AQUOS R compact
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「ロックフォトシャッフル」 | ||
メーカー | SHARP | |
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発売日 | 2017年12月 | |
OS | Android 8→9→10 | |
通信方式 | LTE (4G) | |
デュアルSIM | × | |
SIMタイプ | nano | |
▶SHV41(au版、SIMロック) NTTドコモ【● VoLTE】 au【◎ VoLTE】 SoftBank【● VoLTE】 | ||
▶701SH(SB版、SIMロック) NTTドコモ【▲ 非推奨】 au【▲ 非推奨】 SoftBank【◎ VoLTE】 | ||
▶SH-M06(SIMフリー版) NTTドコモ【○ VoLTE】 au【○ VoLTE】 SoftBank【○ VoLTE】 楽天【○ VoLTE】 | ||
◎=幅広く対応 ○=主要バンドに対応 △=一部のみ対応(非推奨) ●▲=要SIMロック解除 | ||
サイズ | <中> 縦132×横66×厚さ9.6 mm / 重さ 140 g | |
性能 / SoC | ○ / Snapdragon 660 | |
メモリ(RAM) | 3GB | |
内蔵ストレージ | 32GB | |
ストレージ増設 | ○ microSD 最大400GB | |
電池容量 | 2500mAh | |
急速充電 | ○ QC 3.0, USB PD | |
端子 | USB Type-C | |
USB OTG | ○ | |
Wi-Fi | IEEE802.11a/b/g/n (2.4GHz/5GHz) | |
Bluetooth | 5.0 | |
NFC | ○ | |
FeliCa | ○ モバイルSuica対応 | |
GNSS(GPS等) | ◎ G+A / O / L / B / Q | |
生体認証 | ○ 指紋(前面下端) | |
防水 | ○ IPX5/8 IP6X | |
MHL・DP出力 | × | |
ディスプレイ | 4.9インチ IGZO 2,032×1,080px | |
アウトカメラ | 16.4MP 25mm相当 | |
インカメラ | 8MP 23mm相当 | |
イヤホン端子 | ○ φ3.5 4極 | |
ストラップ | × | |
本体色 | □ホワイト ■ブラック など | |
参考市価 | 約6万円→販売終了 | |
後継機種 | AQUOS R2 compact | |
▶SHV41 ▶701SH ▶SH-M06 |
AQUOS R compact(アクオス アール コンパクト)は、シャープ社製のLTE(4G)対応Androidスマートフォン。
2017年12月発売で、当初は Android 8.0 を搭載。2019年6月~7月より順次 Android 9 へのOTAアップデート提供開始。2020年7月8日より順次 Android 10 へのOTAアップデート提供開始。
メーカーでは発売から2年間、最大2回のOSアップデート実施を宣言しており、2020年7月8日に au版 SHV41 が Android 10 へのアップデートを果たしたことで、公約が果たされた(SB版とSIMフリー版も Android 10 へのアップデート提供準備中になっている)。
以下本稿は、AQUOS sense SHV40 が大きさ以外は良かったので、ひとまわり小さい AQUOS R compact に買い換えた人の感想。 (SB版701SHを中古で買って、SIMロックのままワイモバイルSIMで使っていた。後に紆余曲折を経てSIMロックを解除した au版 SHV41 に MVNO SIM を入れて使っている。)
発売から2年半経って Android 10 へのアップデートが始まったが、本機は安く買えて長く使え、使いやすい大きさも手伝って、お買い得な機種だったと思う。
機種
SIMフリー版以外は各社のSIMロック(各社が定める条件下での解除に対応)。
全機種おサイフケータイ対応、防水防塵対応。
キャリア版(au・SB)では、本体、説明書およびテレビアンテナケーブルのみ付属(充電器は別売)。 SIMフリー版のみ、さらにACアダプタ(充電器)とUSBケーブルが付属しているが、付属のACアダプタは急速充電に対応しないため、市販の充電器を別途購入する方が良いかも。
SIMフリーのほかにauとソフトバンクから出ているが、au版 SHV41 と SoftBank版 701SH(いずれもSIMロック)は発売から1年程度で半値以下に値下がりし、中古市場で叩き売られている。ただしSIMロック解除済みの品は一段高い価格が付いているので、実にわかりやすい:)。
au版
2017年12月発売。SIMロック。ただし2017年8月以降の発売機種なので、au網のMVNO(UQを含む)では、SIMロック解除不要で使える(テザリングも可、APN設定は必要)。 また、総務省の要請を受けて、2019年9月1日の刻限ぎりぎりでこっそりと中古端末のSIMロック解除にも対応した。
FD-LTE Band 1, 3, 8, 18, 19, 26, TD-LTE Band 41, 42 に対応。[1][2]
