デュアルSIM

デュアルSIM(デュアルシム)とは、1台の機器に複数のSIMカードまたはeSIM※を入れられる機能。
例:「デュアルSIM対応のスマートフォン」
DSDSとDSDV
DSDS は Dual SIM Dual Standby(デュアルシム デュアルスタンバイ)の略。つまり、2つのSIMで同時待受ができる機能。
関連して、DSDV は Dual SIM Dual VoLTE(デュアルシム デュアルボルテ)の略。LTE+LTEで同時待受できることを意味する。5G対応機種では5G+4G(LTE)※になる。
とはいえ、国内ではもうDSDVでないDSDS(つまり4G+3Gなど)の機種はないので、最近のスマートフォン製品はDSDSと書かれていてもほぼDSDVだと考えて良いだろう。
かつてはSIMカードが複数枚入る機種でも、必ずしも複数の回線を同時に使えるとは限らず、ソフトウェアで切り替えて1回線だけが使える製品もあった。
国内のスマートフォンでは2016年頃からDSDS(LTE+3Gの組み合わせで利用できる)対応の機種が出回り始め、今ではDSDVが一般的になっている。
ただし、そもそも同時待受の必要がない(通話しない)データ通信用機器(タブレットやモバイルルータなど)は今でもDSDS非対応。
デュアルSIMのメリット
面倒なSIMカードの交換作業不要で、複数の回線(SIMカード)を使い分けることができる。
例えば、海外出張が多い人は、国内用と海外用の2つのSIMカードを入れておけば、SIMカードの入れ替え不要で(ソフトウェア的な切り替えだけで)現地SIMを使える。
とりわけ陸続きで国境を越える移動が多い欧州などでは、国境をまたいで割高な国際ローミングを使わず現地SIMを使いたい需要が強いようだ。
日本では私用と業務用の回線を分けたいといったニーズはあったものの、そこまで大きなニーズではなかったようだが、後述するDSDVと格安SIMが普及するに伴い、大きく変わった。
デュアルSIMの注意点
デメリットとまでは言えないと思うが、注意点をいくつか。
- DSDV(DSDS)に対応していない機器では、複数回線の同時待ち受けはできない。これから購入する場合は、DSDVに対応していることを確認しよう。
- 2枚目のSIMカードスロットが、microSDカードと排他利用になっている機種がある。この場合、SIMカードを2枚入れるとmicroSDカードが使えなくなる。
- SIMロックされている場合(概ね2021年夏以前に発売された、3大キャリアが販売する機種)は、SIMロック解除手続きをしないと、他社のSIMは使えない。
- SIMカードを入れるだけでなく、APNなどの設定が必要。契約した回線事業者の案内に従って設定すればよく、難しいことではないが、苦手意識がある人は注意しよう。
- iPhone(iOS)・iPad(iPadOS)は、一部のキャリアを除き、構成プロファイルのインストールが必要だが、構成プロファイルは同時に1つしか入れられないので、SIM切り替えの都度、構成プロファイルの削除→インストールの手間が生じる。→#iPhone・iPadでは構成プロファイルの入れ替えが必要
- 端末の対応バンドと、使いたい回線のバンドが一致していないと、SIMを入れても思うように使えない。特に登山などで使う場合は、プラチナバンドに対応していることを確認しよう。
DSDS・DSDVのメリット
1台の端末に複数の回線を入れておき、通話の同時待ち受けができる。
あくまで通話の待ち受けができるだけで、データ通信に使える回線は片方のみだが(2回線を束ねて使うことはできない)、端末の設定で切り替えると、概ね10~30秒ほどでデータ通信用回線を切り替わり、SIMカードの交換不要で回線を切り替えて使うことができる。
つまり、複数回線を使うメリットになるわけだが、
- 1台で2つの電話番号を使うことができる。例えば私用と業務用などで2台持ちしていた人も、1台にまとめることができる。
- 複数の回線を簡単に切り替えて使い分けることができる。
といったメリットがある。具体的なメリットは後述。
2回線持ちのすすめ
昔は2台持ちする必要があったが、今はDSDV対応の機種が増えたので、気軽に複数回線を使えるようになった。
海外での利用
海外出張等で使う場合、データ通信には空港等で現地SIMを買って使いつつ、日本の電話番号で通話着信もできる。
格安SIMを組み合わせてお得に使う
格安SIMの登場とデュアルSIM機種の普及により、1台で複数回線を組み合わせてお得な使い方ができるようになった。
格安SIMの賢い使い方はキャリアショップでは案内してもらえないので、少し勉強する必要があるが、ヒントになるノウハウは巷に溢れているし、使えるようになると格段に幅が広がるので、勉強する価値があると思う。
povo 2.0+IIJmio eSIMデータ
例えば、通話ができて使った分だけ支払う(使わなければ月額0円で済む)povo 2.0 と、格安にデータ通信できる IIJmio「ギガプラン」eSIMデータを組み合わせると、使い勝手を損なわずに格安運用ができる。
povo 2.0 は大容量のデータトッピングを買うとデータ単価が安いのだが、有効期限の関係で、毎月少しずつしか使わない人にはかえって割高になってしまう。
