無停電電源装置 (UPS)

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OMRON BY35S(常時商用、正弦波モデル)

無停電電源装置UPS、Uninterruptible Power Supply)とは、商用電源の停電などに備えて電源をバックアップする装置。

規模や負荷の種類などに応じて様々な製品があるが、本稿では、主にパソコンやネットワーク機器などで使われる家庭用または小規模事業所(SOHO)向けのUPSを扱う。

リモートワーク・テレワークなどで自宅で仕事をする人も増えていると思うが、不意な落雷等で停電し、デスクトップパソコンやネットワーク機器などのデータが失われる/故障することのないよう、備えておきたい。

UPSは、出力容量と時間(バックアップ能力)、出力波形(矩形波か正弦波か)OS対応(自動シャットダウン機能の有無)、装置の形状や重さ、および国内でのサポート体制を見て選ぶ。

日本ではオムロン (OMRON) とAPC(シュナイダーエレクトリック)が定番だが、他にも様々なメーカーが製品化している。しかし中華系や並行輸入品などの国内で満足なサポートを提供していないメーカーの製品を買うと、後々電池交換や処分に困る(電池は定期的に交換する必要があり、使用済み電池はメーカーか専門業者に回収に出す必要がある)ので、購入前にメーカーのサポート体制を確認しよう

必要な出力容量と時間

最初に確認したいのは、負荷(電源バックアップしたい機器・装置)の消費電力と、シャットダウン等にかかる時間。電池容量によりUPSの大きさ・重さがほぼ決まるので、容量の大きなUPSほど長時間稼働するが、装置が大きく・重く・価格が高くなり、家庭や小規模オフィスでは使いにくくなる。

大きくて邪魔だからと使わなくなっては本末転倒なので、規模に合った製品を選びたい。

負荷

まずは、停電時に電源バックアップが必要な機器を選別する。パソコン本体はもちろん、増設したビデオカード等や、モニタや外部ハードディスクなど外付けの装置(使っている場合)も忘れずに。

そして、電源バックアップが必要な、つまりUPSに接続すべき機器類の消費電力を計算する。瞬間最大消費電力でなく通常稼働時の消費電力で良いが、周辺機器の増設なども考慮する必要がある。分からない場合は家庭用ワットチェッカーなどを使うのも方法。

パソコン

ノートパソコンなどの内蔵電池を使える機器は、UPSにつなぐ必要はない

ただし、シンクライアントのような(セキュリティ対策などでデータをローカルに置かない)使い方をしている場合は、パソコン本体だけでなくネットワーク機器もUPSにつなぐ必要があるかもしれない。

または、データをローカルに置いていて、パソコンを安全にシャットダウンできれば良いのであれば、ネットワーク機器はUPS不要かもしれない※1

極論すれば、WAN内蔵ノートパソコンで、またはモバイルルータを使って、常時WAN(LTEなど)を使って作業しており、データはパソコン本体かクラウドに置いているなら、UPSは不要(必要に応じ「ポータブル電源」を用意すると良いかも)となる。そういう人はまだ少数派だと思うが…

雷サージ対策はしておこう。筆者は雷ではないが事故停電でノートパソコンを壊された経験がある。ちなみにUPSにも雷サージ対策が必要だが、近頃のUPSは雷サージ保護回路が入っている製品が多い。

ネットワーク機器

用途によっては、ネットワーク機器にもバックアップ電源が必要かもしれない。

例えばNASを使っている場合は、パソコンとNASだけ保護しても、途中のネットワーク(ハブなど)が停まると、ファイルを保存できずに失うことになる。

ストレージが外部(クラウドなど)にある場合は、光ケーブルを引き込むONUルータなどの電源もバックアップする必要がある。

ホームルーターを使っている場合は、携帯電話基地局には無停電電源装置が設置されていることが多いが(一部の簡易局を除く)、家庭等に設置するホームルーター(端末機器)の電源は各家庭でバックアップする必要がある。

筆者はパソコン用にUPS 1台、NASとネットワーク機器用にUPS 1台を用意しているが、全てをUPS 1台で賄おうとすると容量の大きなUPSが必要になるし、電源コードの取り回しも厄介。使い方や機器の配置にもよるが、接続すべき機器が多い場合は、UPS 1台で全てを賄うのが良いのか、複数台に分散するのが良いかも検討しよう。