auは混雑地域で TD-LTE Band 42 を展開しているので、これが使えるのは地味に便利。もちろん、auのいわゆるプラチナバンド(FD-LTE Band 18, 26)にも対応している。 (ただし、2018年頃からエリア展開が始まった新バンド Band 28 には対応していない。)
また、ドコモ専用の Band 19(いわゆるプラスエリアに対応)や、ソフトバンクのプラチナバンド (Band 8) にも対応しており、auにしては珍しく、SIMロック解除すれば自由度が高い。 今頃になってようやく「あたらしい自由。」が実現しつつあるようにも見えたが、その後のSIMロック解除の対応などを見ると、残念ながら不自由な社風は変わっていないようだ。
通話は VoLTE に対応。SIMロック解除後に、ドコモとワイモバイルでもVoLTE通話できた(Android 9 アップデート済み端末で確認)。
本機はCDMA2000に対応していないので、au網で通話するにはCSFB不可、VoLTE対応SIMが必要。
#プリインアプリは「エモパー」などのシャープ独自サービスと、「auスマートパス」などのキャリア独自サービスに加え、facebookなどのゴミが入っているが、後述のSB版に比べると少なめ。
外装はメタルブラック、ムーンホワイト、ローズピンクの3色展開。
ソフトバンク(SB)版
2017年12月発売。SIMロックだが、2017年8月以降の発売機種なので、ワイモバイルやソフトバンク網のMVNOでは、SIMロック解除不要で使える(APN設定は必要)。
FD-LTE Band 1, 3, 8, 11, TD-LTE Band 41, 42 に対応。 [3] [4]
2019年8月21日より中古端末のSIMロック解除が解禁され、店頭に持ち込んで手数料(1台あたり3000円税別)を支払えば、中古端末でもSIMロックを解除できるようになった。
ただしSIMロック解除状態にかかわらず、ワイモバイルのSIMではテザリングを利用できるが、MVNOのSIMではテザリングを利用できない(2018年5月以降に発売の機種は対応しているらしい)。
また、本機は基本的にソフトバンク網で使われているバンドにしか対応していない。国際バンドが多いので海外(アジア・欧州)での利用(SIMロック解除が必要)には良いが、国内他社網で使うにはあまり向かない。701SHはSIMロック解除してもauやドコモでの利用には適さないので注意したい。価格は大差ないので、他社網で使うつもりならばSHV41にしておこう。
ソフトバンク網(ワイモバイルを含む)で使う前提ならば、Band 28 を除くフルバンド対応(2018年時点)。プラチナバンド (Band 8) はもちろん、比較的対応機種が少なくてサービス開始後しばらくは空いていると期待される Band 11 にも対応しているのは魅力(ただし筆者の手元では 2019年8月までに Band 11 を掴んだ実績はない)。
通話は VoLTE と CSFB (W-CDMA) の両方に対応。
#プリインアプリはau版より多め。さらに初回起動後にNetflixやYahooなどのゴミアプリが大量に自動ダウンロードされる(後からインストールされた物は個別に削除できる)ので、Wi-Fiによる初期設定を推奨。
外装はムーンホワイト、トルマリンブラック、ダイヤモンドイエロー、アメジストパープルの4色展開。
ブラックはauやSIMフリー版と趣が違い、主観ではいちばん高級感があるように思う。しかしケースやリングなどを付ける場合は合う製品が無いので、浮いてしまうかも。
SIMフリー版
2018年1月発売。SIMフリー。家電量販店などで単体販売されているほか、MVNOなどが扱っている。
FD-LTE Band 1, 3, 8, 17, 19, 26, TD-LTE Band 41, 42 に対応。 [5]
あえて言えばハワイなどで使われている Band 17 に対応しているのが特徴だが、国内で使う分には無関係。なぜか au の Band 18(いわゆるプラチナバンド)には対応していなが、近頃は同時に Band 26 も吹いているようなので、au網で使っても実用上は問題なさそう。
よって、わずかな差ではあるが、国内の対応バンドはSIMフリー版よりも au版 SHV41(のSIMロック解除済み)の方が幅広い。
SIMフリー版は楽天モバイルも扱っており、楽天回線の対応機種になっている。
外装はホワイトとシルバーブラックの2色展開。
特徴
小型だが「AQUOS R」ブランドを冠する準フラグシップ機。とはいえ、性能はミッドレンジ相当で、使い勝手は普通。でもさすがに AQUOS sense よりは快適。
コンパクトで、おサイフケータイも付いているので、普段使いの人におすすめ。電話機として使う(通話する)にも、近頃流行りの大画面の機種よりは使いやすい。 一方、ゲームや電子書籍を多用する人はコンパクトを選ばないだろうから、今のご時世にあえてコンパクトを選ぶ人には、必要十分な良い機種ではと。
全機種モバイルSuica対応。今流行のナントカPay(コード決済)アプリももちろん使える。通話・SMS、メール、決済すべてこれ1台でできるし、鉄道運行情報や乗換案内、バス時刻表や地図の閲覧、簡単なメモ、シェアサイクルやオンラインバンキングなど、日常利用に必要なアプリはこれ1台で対応できる。タブレットがメインの人の2台持ち用にも良いと思う。
