AQUOS R2 compact
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「ロックフォトシャッフル」 | ||
メーカー | SHARP | |
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発売日 | 2019年 1月 | |
OS | Android 9→10 | |
通信方式 | LTE (4G) | |
デュアルSIM | × | |
SIMタイプ | nano | |
▶803SH(SB版、SIMロック) NTTドコモ【●】 au【●】 SoftBank【◎ VoLTE】 | ||
▶SH-M09(SIMフリー版) NTTドコモ【◎ VoLTE】 au【◎ VoLTE】 SoftBank【◎ VoLTE】 楽天【○ VoLTE】 | ||
◎=幅広く対応 ○=主要バンドに対応 △=一部のみ対応(非推奨) ●▲=要SIMロック解除 | ||
サイズ | <中> 縦131×横64×厚さ9.3 mm / 重さ 135 g | |
性能 / SoC | ◎ / Snapdragon 845 | |
メモリ(RAM) | 4GB | |
内蔵ストレージ | 64GB | |
ストレージ増設 | ○ microSD 最大512GB | |
電池容量 | 2500mAh | |
急速充電 | ○ USB PD | |
端子 | USB Type-C | |
USB OTG | ○ | |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n/ac (2.4GHz/5GHz) | |
Bluetooth | 5.0 | |
NFC | ○ | |
FeliCa | ○ モバイルSuica対応 | |
GNSS(GPS等) | ◎ G+A / O / L / B / Q | |
生体認証 | ○ 指紋(前面下端) | |
防水 | ○ IPX5/IPX8 IP6X | |
MHL・DP出力 | × | |
ディスプレイ | 5.2ンチ IGZO 2,280×1,080px | |
アウトカメラ (→詳細) |
22.6MP F1.9 22mm相当 OIS対応 | |
インカメラ | 8MP 23mm相当 | |
イヤホン端子 | ○ φ3.5 4極 | |
ストラップ | × | |
本体色 | □ディープホワイト ■ピュアブラック | |
参考市価 | 約8万円→6万円→3万円 | |
▶803SH ▶SH-M09 |
AQUOS R2 compact(アクオス アールツー コンパクト)は、シャープ社製のLTE(4G)対応Androidスマートフォン。
2019年 1月発売で、Android 9 Pie を搭載。メーカーでは発売から2年間、最大2回のOSアップデート実施を宣言しており、2020年 4月に Android 10 へのOTAアップデート提供が始まった。
筆者は AQUOS R compact から使っているので、使用感の比較も交えて評価してみたい。
機種
全機種おサイフケータイ対応、防水防塵対応。
ソフトバンク(SB)版
AQUOS R2 compact 803SH、2019年 1月発売。SIMロック。
FD-LTE Band 1, 3, 5, 8, 11, 19, 26, 28, TD-LTE Band 41, 42 に対応[1]。 (太字は日本国内で使われているバンド番号)
ソフトバンク・ワイモバイルでの通話は VoLTE と CSFB (W-CDMA) の両方に対応。au VoLTE の対応可否は不明。
SB版はSIMロックだが、2017年8月以降の発売機種なので、ワイモバイルやソフトバンク網のMVNOでは、SIMロック解除不要で使える(APN設定は必要)。
また、SIMロックを解除すれば、MVNOのSIMでも2018年5月以降に発売の機種はテザリングに対応しているという情報があるが、筆者は未確認。
2019年8月21日より中古端末のSIMロック解除が解禁されたため、店頭に持ち込んで手数料(1台あたり3000円税別)を支払えば、中古端末でもSIMロックを解除できる。
ソフトバンク網(ワイモバイルを含む)で使う前提ならばフルバンド対応(2019年時点)。プラチナバンド (Band 8) はもちろん、比較的対応機種が少なくてサービス開始後しばらくは空いていると期待される Band 11 にも対応しているのは魅力。