また、何でもかんでもUPSにつなげるとバックアップ時間が短くなる等の問題があるので、必要のない(電源が落ちても故障しない/停電時に使えなくても差し支えない)機器はつながない判断も必要。

音声通信サービスにおける給電と停電対策について(出典:総務省資料)

ひかり電話

近頃は家の電話を「ひかり電話」や「ケーブル電話」(CATV会社が提供する電話)などにしている家庭が多いと思うが、この場合は光ケーブルを引き込むONU、ルータ(ONU一体型のものも多い)、ターミナルアダプタ(TA)(右図では「VoIPルータ」)および電話機に電源バックアップが必要。

メタル回線では電話線を使って電話局から給電されていたので、停電しても電話は使えたのだが、「ひかり電話」などに切り替えた場合は電源の面倒を見る必要が出てくる。

もっとも、今は携帯電話などを使えば事足りる人も多いだろう(携帯電話の基地局は多くが電源装置を備えているので、短時間の停電ならば使えることが多い)。

自宅の電話番号を職場に届け出ている人は、自宅の電話が不通になったら携帯電話に転送されるよう着信転送ひかり電話ボイスワープなど)に加入・設定しておくか、携帯電話番号も職場に届け出ておくと良いだろう。

停電時に局給電で動作する機能のない電話機もある。局給電での動作に対応している電話機でも、コードレス電話などの付加機能は使えなくなる。

バックアップ時間

UPSのバックアップ時間(目安)は、メーカーが公表している。例えばOMRONは一覧表を提供しているし、APCは各機種のホームページで消費電力(W数)を入れるとバックアップ時間目安が表示される。

時間が長い方が安心ではあるが、UPSは大容量になるほど大きく・重くて扱いづらく、価格も高くなる。用途に合わせて、必要なバックアップ時間を決めよう。

例えば、停電したときに安全にシャットダウンできる時間稼ぎができればいいという用途であれば、今どきのパソコンであれば1分前後でシャットダウンできると思うので、少し余裕を見て3分ほど持てば充分だろう。

サーバなどシャットダウンに数分かかる機器を使う場合は、5分くらいを目安にしたら良いだろう。

ノートパソコン(電池内蔵)を使っている場合は、ネットワーク機器などにUPSをつないで30分以上持たせることができれば、停電中も業務を継続できるかもしれない。落雷などで停電が多い地域に住んでいる場合は、こういう使い方も一案だと思う。

なお、各メーカーが公表しているバックアップ時間は新しい電池を使った場合の目安。電池が古くなるとバックアップ時間が短くなるので、余裕をもたせる必要がある。

矩形波と正弦波

UPS選びで出てくる用語に「矩形波」「正弦波」がある。

商用電源は交流だが、UPSの内蔵電池は直流で充放電するため、交直変換が必要になる。

電池の直流電源を交流に逆変換する際に、商用電源のような正弦波を作り出すには比較的複雑(高価)な回路が必要になるが、矩形波は比較的簡素(安価)な回路で作れるので、小型化・低価格化に適している

矩形波でも多くのデジタル機器が問題なく動くのだが、一部、うまく動作しない機器が存在する。例えば、パソコンの電源装置のうち、PFC(力率改善)回路を備えたものには、矩形波だとうまく動かないものがある(動くものもある)ので、そうした機器を使う場合には正弦波出力のUPSを選ぼう。

しかし矩形波出力UPS対応可否は機器の仕様に書かれていないことが多く、判別が難しい。

筆者が使っている範囲では、ACアダプタを使う機器(ネットワーク機器、モニタ、ノートパソコンなど)はまず矩形波でも問題ない。 電源内蔵のデスクトップパソコンも、小型な省スペースモデルはまず問題ない。

とはいえ、正弦波出力のUPSも小型化・低価格化が進み、例えばオムロンの廉価なモデルでは3千円程度の差に収まっている。

正弦波出力のUPSを推奨する旨書かれている機器はもちろんだが、PFC電源と書かれているもの、自作パソコンなどで比較的高出力の電源装置を使う場合や、ゲーミングモデル(内蔵グラフィックボードは意外と電気食い)、サーバ機器などをつなぐなら、正弦波出力のUPSを選ぶのが無難だ。

