ahamo

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新ブランド(プラン)ロゴと名前の由来(今後の料金戦略に関する発表会資料より)

ahamo(アハモ)は、NTTドコモが提供する携帯電話・モバイルデータ通信サービスの若者向けブランド(プラン)名。2021年3月サービス開始予定。

なお、NTTドコモの1プランとして発表されたが、同社の既存プランとは立て付けが異なっていることから、注意点が多い(本文参照)。むしろ既存のドコモプランの枠外、つまり他社の「サブブランド」に似た位置づけと考える方がしっくりくる(後述)。

ちなみに「aha」は、未知の物事を理解するひらめきを意味する「AHA moment」、英語でなるほどの相槌を意味する「aha」、楽しい時に「アハハと笑う」感嘆詞から名付けたそうだ。後ろの「mo」はモバイルの略だろう(URLは「ahamobile」となっている)。


プラン

20GBで月額2,980円(税別)。解約金・契約事務手数料なし。(発表会より)

2020年12月 3日に発表された時点では、1プランのみでシンプル。

月額3,278円税別2,980円ユニバーサルサービス料別途)で、データ通信は月間20GBまで利用できる。データ容量の追加も1GBあたり550円(税込、以下同)で、ドコモ既存プランや他社の半額に抑えられている。テザリングもOK。

音声通話(VoLTE)は、1通話あたり5分までの かけ放題が含まれる(5分をこえる通話料は22円/30秒、SMSは3.3円/通)。別途1,100円で、国内通話かけ放題オプションが用意される。留守番電話サービスは提供されない。

データ通信は、NTTドコモの4G5Gネットワークを利用できる

これまでau(UQ)やソフトバンク(ワイモバイル)の格安プランでは5Gが対象外になっていたが、ワイモバイルはahamoに対抗する形で、2021年2月より5G対応を決めた。UQモバイルも遅れて2021年夏から対応予定と発表した。ahamoが、格安プランの5G対応を牽引した格好になった。

本プランの特徴として、ドコモでは初めて、契約等の手続きがWebで完結することと、新規契約事務手数料、機種変更手数料、MNP転出手数料が無料になっている(SIM交換手数料などは不明)。

また、海外82の国・地域でデータ通信を使える国際ローミングがバンドルされているのも特徴。国際ローミングで使えるデータ容量は基本プランの20GBに含まれている(ただし15日を超えると制限される)。

支払い方法はクレジットカードと口座振替を利用できる。 dポイントと連携すると、利用額1,000円(税別)につき10ポイント貯まる。

提供条件

月額料金
税別2,980円
利用可能データ量
20GB
国内通話料
5分以内の通話無料
ファミリー割引
申込み可能(割引特典対象外)
みんなドコモ割
対象外(カウント対象)
ドコモ光セット割
対象外(ペア設定は可能)
その他の割引
無し
ネットワーク
5G/4G (LTE) ※3G不可
テザリング
対応(無料)
留守番電話
無し
お申込み窓口
オンライン限定
キャリアメール
無し
相談窓口
専用チャット
故障対応
オンライン修理受付サービス
ご契約者
20歳以上の個人

詳しい条件等は⇒新料金プラン「ahamo(アハモ)」の提供条件について(2021年 1月14日更新)

制限

3G (W-CDMA) は使えないドコモのVoLTEに非対応の機種では通話ができないCSFB利用不可)と思われるので注意したい。

キャリアメールは提供されない。つまり、@docomo.ne.jp メールアドレスを引き継ぐことはできないGmailiCloudメールなどに乗り換え済みの人は問題ない)。

留守番電話サービスも提供されない。必要に応じ、スマート留守電などの他社サービスを活用するのが良いだろう。

原則、ドコモショップやコールセンターは利用できない。申し込みはオンラインで行い、問い合わせ・相談窓口はチャットのみ。修理受付もオンラインのみ。

契約名義人は20歳以上の個人のみ法人契約は不可。未成年の場合は、親権者名義で契約する必要がある。なお、20代の若者向けと謳われてはいるが、年齢上限の制約は無い(青春18きっぷのような感じかな)。

海外82の国・地域でデータ通信を使える国際ローミングがバンドルされているが、対象地域はドコモ既存プラン向けの「WORLD WING」よりも少ない。

ドコモ既存プランからahamoへの移行手続きについて(今後の料金戦略に関する発表会資料より)※後日変更されている

ドコモの既存プランからの移行も可能だが、システム改修が必要とのことで、当初2ヶ月ほどはMNP(他社へ乗り換え)扱いになる(⇒システム改修がahamo開始までに間に合う見込みが立ったようだ)。この場合も、解約金や手数料の負担は免除される。(右図)

家族割(みんなドコモ割ファミリー割引)や、光セット割dカードお支払割は適用にならないが、家族回線に算入される

当初は家族回線としての算入もされないとされていたが、他社の競合プラン発表を待って修正された

データプラス」や旧「2台目プラス」のような、2つ以上のSIMをお得に使えるプラン・オプションは無い(ワイモバイルのシェアプランにあたるものは現時点で用意されていない)。 スマートフォン1台だけ使えれば満足な人は良いが、別途パソコンやタブレット端末を使いたいなど、SIMを複数枚使う(1人で複数の端末を使うなどの)場合は、ワイモバイルや一部MVNOが提供しているシェアプラン等を使う方がお得になりそうだ。