また、世界中でドコモしか使っていない Band 19 にも対応しており、SIMロックを解除すれば国内の他のキャリアのバンドも概ね掴む。 (ただしVoLTEへの対応が必須となるau網および楽天モバイル自社回線への対応可否は不明。)
カラバリはスモーキーグリーン、ディープホワイト、ピュアブラックの3色展開。
2020年 4月16日より Android 10 アップデート提供開始。
SIMフリー版
AQUOS R2 compact SH-M09、2019年 2月21日発売。
SIMフリー。家電量販店などで単体販売されているほか、一部のMVNO(IIJmio、OCNモバイルONE、楽天モバイル、mineo、BIGLOBEモバイル)が回線契約とセットで販売している。
FD-LTE Band 1, 3, 5, 8, 11, 12, 17, 19, 26, 28, TD-LTE Band 41, 42 に対応[2]。 (太字は日本国内で使われているバンド番号)
発売時点で国内4キャリアで使われているほぼ全てのバンドに対応(ドコモの Band 21 のみ非対応)。au の Band 18(いわゆるプラチナバンド)に対応していないが、近頃は同時に Band 26 も吹いているので、au網で使っても実用上は問題ない。
SIMフリー版は楽天モバイルの自社回線(楽天回線)対応機種になっている[3]。
カラバリはディープホワイトとピュアブラックの2色展開。
2020年 4月20日より Android 10 アップデート提供開始。
特徴
小型だが「AQUOS R」ブランドを冠するフラグシップ機。前機種ではSoCがミッドレンジ相当に抑えられていたが、本機は性能もハイエンド相当に引き上げられ、フラグシップ機と呼ぶに相応しいものになった。
また、前機種は画面下端のフレーム(額縁、余白)が広めになっていたが、本機は下端まで画面を広げることで、コンパクトな筐体のままで、画面を大きくしている(右図)。
こうしたフレームレス機種の使い勝手の良し悪しは人それぞれだろうが、本機は下端に指紋センサーがあるため、指紋センサーの精度を犠牲にせず、また画面下端にコンテンツが表示されない範囲が確保されることから、結果として使い勝手を損なわない仕上げになっている(筆者は指紋センサーを画面内に埋め込んで画面占有率を高めた機種もいくつか使っているが、正直使いづらい)。
その他、地味な話だが、本機はLEDが上部(フロントカメラ近く)に移ったことで、前機種よりも充電状態や通知などが分かりやすくなった。
コンパクトで、おサイフケータイも付いているので、普段使いの人におすすめ。電話機として使う(通話する)にも、近頃流行りの大画面の機種よりは使いやすい。φ3.5mmイヤホンジャックも付いているので、手持ちのイヤホンマイクもそのまま使える(筆者は 1MORE EO320 と 1MORE E1008 で確認)。
全機種モバイルSuica対応。今流行りのナントカPay(コード決済)アプリももちろん使える。通話・SMS、メール、決済すべてこれ1台でできるし、鉄道運行情報や乗換案内、バス時刻表や地図の閲覧、簡単なメモ、シェアサイクルやオンラインバンキングなど、日常生活に必要なアプリはこれ1台で対応できる。タブレットがメインの人の2台持ち用にも良いし、iPhone SE を愛用している人の乗り換え用にも良いと思う(OSは変わるが、コンパクトな機種はもうiOSでは登場しないだろうから…)。
一方、本機はSoC性能こそ引き上げられたが、コンパクトが売りの機種なので、ゲームや電子書籍・動画鑑賞がメインの人にはそもそも向かない。
ゲームや電子書籍を多用する人は、画面の大きさと電池持ちが使い勝手に直結するので、Huawei nova 5T(5万円台で高性能)や OPPO Reno A(3万円前後でモバイルSuica対応)、OPPO A5 2020(2万円台で大容量電池)などの大画面機種を選ぶ方が良いだろう。
急がなければ、時期によっては Xperia 1(定価は10万円超だが、新機種発売後に未使用の処分品が5万円以下で中古市場に出回った)などのフラグシップ機種の流出品を狙っても良いだろう。
逆に2台持ちが前提ならば、さらに小さい Rakuten Mini が選択肢に加わった(2020年 4月に一般発売)。アプリはほとんど使わず(またはタブレットなどで使い)、通話、メール、おサイフケータイ、Payアプリとテザリングさえ使えれば良いという人に向いている。ただしeSIM専用機なので楽天モバイルの利用が前提になる。