Appleがこのサイズをラインから消した理由がいまだに理解不能。ユーザ目線ではない、またはiPadを売る気が無いとしか思えない。
イヤホンマイク端子+ハイレゾ対応
本機はイヤホンマイク端子を搭載し、キャップレス防水に対応。
また、対応する有線イヤホンを使うと、ハイレゾ再生にも対応している。
Bluetooth の A2DP CODEC は aptX HD に対応している。
aptX / aptX HD 対応の Bluetoothヘッドホンとペアリングするとわざわざ画面に表示される(右図、Sudio TRE との接続例)が、AAC対応機(Jabra Elite 65t など)と接続してもAAC対応とは出ないので、AACに対応しているかは不明(表示しないだけで対応していそうな気もするけれど未確認)。
GNSSは「みちびき」対応
本機の位置情報(衛星測位)は、GPS・A-GPS、 GLONASS、Galileo、BeiDou、みちびき (QZSS) に対応している。
筆者は活動量計 (Mi Smart Band 4) と組み合わせて散策コースの地図作りやサイクリングルート記録に使っているが、Huawei nova 5T にはかなわないものの、本機の位置取得も概ね良好。
日本国内で使う場合は、GPS、BeiDou、QZSS を掴める。
性能と電池持ち
最初少しもっさり。無駄なプリインアプリを無効にしていくと徐々に普通になってゆく。 AQUOS sense の方が安くて良いけれど、ちょっと大きい…という人には本機 (AQUOS R compact) がおすすめ。実は画面の大きさはほぼ一緒で、性能は少し高くなっている。新品はさすがにまだ高めだが、中古でもよければ価格差はわずか。
AQUOS sense といえば廉価モデルの代名詞的存在になっているようなので、それと比較している時点で、高い金額を出す機種ではないかも。だから評判悪いのかな?
でも、持ちやすい大きさ、つまりコンパクトの付加価値を理解できる人には良いと思う。コンパクトを謳いながら重くした Xperia Compact よりも誠実だと思う。
電池持ちは、満充電にして出かけ、出先で地図を見たりシェアサイクルを使ったり、会議中にテザリングを3時間ほど使ったりした後で、残り40%くらい。さらに帰りの電車の中でも使おうと思ったら少々心もとないかも。普通に使うにしても毎日の充電が必要。SNSやゲームもする人はモバイルバッテリが必要かと。
しかし以前使っていた AQUOS sense SHV40(電池容量 2700mAh)と同じ構成にして、SHV41(同 2500mAh)の方が消費電力が多い。モニタとSoCの性能UPの影響かな?電池容量も小さいので、当然、電池は持たない。大きさは気にならず、性能低めでもよく、電池持ち重視の人には、AQUOS sense やその後継機 (AQUOS sense2) の方がおすすめかも。
だから R2 compact が出たのかな。さらに小さく・軽くなって性能UP。MNOで使っている人にはそちらがおすすめ(でもMNOはSBのみか…)。懐に余裕がある人はSIMフリー (SH-M09) を買って好みのキャリアで使うのが良さそう。ただし上下ダブルノッチは好き嫌いありそう(個人的には下端の縁は少しある方が誤タップが起きにくくて使い勝手が良いと思う)。
中古で安く出回っている端末を買ってきてMVNOで使いたい、サポート不要の人には、本機 (AQUOS R compact) はまさに格安で使える準フラグシップ機になりそう。
プリインアプリ
キャリアによるプリインは多い(後述)が、メーカーによるプリインアプリは少なめ。
メーカーによるプリイン
SHSHOW, エモパー, からだメイト(歩数計), COCORO BOOKS(旧GALAPAGOS Store), メール, Office Suite くらい。 Xperia の What's New のようなウザイ通知を出すものは無い。
ホームアプリもGoogleに近い操作感だし、ファイルマネージャ※もOS標準機能を使っており、独自実装ではない。
しかも、Android 10 アップデート後は Files by Google に置き換えられるようだ…
同社は Android One を作っている縁もあってか、Googleアプリが無い物は最小限入れるが、Googleアプリがあればそれを標準にする方針のようだ。
基本アプリが充実している ZenUI や Xperia に使い慣れていた人は若干戸惑うかもしれないが、カスタマイズできるのがAndroidの良さであり楽しさなので、良い方向性だとは思う。
音楽プレーヤーやカレンダーなどもGoogleの物しかない(Google play music, Google カレンダー, 時計や電卓などはGoogle製アプリを標準搭載)。
しかし Google play music はローカルの曲を聴くには非常に使いづらく、しかも YouTube Music へ移行中なので、サポートも期待できない。音楽を聴く場合は Google play から doubleTwist(右上図)や Musicolet(右下図)などの音楽プレーヤーをインストールして使う方が良い。
キャリア系ゴミアプリ