機種

SIMのみ契約(端末持ち込み)と、機種セット購入、両方に対応予定。

SIMのみ契約(端末持ち込み)や別途SIMフリー機種を購入する場合は、NTTドコモの主要バンド(4G LTE Band 1, 19)に対応していることはもちろん、ドコモのVoLTEに対応している機種を選ぼう(VoLTE非対応の機種では通話できない)。

【対応見込みのバンド構成】※太字は主力バンド

  • FD-LTE (4G) Band 1, 3, 19, 21, 28(B)
  • TD-LTE (4G) Band 42
  • 5G Band n78, n79 (Sub-6), n257 (mmWave)

同社が販売する端末に限らず、家電量販店などで購入できるSIMフリー機種も、上記バンドに対応していれば使えると期待される(無保証、ノーサポート)が、古い機種は使えないことがあるので、SIMフリー機種や中古端末を購入する場合は、比較的新しい機種から選ぶと良さそうだ。 ドコモが動作確認した機種が順次ahamoのホームページに掲載されるそうなので、あまり詳しくないよという人は、ahamoのホームページに掲載されている動作確認済み機種から選ぶと良いだろう。

機種セット購入の場合、提供される機種は現時点で未定となっているが、ahamo向けの機種が提供されると発表されている最新のiPhoneを含め、ドコモが取り扱う機種が全て提供されるかは未発表。

しかし、そもそもNTTドコモの1プランとして発表しておきながら、プランによって購入できる機種が異なるとなっては、料金プランと端末購入を完全分離する現在の競争政策に不適合となるだろう。今後の発表に注目したい。

4G機種は使える?

ドコモの「プレミア」(ギガホ/ギガライト)は、ドコモショップ等での販売・サポートを前提にしていることもあるのだろうが、4G/5G機種別のプランになっている。

一方、ahamoは1プランで4Gも5Gも使えるが、それ故の注意点がある。

5G対応の iPhone 12 シリーズが発売された頃に話題になっていたが、ドコモでは5G契約のSIMカードを 4G (LTE) 対応のスマートフォンで使う際の制限事項が公表されている

ちなみに、auでは iPhone 8 以降の iPhone は使えるとされている。ソフトバンクは問題無さそうだが、“ソフトバンク”契約のAndroid用SIMはiPhoneで使えないといった、別の制限がある。

MVNOの5G対応で先行するIIJモバイルによると、「(ドコモの)5G SIMをLTE端末に挿すと、使えないことがあります。当初は全て5GのSIMにして、LTE端末でも使ってもらうというノリで考えていましたが、やはり5Gは5G SIM、LTEはLTE SIMで分けて考えなければなりません。」という話もあった。

正確に言うと、au(タイプK)の場合はおそらく問題ないものの、ドコモ(タイプD)で5G対応すると問題が出てくる可能性があることが分かっているという。

4Gスマートフォン/ガラホでahamo(ドコモの5G対応SIM)を使う場合、一定のリスクがありそうだ。「プレミア」はサポート付きなので、4Gと5Gでプランを分けているのだろうが、ahamoは原則ノーサポートなので、ユーザーの判断で端末を選んで使えということだろう。

先行エントリーキャンペーン

先行エントリーキャンペーン(今後の料金戦略に関する発表会資料より)

ahamo提供開始前日までに公式ホームページで先行エントリーし、2021年 5月31日までにahamoを契約すると、dポイント(期間・用途限定)3000ポイントを提供するキャンペーンを実施中(右図)。

エントリーには、携帯電話番号とメールアドレスが必要。また、契約後にdポイントの受け取り手続きが必要とされている。

発表会の様子

今後の料金戦略に関する発表会(2020年12月 3日開催)、プレゼン資料


ドコモブランド?サブブランド?

UIの参考イメージだが、拡大してみると端末のアンテナピクト部が「ahamo」になっている。こうなると、ワイモバイルUQモバイルに近いイメージだ(発表会より)

ahamoは、ドコモブランドの1プランとして発表された。

しかし、ファミリー割引などが対象外になり、既存プランからの変更はMNP扱いになる(MNP手数料は徴収されないようだが、契約期間がリセットされる、再びドコモの既存プランに戻る場合は再度手数料を取られるといったことが考えられる)など、他社で言う「サブブランド」と同様の立て付けになっている。

また、ahamoプランと同時に発表されたahamo専用の新UIでは、docomoロゴが登場しないし、アンテナピクト表示も「ahamo」になっていた(右上図)。つまり異なるブランドで展開される(少なくとも、そのつもりだった)ことを示唆している。

さらにahamo向けの端末も発売予定とされていたプリインアプリも厳選するとか言っていたので、きっとが出てきたりしない端末が用意されるのだろう。

前述の通り、ahamoはドコモの1プランとして発表されたので、プランによって購入できる機種が異なるとなると、料金プランと端末購入を完全分離する現在の競争政策に不適合となるだろうから、実際の発売時には必ずしもahamo契約者に限定されないかもしれない。
ahamoプランはサブブランドではなく、あくまでドコモの1プランだと主張された(ちなみにエコノミーはMVNOと協業するようだ)(発表会より)