楽天モバイル以外で、おサイフケータイ対応の小さな機種を求めている場合は、本機が最後の選択肢になっている(2020年 4月現在)。
良いところ
日常生活に必要な機能を快適に使える
Qualcomm Snapdragon 845 というハイエンドSoC(2017年モデル)を積んでおり、2019年時点で性能は高め。
また、GNSS(GPS)がまともに使えることと、標準的な急速充電規格 USB PD に対応した充電器が市場に多く出回っていることも、使い勝手にプラス。
本機は2019年時点で日本国内で使われているほとんどのバンドに対応しているため、SIMフリー版を購入しておけば、回線を問わず使える(回線を乗り換えてもそのまま使える)安心感もある。
防塵防水にも対応しており、ヘッドホン端子と USB Type-C 端子はキャップレス防水。
大きさは約 131×64×9.3mm、重さは約 135g。前機種よりもわずかながら小さく・軽くなった。iPhone SE(参考:123.8×58.6×7.6mm, 113g)より少し大きくて重いが、本機は持ちやすいよう角が丸め加工されているので、大きさはさして違和感ないと思うし、画面は大きくて使いやすいと思う。
画面は5.2インチのハイスピードIGZO液晶搭載で、画素比率19:9、2280×1080px (FHD+)。狭額縁化されたため、画面は iPhone SE や AQUOS R compact よりも大きい。廉価版の AQUOS sense2 とほぼ同じ大きさが確保されつつ小型化を実現していると考えても良いだろう。
ただし上下にノッチがあり、上にはインカメラが、下には指紋センサーが食い込んでいる分、変則的なサイズになっている。画面の上端は実質通知領域専用、下端は戻るボタンなどが表示される領域として使われる(SNSなど一部アプリはコンテンツ表示に対応)が、実用上は 18:9 2160×1080px (FHD+) が確保されている。
スクリーンショットを撮ると 2280×1080px 分出力されるが、ノッチがある部分は背景以外何も表示されない。
発色は良好で、明るくすると違和感ないが、輝度を落とすと少し沈んで見え、Huawei nova 5T などに比べると鮮やかさが控えめに見える。とはいえ派手なほど良いということでもないので、むしろ普段使いの機種にはちょうど良いように思う。プライバシーフィルムとの相性も良い。
標準的な急速充電規格に対応
USB Type-C 端子を搭載しており、急速充電規格は USB PD に公式対応している。
SIMフリー版にはACアダプタが付属しているが、5V 1A 出力の安物なので、充電に時間がかかる。別途 USB PD 対応の充電器を用意すると良いだろう。
ただし、筆者が試した範囲では、USB PD 対応のACアダプタ・ケーブルを使い、本機の表示が「急速充電中」になっていても、5V 2A (10W) 程度で充電されることが多く、本機の充電にはそこそこ時間がかかる。内蔵電池の保護目的で、抑えめにしているのかもしれない。
とはいえ、添付の充電器と比べれば2倍だし、標準規格で他機でも使えると期待される USB PD 対応充電器を持っておいて損はないだろう。
なお、USB PD 急速充電を使うにはケーブルも対応品が必要になる。無ければセットで購入するとお得になる。
性能と電池持ち
ハイエンドSoCを搭載していることもあり、動作は快適だが、AQUOSシリーズは省電力機能が弱いので、アプリをたくさん入れておくと電池消費が目立って多くなる。言い換えれば、使わない無駄なアプリ(プリインアプリを含む)を削除または無効にすることで、使い勝手が向上する。
本機はハイエンド相当のSoCを搭載しているが、メモリが4GBしかないので(2018年頃としては普通だったが…)最近のハイエンド機種と比べると見劣りする面もある。
とはいえ、ゲームや動画、電子書籍などを多用しなければ、今でも性能は充分だ。 つまりコンパクトに合った使い方をする人には良い機種だと思う。
電池持ちは、満充電にして出かけ、通話と時々出先で地図を見たりシェアサイクルを使ったりする程度ならば1日持つが、普通に使うにしても毎日の充電が必要。
画面を点けっぱなしにするような用途では1日持たなさそう。通勤時間が長い人や、SNSやゲームもする人は、モバイルバッテリが必須だろう。
指紋認証
画面下の指紋センサに触れるだけでロック解除できる(電源ボタンの操作不要)。
