デュアルSIM

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1台の端末に複数のSIMカードを入れて使えるデュアルSIM対応のスマートフォン

デュアルSIM(デュアルシム)とは、1台の機器に複数のSIMカードまたはeSIMを入れられる機能。

例:「デュアルSIM対応のスマートフォン」

eSIMには3つ以上の契約情報を書き込むことができるが、便宜上デュアルSIMと呼ばれる。余談だが、一般に「マルチSIM」はnano/micro/mini(標準)サイズに切り出せるSIMカードを指すので、複数枚対応の意味では使われない。

DSDSとDSDV

DSDSDual SIM Dual Standby(デュアルシム デュアルスタンバイ)の略。つまり2回線同時待受ができる機能。

関連して、DSDVDual SIM Dual VoLTE(デュアルシム デュアルボルテ)の略。LTE+LTEで同時待受できることを意味する。5G対応機種では5G+4G(LTE)になる。

とはいえ、国内ではもうDSDVでないDSDS(つまり4G+3Gなど)の機種はないので、最近のスマートフォン製品はDSDSと書かれていてもほぼDSDVだと考えて良いだろう。

かつてはSIMカードが複数枚入る機種でも、必ずしも複数の回線を同時に使えるとは限らず、ソフトウェアで切り替えて1回線だけが使える製品もあった

国内のスマートフォンでは2016年頃からDSDS(LTE+3Gの組み合わせで利用できる)対応の機種が出回り始め、今ではDSDVが一般的になっている。

ただし、そもそも同時待受の必要がない(通話しない)データ通信用機器(タブレットやモバイルルータなど)は今でもDSDS非対応。

今はまだ 5G NSA が主流だから 5G+4G で充分だが、いずれ 5G SA が当たり前になった頃には、5G+5GのDSDVに対応する機種が増えることだろう。ただし、5Gの音声通話サービスは VoNR (Voice over New Radio) と呼ばれるので、5G+5GのDSDVが普及する頃には、他の呼称になっているかも。
最近ではMicrosoft社製の初代 Surface Duo(2020年発売、SIMフリー版はSIMカードとeSIMの両方を使えるが同時待受はできなかった)が該当。後継の Surface Duo 2(2022年発売)はDSDVに対応した。

デュアルSIMのメリット

面倒なSIMカードの交換作業不要で、複数の回線(SIMカード)を使い分けることができる。

例えば、海外出張が多い人は、国内用と海外用の2つのSIMカードを入れておけば、SIMカードの入れ替え不要で(ソフトウェア的な切り替えだけで)現地SIMを使える。

とりわけ陸続きで国境を越える移動が多い欧州などでは、国境をまたいで割高な国際ローミングを使わず現地SIMを使いたい需要が強いようだ。

日本では私用と業務用の回線を分けたいといったニーズはあったものの、そこまで大きなニーズではなかったようだが、後述するDSDVと格安SIMが普及するに伴い、大きく変わった。

DSDS・DSDVのメリット

前述の通り、1台の端末に複数の回線を入れておき、通話とSMSの同時待ち受けができる。

あくまで通話の待ち受けができるだけで、データ通信に使える回線は片方のみだが(2回線を束ねて使うことはできない)、端末の設定で切り替えると、物理的なカードの差し替え不要で概ね10~30秒ほどでデータ通信用回線を切り替えることができ、SIMカードの交換不要で回線を切り替えて使うことができる。

つまり、複数回線を使い分けるメリットになるわけだが、

  • 1台で2つの電話番号を使うことができる。例えば私用と業務用などで2台持ちしていた人も、1台にまとめることができる。
  • 後述する場面などで、複数の回線を簡単に切り替えてすぐに使うことができる。

といったメリットがある。

SMSはテキストメッセージだが通話との紐づけが強いサービスで、通話が圏外になると(データ通信が使えても)SMSも送受信できない(RCSを併用する「Rakuten Link」など例外あり)。近頃はSMS認証などで多用されるようになったが、DSDV(複数回線同時待受)対応機種であれば1台を2アカウントの認証に使える。