au版 SHV41 には、au系のゴミアプリ(半分くらい消せる、消せない物も多くは無効にできる)と facebook、instagram、twitter がプリイン。twitter は消せるが、facebook は消せない謎仕様。(無効にはできるので、必要な人以外は即刻無効にするのがおすすめ。電池食って個人情報垂れ流すだけなので。)
SB版 701SH には、ゴミアプリ多め。さらに後から追加ダウンロードされて辟易。でも大抵消せる(facebookが消せるのは嬉しい)。 Netflixなどが入った割りに、twitterは入らなかったのがちょっと意外。
メール
本機にはシャープ製のメールアプリがプリインされている。
また、キャリアモデルには各キャリアのメールアプリが入っているが、MVNO等を利用する時は使えないので、別途 Googleメッセージと K-9 mail(などの使い慣れたメールアプリ)をインストールするのが良い。
フォント
シャープ製スマートフォンは、AQUOS Crystal あたりから(もっと前からかもしれない)システム標準フォントを変更しやすいようにしている。本機でも引き継がれており、
設定 > ディスプレイ > 詳細 > 文字フォント設定 > 文字フォント切替
から「モリサワ 新ゴ」(本機標準)「LC明朝」「SHクリスタルタッチ」(POP体)「Noto Sans CJK JP」(Android標準)を選択できる。 また、Google play からダウンロードすると丸ゴシック体や手書き風なども選択できるようになる。
個人的には「モリサワ 新ゴ」が見やすく、違和感もないので良いと思う。
文字入力
シャープ独自の「S-Shoin2」を搭載。
使い勝手は可も不可もなく。変な癖がなく、辞書も(地名・駅名がサクサク出る、一方で候補にネットスラングが並ぶようなことはなく)良い感じだが、英大文字をフリックで入力できない等、一世代古い感もある。
個人的には、慣れもあってか、FSKAREN(富士ソフト)や POBox(ソニー)の方が良いと思うが、Xperiaは海外版へのPOBoxプリインを止め、SwiftKeyとかいう癖が強くて使いづらく辞書も酷い物に変わってしまったし、ZenfoneにプリインのATOKも「フラワータッチ入力」(これは無効にできたと思うが)などの癖がある。Google日本語入力は以下略
「S-Shoin2」はマイナーではあるが、SwiftKeyやSimejiなど(をプリインしている機種)に比べれば断然快適。
ロボクル
本機は充電台「ロボクル」(別売)に対応している。新品は家電量販店などで購入できるし、中古は2000円以下で投げ売りされている。
単なる充電台ではなく、「クルっと回って人を見つける充電台」。「エモパー」と連動して、電話着信時にこちら側に向いたりする。「エモパー」を使っているなら一緒に用意すると良いかも。
でも充電台としては、USB PD や QuickCharge に非対応という中途半端さが残念。単なる充電台として使う場合は、「ロボクル」は大きくて邪魔なのでお勧めしない。
良いところ
防水、おサイフケータイに対応
防水に対応しており、ヘッドホン端子と USB Type-C 端子はキャップレス防水。SIM・microSDトレイの着脱はピン不要。
中古は入手しやすい
SIMフリー版は家電量販店などで7万円近くで販売されていた。
2019年2月に後継機種(AQUOS R2 compact のSIMフリー版 SH-M09)が発売されて、1年経った2020年2月時点では後継機が6万円ほどで販売されているし、一部のMVNOでは3万円以下(回線契約必須)まで下がってきた(AQUOSは1年で半額以下になるのよね…)。後継機種にはより高性能のSoCが搭載されているので、今から新品を買うなら後継機 AQUOS R2 compact が良いだろう。
半面、本機種 (AQUOS R compact) は2019年初頭時点で新品こそあまり無いものの、中古市場では3万円台に(SIMロック機種は3万円未満に)まで値下がりした。発売から1年で半値以下になるのはAndroidらしいとも言えるし、AQUOSブランドがまだ定着していない証左とも言えそうだが、状態の良い中古品を探せば、お買い得といえる。
特にキャリアモデル(au版 SHV41 と、SB版 701SH)のSIMロック品が大きく値下がりしていてお買い得。auかSBのMVNOで使うならば、SIMロック機種を買うのも良い。
もっともキャリアによって色が微妙に違うし、中古は1品ごとに状態が違うので、できれば実際に中古店などに足を運んで物を見てから買うのが良いかも。
普通に使うなら快適
Qualcomm Snapdragon 660 というミッドハイのSoC(2017年モデル)を積んでおり、2018年時点で性能は必要十分。
GNSS(GPS)がまともに使えることと、独自急速充電規格 (Qualcomm Quick Charge 3.0) に対応した充電器が市場に多く出回っているので、使い勝手は良い。また、USB PD にも公式対応している。
【参考】本機で取得したサイクリングルートのトラッキング
大きさは約 132×66×9.6mm、重さは約 140g。iPhone SE(参考:123.8×58.6×7.6mm, 113g)より少し大きくて重い。でも本機は持ちやすいよう角が丸く仕上げられているので、大きさは違和感ないと思う。重さはもう少し軽くなると嬉しいが、Xperia系よりは軽いので、頑張っている方か。