看板を変え、窓口を変え、従来プランとの家族割なども対象外で、専用の(?)端末まで出すと言って、どう見てもサブブランドの体裁だけれど、発表会では図を少し描き加えて、サブブランドではないと言い張れば、サブブランドでないことになる不思議。

ここは早速つっこまれたようで、発表会後に一般非公開で実施された質疑応答では、記者の質問に答える形で「20代にとってのメインプラン。これからもメインだけでプランを複数作っていく」(井伊社長)と応じたそうだ。

井伊新社長は発表会の締めくくりでも「それぞれの使い方がその方にとってのメインのプランである」と述べていたが、ならば Y!mobile も UQ mobile も、誰かにとってのメインだろう。メインだサブだという話は提供側の都合でしかなく、使う人にとっては、自分に合うプラン(を提供するブランド)こそがメインだ。

このドコモ新社長の強弁は、メインだサブだといったつまらない議論の空虚さを浮き彫りにした。穿った見方をすれば、「サブブランド」議論に耽溺している政府や一部メディアを皮肉っているようにも見え、実に滑稽だ。

利用者目線に立てば、看板(ブランド)は本質的な議論ではなく、メイン(ドコモの既存プラン)と新プランの間を自由に行き来できるなら、看板はどうでもいいとも言える。

しかし、ahamoにはキャリアメールが無い、ファミリー割引の対象外、3Gが使えない(≒ガラケーは使えない)、ドコモショップやコールセンターでのサポートを受けられないといった、既存ドコモユーザーの移行ハードルはしっかりと設けてある。

もっとも、料金低廉化を目指すなら、コストセンターと化したドコモショップやコールセンターの縮廃は不可避だと思うが、仮にここが俎上に上るようだと、ドコモ本体の業績悪化圧力になるかもしれない。今は政権の気まぐれに振り回されているような状況なので、予断を許さない感がある。

今後、サブブランドでなく一料金プランだという主張に沿う形を整えるべく、プランやUIなどの修正が行われるかもしれないが、どこまで既存プランに寄せるのか/寄せないのかが気がかりだ。逆に、思い切って既存プランを大胆にいじる可能性もあるだろう。

先述の#機種の問題も然り、また例えば、ドコモの既存プランではSIMのみ契約(端末の割引を受けないで新規契約)すると8000ポイントもらえるキャンペーンが実施されているが、そもそも料金プランと端末を分離する競争政策の下では、同じブランドと言うなら、こうしたキャンペーンも受けられないとおかしいとなるだろう。

筆者の想像では、当初はサブブランドとして設計していたが、11月下旬に政権が態度を変えたので、ころころ変わる政権与党の要求にすり合わせる形で、ドコモブランドの1プランだと言い替えることにしたのだろうと感じられた。しかし細部に生じた齟齬を、今後どう埋めていくのか(または強弁を続けて矛盾を抱えたまま突っ走るのか、既存プランも大胆に解体するのか等)に、新プランの成否がかかっているように思えてならない(後述)。


「プレミア」と「ニュー」

ドコモの料金戦略(2020年12月18日 新料金プランの導入について説明会資料より)

2020年12月 3日の「ahamo」発表から約2週間後の18日には、既存の料金プラン見直しに関する説明会が、メディア向けに開催された。一般(メディア以外)には非公開だが、説明会資料は投資家向けに公開されている。

「ahamo」の発表会で登場した図が再び示され、ahamoの「ニュー」に対し、従来のプランは「プレミア」と整理されている。(右図、「エコノミー」については未発表。)

まず特筆すべきは、これまで業界慣行となっていた、期間限定の値引きキャンペーンが全廃されることになった(2021年 4月 1日より)。

新規契約(MNP転入を含む)後の数ヶ月など、一定期間しか適用されない値引き後の価格を前面に出す広告宣伝が業界慣行になっていたが、そうした売り手都合の騙し討ち的な業界慣行を改善する動きは歓迎したい。

実際、2019年10月より「縛り」や「キャッシュバック」などが制限されたことから、一定期間だけの大幅値引きは合理性を欠き、縮小傾向になっていた。また、携帯電話サービスに関するトラブルのうち、契約・解約に関する相談が多く寄せられているという。短期間の値引き後の料金を前面に出す広告宣伝や、高額な解約金(こちらは2019年10月以降の新規契約では規制されている)など、利用者の誤解を招きやすい業界慣行が問題視されていると言えそうだ。

各料金プランの位置づけ(2020年12月18日 新料金プランの導入について説明会資料より)

ドコモは今なお国内最大のシェアを持っているから、他社の客を取るだけでなく、既存客の流出を食い止める施策も重要になる。ahamoの「ニュー」が他社の客を取る役割を担う一方、既存プラン「プレミア」にもテコ入れして、流出を食い止めようとしているわけだ。

「ニュー」(ahamo)は単身者向けだとして、家族割(みんなドコモ割)や光セット割などの対象外とされた一方で、「プレミア」(従来プラン)はファミリー向けと整理され、家族割等が継続提供される。