デュアルSIMの注意点

デメリットとまでは言えないと思うが、注意点をいくつか。

  • DSDV(DSDS)に対応していない機器では、複数回線の同時待ち受けはできない(この場合、選択している回線以外は圏外になる)ので、データ通信は支障ないが、通話は取れない。通話対応端末を購入する際は、DSDVに対応していることを確認しよう。
  • 2枚目のSIMカードスロットが、microSDカードと排他利用になっている機種がある。この場合、SIMカードを2枚入れるとmicroSDカードが使えなくなる。
  • SIMロックされている場合(概ね2021年夏以前に発売された、3大キャリアが販売する機種)は、SIMロック解除手続きをしないと、他社のSIMは使えない。
  • SIMカードを入れるだけでなく、APNなどの設定が必要。契約した回線事業者の案内に従って設定すればよく、難しいことではないが、苦手意識がある人は注意しよう。
  • iPhone(iOS)・iPad(iPadOS)は、一部のキャリアを除き、構成プロファイルのインストールが必要だが、構成プロファイルは同時に1つしか入れられないので、SIM切り替えの都度、構成プロファイルの削除→インストールの手間が生じる。#iPhone・iPadでは構成プロファイルの入れ替えが必要
  • 端末の対応バンドと、使いたい回線のバンドが一致していないと、SIMを入れても思うように使えない。特に登山などで使う場合は、プラチナバンドに対応していることを確認しよう。

2回線持ちのすすめ

昔は2台持ちする必要があったが、今はDSDV対応の機種が増えたので、気軽に複数回線を使えるようになった。

海外での利用

海外出張等で使う場合、データ通信には空港等で現地SIMを買って使いつつ、日本の電話番号で通話着信もできる。

また、近頃はeSIMに入れてデータ通信できるローミングプランもあり(Ubigiソラコムモバイルなど)、予めそれを入れておけば、現地でSIMを買う手間すらかからない。

格安SIMを組み合わせてお得に使う

格安SIMの登場とデュアルSIM機種の普及により、1台で複数回線を組み合わせてお得な使い方ができるようになった。

格安SIMの賢い使い方はキャリアショップでは案内してもらえない(当然だが、他社の宣伝になるようなことは言わない)ので、少し勉強する必要があるが、ヒントになるノウハウは巷に溢れているし、使えるようになると格段に幅が広がるので、勉強する価値があると思う。

IIJmio(みおふぉん)

povo 2.0+IIJmio eSIMデータ

例えば、通話ができて使った分だけ支払う(使わなければ月額0円で済む)povo 2.0 と、格安にデータ通信できる IIJmio「ギガプラン」eSIMデータを組み合わせると、使い勝手を損なわずに格安運用ができる。

povo 2.0 は大容量のデータトッピングを買うとデータ単価が安いのだが、有効期限の関係で、毎月少しずつしか使わない人にはかえって割高になってしまう。

一方、IIJmioのeSIMデータは2GBから20GBまで比較的安く使える料金プランが揃っているので、月々のデータ使用量が多くない人にはむしろお得。全国のドコモのエリアで使える安心感もある。IIJmioのeSIMはデータ通信のみなので通話ができないが、通話ができて0円~維持できる povo 2.0 などを組み合わせて使うことで、いいとこ取りができるわけだ。

ただし、iPhoneと一部Android機種では、データSIM(通話ができないプラン)を使うと緊急通報できなくなる不具合があった。 レアケースだ(と思いたい)が、そうした不具合への対処が必要になることもあるので、不安な人には通話対応SIMの組み合わせがおすすめ

エリアが狭いが使い放題になる楽天モバイルと、auの広いエリアを使えて通話もできる povo 2.0 を予備回線に組み合わせて使う

楽天モバイル+povo 2.0

楽天モバイルは1プランで少容量から大容量(使い放題)まで気軽に使えるのが魅力だが、エリアに難がある。今はまだauの回線(パートナー回線)を借りて補っているが、それも徐々に切られているため、建物の中やビル陰、山間部などで使えない場所が増えつつある。

楽天モバイルはパートナー回線を使えたとしてもプラチナバンド(Band 18/26)しか使えないので遅いし、しかも月間5GBを超えると1GBあたり660円もの追加料金を取られるので、パートナー回線を使うくらいなら povo 2.0 を使う方がお得で快適に使える。