ちなみに後継の AQUOS R2 compact では135gに軽量化されている。重さが気になる場合は後継機も検討したら良い。
画面は4.9インチのIGZO液晶搭載で、画素比率17:9、2032×1080px(FHD+)。狭額縁のため、画面は iPhone SE よりも大きく、AQUOS sense とほぼ同じ大きさが確保されており、額縁を詰めて筐体のみコンパクトに仕上げられている。
ノッチの(インカメラが食い込んでいる)分、変則的なサイズだが、上端は実質通知領域専用なので、実用上は 16:9 1920×1080px(FHD) と考えて良い。 スクリーンショットを撮ると 2032×1080px 分出力されるが、インカメラのノッチがある部分は背景以外何も表示されない。
メモリ3GB、内蔵ストレージは32GBで、電子書籍やゲームなどをよく使うヘビーユーザーには非推奨だが、ライトユーザー・ビジネスユーザーには必要充分。microSD/HC/XC(400GBまで)にも対応している。
標準的な急速充電規格に対応
USB Type-C 端子を搭載しており、急速充電規格は Qualcomm Quick Charge 3.0 (QC3.0) および USB PD に公式対応。
一方で、従来のUSB充電器を使うと充電できない(充電されるよりも放電する電力が多い)状態になることもしばしば。充電器との相性なのか、単純に大食らいなのかは不明。
良くないところ
電池持ちと充電
小型なので仕方ないが、既述の通り、電池の減りは早い感じ。移動時間が長い人で、移動中ずっと使いっぱなしだと、厳しいかもしれない。
もっとも、そういう人はすでにモバイルバッテリを持ち歩いているだろうが、既述の通り本機は充電に少々癖があり、充電器を選ぶので、モバイルバッテリも古い機種や安価な機種だとうまく充電できないかもしれない。筆者の手持ちでは Anker製と cheero製は問題なく使えていたものの、筆者も結局はPD・USB-A両対応の最新機種・cheero CHE-101 Power Plus 5 10000mAh with Power Delivery 18W モバイルバッテリーに買い替えてしまった。
実際、ここ数年で充電まわりの規格もだいぶ進化しているので、手持ちの充電器でうまく充電できない場合は、モバイルバッテリの買い替えも含めて検討する良い機会かもしれない。
また、ACアダプタも本機は USB PD や QuickCharge 以外の充電器を使うと、充電がすこぶる遅い。
古めの充電器(出力1.2A)では「低速充電」になり、使いながら充電すると電池残量が減っていく。充電器によってはOSが障害を起こすありさま。「インテリジェントチャージ」の影響かもしれないけれど、今時USB充電と相性がある機種って珍しい…
筆者は出先では Chromebook を使っており、本機のテザリングを多用することもあって、複数機器をこまめに充電できるよう、小型軽量化された最新機種の RAVPower RP-PC060 USB-C 充電器(USB PD 1ポート 18W、USB-A 5V 2ポート計15W、2300円くらい)を購入したが、充電対象がスマートフォン1台のみであれば、さらに小型の cheero CHE-324 USB-C PD Charger 18W 小型ACアダプタ(1800円くらい)や AUKEY PA-Y18(2400円くらい)などもある。
SIMフリー機(SH-M06)に付属の充電器 (SH-AC04) は出力 5V 1A しかないようだけれど大丈夫なのかな? PD対応充電器も2000円くらいで買えるので、付属の充電器よりもPD対応充電器を使う方が良いかもしれない。
背面が汚れやすい
店頭デモ機を見ると、多くが背面が惨憺たるありさまになっている。さらに中古店を覗いていると、ケースを付けていて、ケース跡までしっかり残っている端末も見受けられる。
実際、普通に扱うと簡単に傷が付いてしまい、しかも目立つ。樹脂の割りに筐体の仕上げが良いだけに、玉に瑕。傷が付きやすい材質で、しかも光沢感があるので目立ちやすい加工なのだろう。 また、指紋も付きやすい(拭けば落ちるが)。
もっとも屋外で普通に使っている分には、汚れていてもあまり気にならないものだが、傷が気になる人は、腫れ物に触るように使うようではストレスが溜まるだろうから、他の傷つきにくい機種を探す方が良いかも。
熱対策
本機は普段使っていて発熱が気になることはないが、猛暑の夏に屋外で使っていると、動作が不安定になったり、アプリが起動しなくなったりすることがあった。熱がこもりやすいのかもしれない。モバイルSuicaは動作するが、カメラなどの重いアプリは夏の屋外では使い物にならないかもしれない。
フラグシップにしては性能低め
あえて「準フラグシップ」と書いたが、SoCがミッドハイなことを除けば、筐体の仕上げや価格帯(苦笑)はフラグシップのもの。
今時のSoCはミッドハイでも充分高性能なので、ゲームやARをしなければ不自由はしないと思う。逆にゲームやARを楽しみたい人は、もっと画面の大きな端末を選ぶ方が良いと思う。
その意味ではバランスが取れているとも言えるが、価格帯だけはちょっとハイすぎたかも?
