着信転送

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メインの電話回線には着信転送できるサービスを選んでおくと、いざという時に困らない

着信転送(ちゃくしんてんそう)とは字面通り、着信した通話を他の電話番号に転送する機能・サービス。キャリアにより「転送電話」「ボイスワープ™」などとも呼ばれる。

固定電話(PSTNISDN・光電話)、携帯電話IP電話で利用できる(一部キャリア・プランを除く)。

メインの電話回線には、着信転送できるサービスを選んでおくと、いざという時に困らない。

言い換えると、着信転送が塞がれているサービスahamopovo 2.0、050plusなど)は、予備回線(やデータ用など)にはいいが、メインにはしない方が賢明

網側で転送するもの(特殊な機器不要)のほか、ユーザーが設置する機器で転送するもの(対応機器が必要)もあるが、本稿では前者を扱う。

キャリアごとの利用可否と設定方法

携帯電話

キャリア・プラン 利用
可否
基本
料金
転送通話料 通話
パック
対象
名称・設定方法・備考
NTTドコモ「eximo」「ギガホ」「ギガライト」 0円 22円/30秒 転送でんわ
ahamo × - - -  -
irumo 0円 22円/30秒 転送でんわ
ドコモ回線のMVNO 0円 22円/30秒 【設定例】OCNモバイルONEIIJmiomineo
日本通信SIM 0円 11円/30秒 転送電話
au 0円 22円/30秒 着信転送サービス
UQモバイル 0円 22円/30秒 着信転送サービス
povo 2.0 × - - -  -
au回線のMVNO 0円 22円/30秒 【設定例】mineoJ:COMBIGLOBE
IIJmio タイプA 0円 11円/30秒 × 転送電話
ソフトバンク 0円 22円/30秒 × 転送電話
ワイモバイル 0円 22円/30秒 × 着信転送サービス
LINEMO 220円 22円/30秒 × 留守電パック着信転送サービス
ソフトバンク回線のMVNO 0円 22円/30秒 【設定例】NUROモバイルLINEモバイルmineo
楽天モバイル (MNO) 0円 0円
22円/30秒
着信転送
  • 金額は税込
  • ◎=標準サービス(申込不要・基本料無料)、○=オプションサービス(申し込み必要/基本料有料または無料)、×=非対応
  • ドコモと日本通信SIMでは、基本料無料だが、申し込みが必要。日本通信SIMではマイページを開き、「音声オプション変更」から申し込む(手数料無料)と使えるようになるが、手続きに約1日かかる(すぐには使えない)。転送電話を申し込んだ後も、設定(1421/1420に通話発信)で簡単にON/OFFを切り替えられるので、契約後すぐに申し込んでおくことを推奨。
  • 各社とも、転送先には発信者番号が通知される(発信元が「184」を付けて発信した場合などを除く)。
  • 通話パック△=転送通話料は通話定額オプションの対象外になる(従量課金される)ことが多いが、通話パックや一部の通話定額オプションが対象になるキャリアもある。例えばmineoでは、「かけ放題サービス」は対象外になるが、「10分通話パック」は着信転送通話料も対象になる。
  • MVNO中継電話の仕組みを使って従量通話料を下げているところが多いが、着信転送はMNO側で処理されるので、従来の(MNO並みの)通話料がかかることが多い。
  • MVNOは一般に回線提供元の音声通話網をそのまま借りているので、多くが共通だが、一部例外や、使えてもサポートされていない場合がある。
  • トーンモバイルは、090/080/070番号は転送設定できるが、付帯する050番号は転送設定できない。
日本通信SIMはドコモ回線のMVNOだが、通話に関しては中継電話サービスを使わずに接続料金を下げているので、着信転送にかかる通話料も他社の半額/通話定額の対象になっている。
povo 1.0 を含む。
IIJmioはタイプD(ドコモ回線)とタイプA(au回線)で着信転送通話料が異なる。タイプDでは他社同様に「プレフィクス自動付与機能」を使っているため、着信転送はオートプレフィクス対象外となり通話料は22円/30秒(ドコモの料金)になる。タイプA(au回線)では日本通信SIMと同様に中継電話を使わず接続料金を下げているため、着信転送通話料も半額の11円/30秒(IIJmioの料金)になる。後者は通話明細を見ると着信転送も「IIJmio発信」と表示される。(2023年2月現在)
余談だが、ソフトバンクとワイモバイルで名称が異なっているのは、ソフトバンクが旧J-PHONE→Vodafoneのサービスを引き継いでいるのに対し、ワイモバイルは旧DDIポケット→WILLCOMのサービスを引き継いでいるため。
楽天モバイル(MNO)の転送通話料は無料(0円)の場合と従量課金(22円/30秒)される場合がある。着信側がAndroid機種で「Rakuten Link」に着信してから転送された場合は無料、または発信元も楽天モバイルで「Rakuten Link」から発信した場合は無料。それ以外(iPhoneなど)は有料。
Android機種で「Rakuten Link」アプリを使っているとき、圏外時に転送されない不具合がある。楽天モバイルは基地局が少なくて圏外になりがちだが、2022年にかけての基地局整備に伴って圏外が減り、この不具合も起こりにくくなってきた。しかし今後パートナー回線の停波拡大に従い、再度この不具合が起こりやすくなることも考えられる。