既述の通り、「ニュー」(ahamo)にはドコモショップやコールセンター等でのサポートが提供されないが、「プレミア」(従来プラン)にはドコモショップなどでのサポートが提供されることも、大きな違いとなっている。

ギガホ プレミア

気になる料金面では、従来の「ギガホ」(大容量)と「ギガライト」(小容量)の2本立てが引き継がれている。

「プレミア」料金詳細(2020年12月18日 新料金プランの導入について説明会資料より)

このうち大容量の「ギガホ」では、月額基本料を 600円(税別、4Gプラン)~1,000円(税別、5Gプラン)引き下げた新プランが提供予定(右図、2021年 4月 1日より)。

また、「ギガホ プレミア」には3GB未満の利用月に1,500円の自動値引きが追加された(右図)。これは、少ししか使わないのにショップが勧めるままに大容量の契約をして、見直さないまま不満を零す人がいるようなので、そうしたいわば「リテラシー」の低いユーザーへの手当てなのだろうが、海外出張が多いなど月々でデータ使用量が大きく変わる人(少数だろうが)にも良さそうだ。

4G機種向けと5G機種向けで別プランになっており、4Gプランでは60GBまで使える。5Gプランは月額税別100円高く、データ容量は無制限※6になる。

ただし、各種「データプラス」「パケットパック海外オプション」は合算で30GBまでに制限される。テザリングについては未発表だが、記者向けには「テザリングを含めデータ通信の種類を問わず使い放題にするとしており、一定期間中に一定量の通信量を超えたら通信速度制限をかけるなどの措置は取らない方針だ」と話しているようだ。

通話料は従量制(税込22円/30秒)で、通話定額は別料金。しかも2年契約で、更新月以外の解約等は解約金1,000円(税別)を徴収される。

2021年4月1日提供開始予定の新プランは「5Gギガホ プレミア」「(4G)ギガホ プレミア」となっており、従来の「ギガホ」とは別のプランになっているので、従来の「ギガホ」契約者は値下げされず、値下げを受けるにはプラン変更手続きが必要になりそうだ。

また、「月々サポート」「docomo with」などの昔の割引が適用されている人は、プラン変更すると割引がなくなるので、変更しない方がお得かもしれない。こういう人は個別の判断になるので、気になるならドコモショップに相談に行くと良いだろう。

ギガライト

小容量の「ギガライト」は、2020年現在提供中のプランから変更なし。料金も変わらない

しかし、「ギガライト」は最小の1GB未満でも税別2,980円(2年契約)もするし、家族割などが適用になっても3GB未満で税別2,980円(同)。しかも通話定額は別料金(家族割適用時には家族間のみ無料通話となる)。

前述の「ギガホ プレミア」が、1~3GBの利用月にはギガライトと概ね同額になるので、2021年4月以降は、ドコモショップ等では「ギガホ プレミア」が売り込まれることになるだろう。「ギガライト」も残るが、あまり使われなくなりそうに思う。

例えば、「ギガホ プレミア」を利用中の子育て世代の親が、子どもに持たせる端末で1GB以上使わせたくないといった特定の用途であれば、一定の合理性がありそうだが、単身や夫婦のみといった利用であれば「ギガライト」を選ぶ理由はなく、ahamo や他社に乗り換える方が経済的になりそうだ。

もっとも、「ギガライト」は小容量とはいえ「プレミア」に入っているので、ドコモショップでのサポート対象になる。普段からドコモショップによくお世話になっている人は、サポートサービスを受ける対価だと割り切って、割高な「ギガライト」を選ぶのも一案だろう。

逆に、現在「ギガライト」を利用していて、ドコモショップに相談に行く機会がなく、キャリアメール(~@docomo.ne.jp メールアドレス)不要の人は、ahamoへ移行するのが得策だろう。

ドコモショップ不要で20GBで足りる人はahamoがお得

「プレミア」(ギガホ/ギガライト)は、みんなドコモ割」(「プレミア」プランを3回線以上)「光セット割」「dカードお支払割」が全て適用されることを念頭に置いた価格設定(見せ方)になっており、ファミリー層はこれからもしっかり縛っていこうという意思を感じる。

ちなみに、これまでドコモは事実婚や同性婚を事実上「ファミリー割引」対象外としていたが、2020年12月より対象となった。

逆に、ここから漏れる(これらが適用されない/したくない)人は素直に「ニュー」(ahamo)に移る方がお得になりそうだ。

2020年12月時点で、ドコモには500万以上ものフィーチャーフォン(ガラケー)ユーザーが存在するという。また、既存客の7割が「みんなドコモ割」で3回線以上利用している(2回線を含めると8割以上になる)という。これらの大多数を占める既存客を留めることを狙ったのが「プレミア」だ。

一方、「みんなドコモ割」などを利用していない2割弱の少数ユーザーは、ahamoに移行するのがお得になりそうだ。

また、「プレミア」ではドコモショップのサポート等と一緒に、従来プランのわかりにくさもそのまま引きずっている。例えば小さな字で長々と書かれた複雑な注意事項もほぼそのまま残っているが、よく見れば難解に感じる人が多いだろう。

ahamoや他社(サブブランドやMVNO)に移行すれば、従来のドコモショップに行かないと手続きできない、わざわざドコモショップに出掛けて散々待たされた挙げ句にくどくどと説明を聞かされる、家族割や光セット割などの複雑な条件に縛られるといったストレスからも解放される。

