Amazfit GTR 2

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この記事は、最終更新日よりおよそ 3 年 2 ヶ月経過しています。 公式サイトなどで最新情報を確認してください。(最終更新:2021年6月)
Amazfit GTR 2
AmazfitGTR2 overview.jpg
(左) クラシック (右) スポーツ
メーカー Huami
発売日 2020年10月
OS 独自
サイズ 縦46.4×横46.4×厚さ10.7 mm / 重さ 31.5-39 g
ディスプレイ 1.39インチ AMOLED 454×454px
電池容量 471mAh
充電端子 独自(磁気)
心拍計 PPG
GNSS(GPS等) G+A / O
高度計測 ○ GPS+気圧
Bluetooth 5.0
FeliCa ×
防水 ○ 5ATM
スピーカー ○ 通話・音楽再生
マイク ○ 通話用
ワークアウト 12種, GPX出力対応
運動量可視化 PAI
運動勧奨
睡眠計測 ○ 夜間のみ
通知表示
通話 ○ 通話可
音楽リモコン ○ 単体再生可
カメラリモコン
対応OS Android 5.0以降、iOS 10.0以降
ベルト交換 ○ 22mm
本体色 スポーツ(ブラック)、クラシック(シルバー)
参考市価 29,800円(税込)32,800円(税込)
Amazfit GTR 2 説明書 サポート Amazfit GTR 2e

Amazfit GTR 2(アメーズフィット ジーティーアール ツー)は、中国Xiaomi(シャオミ)グループ Huami(ファーミ)社製の腕時計活動量計。いわゆるスマートウォッチ

サイズは46.4mmの大型モデルのみ。前機種 Amazfit GTR では42mmの小型モデルも用意されていたが、GTR2では小型モデルが無くなってしまった(小型がいい人は機能同等の角形 Amazfit GTS 2 を検討しよう)。

フレームの素材による2モデル展開。スポーツエディションは軽量アルミ合金製で艶消しブラック仕上げ、クラシックエディションはステンレススチール製で光沢シルバー仕上げ。素材の違いを反映してか、一般に後者の方が3千円ほど高い。見た目と重さ(と市価)の違いだけで機能差は無いので、好きな方を選べば良い。

バンドは標準添付品はどちらも安っぽいが、22mm幅の汎用品に交換できる。筆者は最初から金属製バンドに交換して使っているが、バンドは標準添付のものをあてにせず、金属製や革製など市販の好きな物に交換して使うと良い。

2020年10月より世界で順次発売。日本では2020年11月に正規代理店での取り扱いが始まり、各通販サイトのほか、ヨドバシカメラビックカメラなどの家電量販店でも順次購入できるようになった。価格はスポーツエディションが 29,800円(税込)クラシックエディションが 32,800円(税込)

また、音楽再生・通話機能を省いた廉価版 Amazfit GTR 2e も発売された。大きさはほぼ同じで、比較的安価(税込 20,800円)。電池持ちが良く、GPSも搭載されている。付属のバンドは安っぽいが交換できる(22mm幅)。音楽再生・通話が不要な人にはこちらの方が(余計な機能が無いぶん)使いやすいかもしれない。

全てのモデルで、本体・アプリともに日本語表示に対応している。

Amazfitは、日本では2020年末にようやくAmazfit公式販売店ができたくらいなので、まだ日本国内での知名度は低いが、世界シェアは AppleTizen (Samsung)、Imooに次ぐ4位・4.2%(2021年第1四半期、出荷台数ベース)。日本で先行する Wear OS by GoogleFitbitGarmin よりも売れているそうだ。

本稿では、Androidアプリを使い、執筆時点で最新のファームウェア バージョン 5.2.11.1 をもとに記述している。

Amazfitの読み方は、正規代理店でも「アマズフィット」と「アメーズフィット」が混在している。



Amazfit GTR 2 の特徴

日常使いに向く派手すぎないデザイン
肌に触れる背面は樹脂

日常使いに向くデザイン

フレームは金属製(画面はガラス、バックパネルは樹脂製)で、アルミ合金は艶消しブラック仕上げ、ステンレスは光沢シルバーと、その質感を活かした仕上げになっている。

スポーツタイプのスマートウォッチによくある派手なデザインから一線を画し、シンプルかつ高級感のあるデザインが前面に打ち出されている。また中華スマウォによくある安っぽい樹脂製筐体ではなく、金属筐体を採用し、腕時計として使っても違和感のない高級感のある仕上がりになっている。