楽天モバイルをメインで使う場合は、0円で維持できる povo 2.0 や、通話定額を格安で利用できる日本通信SIMなどの格安SIMを予備に入れておくと安心だ。

特に povo 2.0 は、楽天モバイルのパートナー回線と同じau回線で、eSIMにも対応しているので、楽天モバイルが販売している端末との親和性が高い。

注意点としては、povo 2.0 の月額基本料は0円だが、全く使わずに(トッピングを購入せずに)半年経つと回線停止予告が来る。この場合は何かしらのトッピングを購入すればまた180日使える

iPhoneで短時間の通話をよく使う人は、楽天モバイルの通話定額(15分)は月額1,100円もするが、povo 2.0 の5分以内かけ放題トッピングは月額550円なので、povo 2.0 を通話用に使っても良いだろう。

180日間、全くトッピングを購入せず、一定額以上の通話料を支払っていない場合は、順次「利用停止予告」が届くので、その時は手頃なトッピングを購入しよう。例えば24時間データ使い放題は330円。⇒長期間(180日間)トッピングの購入がないのですが、利用停止になりません。いつ利用停止されますか?

大手キャリア+格安SIM

普段は大手キャリアを使っている人でも、格安SIMを追加して使うことで、データ通信または通話を割安に使うことができる。

例えば、ahamoLINEMOUQモバイルワイモバイルおよび一部MVNOのプランを使っていて契約データ容量を超過しそうなときに、データチャージすると割高になるので、povo 2.0 などの副回線を追加して使う方がお得に使えることがある。

また、Android機種でデータ通信には大手キャリアの大容量プランを使い、通話には povo 2.0 の5分定額(月額550円)を使いたい、といった場合にも適している。

IIJmio(みおふぉん)

マルチキャリアMVNO

IIJmio「ギガプラン」では、2022年10月25日より新たに「タイプA」(音声通話対応のau回線)がeSIMに対応した。「タイプD」のSIMカード(音声対応)と「タイプA」のeSIM(音声対応)を組み合わせれば、eSIMとのDSDVに対応する機種1台で、ドコモとauの回線を併用でき、両方で音声通話を使える。

IIJmioでは元々eSIMデータプラン(ドコモ回線のデータ専用)を格安に提供していたが、新たに始まる「タイプA」のeSIMは音声通話もできるので、#登山を含む山間部の圏外対策にはもってこいだ。

IIJmio「ギガプラン」でまとめるメリットは、同じmioIDで契約した複数回線は自由にデータシェアを組めるので、状況によりどちらの回線を使おうが、契約データ容量を無駄なく使えるのが魅力。さらにiPadなどのタブレットやノートパソコン・モバイルルータ等で使う分もデータシェアを組めるので、プラン設計の自由度が高い。

気になる月額料金は、例えば現在8ギガ(月額1,500円)を利用しているなら、4ギガ+4ギガ(990円×2)にしてデータシェアを組むことで、月額1,980円で同じデータ容量(8GB)を使える。音声SIMが1つ増えるぶん月額料金が増えるので、利用頻度によっては povo 2.0 などとの組み合わせにする方が有利になるが、ある程度頻繁に利用する場合はIIJmio同士のデュアルSIMも使いやすいだろう。

このほか、請求が1つにまとまるので、支払いや経費管理が楽になるメリットもあるだろうか。

反面、#障害時のバックアップにする場合は、ドコモやauで起きた障害には対応できるものの、IIJ側で障害が起きた場合には両方とも影響を受けるおそれがある(完全な二重化にはならない)ことも考慮する必要がある。今のところIIJに起因する重大な通信障害は起きていないが、障害対策としては(IIJに限らず)同じ会社同士の組み合わせを避けるのが鉄則だ。

東海自然歩道の石老山と石砂山の間で利用できる乗合タクシー。電話して空きがあればすぐに来てもらえて便利だが、この付近一帯ではソフトバンクはほぼ使えず、ドコモとauもプラチナバンドが多少入る程度で、少し移動すると圏外になる。ところが石砂山の山頂から北側(伏馬田方面)では一転してソフトバンク圏内/ドコモ・au圏外になる。こういう登山道は意外と多いものだ。