もっとも、中には月間20GBでも足りない人や、単身者でもドコモショップのサポートを必要とする人はいるだろうが、そういう人は大量に使う/サポートを受ける対価と割り切って、高価で煩雑な「プレミア」契約を続けるのも一案だろう。

でも、自分のデータ使用量を把握する、他社の料金プランを調べてみる、端末の設定くらいは自分でするなど、ちょっとした「リテラシー」を高めることができる人には、ahamoやMVNOを含む他社に乗り換えるなど、賢く使い分けることをおすすめしたい。

なお、法人契約の場合は回線数によって相対契約で大幅値引きされていたりするので、本稿では扱わないが、小規模事業所など法人契約でも定価で契約している場合は、ahamoは法人契約はできないので、ワイモバイルの新プラン「シンプルS/M/L」など、他社への乗り換えを含めて契約の見直しを検討すると良いだろう。


余談

楽天潰し

月額基本料金が同じ、ネットワークは4G・5Gを利用でき、手続きは原則オンライン。キャリアメール無し、ポイント付与ありなど、楽天モバイル Rakuten UN-LIMIT V の客層を狙ったようなプランになっている。

楽天モバイルは狭い自社エリア内に限り使い放題だが、自社エリア外では月間5GB制限。対してahamoはドコモの広いエリアで20GBまで使えることが、最大の違い。 でも楽天モバイルの使い放題エリアはとても狭いし、月々20GBも使えれば充分と考える人は多いだろうから、同じ料金ならば後者の方が魅力的に映る人が多いのではなかろうか。

また、楽天モバイルの通話定額には特殊なアプリ (Rakuten Link) の利用が必要だが、ahamoは標準的なVoLTE通話で通話定額を実現していると考えられる。国内で人気のあるiPhoneへの対応でも、ドコモの方が先行している。こうした細かな使い勝手の差も、ahamo優位に働きそうだ。

2021年3月のサービス開始時期は、楽天モバイルの本格サービス開始1周年と重なる。楽天モバイルでは1年無料キャンペーンを実施しているので、開始当初から使っている人の有料化タイミングと重なる。楽天モバイルの狭いエリアで満足している人はともかく、エリアに不満を感じている利用者も多いだろう。

この楽天の客を奪うチャンスとも言える、絶妙なタイミングで投入されるahamoは、まさに楽天モバイルを狙い撃ちする刺客となりそうだ。

対して2020年4月に本格サービスを開始した楽天モバイル (Rakuten UN-LIMIT) は、これまで「一年無料」キャンペーンを続けてきたから、ほとんどの利用者はまだ月額料金を支払っておらず、楽天が大枚をはたいて参入したMNO事業は赤字を垂れ流すばかりで、まだほとんど収入を得られていない。国内MNO事業を成功させるためには、せっかく獲得した利用者に、有料期間に入っても使い続けてもらう施策が重要だが、その重要なタイミングに合わせて、NTTは身を削ってでも楽天の客層を狙い撃ちするかのような格安プラン(ブランド)を投入してきたわけだ。

NTTの楽天嫌いは相当なものだと、改めて実感される。

MVNO潰し

ところで、楽天モバイルの Rakuten UN-LIMIT は、1年無料キャンペーンの終了後は月額3,278円(税別2,980円)となり、従来の「格安スマホ」の平均単価に近い価格に設定されたこともあって、予てより「MVNO潰し」が危惧されてきた。

これに対してUQモバイルは2020年6月に月額3,278円(税別2,980円、通話オプションは別途)で「スマホプランR」を投入。これに応じてワイモバイルも既存の「スマホベーシックプランM」(月額税別3,680円するが通話10分定額が含まれる)の制限を緩和。10GBに限られるものの、楽天モバイルの狭いエリアに満足できない人向けの対抗プランがMNOから続々と投入されてきた。

このすっかりレッドオーシャン化した「格安スマホ」市場に満を持して登場したのが今回のahamoで、競合他社の倍の20GBまで使えて5Gも使え、通話定額や国際ローミングも付いてくるという、まさに破格のプランが発表されたわけだ。

MNOによる低価格化の動きは、これまで「格安スマホ」市場で一定のポジションを持っていたMVNO各社の存在感を一層薄めることにつながる。例えばauのサブブランドとなったUQモバイルは、3GBプランを月額税別1,980円で提供している。2021年2月にはワイモバイルも3GBプランを月額税別1,980円で提供予定。MVNO大手「IIJmio」の3GBプランは月額税別1,600円(900+700円)だから、その差は380円まで縮まっている。

さらに2021年2月より、UQでは3GBプランを月額税別1,480円まで値下げすると発表された。こうなるとMVNOよりも大手(サブブランド)の方が安価になってしまう。

30GBプランを出しているMVNOもあるが、その価格は税別6千円台。今回ahamoが提示した2,980円という価格は破壊的だ。今の条件のままでは、MVNOはもう競争相手にならないだろう。