このデザインならば仕事でも使いやすいので、仕事中(通勤を含む)の運動量/運動不足を見える化する用途に向いていると思う。

肌に触れる背面は樹脂製で、中央4つはセンサー類、上下のピンは充電端子。

左が Amazfit GTR 2 用の充電ケーブル、右は Amazfit GTR 用の充電ケーブル。どちらもUSB給電で2ピンだが、本体側の充電端子の配置が変更になったため、互換性は無い

充電はUSB給電で、専用ケーブルを使ってマグネットで固定するタイプ。専用ケーブルは Amazfit GTR 2 / GTS 2 シリーズと互換性があるが、前代の GTR / GTS とは互換性が無い(充電端子の配置が変わっている)。

バンドは安っぽい物が付属するが、22mm幅の汎用の腕時計用バンドと交換できるので、好みの腕時計用バンドに付け替えて使うと良い。

本機の画面はAMOLEDだが、時刻の常時表示に対応。常時点灯では秒表示は無いが、デジタル表示とアナログ表示を選択可

画面は326ppiAMOLEDディスプレイを搭載。屋内はもちろん、屋外での視認性も良好。

時刻の常時表示にも対応していて、本機の仕様にある「一般使用バッテリー持続時間 14日間」は時刻の常時表示を前提にしている。つまり本機は約2週間の電池持ちを実現した上、充電ケーブルはマグネット付きアダプタでワンタッチ充電になっており、手軽に利用できるのも魅力。

常時表示用の文字盤は秒表示のない簡素なものだが、デジタル(右図)とアナログ(針表示)を選択できる。

機能面では、5ATM防水、GNSS内蔵(GPSGLONASS)、他にPPG光学式心拍計、気圧加速度角速度、3軸地磁気照度の各センサーを搭載。

本機はGPSを内蔵しているので、位置情報の精度が低いスマートフォンを使っていても比較的安定した位置取得ができるし、スマートフォンを持たずに出かけても計測できる。

筆者が使ってみた感じでは、前代の Amazfit GTR に比べて位置取得の精度が改善している。

Amazfit GTR 2 の新機能

前代の Amazfit GTR からの機能向上として、本機単体で音楽再生できるようになった。予め本機にMP3ファイルを転送しておき、再生中はスマートフォン不要。本機にスピーカーを搭載しているが、Bluetoothヘッドホンの利用を推奨。ランニングやジムでのワークアウト中に、スマートフォン不要で音楽を聴くことができる。

また、スマートフォンが必要だが、本機内蔵マイクとスピーカーで、通話も取れるようになった。つまり本機がBluetoothヘッドセットとして動作する。相手の声が本機のスピーカーで鳴るので外に筒抜けになるものの、スマートフォンをかばんの奥に仕舞ったまま着信を受けて通話することができる。

これらの新機能は必要としている人が限られると思うが、必要としている人には便利な機能だと思う。GTR 2e では使えず、上位モデルのみの機能なので、これらの機能を使いそうな人は上位モデルを、不要なら廉価な GTR 2e を選ぶと良いと思う。

運動量を可視化し、運動不足を防ぐ腕時計

PAIが青色になっている日は、運動不足が続いていることを表している(ので、サイクリングに出掛けて運動不足を解消してきた図)

本機はガチにスポーツをする人でも使えるが、本機を選ぶ人は、どちらかと言えば普段使いを考えているのではと思う。

筆者もそのクチだが、スポーツはむしろ苦手で、仕事もデスクワークかつリモートワーク主体で、油断すると引きこもりがちになるので(苦笑)、本機は運動量を可視化することで運動不足を防ぐ目的で使っている。

2020年は世界的な新型コロナウィルス対策で突如テレワークに切り替わった人も多そうだが、通勤しないとすぐに運動不足になるので、本機のような活動量計(スマートウォッチ、スマートバンド)を試してみることをお勧めしたい。

さらに本機は「座りすぎ通知」(1時間座りっぱなしと判断されると震えて身体を動かすよう促される)などの機能も搭載しているので、テレワークでデスクワークをしている人にぴったりだ。

ちなみに、Google Fit でも「ハートポイント」という似た仕組を取り入れたが、計算方法は異なり、互換性はない。データの移行はできないが、運動不足を防ぐという意味では似た機能なので、Google Fit をスマートフォンに入れて試してみても良いだろう。

運動量を可視化するPAIスコア

PAI

本機を含む最新の Amazfit シリーズには、心拍数と年齢・性別等から算出される「PAI (Personal Activity Intelligence)」という指標で運動量を表示する機能が搭載されている。 このスコアが100以上になるように運動を継続すると、高血圧心臓病2型糖尿病になるリスクを低くできるという。