OPPOなどが採用している画面内埋込センサーは精度の課題があるが、本機は画面外にセンサーが付いているので、指紋認証のロック解除動作は一瞬。
ちなみに前機種同様、本機も指紋センサーがホーム・戻る・タスク操作を兼ねているが、前機種と操作感が微妙に変わってしまい、指紋センサーを左にスワイプしても戻らなかったり、右にスワイプすると直前のタスクに切り替わる(タスク一覧を出すためにはスワイプした後で指を止める)ようになってしまい。慣れるまでは戸惑う。 (同じ Android 9 なのに、AQUOSシリーズの従来機種と操作感を統一しないのは疑問。)
スクリーンショットは無音
音の設定にかかわらず、スクリーンショット撮影音は出ない(カメラ起動時を除く)ので、スクリーンショットを多用する人でも安心。
スクリーンショット撮影時に出てくる通知も、設定で非表示にできる。
イヤホンマイク端子+ハイレゾ対応
本機はイヤホンマイク端子を搭載し、手持ちのイヤホンマイクをそのまま使える(筆者は 1MORE EO320 と 1MORE E1008 で確認)。端子はキャップレス防水。
また、対応する有線イヤホンを使うと、ハイレゾ再生にも対応している。
GNSSは「みちびき」対応
本機の位置情報(衛星測位)は、GPS・A-GPS、 GLONASS、Galileo、BeiDou、みちびき (QZSS) に対応している。
筆者は活動量計 (Mi Smart Band 4) と組み合わせて散策コースの地図作りやサイクリングルート記録に使っているが、Huawei nova 5T にはかなわないものの、本機の位置取得も概ね良好だ。
参考に、本機と山旅ロガーGOLD(徒歩15m)で取得した位置情報はこんな感じ(高尾山もみじ台→5号路→トイレ→4号路→2号路→蛇滝コース→高尾梅郷遊歩道→高尾駅南口)。屋内(山頂付近のトイレ)に入った所で大きく位置飛びしているのと、細かい九十九折が取れていない、森の中や建物の狭間でズレが生じているなどはあるが、スマートフォンのGPSとしては優れている方だと思う。 標高の誤差は地理院地形図と見比べた範囲で概ね-10m程度で、概ね正確に取れているよう。
良くないところ
電池持ち
小型なので仕方ないが、電池持ちはいまいち。移動時間が長い人で、移動中ずっと使いっぱなしだと、厳しいかもしれない。
また、毎日の充電が必要になるので、旅行や出張の際は充電器を持って行く必要がある。
もっとも、そういう人はすでにモバイルバッテリを持ち歩いているだろうが、本機は USB PD に対応しているので、モバイルバッテリも USB PD 対応製品を用意すると良いだろう。
また、PD対応充電器も18W用なら汎用品を2000円以下で買える。本機への充電には 18W あれば充分なので、モバイルバッテリを買うなら USB PD 対応のACアダプタも買っておくと良い。
背面が汚れやすい
店頭デモ機を見ると、多くが背面が惨憺たるありさまになっている。さらに中古店を覗いていると、前のオーナーがケースを付けて使っていたのだろう、ケース跡までしっかり残っている端末も少なからず見受けられる。
実際、普通に扱うと簡単に傷が付いてしまうし、指紋も付きやすい(指紋は拭けば落ちるが)。傷が付きやすい材質で、しかも光沢感があるので目立ちやすい加工なのだろう。筐体の仕上げが良いだけに、玉に瑕。
もっとも屋外で普通に使っている分には、汚れていてもあまり気にならないものだが、腫れ物に触るように使うようではストレスが溜まるだろうから、傷が気になる人は市販の背面保護フィルムを貼っておくと良いかも。
価格が高め
SIMフリー版は家電量販店などで8万円前後で販売されていた。2020年2月時点では6万円台まで値下がりしたが、取扱終了になる店も出てきたことから、すでに在庫処分に入っていると思われる。
本機は流通量が少ないのか、中古店ではあまり見かけず、あまり値下がりしていない。状態の良い品は2020年2月時点でも4万円前後で販売されている。
2019年末頃にソフトバンクモデルの在庫放出品と思われるグリーン未使用品が中古店に流れたが、すぐに完売したよう。
また、2019年末頃から、OCNモバイルONE や IIJmio などの一部MVNOが、SIMフリー機種の新品を3万円以下に値下げして販売していた(要回線契約)が、それも一巡。
新品にこだわる人はMVNO各社が持っている在庫処分が狙いめだろうが、本機は3万円前後まで下がれば充分買い時だと思われる。今は長期契約の縛りもほぼ無いので、この機会にMVNOへの乗り換えを検討しても良いだろう。