ドコモは多くのMVNOに回線を提供(卸売)しており、MVNOと競合するサブブランド(格安スマホ市場)への参入を躊躇ってきた。今でもドコモにMVNOを潰す利点はないと思うのだが、12月に就任したばかりの新社長が帰属するNTT持株会社には、楽天モバイルを潰す動機は大いにありそうだ。

電気通信市場の競争状況(出典:総務省資料

その迸りを受けるような形で、ただでさえ薄利多売で販促費をかけられない事業構造であるMNVO各社が窮地に立たされる構図になってしまった。

もちろん、MVNO各社も手をこまぬいていたわけではなく、MNO各社のサブブランド等によるレッドオーシャンとなった月額3千円前後のプランよりもさらに安い小容量プランに注力する、または同じ価格帯でも1契約を家族で(複数回線)分け合って利用できるプランにテコ入れするなど、懸命な営業努力が続けられている。

つまり、現在「サブブランド」がしのぎを削る中価格帯市場よりも、さらに低い価格帯の市場での競争に軸足が移っている。現状、この低価格市場にまでMNOが直接参入してくるとは考えづらいので、MVNOは低価格プランやIoTなどのニッチ寄りの市場に軸足を移して、生き残りを賭けてゆくことになるだろう。

しかし元をただせば、こうしたMNOによるMVNO潰しにもなりそうな一連の動きを後押ししたのは政府与党だ。元々MVNOは、完全自由化した携帯電話市場における総務省の競争政策の中核を担ってきたわけだが、これに不満を持つ政権幹部による安易な口先介入が、せっかく育ちつつあった「格安スマホ」事業者を危機に陥れているという、なんとも皮肉な構図になっている。

MVNOからMNOへ脱出した楽天の三木谷会長は「MVNOは奴隷のようなもの」と言っていたが、接続料の計算方法をはじめ、MVNOが置かれている現状には様々な課題がある。総務省が本気でMVNOに寄り添い、支えることができるかが問われている。

NTT持株vsドコモプロパー

とりあえず、NTT持株会社が楽天潰しに本気だということはよくわかったが、同時に、親方日の丸のNTT持株会社とNTTドコモの対立が改めて浮き彫りになった。

2020年 9月29日、NTT持株会社によるNTTドコモの完全子会社化の方針が発表された。

コロナ禍で株価が低迷しているのを好機と見たのか、NTT持株は巨額の借金をしてまで、上場子会社のNTTドコモの全株式を買い取ることにした。TOB価格は1株あたり3,900円。9月28日時点の終値2,775円から見れば割高だが、同年3月頃には3,500円をうかがう時期もあったから、株価が低迷した9月は良い頃合いだったのだろう。

国内通信業界の変遷(出典:総務省資料

この旧電電公社を分割民営化してきた今までの流れを巻き戻すかのような動きに、当然ながら、業界は騒然となった。元々国有企業のNTTは、上場した今でも政府が35%ほどの株式を握っている。

2018年には、憲法違反の検閲になりかねない危険性をはらむ、政府が指名したWebサイトのブロッキングが問題になった頃にも、NTTグループだけが政権の意向を汲んで率先して実施したこともあったが、NTTグループは政府の意向に従順な上意下達の組織だ。

これほど従順な組織を、なぜわざわざ完全子会社化する必要があるのか。その背景には、NTTグループにおけるドコモの特殊性があるのだろう。

モバイル通信の台頭により、今でこそドコモは稼ぎ頭になっているが、固定・移動体通信インフラの大部分を握るNTTの中で、移動体通信を担うドコモは、かつては亜流だった。

昔から携帯電話の開発に携わるなど、ドコモをずっと引っ張ってきた吉沢(前)社長の下に、NTT持株会社から井伊(前)副社長が送り込まれ、2020年12月1日付けで社長に就任(吉沢氏は代表権のない取締役に降格)した。

吉沢前社長は厳しい舵取りの中、政府の「携帯値下げ」要求に安易に応じ(させられ)た結果、利益を失い、新規獲得につなげることもできなかった。親方日の丸の親会社に引っ掻き回された挙げ句に責任を取らされた格好になり、無念だったろうと思う。

イノベーションのジレンマは乗り越えたが、責任の所在は曖昧に

つまり、これまでドコモを引っ張ってきたプロパー社長から、NTT持株の意を汲む社長に代替わりしたわけだが、その新社長が就任早々、新プラン(ブランド)「ahamo」を発表した。社長就任からわずか2日でプラン設計できるわけがないから、2020年6月にドコモ副社長としてNTT持株から送り込まれて以降、ドコモ社内でまだ社風に染まっていない若い人たちを集めて、この新ブランド(プラン)を準備していたのだろう。

半年(?)かけて練られただけあり、この新プランは実にアグレッシヴだ。これまでのドコモを見てきた筆者は(おそらく他の人もそうだろうが)、斬新さに驚いた。プロパーにはなかなか思い切れなかったであろう線まで踏み込んでいると思う。

ドコモの従来プランの利用者は、比較的年齢層が高く、データ使用量が少ないことで知られる。そこを逆手に取って、新プランでは「デジタルネイティヴ」と呼ばれる、物心ついた頃からモバイルに慣れ親しんできた若い世代に向けたプランと位置づけられ、Web専売、キャリアメール無し、ファミリー割引対象外といった、これまでドコモが得意としてきた領域から切り離されたプランが誕生した。