登山

山間部に住んでいたり、登山などへ出かける機会が多い人は、複数種類の回線を切り替えて使えるようにしておきたい。

例えば登山道Aを登っていたらドコモ圏外/ソフトバンク圏内で、山頂から登山道Bへ降りたら今度はソフトバンク圏外/ドコモ圏内になるといった場面はよくあること。

登山中に一時的に圏外になってもあまり困らないが、山頂などで休憩中にSNSを使いたいとか、下山後に乗るデマンドタクシーの予約をしたい、予定より遅れるので山小屋に連絡を入れたいといった場面はよくあるし、万一の緊急通報にも備えておきたい。山ではどのキャリアが使えるかは運次第の面もあるので、通話できる回線を少なくとも2種類は持っておきたい。

予備回線には格安で維持できるMVNOのプランが使いやすいが、メインで使っている回線とは異なるキャリアを選ぼう。

また、通話できるプランを選ぶことと、使っている機種の公式ホームページなどで対応バンド構成を確認して、プラチナバンドを使えるキャリア(回線)を選ぼう。

eSIMに povo 2.0 を入れた iPad mini を使って、KDDI尾瀬沼ビジターセンター局前でデータ通信。
2021年までは他社が未整備で、尾瀬ではau(KDDI)が唯一のキャリアだった。4G LTE Band 18/26 に対応している機種が必要だが、データ通信はもちろん、(通話対応機種では)通話もできる。ただし通信ケーブルが来ていない山の中の無線中継局なので、とても重い。動画視聴などは控え、限られた帯域を譲り合って利用しよう

お勧めは povo 2.0(au回線)。使わなければ0円で維持でき、通話もできるので、タクシーを呼んだり急な連絡をしたり、緊急通報もできる。データ通信(LINEなどを含む)にはトッピングを購入する必要があるが、24時間使い放題で330円のトッピングもあるので格安で維持できる。au回線なので尾瀬でも使える

ただし、メインでauやUQを使っている人は、同じau回線を使う povo 2.0 を予備に入れてもあまり意味が無いので、通話ができるドコモ回線の格安SIMなどを選ぼう。

御岳登山鉄道御岳山駅付近の旧WILLCOM基地局。御岳山ではMNO3社(とPHS)は使える(た)ものの、楽天モバイルは完全圏外(2021年11月現在)

格安SIMで定番のIIJmioのeSIMはドコモのネットワークを格安で利用できるものの、いざという時に緊急通報できないので、登山用のバックアップにはお勧めしない。通話もできて格安維持できる日本通信SIMの「合理的シンプル290プラン」(ドコモ回線、通話対応で月額290円~)などが良いだろう。

NUROモバイル「バリュープラス」など、ドコモ/au/ソフトバンク3種類の回線を選べるMVNOもある。

なお、楽天モバイルは今後山間部で使えなくなると予想されるので、登山用としては避ける方が無難。

障害時のバックアップ

日本の通信キャリアは各社とも高品質のサービスを提供しているが、それでも障害を完全になくすことはできない。

2018年12月 6日にはソフトバンク2021年10月14日にはNTTドコモ2022年 7月 2日には au (KDDI)2022年 9月 4日には楽天モバイル大規模な通信障害が発生したが、回線数が増えて複雑化するネットワークにおいては、小さな障害がときに連鎖して大規模な障害に至ることもある。

どんなに信頼性の高いサービスであっても障害は避けられないし、予期することも難しい(予期できる障害は事前に対策されるので大規模化しない)ものだ。

筆者は全てのデュアルSIM端末に2回線以上入れており、異なるキャリアの組み合わせにしてあるので、今回のような大規模障害が起きても回避できる

例えば2022年 7月 2日の大規模障害では、au、UQモバイル、povo、およびau網を使うMVNO楽天モバイル(パートナー回線)など、au系の回線が軒並み影響を受けた。