なお、矩形波出力のUPSに交流モーター、コンプレッサー、電熱器など(扇風機、冷風機、冷蔵庫、調理器具など)を接続することはできない(故障の原因になる)。レーザープリンタなどの消費電力の大きな機器も向かない。

とはいえ、近頃はあまり価格差がなくなった。例えば OMRON BX35F(矩形波モデル)と BY35S(正弦波モデル)で価格差は3千円ほど。ただし小型化には限度があるようで、電源タップ型などのコンパクトモデルはみな矩形波出力。
USB扇風機やペルチェ素子などの直流機器は使える。

【参考】切替時間

小型・安価なUPSで一般的な常時商用給電方式では、通常は商用電源がそのまま流れるが、停電すると瞬時にバッテリ給電に切り替える。

ほぼ瞬時に切り替わるので、民生用パソコンなどではまず影響ないのだが、ごくわずかとはいえ電源の瞬断が起きるので、産業用機器などでは問題になることがある。その場合は常時インバータ給電方式のUPSを使うと安定的に給電できるが、装置が大型化し、高価になる。

近頃は小型の機種も出てきてはいるが、瞬断のない常時インバータ給電方式のUPSは小型のものでも10万円台になるので、特に必要がなければ比較的安価で扱いやすい常時商用給電方式を選ぶのが良いと思う。

切替時間はUPSの仕様に明記されている。例えば OMRON BY35Sでは10ミリ秒以内。

ソフトウェア

多くのUPSは、パソコンとUSB接続(古い機種や業務用機種にはシリアルポート接続もある)して稼働状況や電池残量などを通知する機能が備わっている。パソコン側でUPSの状態を検知して、UPSによるバックアップが始まって(=停電して)所定の時間が経過したら、または電池切れの数分前になったら、自動でパソコンをシャットダウンできるようになっている。

ただし、家庭用の廉価モデルにはUSB接続できない機種があるので(例えば APC BE425Mなど)、パソコンやNASのバックアップには不向き(ルーター等に使うなら差し支えない)。購入前に仕様をよく確認し、USB接続できるモデルを購入しよう。

Windows

Windows向けには、UPSメーカーがソフトウェアを提供していることが多い。

Windowsパソコンには、常にUPSの状態を監視して、UPSの電池残量が所定の残り時間になったらパソコンを強制シャットダウンする機能を備えたソフトウェアをインストールして使う。サーバ等はもちろん、デスクトップパソコンでも離席中に停電した際に自動でシャットダウンさせることができる。

OMRONのシャットダウンソフトは PowerAttendant Lite, PowerAct Pro, Simple Shutdown Software 3種類あるが、UPS1台にパソコン1台をつなぐのであれば、Simple Shutdown Software が手軽(筆者もこれを使っている)。

パソコン複数台をつなぐ場合は PowerAttendant Lite を使うとスクリプトを動かしてシャットダウンできる(→説明書)。PowerAct Pro は多機能だがインストールが面倒。

いずれにせよ複数台の面倒を見るのは何かと面倒なので、家庭などではパソコンとUPSは1:1で使う方が手軽で確実だと思う。

MacOS

OMRON は、MacOS 向けのソフトウェアを提供している。

APC は、MacOS にUSB接続すると自動認識されて、OSの機能で自動シャットダウンできる。

BUFFALO LinkStation

UPS連動機能を備えたLinkStationは、OMRONのUPSに対応している。 一部、APCにも対応している法人向けモデルもある

ReadyNAS

APC は、USB接続すれば自動認識される。

OMRON は ReadyNAS OS に認識されないので不向き(電源バックアップはできるが自動シャットダウンが働かない)。

Synology

APC、CyberPower、OMRON など多くの機種に対応している。 ⇒UPS - 互換性リスト

筆者が試した範囲では、互換性リストに未掲載の OMRON BX35Fも、USB接続したら自動認識されて使えた(DS220+DSM 7.1で確認)。

FreeBSD

APCは、apcupsdを使うと簡単。

OMRONはFreeBSD向けソフトを提供していないが、使っている人がいたので参考に。

Linux

APCは、apcupsdを使うと簡単。

OMRON は、CentOS / Red Hat Enterprise 向けのソフトウェアを提供している。

ハードウェア

形態

タップ型、据置型、ラックマウント型、ポータブル型などがある。

タップ型

UPSによる電源バックアップに対応するコンセント以外に、バックアップ非対応のコンセントを備えているのが特徴。まさにACタップとして使えるのだが、電池を内蔵しているので大きくて重い。一般的なACタップ・OAタップと同じ感覚でいると面食らうことになる(苦笑)。置き場所を確保してから購入しよう。