一方、IIJmioのeSIMデータは2GBから20GBまで比較的安く使える料金プランが揃っているので、月々のデータ使用量が多くない人にはむしろお得。全国のドコモのエリアで使える安心感もある。IIJmioのeSIMはデータ通信のみなので通話ができないが、通話ができて0円~維持できる povo 2.0 などを組み合わせて使うことで、いいとこ取りができるわけだ。
ただし、iPhoneと一部Android機種では、データSIM(通話ができないプラン)を使うと緊急通報できなくなる不具合があった。 レアケースだ(と思いたい)が、そうした不具合への対処が必要になることもあるので、不安な人には通話対応SIMの組み合わせがおすすめ。
楽天モバイル+povo 2.0
楽天モバイルは1プランで少容量から大容量(使い放題)まで気軽に使えるのが魅力だが、エリアに難がある。今はまだauの回線(パートナー回線)を借りて補っているが、それも徐々に切られているため、建物の中やビル陰、山間部などで使えない場所が増えつつある。
楽天モバイルをメインで使う場合は、0円で維持できる povo 2.0 や、通話定額を格安で利用できる日本通信SIMなどの格安SIMを予備に入れておくと安心だ。
特に povo 2.0 は、楽天モバイルのパートナー回線と同じau回線なので、楽天モバイルが販売している端末との親和性が高い。
注意点としては、povo 2.0 は全く使わず(トッピングを購入せず)に半年経つと、回線停止予告が来るが、何かしらのトッピングを購入すればまた180日使える※。
iPhoneで短時間の通話をよく使う人は、楽天モバイルの通話10分定額は月額1,100円もするが、povo 2.0 の5分以内かけ放題トッピングは月額550円なので、povo 2.0 を通話用に使っても良いだろう。
大手キャリア+格安SIM
普段は大手キャリアを使っている人でも、格安SIMを追加して使うことで、データ通信または通話を割安に使うことができる。
例えば、ahamo、LINEMO、UQモバイル、ワイモバイルおよび一部MVNOのプランを使っていて契約データ容量を超過しそうなときに、データチャージすると割高になるので、povo 2.0 などの副回線を追加して使う方がお得に使えることがある。
また、データ通信には大手キャリアの大容量プランを使い、通話には楽天モバイルの無料通話を使いたい、といった場合にも適している。
登山
山間部に住んでいたり、登山などへ出かける機会が多い人は、複数種類の回線を切り替えて使えるようにしておきたい。
例えば登山道Aを登っていたらドコモ圏外/ソフトバンク圏内で、山頂から登山道Bへ降りたら今度はソフトバンク圏外/ドコモ圏内になるといった場面はよくあること。
登山中に一時的に圏外になってもあまり困らないが、山頂などで休憩中にSNSを使いたいとか、下山後に乗るデマンドタクシーの予約をしたい、予定より遅れるので山小屋に連絡を入れたいといった場面はよくあるし、万一の緊急通報にも備えておきたい。山ではどのキャリアが使えるかは運次第の面もあるので、通話できる回線を少なくとも2種類は持っておきたい。
予備回線には格安で維持できるMVNOのプランが使いやすいが、メインで使っている回線とは異なるキャリアを選ぼう。
また、通話できるプランを選ぶことと、使っている機種の公式ホームページなどで対応バンド構成を確認して、プラチナバンドを使えるキャリア(回線)を選ぼう。
お勧めは povo 2.0(au回線)。使わなければ0円で維持でき、通話もできるので、タクシーを呼んだり急な連絡をしたり、緊急通報もできる。データ通信(LINEなどを含む)にはトッピングを購入する必要があるが、24時間使い放題で330円のトッピングもあるので格安で維持できる。au回線なので尾瀬でも使える。
ただし、メインでauやUQを使っている人は、同じau回線を使う povo 2.0 を予備に入れてもあまり意味が無いので、通話ができるドコモ回線の格安SIMなどを選ぼう。
格安SIMで定番のIIJmioのeSIMはドコモのネットワークを格安で利用できるものの、いざという時に緊急通報できないので、登山用のバックアップにはお勧めしない。通話もできて格安維持できる日本通信SIMの「合理的シンプル290プラン」(ドコモ回線、通話対応で月額290円~)などが良いだろう。
NUROモバイル「バリュープラス」など、ドコモ/au/ソフトバンク3種類の回線を選べるMVNOもある。
なお、楽天モバイルは今後山間部で使えなくなると予想されるので、登山用としては避ける方が無難。
障害時のバックアップ
日本の通信キャリアは各社とも高品質のサービスを提供しているが、それでも障害で使えなくなる場面が無いわけではない。
ドコモが2021年10月14日に引き起こした大規模障害が記憶に新しいが、どんなに信頼性の高いサービスであっても障害は避けられない。
定時安定運行で定評のある日本の鉄道も時には運休することがあるように、通信サービスも一時的に使えなくなることはあると考えておくべきもの。
そうした場合、鉄道は振替輸送や代行輸送をしてくれることが多いが、通信には振替や代行は無いので、自前で代替回線を用意する必要がある。1回線しか持っていないと、ただただ復旧を待つしかない。