心拍数を常時計測して運動量を測り、通勤通学や買い物、散歩、サイクリング、スポーツ・ジム通いまで、おしなべて運動量を計測・積算して指標化する仕組みになっているから、あえて苦手なスポーツに挑戦する必要は全くない。本機の常時心拍数検出機能をONにして着けっぱなしにしておけば自動計測されるので、手間もさほどかからない。

また、PAIスコアは1週間分の積算なので、例えば雨の日は運動を控え、晴れた日だけ運動するといったスタイルでもOKだ。

逆に、週に1回だけ強い運動をして、他の日は何もしないと、PAIスコアは低くなる。毎日でなくてもいいが、こまめな運動の積み重ねが大事というわけだ。

詳しい計算方法は開示されていないが、心拍数を上げる運動をすることでPAIが上がり、運動しない日はPAIが増えも減りもしない。ただし7日間の累積値なので、7日前に獲得した値が失効することで減少する。1日に獲得できる上限は75となっている。

筆者が試した範囲では、業務や買い物などに歩いて(電車に乗って)出かけてもPAIは上がるし、自転車で走ると効果てきめんで上がりやすい。山に行くともっと上がるが、1日歩き続けていても、数時間サイクリングしても、あまり変わらない。サイクリングは効率よくPAIを稼ぐことができる(個人差はあると思うが)。

例えば筆者が業務の外回りで電車+徒歩で1万歩ちょい歩いた日は20PAI。自転車で軽く10kmほど走る+3千歩ちょい歩いた日は32PAIといった感じ。電車通勤などで歩いてもPAIは貯まる(=毎日の通勤も運動の積み重ねになる)ことと、自転車で走るとさらに効率よくPAIを貯められる(=運動量を効率よく稼げる)ことが分かる。

ただし、本機のセンサーが皮膚に密着していないと心拍数がうまく計測されず、PAI値が低く出ることがあるので、うまく計測されない場合は、外出中だけでもバンドを少しきつめに締めてみよう。

スコアは心拍数をもとに算出されるので、もちろん本機を装着している必要はあるが、ワークアウトの有無は無関係。ワークアウト計測せず、ただ本機を着けていれば良い。通勤の合間に1駅余分に歩くといったことでもOKだ。

この仕組みから、必ずしも毎日運動する必要はないが、運動貯めもできない。1日めいっぱいキツイ運動をして75稼いでも、残り25は他の日に獲得しないといけないし、7日後には消えてしまうので、他の日の運動量が少なさすぎても続かない。よく出来ていると思う。

Amazfit GTR 2 の機能

汗をかく季節にも使うことを考えると、水洗いできる防水の機種・バンドを選ぶと良い(写真は初代 Amazfit GTR の例)
ある1日の運動量一覧。わざわざ#ワークアウト計測しなくても、本機を着けているだけで、歩数と心拍数は自動で記録される。データは専用アプリを通してクラウドに保存されているので、いつでも過去履歴を見ることができる。

通信機能は Bluetooth 5.0。 電池持ちは標準的な利用方法で14日、腕時計としての利用で38日とされている。画面の常時時計表示をONにしてこの電池持ちなので、他社の製品に比べて本機の電池持ちは優れている。

本機の利用にはスマートフォンの「Zeppという無料の専用アプリが必要Android 5.0 以降、または iOS 10.0 以降、2021年4月現在)。このアプリで各種設定やワークアウト結果の参照を行う。

変わった名前だが公式。旧称はAndroid版が「Amazfit」、iOS版は「Amazfit Watch」だったが、2020年 8月25日に改称された。

なお、Amazfit GTR などのAmazfitシリーズはもちろん、Xiaomi社製 Mi Band などで Mi Fit アプリを使っていた場合も、同じMiアカウント(GoogleアカウントでもOK)で Zepp アプリにログインすれば、蓄積したワークアウト結果を引き継ぐことができる。Xiaomiの体組成計で計測したデータも自動で共有される。