このとき、筆者が使っている端末のひとつに IIJmio「タイプA」をメインにしている端末があったが、ご多分に漏れず使えなくなったため、eSIMに控えていたワイモバイル「シンプルS」に切り替えて事なきを得た(右図)。

このように複数のキャリアの回線を組み合わせて持っておくと、いざという時にも切り替えて使い続けることができる。一見無駄なようだが、「冗長化」と呼ばれる一般的な手法だ。加えて、登山時の圏外対策や、出張等で一時的にデータを使いすぎた時の対策としても使える。

組み合わせる予備回線にはMVNOやオンライン専用ブランドなどの安価に維持できる格安SIMが適しているが、日本にはNTTドコモ/au (KDDI)/ソフトバンク/楽天モバイルの4キャリアがあるので、これらを被らないように組み合わせるのが障害対策のコツだ。

また、日頃よりメインの(主に通話で使っている)回線からサブ(予備)回線へ着信転送設定しておくことで、非常時にも通話を取れる可能性が高まる

日本の鉄道は障害発生時に振替輸送をしてくれることが多いが、通信は振替も代行もしてくれないので、自前で予備回線を持っていなければ、障害発生中は何もできなくなってしまう

同じく毎日多くの人が利用する大規模ネットワークである日本の鉄道も、定時安定運行に定評があるが、時には運休することがあるように、通信サービスも一時的に使えなくなることはあると考えておくべきもの。

そうした場合、鉄道は振替輸送代行輸送をしてくれることが多いが、通信には振替や代行は無いので、自前で代替回線を用意する必要がある。1回線しか持っていないと、ただただ復旧を待つしかない。

しかし、近頃はコード決済やらオンラインバンキングやら、スマートフォン(アプリ)が無いと不便する場面が増えている。近頃は通信プランも随分と値下がりしたことだし、格安SIMでいいから、主回線とは別キャリアの予備回線を持っておくと安心だ。

バックアップ用途にはLINEMOの方が気軽に使える。SIMカードとeSIMを選べ、SIM交換は無料だし、契約データ容量を使い切ってもLINEは使えるメリットもある。でも筆者は他の端末でワイモバイル「シンプルL」+シェアプランをメインに使っているので、家族割適用で「シンプルS」を月額990円で維持できるし、eSIMにも入れられ、繰り越しがあるぶん余裕をもって使える。人により適した回線は変わってくると思う。IIJmioのeSIMデータ(ドコモ回線)を予備にするともっと安く済むのだが、IIJmioのeSIMは通話ができないことと、もしIIJ側で障害が起きた時にバックアップにならない可能性があるため、あえて被らないように組み合わせている。
IMS等の音声系で障害が起きた場合や、障害発生時の輻輳対策で網側から強制切断された場合などは当然ながら転送できない。また、サブからメインへの着信転送設定を同時に行うと不具合の原因になるので、転送設定は片方向にしておこう。

4社6回線の維持費用はMNOのメインプラン1回線と同程度

筆者は常時2台以上の端末を持ち歩いており、各々に異なる2社以上の回線を入れてあるので、いつでも国内全4キャリアの回線を使える。一般にここまでする必要はないが、MVNOの活用や昨今の通信費値下げもあって、気になる維持費は実はそこまで高くない。

2022年11月現在は、Pixel 7 ProReno5 ASurface Duo(eSIM対応)の3台運用だが、各々に下記のプランを(キャリアが重ならないように)振り分けて入れている。

  • IIJmio ギガプラン タイプA 4GB 990円 【au回線 eSIM対応】
  • 楽天モバイル Rakuten UN-LIMIT VII 3GB以下 1078円 【楽天回線 eSIM対応】
  • IIJmio ギガプラン タイプD 4GB 990円 【ドコモ回線】
  • ワイモバイル シンプルM 15GB 3278円 【ソフトバンク回線 eSIM対応】
  • LINEMO ミニプラン 3GB 990円 【ソフトバンク回線 eSIM対応】
  • povo 2.0 0GB 0円 【au回線 eSIM対応】 - 全ての対応端末に1回線ずつ入れてある

…計 29GB 7,326円(全て音声対応、ユニバーサルサービス料等別途)