発売から1年ほど経った2020年に入っても買いづらい状態が続いているが、本機は後継機が発表されておらず、後継機が出るか不透明で、本機くらいの大きさの機種は他社もほとんど発売していないので(そういえば Xperia XZ2 Compact の後継機も出ていないね…)、本機くらいの大きさの機種を求める人は、今のうちに買っておくと良いかもしれない。
カメラはカタログスペックの半分くらいの性能
→後述
プリインアプリ
キャリアによるプリインは多いが、メーカーによるプリインアプリは少なめ。
メーカーによるプリイン
SHSHOW, エモパー, からだメイト(歩数計), メール, コンテンツマネージャ, Office Suite くらい。
Xperia の What's New のようなウザイ通知を出すものは無い。SIMフリー版にはfacebookのような個人情報を垂れ流すスパイアプリが入っていないのも良い。
ホームアプリもGoogleに近い操作感だし、コンテンツマネージャ(ファイルマネージャ)もOS標準機能を使っており、独自実装ではない。
しかも、コンテンツマネージャはAndroid 10 アップデート後は Files by Google に置き換えられるようだ…
同社は Android One を作っていることもあってか、Googleアプリが無い物は最小限入れるが、Googleアプリがあればそれを標準にする方針のようだ。基本アプリが充実している ZenUI や Xperia に使い慣れていた人は若干戸惑うかもしれないが、カスタマイズできるのがAndroidの良さであり楽しさなので、良い方向性だとは思う。
音楽プレーヤーやカレンダーなどもGoogleの物しかない(Google play music, Google カレンダー, 時計や電卓などはGoogle製アプリを標準搭載)。
しかし Google play music はローカルの曲を聴くには非常に使いづらく、しかも YouTube Music へ移行中なので、今後のサポートも期待できない。音楽を聴く場合は Google play から doubleTwist(右上図)や Musicolet(右下図)などの音楽プレーヤーをインストールして使う方が良い。
メール
本機にはGmailのほか、SIMフリー版にはシャープ製のメールアプリがプリインされている。
SB版にはSoftBankメールが入っているが、SIMロック解除してMVNO等を利用する時には使えないので、別途 Googleメッセージと K-9 mail(などの使い慣れたメールアプリ)をインストールするのが良い。
キャリア系ゴミアプリ
SB版 803SH には、ゴミアプリ多め。さらに後から追加ダウンロードされて辟易。でも大抵消せるので、初回設定時には Wi-Fi を使うことと、初回設定後に使わない物は全て消せば良いだろう(後で必要になったら Google play で再インストールすれば良い)。
フォント
シャープ製スマートフォンは、AQUOS Crystal あたりから(もっと前からかもしれない)システム標準フォントを変更しやすいようにしている。本機でも引き継がれており、
設定 > ディスプレイ > 詳細設定 > 文字フォント設定 > 文字フォント切替
から「モリサワ 新ゴ」(本機標準)「LC明朝」「SHクリスタルタッチ」(POP体)「Noto Sans CJK JP」(Android標準)を選択できる。 また、Google play からダウンロードすると丸ゴシック体や手書き風なども選択できるようになる。
個人的には「モリサワ 新ゴ」が見やすく、違和感もないので良いと思う。
文字入力
シャープ独自の「S-Shoin2」を搭載。
使い勝手は可も不可もなく。変な癖がなく、辞書も(地名・駅名がサクサク出る、一方で候補にネットスラングが並ぶようなことはなく)良い感じだが、英大文字をフリックで入力できない等、一世代古い感もある。
個人的には、慣れもあってか、FSKAREN(富士ソフト)や POBox(ソニー)の方が良いと思うが、Xperiaは海外版へのPOBoxプリインを止め、SwiftKeyとかいう癖が強くて使いづらく辞書も酷い物に変わってしまったし、ZenfoneにプリインのATOKも「フラワータッチ入力」(これは無効にできたと思うが)などの癖がある。Gboardは以下略
「S-Shoin2」はマイナーではあるが、SwiftKeyやSimejiなど(をプリインしている機種)に比べれば断然快適。
ロボクル