バックアップ容量は比較的小さめで、APC製品の最廉価品はUSB接続に非対応。矩形波なので、ネットワーク機器など小さな負荷のバックアップに向いている。

据置型

家庭やSOHOはもちろん、事業所でも個々のパソコンのバックアップに使いやすい、比較的小型軽量なモデルが揃っている。正弦波/矩形波、常時商用/インバータ、鉛シール蓄電池/リチウムイオン電池など様々なタイプが発売されている。

家庭やSOHOであれば、2万円前後で購入できる小型モデルが使いやすいと思うが、必要に応じ様々なタイプから選ぶことができる。

ラックマウント型

19インチラックに収納して使うタイプ。サーバ向け。家庭で使うことはあまり無いと思う(ラックもUPSも市販されているので、使おうと思えば使えるが)。

機能は様々だが、家庭・SOHO向きではないので小容量タイプは用意されておらず、それなりの容量なので価格も10万円台からとなる。

ポータブル型

「ポータブル電源」などの名称で市販されている。比較的軽量で持ち運びに適したリチウムイオン電池が使われている。バックアップ用よりは、屋外で電気を使えるようにすることを主目的とした製品が多く、厳密にいうとUPSとは違う製品群。

パソコンやサーバ・NAS等の自動シャットダウン機能が使えないことや、こまめな充電管理が必要になるので、バックアップ用には向かないが、停電時にノートパソコンやスマートフォンなど携帯機器の充電に使うことができる。

様々なメーカーが参入しているが、リチウムイオン電池はごみとして排出できず、回収に出す必要があるので、中華系などのノーサポートメーカーの製品を買うと後々面倒なことになる。国内で使用済み電池の回収を行っているメーカーの製品を選ぼう。

電池の種類

小型シール鉛蓄電池を使う製品と、リチウムイオン電池を使う製品がある。 (他の電池を使う製品もあるが小規模用途では一般的でない。)

鉛蓄電池と言っても、自動車などで使われる電解液のメンテナンス(補水)が必要な開放形のバッテリと違い、密閉されてメンテナンスフリーの状態で使う製品が一般的。よって液漏れの心配が低く、比較的安全性が高いが、定期的に(およそ3~5年で)交換する必要がある。

また、乱暴な扱いをすると発火等の危険があることに変わりはなく、廃棄する際には専門のリサイクル業者に引き渡す必要がある(家庭ごみ・事業系ごみとして処分できない)。

リチウムイオン電池を使うUPSは電池交換を減らす長寿命タイプなどで使われているが、基本的に業務用で、比較的高価。

電池交換

鉛シール蓄電池はメンテナンスフリーだが、劣化するので、定期的に交換する必要がある。

UPSを販売しているお店で交換用電池も販売されており、ホットスワップ(電源を入れた状態で交換)できる機種も多い。交換は簡単だが、交換後の電池の処分が大変なので要注意。

電池は重いので通販で購入すると楽だが、使用済み電池を回収に出す手間も考えると、回収してくれる店舗で購入する方が良いかもしれない。そこはまあ、人それぞれで。

選び方

筆者は昔からOMRON製品を愛用しており、筆者の手元では電池も5年以上使えていてコスパも良い。国内では交換用電池が入手しやすく、使用済み電池回収などのサポートもある。

ただしReadyNASなど多くの海外製品はAPCにしか対応しておらず、MacOSもAPC製品には標準対応しているがOMRONは別途ソフトが必要なので、接続する機器に応じて、Windowsパソコンやネットワーク機器にはOMRON、NASやMacにはAPCを使っている。

同じNASでもLinkStationはOMRONに対応しているので、使っている機器の対応状況を調べてからUPSを選ぼう。

デスクトップパソコン

例えば、筆者が普段使っているWindowsパソコン「FUJITSU ESPRIMO Q556/R」を例にすると、本体の通常消費電力は約6W、最大構成では約59W。液晶モニタは2台で、あわせて約30W。