しかもiPhoneやXperiaと違って中古買取価格がすぐに値崩れしちゃうからね…
使用感
中身は AQUOS sense の使用感とほぼ同じだが、大きさがちょうど良く、動作が若干快適になった。本機の性能面に概ね満足しているし、おサイフケータイにも対応しているので、メインを張れそう:-)
ただし、マナーモードにしてもスクリーンショット音が消えないのが残念。とはいえ、音量はさほど大きくはないのと、「パシャ」的な音ではないので、我慢できる範囲か。→Android 9 アップデートより、スクリーンショット音が出ないよう改善された。
なお、本機の約1年後に登場した AQUOS R2 compact でも、本機とほぼ同じ大きさと、全面下部の指紋センサーが引き継がれており、さらにスクリーンショット音が出ないよう改良されている。本機もまだまだ使えるとは思うが、既に後継機もだいぶ値下がりしているので、気になる場合は後継機に買い替えても良いかもしれない。
また、本機は2回のOSバージョンアップに対応しており、Android 10 にアップデートされて、ついにダークテーマへの対応を果たし、筆者は使い勝手が大きく向上した(目が疲れにくくなった)と思う。
外装は樹脂だが外観は高級感あり
バックパネルは樹脂製だが、今時の流行りというか、高級感のある塗装になっている。金属筐体は好き嫌いがあるので、樹脂製で高級感のある機種を探している人には良さそう。 SB版701SHでは、画面側の縁に反射する材料を配置するなど、さらに高級感を持たせている。(au版SHV41は、普通の黒一色。目立たないという意味では良いので、好みの問題だと思う。)
通知LEDが下(指紋センサの右側)に付いているのは賛否ありそう。 (後継機では上に移ったので、使いづらいという人が多かったのかも。)
本機のこだわりとして、指紋センサが表面に搭載されており、ホーム・戻る・タスクキーを兼ねている。指紋センサの感度は良好。慣れるとこれが使い勝手が良い。
設定画面の配置が Android標準と大きく異なっており戸惑うが、自局番号が設定メニューのいちばん上に出るのは良いと思う(自局番号の表示方法は、スマートフォンを使い慣れない人からよく聞かれるので…)
指紋認証
画面下の指紋センサに触れるだけでロック解除できる(電源ボタンの操作不要)。
HuaweiやZenfoneなどの海外メーカーと比べると、指紋認証のロック解除動作はすこぶる快適。 Xperiaの域には達していないが、iPhone並みくらい。
初期設定でロック画面の背景がいろいろと変わる(「ロックフォトシャッフル」、Huaweiなども搭載している)のも良いと思う。もちろん設定で固定(無効)にできるし、好きな画像を設定することもできる。
カメラ
メインカメラの画角は焦点距離約25mm(35mmフィルム換算)と示されている。[6] 実際、普段 DMC-CM10(画角28mm相当の単焦点)を使っている筆者は、画角は違和感なく使える(AQUOS sense は狭く感じた)。
参考までに、右写真と同じ場所を DMC-CM10 で撮るとこんな感じ。よく見ると違いが判るが、センサーの差が大きいのだろう。本機で撮った写真は縮小して見る分には問題ないし、小さなセンサーで頑張っているとは思う。
絞り値は仕様表に明記されていないが、夜景を撮ってExifにF2.2と出るので、これくらいか。
色表現は、近頃流行りのHuaweiなどの派手な色付けをするカメラに比べると、比較的おとなしめに映る。これくらいの方が自然だとは思うけれど、SNS映えを狙いたい人にはHuaweiなどの方が有利か?