本機は「ロボクル」(別売)に対応している。新品は家電量販店などで購入できるし、中古でもよければ概ね2000円以下で投げ売りされている。
単なる充電台ではなく、「クルっと回って人を見つける充電台」。「エモパー」と連動して、電話着信時にこちら側に向いたりする。「エモパー」を使っているなら一緒に用意すると良いかも。
でも充電台としては、USB PD に非対応という中途半端さが残念。単なる充電台として使うなら、「ロボクル」は大きくて邪魔なのでお勧めしない。
カメラ
メインカメラの画角は22mm相当(35mmフィルム換算)[4]。
筆者は普段 DMC-CM10(画角28mm相当の単焦点)を使っていることもあり、本機の画角はかなり広く感じる。Huawei nova 5T と比べても広い。
多眼カメラが主流の昨今ではあるが、本機のカメラは広角と超広角の間くらいの(広めの)画角なので、用途によっては便利そうだ。
しかしExifには0と記録されてしまい、撮影時の画角がわからなくなるのが難。
レンズと色あい
周辺部の歪みは気にならない(よく補正されている)ものの、解像度の落ち方が気になる。フレアも目立つ。
F値は1.9で、光学式手ブレ補正(OIS)も内蔵している。前機種のカメラは暗かったが、本機は明るく写るよう改善されている。
AWBは筆者が試した範囲では大きな狂いはなく、頑張っていると思う。明るい昼間から日暮れ時、屋内の人工光までAWBで撮って色が転びにくいので、(色あいに関しては)フルオートで気軽に撮れる。
また、右上の逆光作例ではHDRがかかっているが、ほどよくかかって良いと思う。
解像度は10M程度が妥当
一方で、解像の粗さが目立つ。本機のセンサーは、約2,260万画素の裏面照射積層型CMOSということだが、22.6M画素で撮影しても粗が目立ち、実用的ではない。
例えば右の作例では、22.6M画素で撮って原寸で見ても、石碑に書かれた文字がぼやけて判読しづらい。同じ場所から Huawei nova 5T の 12M画素で撮るとそこそこ読めるのだが…本機のカメラでは、カタログスペックに見合う画像は得られないと思っておく方が良いだろう。
22.6M画素に設定しておくとデジタルズームでも22.6M画素で保存されるが(右作例)、ただでさえ本機のカメラは解像が悪いのだし、ズームの場合は解像度を落として画質を上げる方が良かったのではと思う。
また、本機のカメラアプリはズーム操作が非常に使いづらい。微調整ができなくて苦労する。音量ボタンでズームを調整できたら良かったが、そうした気の利いた機能は見当たらない(音量ボタンにはシャッターが割り当てられている)。
解像度は設定で 22.6M (5480×4112) と 10.0M (3648×2736) を選べるが(4:3の場合。他に18:9、16:9、1:1を選べるが、5480×4112が最大)、22Mで撮っても粗が目立って縮小しないと使い物にならないので、本機のカメラは10M程度で常用するのが良いと思う(むしろ22Mモードは搭載しなくて良かったのにとすら思う)。
AFが近距離に合わない
本機はフルオートで撮っていると、AFが近距離に合焦せず、花などの撮影に向かない。 普通の撮影はもちろん、Google lens を使って花や虫などの名前を知りたいといった用途にも使いづらい。
スマートフォンのカメラで花を撮れないとは、どうなのかと思うが…
ここまでの作例は全てフルオートで撮影してきたが、本機のAFは不正確な上に遅く、近距離に合わなさすぎるので、非常に用途を選ぶ。
動体にはまずピントが合わない。列車などの動きが読める被写体の場合は後述のマニュアルモードを使って対応できることもあるが、動物などの撮影は難しいだろう。
接写はマニュアルモードで
本機のカメラは不思議なことに、オートで撮るとまず手前の花にはピントが合わないが、マニュアルモードで撮ると、手前の花にピントが合いやすくなる。 花などを接写気味で撮りたいのに焦点が合わないときは、撮影モードをマニュアルに変えてやると良い。
本機のマニュアルモードは右図のように、上からWB、ISO感度、シャッター速度、フォーカス、彩度、コントラスト、明瞭度(シャープネス)のアイコンが並んでいるので、必要に応じて操作できる。変えなくて良い所はそのままにしておけばオートになり、変えた所だけマニュアルになる。
右の例ではフォーカスのみマニュアル(MF)調整している。MF調整中は焦点が合っている場所(右の例では水仙の花の下の方)に赤い輪郭線が表示される。
