楽天モバイル (MVNO)

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Rakuten UN-LIMIT 楽天モバイル(らくてん - )は、楽天グループが提供するモバイル通信サービスと、その提供会社。

当初は楽天グループ本社(楽天株式会社)が直営していたが、同社がMNO事業へ参入するに際し、2019年4月より楽天モバイルに分社化された。ただしインターネット網の運営は同グループ子会社の楽天コミュニケーションズ(旧フュージョン・コミュニケーションズ)が担っているようだ。また、通話も一部を同社が担っている(→#スーパーホーダイ)。

2019年9月まではMVNO専業だったが、2019年10月よりMNOサービス(楽天回線)試験サービスを、2020年 4月 8日より一般サービスを開始し、従来のMVNOサービスは 4月 7日をもって新規契約が打ち切られた(既存の契約者は継続利用可能)。

本稿は、MVNOサービス(ドコモ回線・au回線)の新規契約打ち切りに伴い、旧プランの記事を分割したもの。2020年 4月 8日より開始した現行のMNOサービス(楽天回線)については「楽天モバイル」を参照されたい。

MVNOサービス

RakutenMobile SIM package.jpg

NTTドコモ網とau網を借りて提供されており、同社では各々「ドコモ回線」「au回線」と呼んでいる。(「Dプラン」「タイプA」のような書き方をするMVNO事業者が多いので、直接的な呼称は珍しい。)

2019年10月以降に契約した場合は、全プランで契約期間の縛り無し。 MNOサービス開始に伴い、MVNOサービスの新規契約は2020年 4月 7日で打ち切られた

SIMのみの提供と端末セット提供のいずれも行っており、SIMのみで契約する人向けに対応端末の情報提供が行われている。 販売端末は全てSIMフリーで、Huawei nova 5TAQUOS R2 compact などの準ハイエンドから、OPPO Reno A や A5 2020 などのミッドレンジ、Galaxy A7 や arrows RX などのローエンドまで、幅広い機種を展開している。

現在同社で販売している全端末(eSIM専用の Rakuten Mini を除く)は全回線(ドコモ回線、au回線、楽天回線)に対応しており、全てSIMフリーの機種なので、もし他社に乗り換える場合も、端末はそのまま使うことができる。

また、楽天カードを作る必要があるものの、楽天カードで料金を支払うと、端末代金の24回・48回払いの金利・手数料が無料になる。この分割払いは楽天カードが実施するもので、回線契約とは分離されているので(キャリアでは一括請求済みと同じ扱いになる)、回線を解約しても端末代金の分割払いは継続される(繰上返済や端末返却を求められる心配が無い)。

2019年10月からの変更点

2019年夏頃までは OPPO AX7 を5千円ほどの格安で販売するなど、「三木谷割」と呼ばれる特価販売が定番化していた。

しかし、2019年10月以降の新規契約(MNPを含む)では端末値引きが規制されるとともに、最低利用期間(契約解除料)および長期割(長期契約を結ぶことを条件とする値引き)が撤廃された。 また、「スーパーホーダイ」プランに限り楽天会員に適用される「楽天会員割」の値引き期間が1年に短縮されるとともに、月額1,500円に増額された(総額では旧2年契約時の値引き額と同等となっている)。

ドコモ回線

文字通り、NTTドコモの回線を使うMVNOサービス。

2014年10月開始。以前はNTTPCコミュニケーションズ(MVNE)の回線を借りてサービス提供していた(APN: vdm.jp)が、2015年10月頃から直接接続(L2接続)を開始した(APN: rmobile.jp)。 2017年2月にはALADIN(ドコモの顧客管理システム)への接続も実施しており、以降、MNP転入の際はSIM着荷後にユーザ側で切り替えられる(同社では「ご自宅MNP」と呼んでいる)。

同社が推奨する「スーパーホーダイ」はドコモ回線でのみ利用できる(#au回線は「組み合わせプラン」のみ)。

スーパーホーダイ

2017年9月より始まった料金プラン。対して従来の料金プランは「#組み合わせプラン」と呼ばれる。

スーパーホーダイ」は現在同社の主力プラン。「最大1Mbpsでデータ使い放題」と「10分以内の国内通話かけ放題」が謳われているプランだが、各々に「罠」があり、向いている人には良いが、向かない人もいるので、注意したい。