本機のUIは日本語に対応済み。通知等の内容はもちろん、UIも日本語表示になっているので使いやすい。

できること

  • 歩数の計測・表示
  • 心拍数の計測(光学式)・表示
  • 本機単体での位置計測(GPSA-GPSGLONASSに対応)
  • 高度計測(気圧計内蔵)
  • 運動量の可視化 (PAI)
  • ワークアウト計測(屋外ランニング、ウォーキング屋外サイクリング、トレッドミル、屋内サイクリング、屋外スイミング、屋内スイミング、エリプティカル、登山、トレイルラン、スキー、エクササイズ)
  • 座りすぎ通知
  • 睡眠計測(ただし昼間は昼寝として計測される
  • 5気圧防水、水中での使用(スイミングなど)に対応(ただし水中での心拍計測不可、ダイビングには不適)
  • アラーム(指定の時刻になるとバイブレーションで知らせてくれる)
  • 天気予報の表示
  • 月経周期の記録
  • SpO2計測(手動)
  • UIの日本語に対応
  • Strava への同期(Zeppアプリ経由で自動同期。本機の直接登録は不可)
  • Google Fit への同期(Zeppアプリ経由で自動同期。本機の直接登録は不可)
  • スマートフォンアプリの通知表示(日本語対応)
  • スマートフォンで通話着信時の相手名表示(連絡先へのアクセス許可が必要)
  • スマートフォンで通話着信時の通話(本機がハンドセットとして動作する)※
  • 本機単体での音楽再生 ※
  • スマートフォンで再生中の音楽の停止/再開、音量調整、曲送り/戻し、曲名表示
  • BluetoothでペアリングしたAndroidスマートフォンのロック解除(Androidの機能
  • 専用アプリ「Zepp」は AndroidiPhone (iOS) に対応
  • 着ける場所は左手首と右手首から選択
  • バンド交換(市販の22mm腕時計用バンドに対応)

※印は、Amazfit GTR 2e を除く。

できないこと

  • 単体での使用(使用には対応スマートフォンと Zepp アプリが必要)
  • Wi-Fiやモバイルネットワークへの接続(単独での通話やデータ通信不可)
  • 血圧計測
  • 本機の文字盤(時計画面)に好きな写真等を切り抜いて表示
  • 決済
  • 転倒を検出し自動で緊急通報する[1]

Apple Watch に続き、GarminFitbitがSuicaに対応したので、Androidユーザーで国内で決済に使いたいなら、Garmin か Fitbit Charge 4 が良いだろう。

どのメーカーのどの機種にも言えることだが、多機能になると大きさ・重さも価格も桁違いに上がるし、電池持ちも短くなるので、用途や必要性を考えながら選べば良いだろう。

左から Fitbit Charge 4Amazfit GTRAmazfit GTS 2 miniAmazfit GTR 2 (本機)。500円玉は大きさ比較用
クラシックエディションはステンレス製で光沢シルバー仕上げ
付属品は充電用USBケーブルと説明書のみ(バンドは取付済)。説明書は日本語にも対応。

主な仕様

本体の重さは下記の通り。大きさは同じだが、素材により重さが異なる。

他は共通で、画面はガラス、フレームは金属、バックパネル(肌に接する面)は樹脂。

標準添付のバンドはシリコン(スポーツエディション)または革(クラシックエディション)だが、どちらも安っぽい。バンドは一般的な腕時計用の22mm幅のものと交換できるので、好きな物に交換して使うと良いと思う。

内蔵充電池はLiPoで、標準容量471mAh(最小容量460mAh)。

前モデル Amazfit GTR (47mm) と比べて軽量化され、電池容量も大きくなった。ただし常時点灯が基本になったので、電池持ち日数は短くなっているが、それでも2週間の電池持ちが謳われていて、GPSや音楽再生・通話を多用しなければ十分持つ。GPSを多用しても1日余裕で持つので、登山などにも使える。

画面は454×454px・326ppiAMOLEDで、タッチスクリーン搭載。解像度は前モデルと同じだが、前面ガラスの仕上げが大きく変わっており、端が曲面仕上げになっている。

操作ボタンを右側面に2つ搭載。右上がスリープ解除とホームボタン、右下は機能ボタン。利き手に合わせて、ボタンを逆向きに(画面を180°回転)して使うこともできる。

背面にはポゴピン端子が2つ。つまり充電専用。 付属の専用充電ケーブルはマグネット式で、接続は容易。

付属の専用ケーブルは USB(A端子)から給電する。充電中は腕から外す必要はあるが、バンドを外す必要はない。

充電器は付属しないので、パソコン等のUSBポートを使うか、市販の USB ACアダプタ(出力1A以上)が必要。スマートフォン用の充電器も大抵使えるが、最近の USB Type-C 製品はそのままではつながらないので、もし無ければひとつ買っておいても良いだろう。