【ドコモ系のみ】ガイダンスの有・無設定

ドコモとそのMVNOでは、規定で「このお電話を転送いたしますので、そのままお待ちください。」という転送ガイダンスが流れるようになっている。

このガイダンスはOFFにすることができる。

1429 に通話発信 → 2(ガイダンスの有・無設定)を押す → 0(ガイダンス無)を押す → # を押す → # を押して電話を切る】

【余談】キャリアの留守番電話サービス

携帯電話の場合、キャリアの留守番電話サービスは留守電センターに着信転送する形で提供されており、キャリアの留守番電話サービスを利用すると、基本料金(多くの場合、月額330円)に加え、着信の度に上記の着信転送通話料もかかる

MVNOなどが提供する「スマート留守電」と動作原理は同じだが、キャリアの留守番電話サービスは、さらに留守電を聞く際にも通話料がかかる。キャリアの留守電を使わずに「スマート留守電」を使えば、アプリで読めて聞けるので、使い勝手が良いだけでなく、留守録を聞く際の通話料がかからないメリットもある。

また、着信転送サービスと留守番電話サービスは排他利用(着信転送を設定すると留守番電話は停止する、逆も然り)となる。

固定電話・光IP電話・ホームルーター

キャリア・プラン 利用
可否
基本料金 転送通話料 名称・設定方法・備考
NTT東日本 (住宅用)550円
(事務用)880円
従量通話料 ボイスワープ
NTT西日本 (住宅用)550円
(事務用)880円
従量通話料 ボイスワープ
auひかり電話 550円 従量通話料 着信転送
ケーブルプラス電話 550円 従量通話料 着信転送
ホワイト光電話 550円 従量通話料 着信転送
NURO光でんわ 550円 従量通話料 着信転送
USEN光01 ひかり電話 × - -  -
おうちのでんわ 550円 従量通話料 着信転送
homeでんわ 550円 従量通話料 転送でんわ
  • 金額は税込
  • ○=オプションサービス(申し込み必要/有料)、×=非対応
  • 申込時に登録料・工事料などの初期費用がかかることがある
  • 各社とも、転送先に発信者番号を通知するには、転送元と転送先の両方で、ナンバー・ディスプレイ相当のオプションが別途必要。
  • ナンバー・ディスプレイ相当機能などを組み合わせたオプションパックを提供しているキャリアもある。例えば「NURO光でんわ」では、着信転送に加えてナンバー・ディスプレイ相当機能なども使える「パック1」を月額990円で提供している。
  • ドコモの「homeでんわ」は基本料倍額の「ベーシック」プランに加入すると転送電話が標準対応になる。