若干の変動はあるにせよ、総負荷はおよそ100W以下というところだろう。

これらを、OMRON BX35F(出力容量210W)1台でバックアップしている。負荷が100Wの場合、仕様上は約20分間バックアップできるので、充分だ。

スリムタイプでちょっとした隙間に置けるし、重さは約5kg(うち電池は2.7kg)なので、設置や移動も楽にできる。価格も安く、BX35Fは2万円ほどで買える。電池持ちは約5年、交換用電池は1万円ほどだ。2万円で5年も業務をバックアップできるなら安いものだろう。

ただし、バックアップ時の出力は矩形波なので、PFC電源には不向き。近頃は正弦波出力タイプも安価になってきたので、パソコン用には正弦波出力タイプを購入するのがおすすめ。

オムロンの正弦波出力タイプでは、BY35S/BY50Sが、家庭やSOHOでは買いやすく・使いやすい。

BY35SとBY50Sの電池は同じで、筐体の大きさ・重さも同じ。違いは最大出力のみで、BY35Sは210Wまで、BY50Sは300Wまでの負荷を接続できるが、負荷が300Wの場合、バックアップ時間は約3.5分となる。パソコンのシャットダウンならば通常3分もかからないだろうが、UPSの電池が消耗してくるとバックアップ時間が短くなることも考慮しよう。もし現在の負荷が300Wぎりぎりなら、ひとつ上のBY80Sを選べば、300W負荷なら9分バックアップできるし、周辺機器が増えても安心だが、大きさ・重さは増えることになる(もちろん価格も高くなる)。

一方、省スペースパソコンなどを使っている場合は、210WのBY35Sで充分だろう。価格が安く、電池容量はBY50Sと同じなので、バックアップ時間は変わらない。

ONU(光メディアコンバータ)やルータ等のネットワーク機器のバックアップに使うなら、矩形波出力のBX35Fの方が使いやすそうだ。バックアップ時間も若干伸びる(負荷50W時、BY35Sは40分 → BX35Fは48分)。

廃棄・回収

鉛シール蓄電池

使用済み電池は、家庭ごみや事業ごみとして廃棄できない

メーカーが回収しているが、自社製品しか引き取らないので、日本ではオムロンかAPCにしておこう。中華系や並行輸入品などのノーサポート製品を購入すると後々厄介だ。

CyberPower は筆者は使ったことがないので何とも言えないが、使用済みバッテリーの回収窓口はあるようなので、参考までに。

ユタカ電機はどちらかと言うと業務用。

バッテリーは輸送にも苦労する。 例えば宅急便は、「UPS(無停電電源装置)」を名指しで禁制品としている。 ゆうパックは禁制品に明記されていないものの、窓口等で引受拒否されるようだ。

佐川急便は引き受けてくれるので、最寄りの営業所に持ち込み、または集荷を依頼して送ることができる(佐川急便の集配ネットワークが無い離島などの中継地域では利用できない)。

このほか、電池買い替えの際に販売店が回収してくれることもある。販売店に聞いてみて、回収してもらえる店で買うのも良いだろう。

本体重量5kg以下の小型モデルであれば、電池重量は3kg以下なので、店頭に持って行くのもさほど苦にならない。鉛シール蓄電池は容易に液漏れしない構造になっているので電車にも持ち込めると思われるが、端子をしっかり絶縁する、重量物なので倒れたり落下したりしないよう注意するなど、持ち運びの際は気をつけたい。

マイナーなメーカーのUPSを使っている場合や、複数をまとめて処分したい場合などは、送料込みの回収伝票を概ね3千円以下で販売している回収リサイクル業者があるので、そうした業者に依頼する方法もある。電池だけでなく本体も回収してくれる業者もあるので、UPSの使用をやめる時など、まとめて処分する時にも便利。

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池を使う製品の場合は、一般社団法人JBRCがまとめて回収しており、回収協力店等に持ち込む必要がある。

ただし、JBRC会員メーカーの製品しか回収してもらえないので、中華系メーカーなどのノーサポートメーカーの製品には手を出さない方が無難。

海外メーカーでもAnker(アンカー・ジャパン)などの加盟しているメーカーもあるので、JBRC会員メーカーの製品を選ぶと良い。

参考リンク

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