本機の充電端子は特殊なので、専用の充電ケーブルが必要。1つ付属するが、予備が必要な場合は、同じ純正品をAmazfit公式通販等で購入できる。

充電端子は GTR 2 / GTS 2 / mini で共通だが、初代 GTR / GTS とは互換性がないので、GTR / GTS から買い替えの人は流用できない。


付属(純正)の充電ケーブルはマグネットで固定するタイプで、楽に充電できるが、毎日使う物なので使いやすくしたいと思ったら、サードパーティ製の充電スタンドを使うと便利だ。ちょうどいい角度が付いているので、デスクワーク中に通知等の画面を見るにも向いている。

市販の腕時計用バンドを装着できる

付属のバンドは樹脂製または革製で、しっかりした物が付いているが、安っぽくも感じる。とはいえ運動中に着用する活動量計としては適している。

付属のバンドはクイックレリーズ機構になっており、簡単に外すことができる。取付部は22mm幅で、市販の腕時計用バンドと付け替えて使える。

筆者は外出時にしか着けないので、別途購入した金属製バンドを使っているが、金属製はしっかり着けられて水濡れにも強いが、重い。

革製は軽いが、水濡れに弱いのでスポーツ用には向かない。

スポーツ用や睡眠計測用には樹脂製やナイロン製のバンドの方が良いと思うが、シリコンバンドは汗が溜まりやすく、体質によってはかぶれやすい。ナイロン製バンドは汗が溜まりにくいが滑りやすいので、本体の重さで回ってしまいやすいかも。

それぞれ一長一短あるので、自分の好みや使い方、体質等に合わせて選ぼう。



なお、金属製バンドには長さ調整に必要な器具が付いていたりいなかったりする。付いていない場合はDIY店などに出向くか、通販で一緒に購入しておこう。 調整方法は一般的な腕時計用バンドと同じだが、自分で調べて調整する必要がある。

【参考】

このほか、画面保護フィルムやフレームカバーもサードパーティ製品が市販されている。必要に応じ購入すれば良いだろう。ただし本機は端が曲面仕上げになっているので、フィルムを選びそうだ。

Amazfit GTR 2 の初期設定

本機の画面に表示されるQRコードをスマートフォンアプリで読み取ってペアリング開始
Zeppアプリの設定画面(一部)
  1. まずは本機を満充電する
  2. 手持ちのスマートフォンに、「Zepp」アプリ【Android用 (Google play)iPhone用 (App Store)】をインストール
  3. スマートフォンでアプリを起動
  4. Miアカウントでログイン、またはサインインを求められる。Googleアカウントを使ってサインインできるので、特段の理由(中国で使いたい、など)がなければGoogleアカウントを使うのが手軽。
  5. 各種同意を求められ、身長、体重、性別など(消費カロリーなどの計算をするときに使う)の初期設定を行う。すでに Mi Fit を使っている場合は不要。
  6. 連絡先、通話、通話履歴、ストレージへのアクセス許可を求められる。
  7. 通知の鳴動制限へのアクセスを許可するよう求められる。
  8. 右下の「プロフィール」をタップし、下の方にある設定をタップ。単位の設定を確認(必要に応じ変更)する。
  9. 左下の「ホームページ」をタップして最初の画面に戻り、右上の「+」をタップし、機器の登録(ペアリング)開始。「腕時計」「バンド」「Earbuds」「ランニングマシン」「スマートシューズ」などが出てくるので、「腕時計」を選ぶ。
  10. アクティビティ、睡眠、心拍数の情報が収集されることに同意を求められる。
  11. 機種が(新しい順に)ずらっと出てくるので、「Amazfit GTR 2」をタップ。
  12. 位置情報とカメラへのアクセス許可を求められる。位置情報はBluetoothの使用とワークアウト計測に、カメラはペアリング時のQRコード読み取りに使う。
  13. Bluetoothが無効の場合、スマートフォンの設定から有効にするよう求められる。
  14. 「腕時計上のQRコードをスキャン」画面になる(右上図)。
  15. 本機の右上のボタンを押し続けて電源を入れ、下の方の「日本語」を選択すると、QRコードが表示されるので、スマートフォンでQRコードを読み取る。
  16. 本機の画面に「ペアリングリクエストを受信しました。許可しますか?」と表示されるので、「✓」をタップ。
  17. 本機の画面に「ダウンロード中……」と表示され、本機のファームウェアアップデートが始まったら、終わるまでしばらく待つ。その間、本機とスマートフォンを近くに置いておく。また、電子レンジなどを使わないようにしよう。
  18. 心拍数の自動計測を有効にする。【Zepp アプリ右下の「プロフィール」 > マイデバイスの「Amazfit GTR 2」をタップ > 心拍数検出 > 検出方法 > 自動心拍数検出】(または必要に応じて睡眠アシスタント)
  19. 天気予報を表示したい地域を設定する。【Zepp アプリ右下の「プロフィール」 > マイデバイスの「Amazfit GTR 2」をタップ > 天気設定
  20. その他、通話着信やアプリ通知などの通知関連を使う場合は各々設定する。
  21. 各種通知を表示するには、Zepp アプリのバックグラウンド実行を許可する必要がある。方法は機種によってまちまちなので省略。