050IP電話

キャリア・プラン 利用
可否
基本
料金
転送通話料 名称・設定方法・備考
050 plus × - -  -
SMARTalk
(旧 Fusion IP-Phone SMART)
0円 従量通話料 着信転送
※楽天系050番号へは転送通話料無料
トーンモバイル (050) × - -  -
  • 金額は税込
  • ◎=標準サービス(申込不要・基本料無料)、×=非対応
  • SMARTalk (IP-Phone SMART) は新規受付を停止している(既に契約中の番号は引き続き利用できる)。
  • SMARTalk (IP-Phone SMART) から転送した先には、発信者番号が通知される(発信元が「184」を付けて発信した場合などを除く)。

使い方・メリット

修理中などに代替機不要

自宅や会社の固定電話と携帯電話、あるいは予備や個人用/業務用など、何かしらの形で複数の回線を使っている人が多いと思うが、端末が故障や機種変更などで一時的に使えない際に着信転送を設定しておけば、使いにくい代替機を借りずに済む。

しかし近頃はahamoなど着信転送が塞がれているプラン・ブランドもあるが、いざという時に困るので、メインで使う回線にはお勧めできない。

障害対策

日頃から転送設定しておけば、災害等で通信障害が発生している時にも、他の回線で電話を取ることができる

この場合は、無応答転送(かかってきた電話に出られない時に転送)が便利。例えば30秒など、指定した秒数呼び出しても電話に出ない時に自動で転送される。

あらゆる障害に対応できるものではない。例えばIMS等の音声系で障害が起きた場合や、障害発生時の輻輳対策で網側から強制切断された場合などは当然ながら転送できない。
携帯電話は無応答転送に対応しているが、固定系の一部キャリア(ホワイト光電話、NURO光でんわ など)ではフル転送(かかってきた電話すべてを転送する)にしか対応していない場合がある。

スマート留守電

留守電メッセージが自動認識されてスマートフォンの通知で届き、アプリで見る・聞くことができる

ソースネクスト社が提供する、自動文字起こし機能付き留守番電話サービス。キャリアが提供する留守番電話サービスと仕組みは同じだが(転送先の留守電センターが異なる)、キャリアに依存しないので、網側の着信転送機能が提供されてさえいればキャリアを選ばずに使える

キャリアの留守電サービスは留守電センターに通話して音声を聞き必要に応じメモを取るなど煩雑だが、「スマート留守電」には自動文字起こし機能が付いているので、自動音声認識されたメッセージ内容をスマートフォン画面で見られる付加価値があり(右図)、不明瞭な箇所はアプリを開いてタップすればすぐに聞くこともできる。

「スマート留守電」は一部のMVNOが販売しており、月額319円で使える。 キャリアの留守電サービスは330円ほどすることが多いので、若干ながら基本料が安い。しかもキャリアの留守電は留守録を聞く時にも通話料を取られるが、「スマート留守電」はアプリを使うので、聞く時の通話料がかからない分もお得になる

さらに複数回線を契約していても、留守電を1箇所にまとめることができるメリットもある

固定電話を「スマート留守電」に常時転送しておけば、詐欺や迷惑電話に悩まされずに済むし(今では警察も推奨している)、留守中でも重要な電話の内容を確認することができて便利。

MVNOと契約していなくても、Androidアプリから登録して Google Play の定期購入でも同額で利用できる。楽天モバイルはキャリア決済を使えば10%還元の対象になるのでこちらの方がお得。ただしiOSから登録すると360円になるので、MVNOかAndroid端末が使える人はそちらで契約しよう。同じ「ソースネクストID」でログインすれば、1契約をAndroid・iPhoneで共用できる。
その替わり、フィーチャーフォン(ガラケー、ガラホ)では使えない。また、データ通信料がかかるが、今はデータ通信料が安くなっているので、多くの場合、通話料よりも極めて安く済み、データ通信量も少ないので、無視できる程度。
「スマート留守電」を契約すると専用の留守電センターの電話番号(050番号)が発行されるので、この電話番号に転送設定するだけで使える。転送元で着信転送サービスが使えればよく、転送元の制限は無い。固定電話から転送することもできる。ただし複数回線から転送した場合、仕組み上、どこの回線に着信したかを見分ける術はないので、家族などで共用する際は要注意。
この場合、着信は全て留守電に転送されるが、固定電話からの発信はできるので、スマホ画面を見ながら自宅の電話で折り返すことはできる。