しかし、近頃はコード決済やらオンラインバンキングやら、スマートフォン(アプリ)が無いと不便する場面が増えている。近頃は通信プランも随分と値下がりしたことだし、格安SIMでいいから、主回線とは別キャリアの予備回線を持っておくと安心だ。
主な対応機種
- Apple iPhone シリーズ - SIMカードとeSIMのDSDV
- SHARP AQUOS シリーズ - SIMカード2枚、またはSIMカードとeSIMのDSDV
- Google Pixel シリーズ - SIMカードとeSIMのDSDV
- OPPO Reno5 A - SIMカード2枚、またはSIMカードとeSIMのDSDV
- Xiaomi Mi 11 Lite 5G - SIMカード2枚のDSDV
- Xperia シリーズのSIMフリーモデル

最近は公式の仕様(スペック)表に掲載されていることが多いが、メーカーやキャリアによって表記はまちまち。例えばIIJmioには「DSDV機能」の表記があって判りやすいが、au・UQと楽天は「SIM」「SIMタイプ」欄に複数掲載があれば対応、ワイモバイルでは「シングルSIM」+「eSIM対応」といった表記もあり(右図)、統一されていない。
ドコモはこれまで頑なにデュアルSIM機を出してこなかったが、2022年 4月から、スペック表に「デュアルSIMパターン」という表記が加わったようだ。
安心して複数回線を使えるようにするためにも、スペック表での各社DSDV対応の明示と、表記の統一を望みたいところだ…
また、同じメーカーの同じモデルでも、対応と非対応が混在していることがある。家電量販店などで購入できるSIMフリー版は対応していても、キャリアが販売する機種はデュアルSIMに非対応なことがあるので、キャリアで買った人や中古端末を買うときには気をつけよう。
プラチナバンド
iPhoneは国内全キャリアに対応しているのだが、Androidは機種や販路によっても対応バンド構成が大きく異なるものがあるので、機種選定の際には必ず仕様表などを確認し、なるべく各社のプラチナバンドに対応している機種を選ぼう。
逆に、機種が決まっていて(既に持っていて)新たに予備回線を探す場合は、今持っている機種が対応している回線を選ぼう。
各社のプラチナバンド(主に使われているバンド)
- ドコモ回線 - LTE Band 19
- au回線 - LTE Band 18/26※
- ソフトバンク回線 - LTE Band 8
(楽天モバイルはau回線のプラチナバンドを借りて「パートナー回線」として提供している)
せっかく予備回線を調達しても、端末がプラチナバンドに対応していなければ、山間地などではあまり役に立たない。用途にもよるが、登山などで使いたいならプラチナバンド必須だ。
SHARP(シャープ) AQUOS(アクオス) wish(4GB/ 64GB)オリーブグリーン(SIMフリー版) SH-M20A-G 返品種別B
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iPhone・iPadでは構成プロファイルの入れ替えが必要
iPhone・iPadでは面倒なことに、SIMを変更する前に、構成プロファイルを入れ替える必要がある(構成プロファイル不要の一部SIMを除く)。
【iOS・iPadOS 15以降の手順】
- Safariを起動し、契約している通信事業者のホームページを開き、構成プロファイルをダウンロードする
- 【設定 > 一般 > (下の方にある)VPNとデバイス管理】※を開く
- ダウンロード済みプロファイルの下にインストール済みの構成プロファイルがある場合は、それをタップ(右図)
- 「プロファイルを削除」
- パスコードを入力
- 「削除」
- 「ダウンロード済みプロファイル」をタップ
- 右上の「インストール」をタップ
- パスコードを入力
- 確認メッセージを読み「次へ」
- 警告メッセージを読み「インストール」
- 「インストール」
- 「完了」
- 【設定 > モバイルデータ通信】を開く
- モバイル通信プランを選択(右図)
iPadOS 14 まではAPNの直接設定ができたのに、iPadOS 15 ではAPNを直接設定する欄はあるものの効かなくなってしまった。
iPadOS 15.5では再びAPN設定が使えるようになったため、構成プロファイルを削除して※APN設定をしておけば、モバイル通信プランの選択のみでSIM変更できる※。
iPhone (iOS) ではAPN設定はできないので、構成プロファイル(の削除・再インストール)が必要。
構成プロファイルの要否はiOS・iPadOSバージョンと通信事業者、機種によって異なる。
例えばワイモバイルでは iPhone 12 シリーズ以前はプロファイル不要だが、iPadはプロファイル(またはAPN設定)が必要。
au系ではAPN設定が無効にされているので、povo 2.0 やau網のMVNO(IIJmio タイプA など)では構成プロファイルが必要。
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