裏返せば、ドコモショップやキャリアメールを利用できないことから、従来の客層にとっては移行障壁になる。手厚いサポートが必要な客には応分の料金を支払ってもらい、自力でなんとかできる(サポート不要の)客にはサポートを省いて廉価に通信サービスを提供する。ある意味、公平性が増す、とてもよくできたプラン(ブランド)の組み立てだと思う。

若い世代とは限らないが、モバイル機器を使いこなしている人たちにとって、ドコモショップや電話でしか手続きできない従来のドコモは高コスト体質だし、古くて馴染めない会社になっていた。しかし高齢化する既存客とドコモショップに育てられた従来のドコモにとって、現在求められている若年層向けのプラン設計は、イノベーションのジレンマだったのだろう。そこを、親方日の丸の古い体質が染みついたNTT持株が打ち破ったのだから驚きだ。

2020年3月までの携帯電話の契約数における事業者別シェアの推移(総務省資料

とはいえ、今回の新料金プランは両刃の剣でもある。ドコモは純増数こそ苦戦しているが、シェアは2020年3月末時点で37.7%、依然としてシェア一位は揺らがない(右図)。

他社から客を取ろうにも、ソフトバンクは隙なく対抗してきたし、KDDIは最後発になったものの新発想」で対抗してみせた。 各社とも特徴は出しているが、細かく読み込んで最適なプランを選択できる人は、すでに乗り換え済みだろう。しかも大手が格安市場に参入した結果、大手3社の寡占状態が進みそうな懸念すらある。

エリアが隙だらけの楽天モバイルの客を仮に半分程度奪ったとしても、ドコモの規模からすれば1%に満たず、収支改善効果は期待できない。コストセンターであるドコモショップやコールセンターの切り離しがうまく進めばよいが、そこで躓くと、一転して自ら首を絞めることになりかねない。

もっとも、今回の思い切った「楽天潰し」策は、KDDIなどの競合他社にも大きなインパクトを与えたようだ。以前ならばすぐにも対抗してみせるソフトバンクはしばらく鳴りを潜めていたしKDDIは空気の読めない発表をして大ブーイングを食らった。狙ったかは知らないが、ドコモ新社長は、ドコモのみならず業界の雰囲気をがらっと変えてしまった。従来のARPUを重視した売り手都合の盛り合わせプランは早くも陳腐化し、コストを抑えてコスパを高める期待が今までになく高まっている

この間、「料金プラン担当チームが必死になって料金プランを練ってい」たそうだが、2020年12月22日に、しっかりとシンプルな対抗プランを提示してきた。

気になるのは、NTTグループの親方日の丸体質と、政府による過度な口先介入だ。政権幹部が気まぐれに何を言い出すかわからず、それにNTTグループは振り回されてしまう。KDDIやソフトバンクならば政府の介入にもある程度抵抗できるだろうが、NTTは政府の言いなりになりかねない。想定通りにコストと料金負担の均衡が実現できれば良いが、もし料金は安く/サポートは手厚くと無茶を求められたら、NTTは抵抗できるだろうか。

NTT持株が敵視している「楽天潰し」に仮に成功したところで、政府の言いなりになって値下げだけして、NTTグループの稼ぎ頭であるドコモの屋台骨が傾くようでは本末転倒だ。しかしNTTドコモは完全子会社化され、上場廃止された。仮にそうなったら、NTT持株の経営陣は責任を取るのだろうか。

まあ仮の話はこれくらいにして、今のところ、今回のプランの組み立ては合理性があるように思うし、すっかりコストセンターと化したドコモショップなどを整理する絶好の機会だと思う。

完全子会社化により霞む展望

新プラン(ブランド)のドコモらしくない斬新さに驚くと同時に、NTT持株とドコモの因縁めいた経緯も見てきた筆者は、そこはかとない違和感も覚えた。親方日の丸で上意下達体質の古いNTTが、若い世代を利用して、狡猾にドコモプロパーからの決別を演出している違和感だ。

政府は、既存プランからahamoへの移行が進むことを求めている節があるが、既存の過剰なサービスを削ぎ落とすことなく料金だけ安くしても、じり貧になるばかりだ。

ahamo発表会後に非公開で行われた質疑応答の中で、井伊新社長は記者の質問に答える形で「料金を引き下げれば当然通信料収入は減収する。これからは人口も減少するため通信料収入は下がっていく方向だ。それを非通信など別のサービスで埋めていくのが経営者としての責任だ。3番手と言われず、トップに返り咲いたと言われたい」と応じたという。

一説にはGAFA対抗だとか言われているが、そもそもNTTドコモとGAFAは対立するものではないだろう。それ以前に、目下「非通信など別のサービス」で先行しているソフトバンクや楽天に対して、KDDIとNTTドコモは追いかけてはいるが、あまり差が縮まっている感はない

ドコモとKDDIは、提携は幅広く行っているが、自社(グループ会社を含む)で展開するサービスは少ない。通信サービスの客を囲い込む視点であれば提携でもいいが、それだけだと自社の収入・収益を高めることにはつながりにくい。もっともKDDIはコンテンツ再販・仲介事業に参入するのかもしれず、そこまですればまた別だろうが。