また、白飛び・黒つぶれ警告表示もある。簡単な水準器表示もある。少々手間だが、慣れればマニュアルモードを使う方がきれいに撮れそうだ。
ただし、標準のカメラアプリ以外を使う場合、例えば Google Lens や Office Lens などを使うときは、マニュアルモードに切り替えられないので、困ることになる。フルオートでもAFが近距離に合うよう、ファームウェアアップデートなどで改修してほしいものだ。
ところで、右のアブラナの作例では、マニュアルフォーカスで中央の花にピントを合わせている。後ろの方がボケて中央の花にのみピントが合っている。これはまあ良い。
ところが、同じ構図でAFを使うと、どこにピントが合っているか分からない、全体にぼけた写りになる。
このAF作例では、よく見ると後ろの方の花のぼけ方も不自然。ぼかし加工を入れて失敗しているような感じだ。
AFはおかしい、ぼけ方もおかしい、解像度を上げると粗が目立つ…本機のカメラは部材の性能はそこそこ良さそうなのに、ソフトウェアの詰めの甘さが目立つのが残念だ。
その他
色表現は、近頃流行りのHuaweiなどの派手な色付けをするカメラに比べると、比較的おとなしめに映る。本機の方が自然だが、SNS映えを狙いたい人にはHuaweiなどの方が有利かも?
しかしハード・ソフトともに、Huaweiの最近の機種とは比較にならず、OPPO R17 Pro などの廉価な機種と比べても、カメラの性能は一段落ちる感が拭えない。本機はコンパクトで使いやすいのだが、特にソフトウェアの出来の悪さが足を引っ張っている。
SoC性能向上の効果か、シャッターラグは前機種に比べると大幅に改善されている。しかしOSの負荷状況によりシャッターラグが一定しないので、カメラを使う時は他のアプリを終了させておくなど、気をつけたい。
また本機はAFがひどくてまともにピントが合わないので、動く被写体にはマニュアルモードを使う方が良い。動きを予測できる列車はまだしも、動物は本機のカメラでは撮れないだろう。
もちろん、バーコードなどの読み取り・コード決済には十分すぎるし、人物の記念撮影やtwitterなどのSNS向けにもおよそ十分だろう。
ただし、Office Lens などでの書類の読み取り(スキャン)には、近距離に合わないAFと解像の甘さが、足を引っ張りそう。
例によってシャッター音は消せない日本仕様だが、シャッター音はさほど大きくなく、耳障りではない。
本稿ではインカメラは評価しない。
作例
大半はフルオートで撮影(一部マニュアルモード:本文参照)し、無加工のまま掲載。 前半は22.6M画素で撮影、後半は10M画素で撮影している。18:9はマニュアル撮影。 いずれも写真をクリックするとリンク先で原寸表示を確認できる。
トラブルシューティング
SIMカード・microSDカードがうまく入らない
本機のSIM・microSDトレイには、外れにくいようバネが付いている。 トレイに乗せるだけではうまく装着できず、嵌め込むようにして入れる必要がある。
SIMカードやmicroSDカードを入れた状態でトレイを裏返しにしてみて、SIMカードやmicroSDカードが落下するようなら、正しく入っていない。
SIMカードやmicroSDカードがツメにうまく嵌まっていない(乗せただけの)状態で無理に入れると、本体内でズレたりして故障の原因にもなるので要注意。
ちなみにSIM・microSDトレイの着脱にピンは不要だが、SIMカードやmicroSDの着脱時には電源を落とす必要があり(電源ON時に取り外すと強制的に再起動される)、再起動は遅い(数分かかる)。SIMの交換を頻繁に行う人には使いにくい(他のDSDV対応機種を選ぶ方が良い)かも。
通話できない
下記を確認・実施してみる。
- 通話対応のSIMカードを使っているか、通話対応の契約をしているか
- SIMカードが正しく入っているか
- auやそのMVNO、または楽天モバイル楽天回線を使う場合は、VoLTE通話を有効にする
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > 詳細設定 > 4G LTE拡張モードをON】 - 上記でうまくいかない場合は、アクセスポイント名(APN)のAPNタイプに「ims」を追加してみる
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > 詳細設定 > アクセスポイント名】
通話確認は、NTTドコモ網は 1111、au網(UQモバイルを含む)と楽天モバイル楽天回線は 111、ソフトバンク網(ワイモバイルを含む)は 11111 に発信してみる(いずれも、MVNOでも利用可)。