ここまで設定して、とりあえず使えるようになる。お疲れさまでした。

ワークアウト

屋外サイクリング(短距離だが)、本機内蔵GPSで計測

サイクリング

サイクリングの計測を試してみたのが右図。地図上に走行ルートが線引きされ、走行場所、時間と平均速度、平均心拍数、1km毎の平均速度が見られるとともに、本機は高度(標高)の取得にも対応している。

右図はスマートフォンのBluetoothを有効のままで取得しているが、ほぼ本機内蔵GPSのみで位置取得しているよう。位置は概ねよく取れていると思う。

本機は高度も計測できるが、傾向は掴めるものの、10m前後の誤差が生じている。地理院地図で見ると、標高7m→3m。途中のんびり走っているので速度は低いのは問題ない。

ちなみに HELLO CYCLING で走行。サイコンと違ってシェアサイクルでも計測できるのはスマートウォッチの魅力だ。

右下のボタンを押し、「屋外サイクリング」をタップすると、GPS測位を始め、GPS捕捉すると「GO」ボタンの色が若干濃くなり、計測待機状態になる。

GPS捕捉を待たずに「GO」をタップして計測開始することもできるが、GPSを捕捉するまで欠測になってしまうので、GPS捕捉を待つ方が良い

AmazfitGTR2 cycling go.jpg
計測待機状態

屋外の開けた場所では 10~30秒ほどでGPSを捕捉するが、急いでいる場合は本機を腕から外してどこかに置いておく(自転車のハンドルに吊るしておいても構わない)と、GPS捕捉が早くなる。

レンタサイクルでも使える

走行距離や時間の計測は市販のサイコンを使う方が正確なので、併用すると良いが(スポーツサイクルに乗っている人はほとんど付けているだろうが)、自前のサイコンを付けられないシェアサイクル・レンタサイクルでも計測できるのは本機(活動量計)ならではの利点だ。

身軽に電車で土浦宇都宮しまなみなどへ出かけて、スポーツサイクルを借りて走る時にも良さそうだ。

また、本機はGPSを内蔵していて、走行場所を記録したい時にも便利。 GPSや心拍数モニターが付いているサイコンは一般に高価かつ面倒なので、自前の自転車で使う場合も、本機は手軽なトラッカーとして使えそうだ。

ウォーキング計測結果

ウォーキング

ウォーキングの計測を試してみたのが右図。 #サイクリングのと同様だが、こちらは地図表示を航空写真にしている。

Google map 上に歩いた場所が橙色の線で表示され、わかりやすくて良い。散策の道順記録に便利だ。

右図の例では、高尾登山電鉄 高尾山駅から歩き始め、薬王院→1号路→5号路→もみじ台→一丁平→小仏城山まで登り、日影林道を道なりに降りて日影バス停まで計測している。

ほぼずっと森の中だが、派手な位置飛びはないよう。ただしよく見ると細かな位置飛びは目立ち、特に後半の谷底の林道歩きでは位置飛びが起きやすいようで、歩行距離がだいぶ増えてしまっている(^^;。

時速47kmは極端だが、時速10km前後で歩いていることになっている後ろの方は、位置飛びが増えているようだ(^^;。

本機を使うと高度(標高)も取得できるが、50mほど誤差が生じているよう(地理院地図では 476m→555m→670m→229m)。GPSで高度計測し、気圧計で補正していると思われるが、GPSに頼る絶対標高は誤差が大きい。まあ傾向は見られるので、参考程度には良いだろう。

なお、本機の自動停止を無効にしてあるので、野鳥観察や休憩などの時間も含まれている。自動停止機能もあるが、GPSが暴れるときや、逆になかなか自動で再開しないときもあるので、自動停止機能はいまいち使いづらいと感じている…

スマートフォンのトラッカー、例えば山旅ロガー地図ロイドなどでも散策地図作りはできるが、やはり腕に着ける本機を使う方がきれいに取得できるし、スマートフォンの電池切れの心配がない。本機は電池持ちが良いので、満充電にしてから出かければ、登山などで1日GPS測位していても電池の心配無用だ。