おのずと通話がセットになるので、データSIM(SMS付を含む)の提供は無い。通話が不要な人は「#組み合わせプラン」を利用すれば良い。

データ通信については、通信内容によって制限がかけられている傾向がある。例えばYouTubeなどの動画やSNSを見るときには辛うじて見られる程度だが、Google play などのアプリアップデートは深夜などの閑散時間帯でもないとまず使い物にならないくらい厳しい規制がかけられる傾向がある。 つまり、自宅などで Wi-Fi が使えないと、楽天モバイルのみでの運用は厳しいだろう。

通話は、専用の通話発信アプリ(Androidのみ)を使った発信に限り「10分以内の国内通話かけ放題」が適用される。厳密に言うとプレフィクス方式なので、iPhoneでも電話番号の先頭にプレフィクス番号「003768」を付けて発信すれば適用になるが、正直、使いづらさがある。

プレフィクス番号の0037は楽天コミュニケーションズの識別番号。つまり中継電話サービスの一種。楽天コミュニケーションズを経由することでドコモ(またはKDDI)に支払う接続料を減らし、通話料を引き下げている。

また、データ通信が「快適」と謳われているが、ワイモバイルの「スマホプラン」やUQモバイルの「おしゃべりプラン」等と比べると使い勝手には雲泥の差がある。感じ方には個人差があるだろうが、楽天モバイル(MVNO)はデータ量(ギガ)が残っていてもすこぶる遅いので、データ容量の大きなプランを契約すると損した気分になると思う。プランS以外の契約を考えている人は、素直にワイモバイルやUQモバイルを選ぶ方が良いと思う。

これらの「罠」を大した問題ではないと思う人は、楽天モバイル(MVNO)を検討すると良いだろう。 気になる人は、他社のサービスを検討すると良いだろう。

組み合わせプラン

「組み合わせプラン」は、MVNOによくある形態(月間データ通信量で選択する基本プラン+通話オプション)になっている。同社ではあまり推していないようだが、普通に契約できる。

通話SIMであれば、相互にプラン変更可能。ただし、2019年 9月以前に「スーパーホーダイ」を契約した人が1年以内に「組み合わせプラン」へ変更すると違約金を請求されることがあるので要注意。

なお、通話の10分定額サービスは「組み合わせプラン」でも別料金(月額850円税別)で利用できる

au回線

au(KDDI)の回線を使うMVNOサービス。「#組み合わせプラン」のみで選択できる。

楽天ではサービス開始以降しばらく#ドコモ回線のみを提供していたが、2018年10月よりau回線の提供を始めた。

ただし選択できる料金プランは従来の「組み合わせプラン」のみで、同社が推している「#スーパーホーダイ」ではau回線を利用できない。また、au回線の利用はホームページから申し込んだ時のみ可能で、店頭契約ではau回線を選択できない(店頭ではドコモ一択)など、差をつけている。開始から1年あまり経った今もなおこの状況が続いており、同社はau回線をなぜ提供したのか、いまいち位置づけがわからない。

APNは a.rmobile.jp だが、MVNEIIJのようで、インターネット接続時にIIJのIPアドレスが使われる(ドメインvmobile.jp)。そのためIIJmioと同様にIPv4ではプライベートアドレスが割り当てられるが、IPv4/v6デュアルスタックになっており、IPv6グローバルアドレスを同時に利用でき、その意味では使い勝手が良くなっている。

ただし、実効伝送レート(いわゆる通信速度)はお察し(;_;)。とりわけping値の悪さが目立つ。 もっとも筆者はIIJmioも契約しているが、そちらも五十歩百歩で遅い(ここまで悪くはないが…でも悪いので諦めて電測くらいにしか使っていないため影響はない)ので、楽天が悪いというよりIIJが遅いのかもしれないが。