データ通信できない
下記を確認・実施してみる。
- モバイルデータ通信を有効にする
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > モバイルデータをON】 - 楽天モバイル(楽天回線)の場合はローミングも有効にする
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > ローミングをON】 - アクセスポイント名(APN)の設定をしたか・正しいか
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > 詳細設定 > アクセスポイント名】 - 優先ネットワークタイプが「4G・3G・2G(自動)」(au網の場合は「4G」)になっているか
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > 詳細設定 > 優先ネットワークタイプ】 - SIMカードは 4G LTE 契約のものか(3G契約の FOMA SIM などは使えない)
- 一旦電源を切り、SIMカードを入れ直してみる
- MVNOのSIMには3Gに落ちるとうまく通信できないものがある(IIJmioなど)ので、地下や高層ビルなどは避けて、屋外や窓際の電波状態の良い所で試す
- 楽天モバイル (MVNO) や0simなどの低品質のSIMの場合は、混雑時間帯を避けて試してみる
APNは主要MVNOの設定がプリインストールされていて、自動で選択されるが、うまくいかない場合もあるので、手動で設定する(すでに自動選択されている場合は内容を確認する)つもりでいる方が良い。
テザリングできない
「NTTドコモ」「au」「ソフトバンク」と直接契約しているSIMでは、テザリングが規制されていることがあるので、契約内容を確認する。 (ワイモバイルやMVNOのSIMを使っている場合は、まず問題なく使える。)
アクセスポイント名(APN)の設定を編集し、APNタイプに「hipri,tether」または「hipri,dun」※を追加してみる。
テザリングのON/OFFおよびSSID・パスワードの設定・確認・変更は、【設定 > ネットワークとインターネット > テザリング】から。
画面の色味が気になる
【設定 > ディスプレイ > 詳細 > 画質モード】 の設定値を変更すると色味が変わるので、試してみると良い。
あまり使っていないのに画面の点灯時間が長い
初期状態でONになっている「持つと画面点灯」機能が頻繁に動作している可能性があるので、【設定 > AQUOS便利機能 > 自動画面点灯 > 持つと画面点灯をOFF】にして様子を見てみる。
ダークモードにならない
Android 9 から、設定の中にダークモードの選択肢が入っているが、まだ一部のアプリでしか有効にならない。Android 10 アップデート後には、OSを含めてダークモードに対応する予定。
Googleアシスタントが邪魔なときは
本機に限らず、Androidではホームボタン(本機では指紋センサー)を長押しすると「Googleアシスタント」が起動してくるが、誤操作の原因になるなど、使わない人にとっては正直邪魔でしかない。これを無効にするには
- Google play から「G.N. のかわり」をインストールして起動
- 「デフォルトを設定」をタップして「開く」
- 設定の「アシストと音声入力」が開くので、「アシストアプリ」を「なし」にする
「おサイフケータイ」の初期化方法
- →おサイフケータイを参照
参考リンク
- AQUOS R2 compact
- AQUOS R2 compact SH-M09(SIMフリー版)、サポート情報、取扱説明書
- AQUOS R2 compact 701SH(ソフトバンク版)、取扱説明書、オンラインマニュアル
- AQUOS OSバージョンアップ情報
- 「AQUOS R2 compact」登場、片手に収まるコンパクトボディに5.2型IGZO搭載(ケータイWatch)
- 現在最強の高性能コンパクト シャープ「AQUOS R2 compact」徹底レビュー (ASCII.jp)
- 小型スマホ「AQUOS R2 compact」にSIMフリー版、21日発売 (Engadget)
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