なお、本機を装着して歩いた歩数と時間・距離・PAIは常時自動で記録されているので、歩いた場所や標高などを見る必要がなければ、面倒なワークアウト計測をする必要はない。

歩数は日毎の一覧で見られる。 【アプリの右上アイコンをタップ→歩数→今日の歩数】

精度

GPSの位置は、屋外では概ねきれいに取れるが、先述の通り屋内では位置飛びが起きやすいので、距離等正確に測りたい場合は、休憩等で屋内に入る前に停止するよう心掛けたい。

高度(標高)は、高めに出たり低めに出たりする。こんな小さくて安価な機器でそれなりに取れているのだから大したものだとは思うが、参考程度にしておこう。正確に取りたければ、山旅ロガーGOLDの有料機能を使うなどして、地理院地図から標高データを引っ張ってくる方が良いかも。

標高は最初の計測で狂うと、(気圧計で補正するので)その後ずっと狂うことになりやすいので、高度を重視する場合は、最初にGPSの電波を拾いやすい開けた場所で計測開始すると良い。

歩数もそれなりに誤差が出る。本機と Fitbit Charge 4 を同時に使っていても誤差が生じるし、スマートフォンやタニタの腰に着ける歩数計とも誤差がけっこう出る。計測方法の違いによるものだろうが、運動量を測る目安と考えれば充分だろう。

その他のワークアウト

「屋外ランニング」「ランニング マシン」「屋内サイクリング」「プールスイミング」「オープンウォータースイミング」「縄跳び」「ヨガ」「フリーエクササイズ」「ローイングマシン」「エリプティカルトレーナー」「ハイキング」「バドミントン」など様々なワークアウトに対応している。

その他の機能

Stravaと連携

Zeppアプリで予めStravaアカウントと連携しておくと、連携後に新規取得したワークアウト結果がStravaに自動で登録される。 (本機を直接Stravaに登録することはできない。)

AmazfitよりもStravaの方が使っている人が多いだろうから、ワークアウト結果を友達と共有するならStravaと連携しておくと良いだろう。

Google Fit 連携

Google Fit との連携にも対応している。

【右下の「プロフィール」 > アカウントを追加 > Google Fit】を開き、Googleアカウントでログイン、承認すればOK。あとは自動で歩数や心拍数、エクササイズ(ワークアウト)などのデータが Google Fit に送信されるようになる。

GPXファイルのエクスポートに対応

GPXファイル出力

Zeppアプリ(Android版 4.3.0-play以降、iOS版 4.3.0以降)は、GPXファイル出力に対応している。

本機とペアリングしたスマートフォンアプリでワークアウトの同期を取った後、アプリでワークアウトを表示し、右上の共有アイコンをタップしてから、「トラックをエクスポート」を選ぶ(右図)。

GPXファイルは【内部ストレージ/Zepp/gpx】フォルダに保存される(Androidの場合、保存先フォルダはアプリに表示される)ので、あとはスマートフォンをパソコンとUSB接続する、クラウドストレージサービスを使うなどして、パソコンに転送してやれば良い。

なお、GPXファイルを出力できるのはウォーキングや屋外サイクリングなどのGPS計測を伴うワークアウトのデータのみで、当然ながらGPS計測を伴わない屋内ワークアウトは対象外。

「少し歩きましょう」

座りすぎ通知

座りすぎ通知 (move alert) は規定でOFFになっているが、これをONにして装着し、コーディングや物書きなどの作業に集中していると、本機が震えて「少し歩きましょう」と表示される(右図)。

これが出ると一息ついて、立ち上がって腕を回したりお茶を淹れたりする。つい座りっぱなしになりがちなデスクワークの人に良い機能だ。

有効にするには、【Zepp アプリ右下の「プロフィール」 > マイデバイスの「Amazfit GTR 2」をタップ > 通知とリマインダー > 起立のリマインダー をON】。通知する時間帯と、通知しない時間帯(昼休憩中など)も指定できる。

通話着信中の表示

通話着信

スマートフォンへの通話着信や、アプリの通知を表示する機能がある。

通話着信は、本機のバイブレーションが作動するとともに、画面に相手の電話番号(連絡先に登録されている相手は名前)が出て、切断と着信音のミュートのアイコンが表示される(右図)。

