に戻ってしまう残念な操作性…選択・実行には画面をタップする必要がある)。

また、最近に使ったものが優先表示されるので(右上図)、普段利用するワークアウトが2-3個ならば、探す手間は最初だけで済む。

GPXファイル出力

Google Fit にはGPXファイルを出力する機能は無いが、予め#Stravaアカウントと連携しておく(または Wear OS 用の Stravaアプリを使う)と、ワークアウト結果がStravaに自動で登録される。

あとはStravaの機能で、WebサイトからGPXファイルを書き出すことができる。

通話着信や通知の表示

通話着信中の表示

スマートフォンへの通話着信や、アプリの通知を表示する機能がある。

通話着信すると、本機に画面に相手の電話番号(連絡先に登録されている相手は名前)が出て、切断/応答のアイコンが表示される(右図)。

本機で通話こそできないが、会議中や電車の中などで着信したときに、スマートフォンを取り出さずに相手を確認でき、そのまま着信音を止めることもできて便利だ。

スマートフォンのBluetoothをONにしておく必要があるが、反応は概して良好で、通話着信するとすぐに本機も反応する(Xperia 1Huawei nova 5T で確認)。

任意のアプリの通知を表示できる(スマート留守電のメッセージ表示例)

また、任意のアプリの通知を表示する機能もある。(右図

通知の内容が表示されるだけだが、近頃よくあるSMSを使ったワンタイムパスワードなどを、スマートフォンを取り出さずに確認できて便利だ。もちろんメールやチャットツールの通知を受け取ることもできる。

アプリ単位でON/OFFできるので、例えば Microsoft Teams(ビジネスチャット)はONにしてLINEはOFFにするといった使い方もできる。

本機に表示する通知のON/OFFは、スマートフォンの Wear OS アプリで設定する。 規定でONになってしまうので、設定しないとスマートウォッチが通知で埋もれることになりかねない(その点、Amazfitは規定でOFFで、理に適っていると思う)。

また、通知が遅れることや、ONにしたアプリの通知も受け取れないことがある。 通知を見る機能は、Amazfit GTR の方が早くて使いやすい。

音楽リモコン

再生中の楽曲の曲名やアーティスト名はもちろん、アートワークも表示されるのは Wear OS ならでは

本機とペアリングしたスマートフォンで音楽再生中は、本機の音楽リモコン機能を利用できる。

音楽リモコンが自動で表示されることもあるが、自動で表示されない場合は、右中央のボタンを押してスクロールし、「音楽」をタップすると起動する。

再生中の曲名とアーティスト名の表示(日本語対応)はもちろん、アートワークまで表示されるのが Wear OS ならでは。一時停止/再開、曲送り/戻し、音量の操作もできる。

筆者の手元では Huawei nova 5TXperia 1 で動作OK。 音楽プレーヤーは MusicoletdoubleTwist、Xperia は標準ミュージックアプリで動作確認しているが、他のプレーヤーでも使えるのではと思う。

筆者は愛用しているヘッドホン(1MORE E1008Xiaomi ノイズキャンセリングイヤフォン Type-C)にリモコンが付いているので、本機の音楽リモコンはあまり使っていないが、リモコンの無いヘッドホンを使っている場合や、曲名が知りたい、曲送り操作をよくするといった場合には、本機は便利なリモコンになりそうだ。

本機にインストール済みの様々な機能は、本機の右中央のボタンを押して表示されるメニューの中から起動できる

その他の機能

タイマー、アラーム、睡眠計測などを備えている。Googleカレンダーと連携したリマインダー(スケジュールの表示)などもあるので、Googleのサービスにどっぷり浸かっている人には便利かもしれない。

変わったところでは、新型コロナウィルス対策で「手洗いタイマー」が追加された。起動すると40秒のカウントダウンが始まり(つまり40秒間手を洗えということ)、終わると次は3時間後に再度手を洗うよう通知される。 (正直、必要性を全く感じないが…というか3時間も待たずに洗える時に洗うでしょ:))

本機の心拍計は睡眠記録にも対応しているが、そもそも本機は電池持ちが短いし、寝ている時に着けるには邪魔だろうから、睡眠計測を重視するなら、Google Fit との連携に対応している Mi Smart Band 4 などの小型軽量のスマートバンドを別途用意する方が良いと思う。

電源OFFと初期化

画面を上から下にスワイプすると表示されるクイック設定

シアターモードと電源OFF

映画館に入る等で画面を点灯させたくないときは、画面を下にスワイプしてクイック設定右図)を開き、腕時計アイコン(右図の例では左下)をタップしてシアターモードに入ることができる。

シアターモード中は全ての通知がOFFになるが、うっかりボタンを押すと解除されてしまう。 映画鑑賞中に心拍数を計測したい等の事情でもなければ、一旦電源OFFにする方が確実。

電源をOFFにしたいときは、画面を上から下にスワイプしてクイック設定右図)で上の歯車マークをタップ、または中央の竜頭ボタンを長押しして設定メニューを開き、下の方にある「Power Off」をタップ。

本体リセット

本機を譲渡する等で初期化したいときは、【設定 > システム > 接続を解除してリセット】。 データがすべて削除される旨の確認メッセージが出るので、✔をタップ。本機の操作のみでOK。 その後、ペアリングしたスマートフォン側では Wear OS アプリをアンインストールすれば良い。

参考リンク

41mmモデル

43mmモデル

Wear OS

Google Fit

その他

関連記事

  • Amazfit GTR - 中国 Xiaomi系のスマートバンド専業メーカーHUAMI社製 Amazfit シリーズの2019年モデル。GPSを内蔵し、日本語対応で機能豊富。シンプルなデザインで、電池持ちも良好で使いやすいモデル。
  • Mi Smart Band 4 - Xiaomiが販売するリストバンド活動量計。GPSや高度計測は無いが、小型軽量で電池持ちは長く、国内正規品が3千円台で買える。
  • Huawei Band 4 Pro - GPSを搭載したリストバンド型活動量計。大手メーカーのGPS付き現行機種の中では最も廉価。
  • GPXファイル