公式Webページからau回線を申し込むと、契約事務手数料(3406円)が無料になるキャンペーンが実施されている(2019年9月まで)。

au回線からドコモ回線へ(または逆)の変更はできない。

雑感

同社MVNOサービス au回線(MVNEはIIJ)での測定例。比較的空いている平日の午前11時台でこんな感じ。平均伝送レート(速度)も良くないが、ping値の悪さが目立つ。混雑する平日の12時台は測定不能だった。

以前はスピードテストのみ増速しているという指摘を受けることもあった同社だが、指摘が増えるにつれ、さすがにそれは無くなったのかな。 でも残念ながら底上げされたわけではないようで、筆者の感覚では、正直、使い勝手が悪い。

例えば、近頃流行りのナントカPayを使おうと思っても、そもそもアプリが起動しない。店頭でサッと起動しないだけでもストレスが溜まるのに、楽天モバイルを使っているとそもそもアプリが起動しないので、決済できない。(モバイルSuicaなどの通信断の状態でも使える決済サービスはもちろん使える。ただしチャージやグリーン券購入、特急券ダウンロードなどができないことがある。)

スマート留守電宅急便などの通知も遅れてやって来る。平日の昼や夕方はほぼ圏外になると考えておくと慌てなくて良い。

携帯電話屋の店員と話していて、楽天モバイルを使っていると言うと、ほぼ例外なく開口一番に「遅いでしょ」「使えないでしょ」と言われるので(笑)、個人の感想に留まらず、おそらく共通認識なのだろう。

筆者が使っているのは#au回線だが、聞くところ#ドコモ回線も評判が悪いので、おそらく大差ないのだろう。

もっとも、筆者は予備の予備くらいにしか使っていない(普段MVNO回線はBIGLOBEをよく使っており快適)ので構わないのだが、正直、筆者は楽天モバイル(やIIJmio)をメインにする気にはなれない。

とはいえ明らかに安くなるので、通話とメール・メッセージが主で、たまにWebなどをそこそこ使えれば充分といったライトユーザー向けには良いだろうし、そういう市場は決して小さくないだろう。

ちなみに筆者は IIJmio も使っているが、技術で定評のあるIIJmioも、筆者の感覚では大差ない。楽天モバイルほどひどくはないものの、やはり使い勝手は悪いと言わざるを得ない。さすがにナントカPayが起動しないとかモバイルSuicaのチャージができないといった酷さはないものの、地図などは厳しい。混雑時間帯(平日の12~13時、17~20時頃)は使えないと思っておく方が良い。

一方で、同様に同業者(笑)の間では評判が悪いフリービット(MVNE)を使ったTONEモバイルは、使う人によっては不満がないという。 フリービットの回線は、いわゆる通信速度(平均伝送レート)は悪い(=大きなデータの転送は遅い)が、ping値が小さい(=反応が良い)と聞く。 もちろん、TONEモバイルは子どもや高齢者の利用に適した付加価値を付けたサービスを提供していることも評価を分けるだろう。使い方によって適否が分かれることをよく示している。

誤解してほしくないのだが、万人に使えないということではない。使える時にはそこそこ使えて、使えない時間帯や用途には使えない。そのパターンや程度が自分に合っていれば問題ないとも言える。

楽天モバイルは通信内容によって制限していると言われており、例えば動画や一部のSNSなどは比較的快適に使えるようだ。楽天グループのサービスやポイントに親しんでいる利用者には、特典も魅力的に映るかもしれない。一定の加入者数を維持しているのは、これでも十分使え、メリットを感じている人が少なくないことの証だろう。

取扱機種

各機種の楽天回線対応予定時期
2020年2月時点で全機種対応済

楽天回線は FD-LTE Band 3 に対応する携帯端末で利用できる可能性があるが、VoLTEや国内ローミングが必須といった特殊事情もあるので、当面は正式対応が謳われている機種を選ぶのが良い。

筆者がレビューした機種のうち、対応機種は下記。(2020年3月現在)

筆者がレビューしていない機種のうち、主な対応機種は下記。(2020年3月現在)

参考リンク

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