また、本機はマイクとスピーカーを搭載しているので、電話を取って通話することもできる(予め要設定、GTR 2e を除く)。相手の声が本機のスピーカーで鳴るので通話がだだ漏れになるが(苦笑)、スマートフォンをカバンの奥などに仕舞っているときなどに、とっさに通話に出たいときに便利そうだ。

スマートフォンのBluetoothをONにしておく必要があるが、反応は概して良好で、通話着信するとすぐに本機も反応する(Huawei nova 5TRedmi Note 9T で確認)。

通話着信の通知を有効にするには、【Zepp アプリ右下の「プロフィール」 > マイデバイスの「Amazfit GTR 2」をタップ > 通知とリマインダー > 着信】。電話と連絡先へのアクセス許可を求められる。

アプリの通知を表示

もちろん、アプリの通知を表示する機能もある。通知の内容が表示されるだけだが、近頃よくあるSMSを使ったワンタイムパスワードや、シェアサイクルの返却手続き完了などを、スマートフォンを取り出さずに確認できて便利だ。

もちろんメールやチャットツールの通知を受け取ることもできる。 通知の表示はアプリ単位でON/OFFできるので、例えば Microsoft Teams(ビジネスチャット)はONにしてLINEはOFFにするといった使い方もできる。

アプリの通知表示を有効にするには、【Zepp アプリ右下の「プロフィール」 > マイデバイスの「Amazfit GTR 2」をタップ > アプリ通知】。通知を受信したいアプリを選択する。

アプリの通知表示は規定でOFFになっているので、本機が要らない通知で埋まる心配はないが、通知を受けたいアプリを個別にONにしないと何の通知も来ないので注意しよう。

音楽リモコンと音楽再生

本機は単体で音楽再生できる(GTR 2e を除く)

本機とペアリングしたスマートフォンで音楽再生中は、本機のボタンを押してロック解除→文字盤を左右にスワイプする(表示順はアプリで並べ替えられる)と、音楽リモコンが表示される。

再生中の曲名とアーティスト名の表示(日本語対応)、一時停止/再開、曲送り/戻し、音量の操作ができる。

スマートフォンの機種を問わず利用できる。筆者は Redmi Note 9THuawei nova 5T で試しており、いずれもOK。ただし Redmi Note 9T に標準搭載の Xiaomi の音楽アプリでは使えなかった(同じXiaomiグループなのに^^;)。

音楽プレーヤーは MusicoletdoubleTwistで動作確認しているが、他の汎用プレーヤーでも使えるのではと思う。

また、本機は予めMP3ファイルを転送しておくと、本機単体で音楽再生できる(GTR 2e を除く)。ランニングやジムなどでのワークアウト中に、スマートフォン無しで音楽を聴くことができて便利だ。本機内蔵スピーカーで鳴らすこともできるが、市販のBluetoothヘッドホンをペアリングして使うのが良いだろう。

ウォッチフェイスの変更

文字盤(ウォッチフェイス)の変更も Zepp アプリで行う。

予め登録されているものから選択できるが、自前の写真等を切り抜いて背景に使う機能は削除されてしまったようだ(;_;)

アラーム

本機の内蔵バイブレーションはパターンを自作することができる。連続作動にすると、小さな本体の割りに、そこそこ強力。ただしバッテリーを食う旨警告される(苦笑)。

本機のアラームは音が出ず、振動だけで知らせてくれるので、旅行・出張中や、時間制限のあるプレゼンなどで使うにも便利そうだ。

睡眠計測

深い眠りと浅い眠り、覚醒時間の割合が表示される。

また、睡眠時間が短い、他のユーザーと比べて深い眠りの時間が短いといった傾向も見られる。

ただし注意したいのは、昼間の睡眠は「昼寝」として別枠で計測される仕様のため、夜勤の人は使えない

筆者のような変則業務の場合は、夜に寝た日は計測されるが、昼間に寝た日は計測されない。

目安程度に時々測れば充分だと割り切れば、深い眠りと浅い眠りの割合が出てくるなど面白い機能だと思う。

でも、大きくて重い本機を毎晩着けて寝るのは辛いし、同じ HUAMI・Xiaomi の活動量計は1つのアカウントに複数併用できないので、睡眠は小型軽量なバンド型で計測するといった使い分けもできない。睡眠計測を重視するなら、本機のような腕時計型よりも、Miスマートバンドなどのリストバンド型を選ぶ方が負担にならなくて良いかも。

参考リンク



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左から Fitbit Charge 4Amazfit GTRAmazfit GTS 2 miniAmazfit GTR 2 (本機)。500円玉は大きさ比較用