言わずもがな、Googleは検索エンジンから始まって、オープンな市場で上りつめた。ソフトバンクや楽天も、基本オープンなコンシューマ市場でのし上がってきた。

一方、NTTグループは通信技術やB2Bには強いものの、GAFAはもとより、ソフトバンクや楽天とは得意分野が違う。ドコモがNTT持株の完全子会社になった今、しがらみの多いNTTグループに閉じたサービスを提供したところで、ソフトバンクや楽天に追いつき・追い越せるようには思えないし、基本オープンなコンシューマ市場では、NTTグループの連携強化はむしろ逆効果にも思えてしまう。

完全子会社化が、果たして吉と出るか、または凶と出るのか。裏目に出なければ良いのだが。

キャリアショップ縮小の狼煙か

今回のahamoは、これまでドコモが強みとしてきた「ドコモショップ」を全く介さないことで、低価格化を実現した。

つまり、コストセンターであるキャリアショップやコールセンターをいかに縮小できるかが、値下げによる収入減に直面するドコモにとって喫緊の課題となるだろう。

当のドコモでは、ahamoの発表会にて、既存プランも12月中に見直すと言及した。「若者向け」のahamoに対し、サポート等を手厚くした「プレミア」プランを再構成することが示唆されている(⇒12月18日に発表された)。料金は高めでもサポートが手厚い「プレミア」プランが支持を集め、その負担でドコモショップなどのコストセンターを維持できるのなら、それもまた一案だろう。

もちろん、サポートを望まない既存客はいつでもahamoと行き来できるようにする、SIMフリー機種などの端末持ち込みを歓迎する、SIMロックなどの姑息な縛りを廃するなど、様々な縛りを排したオープン化は大前提になるだろう。

2020年12月18日には、MNP転出手数料の無料化(実施は2021年 4月 1日より)も発表されているが、移りたい人はいつでも移れるようになれば良いと思うし、さらにSIMロックの全廃など、もう一歩踏み込んだ施策を求めたい。

これまで、3大キャリアはWebでの解約手続きを受け付けない、SIMロックした端末のセット販売を優遇する/SIMフリー端末などの持ち込み利用をしづらくする、家族割や自社サービスとの抱き合わせで縛るといった様々な手段で、客を縛ってきた。これは「ドコモ」「au」「ソフトバンク」の3大ブランドはもちろん、通信ベンチャー(イー・モバイルウィルコム)を出自とする「ワイモバイル」でもソフトバンク傘下に入ってからは若干ながら似たような傾向があった。

しかし今回、楽天潰しに本気になったNTT持株がドコモを乗っ取り、それこそ競合のKDDIやソフトバンクですら戸惑うほどの、業界の「常識」を覆す大胆なプランを投入してきた。

これを打ち出したからには、ドコモ自身においてもコスト構造の抜本的な見直しが不可避になるだろう。 実際、翌1月14日に実施された一部メディアのグループインタビューでは、ドコモショップのコスト問題が明確に語られていた。ショップ自体のコスト削減とともに、「オンサイト(現地)でしか提供できないものを与える場所に」変えてゆくという。

この考え方は至極妥当だと思うが、同時に、そう簡単でもないだろうと思う。例えば全国に店舗網を有する郵便局も同様の課題意識を持って、「JPローソン」「ポスタルローソン」等の提携店舗の展開や物販の拡大、住民票サービスなど多角化を進めてきたが、この領域ではむしろコンビニチェーンが存在感を伸ばしている感がある。

店舗面積にあまり余裕のない郵便局やコンビニと違って「ドコモショップは広すぎる…それを逆手に取ってビジネスを作った方がいい。」という特徴を生かしたサービス展開ができれば可能性が開けそうに思うが、まずはお手並み拝見といったところだろうか。

一利用者としては、今後の展開が楽しみであるとともに、下手な横槍が入ってぶち壊しになったり、目先の競争にのめり込むあまりネットワーク等の先行投資がおざなりになったり、「MVNO潰し」のような本末転倒な事態にならなければ良いがと心配している。

エコノミー

NTTcomをドコモの子会社にし、MVNO事業はレゾナントが担うことが計画されているようだ

NTT持株2020年12月25日に開催された総務省の会議の中で、NTTドコモの完全子会社化後のグループ再編計画を公表した(⇒「NTTドコモ完全子会社化後の連携強化に関する検討の方向性」)。

この中で、NTTコミュニケーションズ(以下NTTcom)をドコモの子会社にすることや、NTTcomがVNEとなり、NTTレゾナント(NTTcomとドコモの子会社)がMVNO事業を行うこと(右図)などが示されている。

2020年12月 3日のドコモの発表会で井伊新社長は、「エコノミー」について詳細はこれから検討するものの、MVNOと連携して提供したいと述べていた。

現在、NTTcomは「OCNモバイルONE」というMVNO事業を個人向けに展開している。 今後は、NTTcomは法人事業、レゾナントが個人向け事業を担う形に整理するとされたので、すると「OCNモバイルONE」はレゾナントに移管して、ドコモの「エコノミー」の一端を担う形になるのだろうか。


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