本機のセンサーは、約1,640万画素の裏面照射型CMOS。ただし規定では16:9の12M画素に設定されており、カメラの設定変更で4:3の16M画素を選べる。(上下を切っているだけで、中央の解像度は同じと思われるが。)
晴れた屋外で最大画素数(4:3)で撮影すると、周辺部のレンズの収差は目立つが、画素の荒れはそこまで目立たないよう処理されている。今時のハイエンドでは普通だろうが、おそらく小さなセンサーとレンズで、頑張っているなとは思う。
ただし、シャッターラグは大きめ。カメラ専用機でないので仕方ない面もあるが、OSの負荷状況によりシャッターラグが異なるので、動く被写体には使いづらい。手ブレや被写体ブレを防ぐ工夫も特にされていない。
また、今時の機種と比べるとちょっと暗め・狭めのように思う。画素数は十分だが、レンズが暗いせいか手ブレもしやすく、手ブレ補正も無く、夜景撮影には向かない。
Huaweiの最近の機種はもとより、OPPO R17 Pro などと比べても、カメラの性能は一段落ちる感じ。また、真夏は熱を持ってカメラを起動できないこともよくある(HuaweiやOPPOの機種は熱対策も優れている)。本機はコンパクトで使いやすいのだが、カメラはメモやSNS用くらいに考えておくのが良さそう。
WBは狂う時もあるが、バラなどの難しい被写体も普通に表現できており(右上写真)、イルミネーションなどの人工光もAWBで撮って色が転びにくいので、フルオートで気軽に撮れる。
もちろん、バーコードなどの読み取り・コード決済には十分すぎるし、書類の読み取り(スキャン)にも十分。twitterなどのSNS向けにも十分だろう。メモカメラとしては申し分ないが、もう少し明るいレンズを搭載していれば、使い勝手が上がりそう。
例によってシャッター音は消せない日本仕様だが、シャッター音はさほど大きくなく、耳障りではない。
作例
(おまけ)Google lens
まだ日本向けには公式展開していないが、Google lens の APK を入れる(自己責任)と動作するので、作例を撮りに出かけたついでに試してみた。
ホームページでは花を撮って名前がわかるのを売りにしているが、そういう需要はあると思うので、少しだけ期待しつつ、ちょうどよく川崎市緑化センターで山野草展をしていたので、試してみた。
コアニチドリ(日本原産の岩生ラン)を南アフリカ原産の地生ランと認識(右図)したり、ツツジを「アザレア」(日本語では一般に西洋ツツジを指す)と認識したりと、西洋の情報過多でズレている感がある。まあ位置情報は使っていないようだし、ユーザ数は欧米圏の方が多いのだろうから、そんなものかもしれないが。
ちなみに花以外(葉や木の外観)では認識不可。まあ仕方ないか。葉や樹皮などは学習してほしいけれども。
また、駅名や店ロゴなどの文字は認識するが、建物の外観などは基本的に認識しない。一部、著名な建築物は認識するかもしれない。おそらくWeb上に溢れている写真の量によるのだろうけれど、実用上はまだまだといったところ。
Google lens 認識例
トラブルシューティング
通話できない
下記を確認・実施してみる。
- 通話対応のSIMカードを使っているか、通話対応の契約をしているか
- SIMカードが正しく入っているか
- auやそのMVNO、または楽天モバイル(楽天回線)を使う場合は、VoLTE通話を有効にする
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > 詳細設定 > 4G LTE拡張モードをON】 - 上記でうまくいかない場合は、アクセスポイント名(APN)のAPNタイプに「ims」を追加してみる
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > 詳細設定 > アクセスポイント名】
通話確認は、NTTドコモ網は 1111、au網(UQモバイルを含む)と楽天モバイルは 111、ソフトバンク網(ワイモバイルを含む)は 11111 に発信してみる(いずれも、MVNOでも利用可)。
データ通信できない
下記を確認・実施してみる。
- モバイルデータ通信を有効にする
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > モバイルデータをON】 - 楽天モバイル(楽天回線)の場合はローミングも有効にする
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > ローミングをON】 - アクセスポイント名(APN)の設定をしたか・正しいか
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > 詳細設定 > アクセスポイント名】 - 優先ネットワークタイプが「4G・3G・2G(自動)」(au網の場合は「4G」)になっているか
【設定 > ネットワークとインターネット > モバイルネットワーク > 詳細設定 > 優先ネットワークタイプ】 - SIMカードは 4G LTE 契約のものか(3G契約の FOMA SIM などは使えない)
- 一旦電源を切り、SIMカードを入れ直してみる