NTTドコモの「5G プレミア」が1回線で月額7,315円(単体利用 縛り無しの場合)なので、3大キャリアのいわゆるメインプランを1回線利用するのと同じくらいの額で、4社6回線を使えているわけだ。

とはいえ、楽天モバイルはほとんど使っていない(建物に入ると圏外になる、地下鉄では電波状態が良くても使えないなどの問題が多い)割りに高いので、楽天を外せば月額6,248円で済み、実用上の不便無く、節約できる。もしデータ容量が不足する場合は povo 2.0 で追加トッピングを買う方が安く済むし、IIJmioのeSIMデータ(ドコモ回線、2GBで月額440円、データ専用)を複数端末に入れておけば格安でバックアップ回線が充実し、データ容量もシェアして無駄なく使える。

この中ではワイモバイルのシンプルMが高いが、シェアプラン(539円でSIMカードを3枚まで使える)を追加してノートパソコン等のデータ通信にも使っており、別個にデータプランを契約するよりも使い勝手が良い。タブレット端末、WAN内蔵ノートパソコン、モバイルルータ等を使っている人にはおすすめだ。音声通話はできないがSMSは使え、スマートフォンに入れてバックアップ回線にすることもできる。ソフトバンク回線は時間帯を問わず都市部や地下鉄などでも快適に使えるメリットもあるので、筆者はメインに使っている。

また、別途 IIJmio eSIMデータを契約してタブレット端末に入れているが、タブレットはあまり持ち出さず基本Wi-Fi利用なので、余ったデータ容量をシェアしてスマートフォン等で使える。よって実際に使えるデータ容量は30GB以上ある。

出張等で一時的にデータ使用量が増えるときは、povo 2.0 の「データ使い放題(24時間)」(330円)を購入して使うので、30GBを使い切ることはなく、余らせて(翌月に繰り越して)いるので、一時的にデータ使用量が増えても余裕で乗り切ることができる。

注意点としては、povo 2.0 は使う度にトッピング購入等の手間がかかることと、180日以内に有料トッピングを購入していないと強制解約の対象になる。筆者の場合は「データ使い放題(24時間)」(330円)を時々購入しているので問題にならないが、全く使わない人も180日以内に有料トッピングを購入する必要がある。とはいえ330円で6ヶ月弱使えると考えると、1回線・1月あたり55円ほどなので、金額的な負担は気にならないだろう。

主な対応機種

  • Apple iPhone シリーズ - SIMカードとeSIMのDSDV
  • SHARP AQUOS シリーズ - SIMカード2枚、またはSIMカードとeSIMのDSDV
  • Google Pixel シリーズ - SIMカードとeSIMのDSDV
  • OPPO Reno5 A - SIMカード2枚、またはSIMカードとeSIMのDSDV
  • Xiaomi Mi 11 Lite 5G - SIMカード2枚のDSDV
  • Xperia シリーズのSIMフリーモデル
ワイモバイルで売れ筋の OPPO Reno5 A公式ホームページの「スペック」を開くと、対応周波数を確認できる。機種変更の際は、このように国内全キャリアのプラチナバンドに対応している機種を選ぼう。デュアルSIMを活用しやすくて後々便利だ

最近は公式の仕様(スペック)表に掲載されていることが多いが、メーカーやキャリアによって表記はまちまち。例えばIIJmioには「DSDV機能」の表記があって判りやすいが、au・UQと楽天は「SIM」「SIMタイプ」欄に複数掲載があれば対応、ワイモバイルでは「シングルSIM」+「eSIM対応」といった表記もあり(右図)、統一されていない。

ドコモはこれまで頑なにデュアルSIM機を出してこなかったが、2022年 4月から、スペック表に「デュアルSIMパターン」という表記が加わったようだ。

安心して複数回線を使えるようにするためにも、スペック表での各社DSDV対応の明示と、表記の統一を望みたいところだ…

また、同じメーカーの同じモデルでも、対応と非対応が混在していることがある。家電量販店などで購入できるSIMフリー版は対応していても、キャリアが販売する機種はデュアルSIMに非対応なことがあるので、キャリアで買った人や中古端末を買うときには気をつけよう。