海外渡航時の着信通話料節約

海外ローミングでは着信側にも通話料が請求されることが多い(ソフトバンクの「アメリカ放題」や楽天モバイルの「Rakuten Link」など例外あり)。しかもその着信料金が高額なので、海外旅行中は通話料が嵩みがち。

データ通信は現地キャリアのSIMカードeSIMを購入して賄うこともできるが、空港等で購入できるSIMカードはデータ専用で、音声通話はできない。

そこで、予め楽天モバイルを契約して予備回線に入れておき、メインの番号から転送する設定にしておけば、海外(対象の国・地域)でも2GBまで使えるし、海外では「Rakuten Link」を使って通話料を節約できる

「my 楽天モバイル」アプリで「契約プラン」を開き、「国際」の「国際電話・国際SMS」を2つともOFFにしておくと、「Rakuten Link」以外で着信しなくなる。また、海外ではiPhoneでも「Rakuten Link」の通話を利用できる。

よくある質問

着信転送の利用にかかる費用は?

一般的には、着信転送サービスの基本料(携帯電話では0円が多いが、固定系では月額550円くらいかかることが多い)と、転送先への通話料(従量通話料)がかかる。

気になる従量通話料だが、スマート留守電などに転送する場合は、長話することはないので、転送1回あたり22円くらいが目安。

転送された電話で長話したい場合は、一旦切ってかけ直す方が良いだろう。

着信転送の通話料が無料になる場合は、SMARTalk(旧 Fusion IP-Phone SMART)からスマート留守電に転送する場合(同じフュージョン網内なので通話料無料)や、「Rakuten Link」利用中、日本通信SIMの無料通話などがある。

携帯電話キャリアでは通話定額オプションが多く使われているが、着信転送通話料は通話定額オプションの対象外になることが多い(ソフトバンクを除くMNO、および一部MVNOで提供されている「通話パック」類は対象になることが多い)。⇒一覧表を参照

OCNモバイルONENUROモバイルなどの一部MVNOでは、従量通話料が11円/30秒(ドコモやauの半額)だが、着信転送通話料は倍額の22円/30秒(ドコモやauと同額)かかる。留守電くらいならいいが、長電話には注意しよう。

日本通信SIM 合理的プランでは、着信転送の従量通話料も通話パック・通話定額に含まれる。

mineoの「10分通話パック」(月額110円)は、着信転送通話料も対象になる(「かけ放題サービス」は対象外)。

着信転送通話料が気になる場合は、これらのMVNOを利用すると良いだろう。

転送された通話の発信者番号通知はどうなる?

固定電話から転送する場合で、転送先で発信者番号通知(「ナンバー・ディスプレイ™」等)を利用している場合(携帯電話では標準、固定電話ではオプション)は、転送元の設定により、発信元の番号が通知される場合と、転送元の番号が通知される場合がある

どちらも一長一短あるが、一般的には発信元の番号が通知される。

携帯電話から転送する場合は、発信元の番号が通知される。

固定系(光電話など)から転送する場合で、転送先に番号通知したい場合は、転送元・転送先の双方で発信者番号通知(ナンバー・ディスプレイ)の契約が必要になる。

選択できる場合(主に事務用)と、転送条件により変わる場合(NTT東西)、必ず発信元の番号が通知される場合(NURO光でんわなど)がある。携帯電話から転送する場合は選択できず、必ず発信元の番号が通知される。
転送元の番号を通知する設定にしておくと、複数の電話番号から転送されてくる場合に、どの番号にかかってきた通話かを識別することができるので、コールセンターなど業務目的で使われることがある。

参考リンク

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