- MVNOのSIMには3Gに落ちるとうまく通信できないものがある(IIJmioなど)ので、地下や高層ビルなどは避けて、屋外や窓際の電波状態の良い所で試す
- 楽天モバイル (MVNO)や0simなどの低品質のSIMの場合は、混雑時間帯を避けて試してみる
APNは主要MVNOの設定がプリインストールされていて、自動で選択されるが、うまくいかない場合もあるので、手動で設定する(すでに自動選択されている場合は内容を確認する)つもりでいる方が良い。
テザリングできない
「NTTドコモ」「au」「ソフトバンク」と直接契約しているSIMでは、テザリングが規制されていることがあるので、契約内容を確認する。 (ワイモバイルやMVNOのSIMを使っている場合は、まず問題なく使える。)
アクセスポイント名(APN)の設定を編集し、APNタイプに「hipri,tether」または「hipri,dun」※を追加してみる。
テザリングのON/OFFおよびSSID・パスワードの設定・確認・変更は、【設定 > ネットワークとインターネット > テザリング】から。
画面の青味が強い
【設定 > ディスプレイ > 詳細 > 画質モード】
を「標準」か「ナチュラル」に変更すると青味が弱くなる。 ここの設定値を変えて試してみると良い。
あまり使っていないのに画面の点灯時間が長い
初期状態でONになっている「持つと画面点灯」機能が頻繁に動作している可能性があるので、【設定 > AQUOS便利機能 > 自動画面点灯 > 持つと画面点灯をOFF】にして様子を見てみる。
Googleアシスタントが邪魔なときは
本機に限らず、Androidではホームボタン(本機では指紋センサー)を長押しすると「Googleアシスタント」が起動してくるが、誤操作の原因になるなど、使わない人にとっては正直邪魔でしかない。これを無効にするには
- Google play から「G.N. のかわり」をインストールして起動
- 「デフォルトを設定」をタップして「開く」
- 設定の「アシストと音声入力」が開くので、「アシストアプリ」を「なし」にする
「おサイフケータイ」の初期化(メモリクリア)方法
→おサイフケータイを参照
Android 9
2019年6月下旬より、Android 9 "Pie" へのアップデートが始まった。 (SB版 701SH は 6月20日公開。au版 SHV41 は 6月26日公開。SIMフリー版は 7月10日公開。)
OS標準の変更内容
- 通知領域の時計が左端に移動した
- 音量操作バーが右端に移動した
- ダークモードの選択が追加された(設定→ディスプレイ→詳細設定→端末のテーマ→ダーク)。ただしOSのUIはダークモードに対応していない(Android 10 で対応すると思われる)。
- UIの余計な動きを抑制する設定項目が追加された(設定→ユーザー補助→アニメーションの削除)。これをONにすると一層軽快に動作するようになる。
AQUOS R シリーズ特有の変更内容
- ホームアプリのアプリ一覧画面に検索窓が追加された。正直、必要性は薄いが、まあ人によっては便利なのかも?
- 「ファイル」アプリが「コンテンツマネージャー」に名称変更し、画像表示画面が追加された。また、起動時に左ペインが開くようになった(右図)。操作したいストレージを選びやすくなったのは良いと思う。
- 日本語入力IME「S-Shoin」で「ツールバー」が表示されるようになったが、邪魔なのですぐに無効にした。
- 日本語入力IME「S-Shoin」のQWERTYキーボードで数字列が追加されたが、やはり邪魔なのですぐに無効にした(数字はフリックで入力できる)。相変わらず英大文字をフリックで入力できないのは不便。
- ナビゲーションバーを隠す設定をしていても、日本語入力IME「S-Shoin」起動時(文字入力時)には常にナビゲーションバーが表示されて邪魔(バグ?)
- カメラで暗所撮影時のノイズが低減されたらしい(未確認)
- 指紋センサーのジェスチャー操作の向きを逆にできるようになった。利き手の関係で従来の操作に違和感があった人には良さそう。
- マナーモード時にスクリーンショット撮影音が出ないよう改善された
Android 10
au版 SHV41 には、2020年 7月 8日より Android 10 へのアップデート提供が始まった。SB版とSIMフリー版も提供準備中なので、順次提供されるものと思われる。
Android 9 からの主な変更点は…
- ダークテーマに対応(OS共通)
- 「コンテンツマネージャー」が削除され、Files by Google が追加された
- 「シャープデータバックアップ」がプリインストールされた(アンインストール可)
- 「スクロールオート」に一時停止ボタンが追加
- S-Shoin IME で文脈変換の改善
その他、クイックパネルや電話アプリなどのUIに変更が入っている。→詳細
参考
- AQUOS R compact SHV41, Android 9, Android 10
- AQUOS R compact 701SH, SoftBank Android 9 Pie対応 OSアップデート
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