今ではSIMカードが2枚以上入る機種、およびSIMカードとeSIMの両方に対応している機種のほとんどがDSDVに対応しているのだが、一部、対応していない機種がある。例えば Microsoft Surface Duo のSIMフリー版はSIMカードとeSIMに対応しているものの、DSDVではない(同時待受はできない)。ただし後継の Surface Duo 2はDSDVに対応している。

プラチナバンド

iPhoneは国内全キャリアに対応しているのだが、Androidは機種や販路によっても対応バンド構成が大きく異なるものがあるので、機種選定の際には必ず仕様表などを確認し、なるべく各社のプラチナバンドに対応している機種を選ぼう。

逆に、機種が決まっていて(既に持っていて)新たに予備回線を探す場合は、今持っている機種が対応している回線を選ぼう。

各社のプラチナバンド(主に使われているバンド)

  • ドコモ回線 - LTE Band 19
  • au回線 - LTE Band 18/26
  • ソフトバンク回線 - LTE Band 8
  • 楽天モバイル - LTE Band 18/26(au回線のプラチナバンドを借りて「パートナー回線」として提供している)

せっかく予備回線を調達しても、端末がプラチナバンドに対応していなければ、山間地などではあまり役に立たない。用途にもよるが、登山などで使いたいならプラチナバンド必須だ。

auの LTE Band 18/26 は、どちらかに対応していればOK。

iPhone・iPadでは構成プロファイルの入れ替えが必要

【設定 > 一般 > (下の方にある)VPNとデバイス管理
【設定 > モバイルデータ通信 > モバイル通信プランを選択】

iPhone・iPadでは面倒なことに、SIMを変更する前に、構成プロファイルを入れ替える必要がある(構成プロファイル不要の一部SIMを除く)。

iOS・iPadOS 15以降の手順

  1. Safariを起動し、契約している通信事業者のホームページを開き、構成プロファイルをダウンロードする
  2. 【設定 > 一般 > (下の方にある)VPNとデバイス管理を開く
  3. ダウンロード済みプロファイルの下にインストール済みの構成プロファイルがある場合は、それをタップ(右図)
  4. 「プロファイルを削除」
  5. パスコードを入力
  6. 「削除」
  7. 「ダウンロード済みプロファイル」をタップ
  8. 右上の「インストール」をタップ
  9. パスコードを入力
  10. 確認メッセージを読み「次へ」
  11. 警告メッセージを読み「インストール」
  12. 「インストール」
  13. 「完了」
  14. 【設定 > モバイルデータ通信】を開く
  15. モバイル通信プランを選択(右図)

iPadOS 14 まではAPNの直接設定ができたのに、iPadOS 15 ではAPNを直接設定する欄はあるものの効かなくなってしまった。

iPadOS 15.5では再びAPN設定が使えるようになったため、構成プロファイルを削除してAPN設定をしておけば、モバイル通信プランの選択のみでSIM変更できる

iPhone (iOS) ではAPN設定はできないので、構成プロファイル(の削除・再インストール)が必要。

構成プロファイルの要否はiOS・iPadOSバージョンと通信事業者、機種によって異なる。

例えばワイモバイルでは iPhone 12 シリーズ以前はプロファイル不要だが、iPadはプロファイル(またはAPN設定)が必要。

au系ではAPN設定が無効にされているので、povo 2.0 やau網のMVNO(IIJmio タイプA など)では構成プロファイルが必要。

iOS・iPadOS 14 までは【設定 > 一般 > (下の方にある)プロファイル】。また、インストール済みの構成プロファイルを先に削除しておかないとダウンロードできないので、切り替えの際にWi-Fi接続が必要になる。
構成プロファイルが優先されてしまうので、他社の構成プロファイルがインストールされているとAPN設定しても使えない。
au網ではAPN設定が封じられているため、au系との切り替えでは必ず構成プロファイルの操作が必要になる。また、ソフトバンク系は選択後しばらく3G接続になったり圏外になったりする。しばらく放っておくと4Gまたは5Gになるが、構成プロファイルをインストールする方が早いかも。

参考リンク

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